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第2章 衛星イオ
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「第1目標、木星までの距離約3万km!」
リュウヤが手元にあるレーダーを確認しながら艦内無線に向かって話しかける。
あと1時間以内にはイオに着くだろう。昨日はぐっすり眠ることができたので
今は頭がさえている。急にイオの半径を思い出したくなったのもそのせいだろう。
確か中学3年生の12月ごろに習った気がする。
「なあリュウキ、イオの半径どのくらいだったけ?」
「調べてみる」
数10秒パネルを打つ音がピピピ‥と聞こえた後、
「え~と‥。直径が約3640kmだから‥半径は1820km」
「ついでに木星は?」
「半径7万1400km」
「じゃあ、イオに着いたら木星の姿が少なくとも月よりかは大きく空に映ってるってこと
になんのかな?」
「たぶん‥そう考えるとなんかすごいな‥」
ほんの少しずつだが、木星の大きさが増していく。いくら艦長といってもさすがに
こんなに木星を近くで見たのは初めてだ。地球とはまた別の雰囲気のようなものがある。
今目の前に見えている、木星を代表する巨大な渦の目にまるでこの戦艦ごとにらまれているようだ。挑発しているかのような堂々たる目つき。それに対して心のどこかで
反抗心を覚える。
「レーダーでイオの姿を確認しました!」
トモキの声が指令室に響き渡るとともに、さっきまではなかった緊張が頭を横切る。
「いよいよだな‥リュウキ、お前は覚悟はできているか?」
「もちろん」
その言葉に迷いは1mmとも感じられなかった。俺もそろそろ心の中のコザコザした
無駄な緊張をなくさなくては‥。いや、むしろこの状態を保っていたほうがいいのかも
しれない。緊張もほどほどに持っておこう‥。
木星の近くに黒い点がぽつんと見える。「近い」という表現があってるかは分からない。
しかし、艦隊からみた木星とイオの距離の第1印象というのはそんな感じだ。
木星がでかすぎてそう見えるだけなのだが。
「イオ、大気圏突入まで残り10分!」
トモキが言う。
頭上には巨大な木星、そして今左下にはイオの夜と考えられる面が見えている。
中学の理科の時間で習った気がするが、2000年前にイオの火山活動はおさまり、
生物が急速に発達していったらしい。その時の先生が生物の急速な進化論、
火山活動などの地学について詳しく説明をしてくれた。進化論については
あまり分からなかったが、その宇宙と重ねた地学の話には眠気も覚め、熱心に
聞いていたのを覚えている。そして、歴史・科学書で読んだことがあるが、3000年前の
地球、つまり西暦2020年ころぐらいから人類の宇宙開発が始まったとか‥。
その頃の人類にとって宇宙とはどのようなものだったのか、
1度タイムスリップでもして調査でもしてきたい。
中学校時代を振り返っている間に、いつの間にかイオの「昼」の部分、つまり
光が差し込んでいるところが見えてきた。雲や海が見える。そして何ともイオを
特徴づける赤い大地が見えてきた。
「美しいな‥」
「同じく‥」
リュウヤにもこの美しさが分かるようだ。もちろん、地球には負けているが。
遠くから見たら巨大で凶暴な生物がすんでいることなど想像もつかない。
無事に帰れますように‥。そう心で願うのみであった。
「大気圏突入します!」
「了解!」
少しではあるが、船が振動する。この感覚は、地球の大気圏に突入する時とさほど
変わらない。 だんだんと大きい大陸が近づいてくる。そして詳しくは見えないが、
都市らしき建造物も見えている。そう言えば‥課長にこの星に住んでいる生物に
ついて聞き忘れていた。どんな体格、顔、性格など‥しかし1番の問題は言葉を
どうやって通じさせるのか。
「リュウキ、どうやってこの星の生物と話すんだ?」
「ああ、課長から全隊員用ある数の宇宙対応版の翻訳機をもらった。
知的生命体とならいくらでも話せるらしい。そして‥くれぐれも壊さない
ようにと」
「‥もらってたの?」
「うん、行く直前に」
なぜ俺に渡さなかったのかという疑問は残るが、とりあえず言葉は通じさせることが
できることを聞いて安心した。
「イオの宇宙船運通局より着陸の許可が出されました、着陸態勢に入ります」
「了解」
宇宙船25隻×10隊入る着陸場所があることを知り、とりあえず安心する。
そんな場所がなかったら少数の隊員に残ってもらってこれらの艦隊をイオの軌道上に
浮かべておかなければならなかった。それなりの場所を整備できるような
星であると言うことだ。 地表がくっきりと見えてくる。たくさんの
高いビル?のようなものが確認できる。そしてその都市のはずれに艦隊は向かっている。
今のところ全て順調にいっている。
「着陸用、逆噴射エンジン始動!」
ドオオオオオ
ゆっくりと高度が下がっていく。ゆっくりとメーターの針が0mに近づいていく。
そして‥ついに高度のメーターが0を指した。
ズン‥。一瞬重低音が響く。
不安50%、やる気50%、というところである。
たんぽぽ
‥画素数悪くてすみません‥
リュウヤが手元にあるレーダーを確認しながら艦内無線に向かって話しかける。
あと1時間以内にはイオに着くだろう。昨日はぐっすり眠ることができたので
今は頭がさえている。急にイオの半径を思い出したくなったのもそのせいだろう。
確か中学3年生の12月ごろに習った気がする。
「なあリュウキ、イオの半径どのくらいだったけ?」
「調べてみる」
数10秒パネルを打つ音がピピピ‥と聞こえた後、
「え~と‥。直径が約3640kmだから‥半径は1820km」
「ついでに木星は?」
「半径7万1400km」
「じゃあ、イオに着いたら木星の姿が少なくとも月よりかは大きく空に映ってるってこと
になんのかな?」
「たぶん‥そう考えるとなんかすごいな‥」
ほんの少しずつだが、木星の大きさが増していく。いくら艦長といってもさすがに
こんなに木星を近くで見たのは初めてだ。地球とはまた別の雰囲気のようなものがある。
今目の前に見えている、木星を代表する巨大な渦の目にまるでこの戦艦ごとにらまれているようだ。挑発しているかのような堂々たる目つき。それに対して心のどこかで
反抗心を覚える。
「レーダーでイオの姿を確認しました!」
トモキの声が指令室に響き渡るとともに、さっきまではなかった緊張が頭を横切る。
「いよいよだな‥リュウキ、お前は覚悟はできているか?」
「もちろん」
その言葉に迷いは1mmとも感じられなかった。俺もそろそろ心の中のコザコザした
無駄な緊張をなくさなくては‥。いや、むしろこの状態を保っていたほうがいいのかも
しれない。緊張もほどほどに持っておこう‥。
木星の近くに黒い点がぽつんと見える。「近い」という表現があってるかは分からない。
しかし、艦隊からみた木星とイオの距離の第1印象というのはそんな感じだ。
木星がでかすぎてそう見えるだけなのだが。
「イオ、大気圏突入まで残り10分!」
トモキが言う。
頭上には巨大な木星、そして今左下にはイオの夜と考えられる面が見えている。
中学の理科の時間で習った気がするが、2000年前にイオの火山活動はおさまり、
生物が急速に発達していったらしい。その時の先生が生物の急速な進化論、
火山活動などの地学について詳しく説明をしてくれた。進化論については
あまり分からなかったが、その宇宙と重ねた地学の話には眠気も覚め、熱心に
聞いていたのを覚えている。そして、歴史・科学書で読んだことがあるが、3000年前の
地球、つまり西暦2020年ころぐらいから人類の宇宙開発が始まったとか‥。
その頃の人類にとって宇宙とはどのようなものだったのか、
1度タイムスリップでもして調査でもしてきたい。
中学校時代を振り返っている間に、いつの間にかイオの「昼」の部分、つまり
光が差し込んでいるところが見えてきた。雲や海が見える。そして何ともイオを
特徴づける赤い大地が見えてきた。
「美しいな‥」
「同じく‥」
リュウヤにもこの美しさが分かるようだ。もちろん、地球には負けているが。
遠くから見たら巨大で凶暴な生物がすんでいることなど想像もつかない。
無事に帰れますように‥。そう心で願うのみであった。
「大気圏突入します!」
「了解!」
少しではあるが、船が振動する。この感覚は、地球の大気圏に突入する時とさほど
変わらない。 だんだんと大きい大陸が近づいてくる。そして詳しくは見えないが、
都市らしき建造物も見えている。そう言えば‥課長にこの星に住んでいる生物に
ついて聞き忘れていた。どんな体格、顔、性格など‥しかし1番の問題は言葉を
どうやって通じさせるのか。
「リュウキ、どうやってこの星の生物と話すんだ?」
「ああ、課長から全隊員用ある数の宇宙対応版の翻訳機をもらった。
知的生命体とならいくらでも話せるらしい。そして‥くれぐれも壊さない
ようにと」
「‥もらってたの?」
「うん、行く直前に」
なぜ俺に渡さなかったのかという疑問は残るが、とりあえず言葉は通じさせることが
できることを聞いて安心した。
「イオの宇宙船運通局より着陸の許可が出されました、着陸態勢に入ります」
「了解」
宇宙船25隻×10隊入る着陸場所があることを知り、とりあえず安心する。
そんな場所がなかったら少数の隊員に残ってもらってこれらの艦隊をイオの軌道上に
浮かべておかなければならなかった。それなりの場所を整備できるような
星であると言うことだ。 地表がくっきりと見えてくる。たくさんの
高いビル?のようなものが確認できる。そしてその都市のはずれに艦隊は向かっている。
今のところ全て順調にいっている。
「着陸用、逆噴射エンジン始動!」
ドオオオオオ
ゆっくりと高度が下がっていく。ゆっくりとメーターの針が0mに近づいていく。
そして‥ついに高度のメーターが0を指した。
ズン‥。一瞬重低音が響く。
不安50%、やる気50%、というところである。
たんぽぽ
‥画素数悪くてすみません‥
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