異世界に転生したらめちゃくちゃ嫌われてたけどMなので毎日楽しい

やこにく

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目覚めて

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「_おい、こんな時間にどこに行くんだ?」

「少し外の空気を吸いに。ちょっと頭痛がして。」

「この子を産んでからすぐだもんな。無理するなよ?」

「ありがとう。すぐ戻るわ。」





ああ、駄目だ!行っちゃダメ!まって、まって、お願い、行かないで!!


































目が覚めると、僕は白いベッドに寝転がっていた。
ここは医務室だろうか。
ベッドがたくさんあって、少し薬品の匂いがした。

・・・何か夢を見ていたような気がするけれど、思い出せない。

痛む首と腹を庇いながら、ゆっくり起き上がった。

僕のベッドの脇では、アーベルさんが突っ伏して眠っていたようだが、僕が動くとすぐに目覚めた。

「目が覚めたんだね!良かった。」

キラキラの笑顔が眩しいです・・・

アーベルさんはホッとしたような顔で僕の手を握った。

「生きててくれて良かった!そうだ、ユウは騎士団で保護してもらえるみたいだよ。」
「え、えっと...状況が分かりかねるんですが...あの、まず、忌人ってなんでしょうか。」
「そっか、じゃあそこから話すね。」

少し驚いたようだけど、アーベルさんは一つ一つ丁寧に説明してくれた。

まず、忌人について。

忌人っていうのは今から数百年前に現れた種族のこと。

全員、黒目黒髪で、比較的小柄なのが特徴らしい。

正確な種族の名前はリルネス族らしいが、度々人間を虐殺しに来たことから皆に恐れられ、やがて種族が廃れていくと、『忌人』と呼ばれるようになったらしい。

昔、リルネス族が繁栄し人間がどんどん殺される中、立ち上がったのが騎士団だった。

騎士団はリルネス族と戦って、勝利を収めたんだって。

で、リルネス族はほぼ滅亡したはずなんだけれど、たまにどこからか黒目か黒髪のリルネス族が現れるそうだ。

現れたリルネス族は人間を虐殺できるほどの力はないし、リルネス族という確証もないのだけれど、リルネス族の特徴を持っているので人々は忌人として忌嫌っている。

いつ何があって市民や領民が殺されるか分からないから、忌人は現れた瞬間に処刑するのが鉄則。

その処刑の役割を果たすのも騎士団なんだとか。





理不尽な話だな。

少しモヤッとしたが、ふと思った。

なんで、僕は殺される寸前で止められたのだろう。

アーベルさんは何故僕を庇ってくれたんだろう。

・・・というか、そもそもここは何処?

ソワソワしだした僕に、アーベルさんは優しい笑顔で言った。

「聞きたいことは遠慮なく聞いてね。」

とびきりの笑顔・・・かっこいいなあ。

ああ・・・もしアーベルさんとしたら...

笑顔だけど、容赦なく攻め立てられて、何度もギリギリで寸止めされて...
その後卑猥な言葉でおねだりするよう言われて、恥ずかしくて言えなかったら急に怖い顔で脅されたりして...

それからそれから...






っと、...危ない。こんな事考えてる場合じゃない。聞きたいことがたくさんあるんだ。今の内に聞いておこう。

「あの、どうして僕は処刑されなかったんですか。」

「少し話が長くなるんだけれど...。えっとね、忌人の処刑を担当するのは副騎士団長率いる第二騎士団なんだ。だから、副騎士団長のランスロットが来たんだよ。
 騎士団長に最近僕の兄さんが就任したから、彼奴...ランスロットが来たのに気づいたとき、止めてもらうように頼んだんだ。
騎士団長の仕事に忌人の処刑は含まれてないけれど、一応騎士団の中で最高の権限があるからね。ギリギリで止められたんだ。」
 
「そ、そうなんですか。...えっと、あの...。」

「どうしたの?」

「なんで、そこまでしてアーベルさんは忌人の僕を庇ってくれるんですか。」

「....」

これは一番気になっていたことだ。

どうしてアーベルさんは忌人として嫌われている僕をこんなにも庇ってくれるのだろう。言い方は悪いが、僕ひとり犠牲になれば簡単に終わる話なのだ。

アーベルさんは目を伏せて、また言うよ、と呟いた。

...なんだか居た堪れない空気になった所でちょうど、部屋に誰か入ってきた。

お医者さんだろうか。
ピクリとも笑わず、僕が起きていることを確認すると淡々とカルテを書いて、アーベルさんに何か耳打ちすると出ていった。

「兄さんが部屋を用意してくれたみたいだから、行こうか。」

アーベルさんがまた優しく微笑んでくれたので僕も微笑み返すと、アーベルさんは一瞬驚いた後、嬉しそうに笑ってくれた。

そういえば僕、考えてることがバレないようにずっと真顔を決め込んでたな。

そうして僕らは医務室を出た。


医務室をでると、沢山の男の人がいた。

皆、街の人と同じような目で僕らを見ている。

僕は興奮でニヤけそうになる口元をこらえながら下を向いて歩いた。

ああ...首輪を繋げられて犬みたいに四つん這いで歩いて、こんな目線を向けられてみたいな...。

そんなことを考えながらしばらく歩いていると、どうやら部屋についたようだ。

アーベルさんは部屋についたときに、
「騎士団長に呼ばれていたからちょっと行ってくるね」
と何処かに行ってしまった。

少し緊張しつつ、ドアに手をかける。

一体どんな部屋なんだろうと、期待も含めてドアを開けた。

ガチャ

「は?」

「え?」
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