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第1章
いざイオへ~
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「集合!」
鬼川課長が叫ぶ。その太く低い声が、自分の艦のちょっとした休憩室に響き渡る。
そして部屋のあちこちから隊員がかけ足で集まってくる。
何について言われるかはもう分かっている。覚悟はできている。しかし
初めての地球以外への派遣、しっかりとチームでまとまってしていけるかなど
隊長としての不安が残る。
「あと1時間後にイオに出発だ。それまで入念に出発の準備をしておけ。
君らの不安は分かる。しかし、基地長からも言われ通り、地球連合の中心
としての任務をしっかりと果たしてきてくれ。君たちの活躍を期待している」
「はい!」
「食料は十分に用意してある。しっかりと毎日栄養補給して任務を遂行してくれ」
休憩室に来るときにちらりと見たが、駆逐艦の隣にはかなりの量の食料類が用意してあった。1日くらいで着くのは着くのだが、それだけ十分に用意をしてあるのは
万が一の時に備えてだろう。辛いパキスタンカレーとかあればいいのに‥。
「言い忘れていたが、イオにはもちろん地球に見られないようなたくさんの生物が生息している。
特に、人間と比べて巨大な生物がそこらへんにうようよしている。
私も以前言ったことがあるのだが、トキ―ラ―とかいう生物にやられてしまって
この通り‥」
袖を上げると、20cmくらいの何かに刻まれた跡が3本くっきり残っていた。
その怪物の巨大さや凶暴さ、爪?のようなものの鋭さを物語っている。
そして、鬼川課長が以前イオに行ったことがあるということも今初めて知った。
「深い傷を負ってしまった。さいわいウイルスとかには感染してなかったが‥。
とりあえず、その時には死ななくてよかったよ」
この部屋から血の気が引いて行くのが分かる。
「健闘を祈っている」
そう言うと鬼川課長は部屋から出て行った。ドアが閉まる。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
部屋に残された隊員たち‥を渦巻く不安。それが静寂という形になって浮き出ている。
さすがに俺もあの傷を見せられると、なぜのこの1~10隊になってしまったのか‥
そんなネガティブな思考が頭を駆け巡る。ここは艦長、隊長の立場から明るい言葉かけを
するべきなのか。しかし下手にしゃべれば自分にも不安があることが隊員たちに
伝わってしまう。しかし‥ここはやはり‥。
「俺も不安だ。しかし‥この2隊が派遣されてよかったと思わせるような
活躍をしてこようぜ!」
「はい!」
下手な言葉かけではあったが、それに隊員たちはしっかりと答えてくれた。
「出発まであと50分、準備開始!」
「はい!」
今度はさっきよりも威勢のいい返事とともに準備が始まる。
どうか死者だけは出さない。口には出さないが、心の中でかたく誓った。
鬼川課長が叫ぶ。その太く低い声が、自分の艦のちょっとした休憩室に響き渡る。
そして部屋のあちこちから隊員がかけ足で集まってくる。
何について言われるかはもう分かっている。覚悟はできている。しかし
初めての地球以外への派遣、しっかりとチームでまとまってしていけるかなど
隊長としての不安が残る。
「あと1時間後にイオに出発だ。それまで入念に出発の準備をしておけ。
君らの不安は分かる。しかし、基地長からも言われ通り、地球連合の中心
としての任務をしっかりと果たしてきてくれ。君たちの活躍を期待している」
「はい!」
「食料は十分に用意してある。しっかりと毎日栄養補給して任務を遂行してくれ」
休憩室に来るときにちらりと見たが、駆逐艦の隣にはかなりの量の食料類が用意してあった。1日くらいで着くのは着くのだが、それだけ十分に用意をしてあるのは
万が一の時に備えてだろう。辛いパキスタンカレーとかあればいいのに‥。
「言い忘れていたが、イオにはもちろん地球に見られないようなたくさんの生物が生息している。
特に、人間と比べて巨大な生物がそこらへんにうようよしている。
私も以前言ったことがあるのだが、トキ―ラ―とかいう生物にやられてしまって
この通り‥」
袖を上げると、20cmくらいの何かに刻まれた跡が3本くっきり残っていた。
その怪物の巨大さや凶暴さ、爪?のようなものの鋭さを物語っている。
そして、鬼川課長が以前イオに行ったことがあるということも今初めて知った。
「深い傷を負ってしまった。さいわいウイルスとかには感染してなかったが‥。
とりあえず、その時には死ななくてよかったよ」
この部屋から血の気が引いて行くのが分かる。
「健闘を祈っている」
そう言うと鬼川課長は部屋から出て行った。ドアが閉まる。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
部屋に残された隊員たち‥を渦巻く不安。それが静寂という形になって浮き出ている。
さすがに俺もあの傷を見せられると、なぜのこの1~10隊になってしまったのか‥
そんなネガティブな思考が頭を駆け巡る。ここは艦長、隊長の立場から明るい言葉かけを
するべきなのか。しかし下手にしゃべれば自分にも不安があることが隊員たちに
伝わってしまう。しかし‥ここはやはり‥。
「俺も不安だ。しかし‥この2隊が派遣されてよかったと思わせるような
活躍をしてこようぜ!」
「はい!」
下手な言葉かけではあったが、それに隊員たちはしっかりと答えてくれた。
「出発まであと50分、準備開始!」
「はい!」
今度はさっきよりも威勢のいい返事とともに準備が始まる。
どうか死者だけは出さない。口には出さないが、心の中でかたく誓った。
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