魔法学院の最底辺

かる

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テロの始まり

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「慧、今日は風紀委員あるのか?」

「今日はないぞ。」

「じゃあ今日遊んでから帰ろうぜ!」

「あぁ、いいぞ。」

「よっしゃ!じゃあ最近できたゲームセンターに行こうぜ!」

「了解。」

俺たちは帰る準備をし、ゲームセンターへと向かった。

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尾行してるな……。1……いや2だな手前のやつが気づいていないところを見ると、二重尾行だな……。

「稜。」

「あぁ、わかってる…。」

「1……2……3!」

俺たちはタイミングを合わせて一気に走り始め、そして二手に分かれた。

「俺のほうか……。」

このままは知って振り切ることはできるが、目的が気になったので俺は住宅街のほうへ行き、振り返った。

「お前ら、目的はなんだ?」

「ら?どういうことっスか?」

「もう一人いるだろ、お前も早く出てこい。」

「あらぁ、バレちゃいました?」

「何やってんスか!先輩!」

「まぁいいじゃない。実はあなたには相談を持ってきたのよ。」

「相談?内容はなんだ。」

「あなたに魔法祭の日外出をやめてもらおうってね。」

「それはできない相談だな。」

風紀委員という仕事もあるし何より魔法祭を見てみたい。

「なら仕方ないわね、バースト。」

「なに!?詠唱魔法!しまtt」

爆音とともに強烈な光の後黒い煙が立ち上った。

「攻撃をするっていうことは覚悟はできてるんだろうな。」

「逃げるわよ。ハンちゃん。」

「どういうことっスか?」

「いいから早く!」

「はいっス!」

巨大な煙幕とともに二人を見失ってしまった。

「チッ!魔力をかなり練りこんである煙幕だな……。スモークか……ルーンの書くスピードもかなり速かったな。」

支援魔法のマジックウィンドを張っていたおかげでどうにか無傷だったが、その代わり服がにすすがついてしまった。
住宅街だから大丈夫であろうと思った俺が馬鹿だった。あいつらは人が居ようと居まいと関係なく魔法を飛ばしてくる奴らだ。これが委員長の言っていたテロの一つなのか?

「今度から体術と魔法の特訓2倍にするか……。詠唱魔法……か……。」

詠唱魔法は使える人がかなり限られている。それに明らかに今回のやつは戦いに慣れていた……殺気を隠して接近をし、ここぞというタイミングでとてつもない殺気を放ち相手をすくませたところを狩る。

「理にかなっているな。」

あいつらが桃と姉さんに手を出す前に仕留めておきたいが、どうやってあいつらの情報を調べるか……。

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「大丈夫だったか?」

稜がこっちにきた。あちらには被害はなかったようだ。

「あぁ、なんとかな。」

「随分派手にやられたな。ここら辺は人が多いんではないか?」

「あいつらは一般人まで巻き込んでも俺を殺すつもりだったらしい。」

「それはやばいな、お前何やったらそんなことになるんだよ。」

「いたって普通に過ごしてるつもりだ。」

「魔法のテロに巻き込まれる人間を普通とは言わない。この話を学校に報告するのか?」

「いや、まだ様子を見ておく。事が大きくなったら姉さんと桃にも迷惑がかかる。」

「そうか。でも何かあったら俺も力になるから相談してくれ。」

「あぁ、その時は頼む。」

「今日はその調子じゃ遊ぶのは無理そうだな。」

「悪いな。」

俺は家に帰っていった。

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「悪い、桃クリーニング頼めるか?」

「ど、どうしたんですか!?その恰好……。」

「少しな。」

「わかりました。ですがなるべくご無理のなさらないようにしてください。」

「あぁ、わかってるよ。いつもありがとう。」

「あ……あぅ……。」

桃をなでると顔が紅潮していたのでもっと撫でたくなったのは伏せておく。

「わるい、これからもう少し出かけてくる。」

「はい。夕飯を作ってお待ちしております。」

「あぁ、頼んだ。」

俺は闇夜の街へと繰り出した。
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