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1章
放課後
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‥退屈だ‥
中学の内容はもう完璧と言っていいほど学習済み。
数学の先生が平方根の問題について丁寧に解説している。
まわりのみんなは黒板に書かれたことを一生懸命ノートに写しているが、
俺にとってはただの子守歌にしか聞こえない。スーパーマン、
スーと右の耳から先生の声が入ってきては、左耳からパーとその内容が
抜けていく。
「はあ‥」
ため息がついつい出てしまう。暇すぎてすることないから
ちょっとこの消しゴムを物質変換魔法で‥温度計に変えてやろう。
いや、ちょっとしょぼいか。いっそのこと‥ゴキブリに‥。
人間はゴキブリが嫌いらしいからな。
「ふん!」
小声で叫び、消しゴムをゴキブリに。その消しゴムゴキブリを床に放つ。
ゴキブリは元気に前の方に進んでいく。まだ誰も気づいていない。
「キャア!!!」
1人の女子がその場で跳ね上がった。それにつられてその周りの
男子や女子も面白い反応を見せる。そして一気に教室全体で大きな
騒ぎになる。あるものは教室からそのゴキブリを外に出そうと
どこからか大きな袋を持ってくる。そしてあるものは
隣の教室が授業があってるのにもかかわらず廊下を走り回る。
「やり過ぎじゃないの??」
どこからともなくカラの声。おそらく俺の心に直接話しかけている
のだろう。っていうかそんな魔法カラって使えたっけ?
「え?そんなにか?」
‥確かに周りに落ち着いて座っているのは俺だけのようだ。
先生も先生でどうにかしてゴキブリを外に出そうとしている。
いや、人間がこんなにゴキブリが嫌いだってこと知らなかったし。
そして5分後、ゴキブリは隣の教室に冒険しに行った。
‥体育の時間‥
いや、なかなか面白うござる。なんて人間はこんなにスローモーションで
しか動けないのか。俺がウサギだとすると亀を通りこして
蟻を見ているようだ。今日はもうすぐ持久走があるということで
ランニングをしている。まあ、確かに時速600kmでも遅いと
感じる俺にとってはこの時速12kmそこらではもはや歩いてる、と思うのも
しかたないか。そう頭の隅で思いながら、今は先頭集団のトップで
しれっと走っている。
「はあ、はあ、はあ、コ、コパーレ君速くない?」
隣を走っているリュウジとかいう人が話しかけてくる。
「はあ、はあ、まあ前の学校でもこのくらいでいつも陸上部で走ってたし」
はい、ウソ。
「え?でも大会とか‥出場してなかったよね?コパーレなんて
今まで聞いたことないけど」
「ああ、ああ‥前の学校にもっと速い人がいて‥大会に
出させてもらえなかった‥」
そんなこんなで結局最後まで先頭集団を引っ張っていくとこに。
そして転校2日目にして体育の先生に目をつけられた。
さらに、ちらちらといろんなところからの目線が気になった。
「カラ、次のパトロールはいつなんだ?」
カラは「一般相対性理論」の古書をテーブルに置くと、こっちを見る。
「‥明日よ。別にこれと言って用意するものはないけど、パトロール
時にはまあ、偵察機の逆反射パネルのボタンを押すのを忘れない
ようにしておくくらいかな?」
「って偵察機で行くの?」
「ええ、そうよ」
カラは当たり前、という顔つきでこっちを見てくる。
「いや、俺飛べるんですけど」
カラはハッとした顔をする。
「じゃあ、あなたには逆反射パネル機能付き飛行服を着てもらわ
なくちゃね。博士に明日までにここに届けてもらうように
頼んでおくから」
博士?俺が顔に「博士って何?」と書いてある表情をしていると、
【どういう表情だよ】
「ああ、キノ博士? 結構アメリカで有名な研究者よ」
「へえ~」
その博士よりも俺の父の方が技術的には上だろうが、
カラからそれを着れ、と言われたら着るしかない。
図書館の放課後は昼間よりもずっと静かで、日もそこまで中に入ってこず、
本を読むのにいい環境だ。
2人を挟むテーブルの上に置いてある「特殊相対性理論」を見る。
昨日家に持ち帰ってちょっくら読んでみたところ、
内容的には‥俺が5歳のころには誰でも知っている内容だった。
地球人に例えたら足し算のようなもの。
「カラはその本の内容分かるか?」
「さあ、さっぱり」
カラって人間なのか?宇宙人なのか?俺が大隊長になってやってもいいのだが。
その日、俺は宇宙ゴミにぶつかりそうになりながら地球のはるか上空を
飛んで帰った。
中学の内容はもう完璧と言っていいほど学習済み。
数学の先生が平方根の問題について丁寧に解説している。
まわりのみんなは黒板に書かれたことを一生懸命ノートに写しているが、
俺にとってはただの子守歌にしか聞こえない。スーパーマン、
スーと右の耳から先生の声が入ってきては、左耳からパーとその内容が
抜けていく。
「はあ‥」
ため息がついつい出てしまう。暇すぎてすることないから
ちょっとこの消しゴムを物質変換魔法で‥温度計に変えてやろう。
いや、ちょっとしょぼいか。いっそのこと‥ゴキブリに‥。
人間はゴキブリが嫌いらしいからな。
「ふん!」
小声で叫び、消しゴムをゴキブリに。その消しゴムゴキブリを床に放つ。
ゴキブリは元気に前の方に進んでいく。まだ誰も気づいていない。
「キャア!!!」
1人の女子がその場で跳ね上がった。それにつられてその周りの
男子や女子も面白い反応を見せる。そして一気に教室全体で大きな
騒ぎになる。あるものは教室からそのゴキブリを外に出そうと
どこからか大きな袋を持ってくる。そしてあるものは
隣の教室が授業があってるのにもかかわらず廊下を走り回る。
「やり過ぎじゃないの??」
どこからともなくカラの声。おそらく俺の心に直接話しかけている
のだろう。っていうかそんな魔法カラって使えたっけ?
「え?そんなにか?」
‥確かに周りに落ち着いて座っているのは俺だけのようだ。
先生も先生でどうにかしてゴキブリを外に出そうとしている。
いや、人間がこんなにゴキブリが嫌いだってこと知らなかったし。
そして5分後、ゴキブリは隣の教室に冒険しに行った。
‥体育の時間‥
いや、なかなか面白うござる。なんて人間はこんなにスローモーションで
しか動けないのか。俺がウサギだとすると亀を通りこして
蟻を見ているようだ。今日はもうすぐ持久走があるということで
ランニングをしている。まあ、確かに時速600kmでも遅いと
感じる俺にとってはこの時速12kmそこらではもはや歩いてる、と思うのも
しかたないか。そう頭の隅で思いながら、今は先頭集団のトップで
しれっと走っている。
「はあ、はあ、はあ、コ、コパーレ君速くない?」
隣を走っているリュウジとかいう人が話しかけてくる。
「はあ、はあ、まあ前の学校でもこのくらいでいつも陸上部で走ってたし」
はい、ウソ。
「え?でも大会とか‥出場してなかったよね?コパーレなんて
今まで聞いたことないけど」
「ああ、ああ‥前の学校にもっと速い人がいて‥大会に
出させてもらえなかった‥」
そんなこんなで結局最後まで先頭集団を引っ張っていくとこに。
そして転校2日目にして体育の先生に目をつけられた。
さらに、ちらちらといろんなところからの目線が気になった。
「カラ、次のパトロールはいつなんだ?」
カラは「一般相対性理論」の古書をテーブルに置くと、こっちを見る。
「‥明日よ。別にこれと言って用意するものはないけど、パトロール
時にはまあ、偵察機の逆反射パネルのボタンを押すのを忘れない
ようにしておくくらいかな?」
「って偵察機で行くの?」
「ええ、そうよ」
カラは当たり前、という顔つきでこっちを見てくる。
「いや、俺飛べるんですけど」
カラはハッとした顔をする。
「じゃあ、あなたには逆反射パネル機能付き飛行服を着てもらわ
なくちゃね。博士に明日までにここに届けてもらうように
頼んでおくから」
博士?俺が顔に「博士って何?」と書いてある表情をしていると、
【どういう表情だよ】
「ああ、キノ博士? 結構アメリカで有名な研究者よ」
「へえ~」
その博士よりも俺の父の方が技術的には上だろうが、
カラからそれを着れ、と言われたら着るしかない。
図書館の放課後は昼間よりもずっと静かで、日もそこまで中に入ってこず、
本を読むのにいい環境だ。
2人を挟むテーブルの上に置いてある「特殊相対性理論」を見る。
昨日家に持ち帰ってちょっくら読んでみたところ、
内容的には‥俺が5歳のころには誰でも知っている内容だった。
地球人に例えたら足し算のようなもの。
「カラはその本の内容分かるか?」
「さあ、さっぱり」
カラって人間なのか?宇宙人なのか?俺が大隊長になってやってもいいのだが。
その日、俺は宇宙ゴミにぶつかりそうになりながら地球のはるか上空を
飛んで帰った。
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