宇宙の果てから地球にやってきたら神として英雄になりました

たんぽぽ

文字の大きさ
1 / 12
1章

地球へ

しおりを挟む
「見ろ、あれが地球と言う星だ。実に青々しくて綺麗だろ?」

「うん。俺もあんなに青い星は見たことないよ」
この宇宙船に乗って7年が過ぎた。俺は6歳まで母星カンダル
で過ごし、そこからこの宇宙船に乗りっぱなしの生活を続けてきた。
少々退屈だが7年後には植物の生い茂る生命の星、地球で過ごすことができる
と考えるとあっという間に1年1年過ぎて行った。それにここから見える
無限大に広がる宇宙を見ているとその景色だけで満足し、決してここに
長い間いるのに不満はなかった。そしてついに今日という日が来たのだ。
地球に降り立つ日が。この日をどれだけ待っていただろう。

 地球‥それはカンダルよりもはるかに文明が遅れていて、魔法を
使う技術だって存在しない。だからきっと俺たちが行けば驚かれることだろう。
もちろん、そこで暮らす時にはしっかりと人間に化け、言葉も日本語、英語、
イタリア語、スペイン語を完璧に話せるようにしておく。聞くところ人間は
相当記憶能力が低いらしく、言語も多くても4~5言語までしか話せないらしい。
に比べてカンダル人は最低でも20カ国語は話せる記憶能力があり、
人間よりはるかに知能的にも優れている。

「ただいまより、12009回目のワープに入ります。1時間後に
 到着予定です」

「分かった。さあみんな、あと3時間だ。あと3時間で地球の地面
触れることができるんだ」

父の威厳のあり、どこか嬉しそうな声が宇宙船内に響く。

「コンドル・パーカー・レイッシュ。どんな気持か?7年ぶりの星は?」
父が聞いてくる。

「‥人間に会えるのが楽しみ。こんなに青く恵まれた星の中で
 育った人間は一体どんな心を持っているのか‥」

「‥きっといい心を持っているだろう。感情豊かで‥
 きっとどの星の生き物よりも興味津津だろう」

「じゃあ、魔法についても‥知ろうとするかな?」

「いや‥あせらなくてもいい。彼らはまだ魔法は実在しないものとして
 見ている。もし彼らが本当に魔法があると信じたら我々の本当の
 能力を使うといいだろう。知ろうとはするだろうが、それが真意でない限り
 余計に魔法を使うことはない」

「わかった‥。‥この名前長すぎるから、別のやつにしていい?地球の中では」

「‥「コパーレ」はどうだ?バランス良く取ったらなんかいい感じになったぞ」

「悪くはない‥でも良くもない」

「まあ、悪くないのではいいじゃないか」
父は俺の方をポンと押すと向こうの操縦席の方に行ってしまった。
こう話している間にいつの間にかワープは始まり、一つ一つの
星の光が直線となっていく。もちろんその直線の延長線上には地球が
あり、1秒1秒と過ぎていくにつれ地球が大きくなっていく。

―そしてワープは終わった。今度のワープは2分もたたないうちに
終わり、今は目の前に月と言われる衛星が見える。やっとこの時が来た。
恐らく今から地球の軌道に入り、着陸する。もうすぐこの
家族にとっての新しい生活がスタートする。考えただけで
わくわくする。

「ねえ、お兄ちゃん、あの地球ってなんであんなに青いの?」
気づくと横には4歳年下の妹、セラが立っていた。なぜこいつだけ
名前が異常に短いのか知らないが、今となってはそんなことを
気にする必要はない。

「‥あそこに太陽があるだろ?この地球の大気でその光が反射して
 水の所が青く見えるらしい」
そう、あの恒星は太陽、と言うらしい。あの恒星はカンダルからでも
見える。6歳の時、地球に引っ越すと聞いた時にはよくその周辺の恒星を
図鑑であさったものだ。

―そしてとうとう40分が経過した。待ちに待った地球への着陸の時。

「全反射パネル、及びレーダー反射パネル作動。着陸予定30秒後」
コンピューターが知らせる。え?待てよ、30秒後って早くね?
いくら待ちに待ったと言ってもそこまで早くしなくても大丈夫なのだが。

「大気圏突入」
今ガラスの外に見えるのは真っ赤な炎‥となるらしいのだが、
どうやらここからワープして着陸するらしい。

「ワープ開始」











―そこは緑と青にあふれた美しい星だった。7年ぶりに船を降りると、
しっかりと踏みごたえのある土。そして崖の下には岸辺に打ち寄せる
波。空には翼を大きく広げて飛ぶ鳥の姿。そしてカンダルよりも
はるかに綺麗な空気。まさしく生命の星、地球。
土に触れると少し手に土がつき、湿り気、さらには大地の得体のしれない
エネルギーまでさえも体の真で直接感じることができる。

「イヨッシャアアアアア!!!」
俺は出せるだけの声を振り絞って歓喜を上げた。
この地球の中心に向かって叫んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...