思想学部

ケーキ

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三年生

過去物語⑩

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「すすむ。」

お母さんはそう言い、僕の顔を見て微笑む。

そこにお父さんもやってきた。

「あんなに小さかったのに、あっという間だな。」

「ですね。」

「これからも少しずつ、育ってくんだろうな。」

「楽しみですね」

「あぁ。」

そして、お父さんはぽんと肩を優しく叩いて言った。

「こうよみたいな大人になれよ。」

その時は明るさがあって‥

家族の雰囲気は明るかった。

うっすらと残る記憶。

その中に、確かに、それがあった。

近くに出かけるときも、笑顔で、楽しそうに過ごしてる。

ときには、自分の最近考えてることなど教えてくれた。

もうほとんど覚えていないけれど‥

確かにその瞬間の記憶は残ってた。

僕の中に、その時が幸せだったと‥残っていたんだ。

それが事実だったか、嘘だったか‥。

それは分からない。

だけど、心のなかに、強く残っていたから‥

きっと真実なのかもしれない。

小学校の低学年のとき、みんなが楽しく遊んでる。

その姿をただ遠くから見てた。

心のなかで、いいなと思った。

僕はその日から、頭の中で、そういう景色を考えるようになる。

だけど、家に帰ると‥。

世界に絶望した声が。

そっとお母さんはそばで、「大丈夫‥。」と声を。

僕は悲しかった。

だけど、それも時が経つに連れ、考えなくなる。

お父さんは毎日のように、そんな気持ちであったから‥

でも、他にもある。

未来に明るい何かを感じていた。

目を閉じるといつも横や、うしろは暗い道で‥。

だけど、前のその先には、太陽のように明るく眩しい道が待っていた。

歩いていきたい。

どうしたら、そこへいけるんだろう‥。

寝る前はよく、それを考えてた。

だけど、時間が経つに連れて、分かって来た気がする。

そこにたどり着くためには‥。

きっと僕が‥


「すすむくん、何を書いてるの?」

同級生の子が、話しかけてきた。

ノートに沢山文字が書かれてる。

「もしかして、勉強?」

「勉強、そうかもしれない!理想の世界を考えてメモってるんだ!」

「え‥?」

驚いていた。

それ以上話しかけて来なかったので、僕は続きを書いていく。

今、自分は明るい世界に居る。

前にずっと、いけなかった世界に。

それから、高校生になった。

昔したかったことが、ほとんど叶う。

そこには嬉しさはなかった。

自分の本当にしたかったのは、もしかしたらそれじゃなかったのかもしれない。

そして、家でも変化があった。

もしかしたら‥

その時、僕の頭の中に、過去の二人のことが浮かんでくる。

僕がしたかったのは‥。

分かったよ。

僕は幸せになろう。

───────

そして、今、僕はみんなと毎日、話をして暮らしてる。

みんなは色々考えてて、それで、時々、最近あったこととか日常の話をする。

とても楽しそうに。

僕の周りも、いつの日からか、変わっていった。

なんでだろう。

退屈なんてないこの日常が‥

僕は好きだった。

今日も、昔から続けてる、ノートに思いついた楽しいことをつける。

心にあったのは幸せな気持ちだった。

もしかしたら‥

僕がずっとこの気持ちだったからかもしれない。

今日も、そして、これからも僕の前には幸せな未来が広がってる。

───────
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