幸運冒険者とダメなヒロインたちのほのぼの冒険譚(仮)

かる

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幸運児、パーティで討伐に行く

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次の日……

「おはよう、今日がその日だっけか?」

「おはようございます!そうです、司教様曰く今日がその日ですね。」

「不幸な奴ねぇ、そんな奴いたら一瞬でわかると思うけど?」

「でもユウキさんだって言われるまで私たちはわからなかったですよ。ただただお強いお方だと思っていたので。」

「確かに言われてみればそうだな。じゃあ今適当に見てても見つかるはずないな。アンナ呼んでクエストいこうぜ。」

「わかりました。本日のクエストはどうされるんですか?」

「んー、とくには考えてなかったしな、結構強めのでも挑戦してみるか?」

「わかりました!では私はアンナを呼んできますね。」

「おう、頼んだ。」



しばらく待つとエマがアンナを連れて帰ってきた。

「おまたせ。」

「よし、ギルドに行くか!」

二人を連れてギルドへ向かう途中、犬が財布を咥えて走ってきた。

「ん?なんだ?これをくれるってのか?」

犬は2回ほど頷くと財布を置いて去っていった。

「これどうしようか。落とし物センターとかないかな?」

「とりあえず持っておけば良いんではないんですかね?」

「冤罪になりそうで怖いな……。」

しぶしぶ俺はその財布を預かることにした。

****************************************************

今日のクエストはこれなんかどうだ?




「フォレストウルフの討伐」




「フォレストウルフって言ったら素早い動きで敵を翻弄し、爪にある毒で敵を殺す獰猛なモンスターで有名ですね。」

「なんだ、そこまで知ってるのか。じゃあ解毒薬とか持っていけば完璧だな!」

「それがですね……。」

「なにぃ!?専用の解毒薬がない?」

「そう、フォレストウルフの毒はまだ解明されてないんだよ。手足に小さな毒袋があることで有名だね」

「随分と詳しんだな。」

「私の短剣についてる毒は全部他のモンスターの毒袋からだから、位置に詳しくなくちゃね。」

「なるほどな。」

「じゃあこれ誰も倒せなくないか?」

「上級の方でないと1度も攻撃を受けずに倒すというのは難しいですね。」

「なら……受けよう!」

「マジで言ってんの?」

「これのクエストがあるってことは、誰かが苦しんでるってことだ。それなのに上級を待つだなんて俺は嫌だ。」

「しょうがない、あんたがやるっていうんだから私たちもやるわ。」

「ですね!」




****************************************************




「ここも随分と変わっちゃったねぇー誰かさんのせいでね。」

「な……なんでお前がそのこと知ってるんだよ!」

「だってあなた気づいてないと思った?睡眠や麻痺の呪文ってのは基本的にかかりにくいようになってんのよ。ましてや盗賊ともなれば状態異常に以上に強い職よ。それが一撃でかかるなんて並大抵の魔法攻撃力じゃ無理だわ。」

「な……なによ、こっちをびっくりしたような顔で見て。」

「意外と頭がキレるんだな。」

「『意外と』って何よ!意外ととは!」

「お二人とも、おしゃべりはそのくらいにしておいてください。」

「「了解!」」

「あれが、フォレストウルフか……。」

「随分とでかい狼だね。」

「どうする?」

「そうだね……私が罠を張るから、その間二人で時間稼ぎとおびき出してくれない?」

「了解。じゃあ俺はエマのバックアップに回る。」

「わかりました、では私は敵の攻撃に当たらないよう立ち回りつつってことで。」

「くれぐれも無茶するなよ……俺も気を引き付けるから……。」

「わかりました。」

「よし!いくぞ!」

エマがとりあえず大剣の刃をフォレストウルフに向けながらにじり寄っていく。

「私の目的は時間を稼ぐこと……。」

そしてウルフはエマめがけて突進してきた。

かろうじてよけれるレベルだが、必ずしもそうとは限らない。だから俺は間に合わないと思ったら、エマとウルフの間に弓矢を打ち込み、牽制をする。

「もう少し…もう少し…。」

「まずい!」

地面が受かるんでたのもあってエマが転んだ。これでは弓矢を打ち込んだところで迷わず突っ込んでくるだろう。

「間に合えええええええええええええええええええ!」

間一髪俺がフォレストウルフの攻撃を受けた。

「出来たよ!」

「走れ!エマ!」

俺はエマの手を引き全力疾走をした。そしてフォレストウルフはアンナのトラップに引っかかった。

「意図が引っ張られると自動で魔道具が作動する仕組みだよ!」

フォレストウルフは悶えた後息絶えた。

「あぶねぇ……。「どうするんですか!その傷!解毒薬はないのに!」」

「大丈夫だって……俺毒効かないから」

毒において生死を分けるのは最終的に運である。だから俺は幼少期から幸運であることが分かっていたので、様々な毒を打ち込み自分で実験をした。だから毒に抵抗ができてしまったのだ

「はぁ?」

「何言ってるんですか!?」

「いやぁすまんすまん言い忘れてたんだよ。」

「「私たちの心配を返せえええええええええええええええええ!」」




****************************************************




「本当に大丈夫なんですね!?」

「あぁ、このようにぴんぴんしてる。」

「良かったぁ。」

「次あんな重要なこと言い忘れたらただじゃ置かないわよ!」

「アンナだけにアンナ重要ってかアハハハハハハハハ!!」

「殺す!」

「嘘だって!許してお願いアンナ様!」



「今日は報酬が随分と多いな!」

「なんたってフォレストウルフですからね。」

「今日は久しぶりに飲もうかなぁ~」

「駄目ですよ!アンナは酒癖が悪いんですから!」

「大丈夫だって!私たち結成してまだ一度も飲んでないじゃない!飲みニケーションよ!」

「はぁ、くれぐれも気を付けてくださいね!」

「わかってるって~。ほら!あんたも早くいくわよ!」

「お、おう。」

なんか重要なこと忘れてる気がするんだよなぁ~。
俺たちはその何かを忘れたまま酒場へと向かっていった
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