魔法学院の最底辺

かる

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実験と流水と

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俺たちの今日のブロックはこれで終わった。どうしても第1回戦は人数が多いため1日では終わらない。俺はそのためこれから魔力を練るなどいろいろとやることがある。

「桃、少しこれから付き合ってもらっていいか?」

「付きあっ!?はい!もちろんです!」

俺は桃を連れ校内の練習場へと連れて行った。

「悪いがもう一度叫びながら呪文を唱えてくれないか?」

「えっ!?お兄様それはどういう……。」

「桃が声に出した時明らかに魔力が上昇していた。呪文の詠唱と威力の相関を確認したい。後はそのデータを取らせてほしい。」

「うぅぅん……、わかりました。」

「ありがとう。では俺は機材の準備を始める。」

魔力とは目に見えるものではないがエネルギーによって作られているものだ。えねえるぎーとは様々なものに変換っされることによって俺たちのところで存在をしている。熱になっていたり電気となっていたり運動という存在になって見えたりとさまざまである。そのなかでも魔力というのは空気中に存在こそはしているが目にすることはできない。だから人間は魔力をある単位として置き換え基準点を置き『マジックグラフィー』と呼ばれる機材を用いて計測をする。

「まず普通にルーンで書きながら呪文を発動してみてくれ。」

「はい。」

桃はファイアーボールの呪文を書き、発動させた。

「魔力値はいたって普通だな。」

当然素人が見ればこの数値は高いと思うかもしれないが優等生な桃を基準にしてみると普通である。

「次は大きな声を出しつつ呪文を唱えてみてくれ。」

「はい………ファイアーボール!」

出た呪文はたいして変わってないように見える。

「ただの見間違いだったのか……?」

俺の頭をこのような考えが一瞬よぎったが、すぐに霧散した。

「なっ!?」

着弾した瞬間ファイアーボールは轟音とともに火柱をあげたのだった。

「1.5倍ほどになったのか?」

マジックグラフィーを見るとファイアーボールの中心に至っては魔力の濃度がおよそ2倍ほども差があることが分かった。

「いやでもこんな簡単なこと、だれも気付かなかったんだ………?」

いや……気づかなかったのではない、故意的にその情報が抹消されていたと考えるほうが普通ではないだろうか。

「このことを知ってしまったようだな。竜虎 慧」

いつの間にか練習場のドアの前に一人の男が立っていた。

「誰だお前は。」

俺は桃の前に立ち手でかばうようにしながら質問をした。

「これは失敬、とは言っても朝あいさつしたばかりなんだがね。」

「朝は風紀委員の荷物検査のほうで開会式には出席していない。」

「そうだったのか。では改めて……『私』の名前はゲオルク・ヴァッサーだ。STARSの一人だ。」

「どうして俺の名前を知っているんだ?」

「天秤の藤堂から聞いただけだよ。それにしても第1回戦の試合を見たけどすごいな。実に興味深い。君はドイツに来ないかね?」

「それは遠慮しておきます。俺は日本から出るつもりはないですから。」

「いや、君は来なければならない。そうしなければこの情報とともに闇に葬り去られてもらうよ。そこにいる妹さんとともにね。」

「STARSってのは随分と戦争を危惧してるみたいだな。それともお前がこれを個人で行っているだけか?」

「そんなことは君にはどうでもいいことではないのか?とは言ったが答えてあげよう。『僕』個人で行っているだけだよ。」

なんだ?この違和感は……。

「へぇ、じゃあこれは発表をさせてもらう。」

「ダメだ。そんなこと『俺』が阻止する。」

違和感の正体が分かった。

「随分と一人称が安定しないようだな。」

「あぁ、他のやつらが出たがりでな。お前と話したくてしょうがないらしい。」

多重人格か?それにしてもさっきのやつより体が大きい。明らかにこれはおかしい。

「別の人格に切り替わるとき、その人間の体形や顔までが変化するらしいな。俺はその中の一人だが。」

「随分と適当な人間だな、どれが本当のお前だかわかったもんじゃない。」

「全てが本物だ。『私』であり、『俺』であり、『僕』である。」

そういうと男は顔つきが変わり。とてつもない殺気を放ってきた。

「おや、この程度では倒れないのか?随分と修羅場をくぐってきているようだな。」

「お兄様……。」

桃が泣きそうに怖がりながら俺の裾を引っ張ってくる。いつぶりだろうなここまで怖がる桃を見たのは。

「大丈夫だ。お兄ちゃんがついてる。」

昔はよく言った言葉だ。しかし成長するにつれ桃はいつしかお兄ちゃんと呼ばなくなってしまったがな。

「お前、STARSだろうがなんだろうが知らないが、俺の妹に危害を加えようってなら、本気でつぶすぞ。」

「できるものならな!」
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