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第三章
戒心散花 10
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◇
一方、ランホアは路地の裏に逃げ込んで息を整えていた。
「はぁ、はぁ……。
何あの女。殺意も殺気も無しにおっさんの事殴りかかってた……」
先程のカタコトの喋りとは裏腹に流暢な英語でランホアはそう呟く。
「あんな如何にもやばそうな奴生まれて初めて会った。
敵に回さない方がいいな……。
それに、あのおっさんからはたんまりと報酬も頂いたし♡」
と、ランホアは黒の長財布を懐から取り出して頬擦りしながら上機嫌に歩き出した。
「さぁて、次はどの男を獲物にしようかなぁ。
右も左も分からない外国人のフリをしていれば割と釣れるし……ん?」
そんなランホアの目の前に、ピンクの花が一輪ふわりと風に乗って飛んできた。
「これは……石楠花?」
石楠花は普通春から初夏にかけて咲く花のはず……。
何でこんな所に季節外れの石楠花が?
ランホアは飛んできた石楠花に手を伸ばしたが、その瞬間ランホアの脳内にピリッと警告らしき予感が過ぎった。
何だか嫌な予感がする。
まるで、誰かの殺意の怨念でもあるかの様な……。
ランホアが手を引っ込めて咄嗟に石楠花の花から間合いを取った瞬間。
ボンッとけたたましい音を立てて石楠花の花が爆発したのだ。
「え? な、何!?」
その様を見ていたランホアは爆風に飲まれない様近くの路地の角に身を隠しながら様子を伺った。
すると、近辺の人達も音を聞いて数人やって来た。
「何だ今の音?」
「凄い煙……ボヤ?」
「誰も居ないわ……誰かのいたずら?」
少しの煙が立ったが、しかしそれも風であっという間に掻き消され、辺りは元の静かな路地に戻っていく。
爆発自身そんなに威力があった訳でもないのか、周りの壁や地面に焼けた跡はなかった。
しかし、その程度の爆発とはいえ人がもろに巻き込まれたら無事では済まないだろう。
その一部始終をランホアはおかしなものを見る目で眺めていた。
「今の石楠花……小型の爆弾か何かか?
火薬の臭いもしないし、新手の天然エネルギーでも使われてる、とか?」
この国にそれ程の技術があるというのか?
「……いや、それより問題は、あの花、私に向かって来ていた。
爆発したのも私が近付いた瞬間だったし、追尾型?
だとしたら、私はどこぞの組織から狙われている?」
この国に来て思えばもう十年は経つ。
基本盗みなんかで生活している為恨み言もいっぱい買っているだろうし、誰かからいつ狙われてもおかしくないと言えばおかしくない。
現に何度か命の危機に瀕した事はある。
ただ、私は人一倍人の出す殺意や殺気に敏感なので、狙われているのもすぐに気付けた。
だからこれまでも大事には至らなかったのだが。
「こんな形で襲われたのは初めてだ。
さっきの女といい、今日はやけにおかしな事が多い日だな……これ以上出しゃばるのも危ないし、今日は素直に家に帰ろう……ん?
あれは……」
帰ろうと大通りを目指していたランホアはとある人物を見かけて足を止める。
「さっきのおっさんとあの女……?」
確か、おっさんの浮気相手が一夜にして三人死んだとか……。
待てよ? 一夜に三人?
それこそ今朝新聞で読んだ爆破された女の人達の事では?
「もしかしたら、今の石楠花型の爆弾の事や、その犯人が分かるかも……?」
どうせこの後暇だし、家に一人で居ても安全とは限らない。
それならあの二人に着いていって犯人の顔を拝むのもアリだ。
「よーし、そうと決まれば尾行開始ー♡」
そうしてランホアは意気揚々と二人の後を尾け始めたのだった。
一方、ランホアは路地の裏に逃げ込んで息を整えていた。
「はぁ、はぁ……。
何あの女。殺意も殺気も無しにおっさんの事殴りかかってた……」
先程のカタコトの喋りとは裏腹に流暢な英語でランホアはそう呟く。
「あんな如何にもやばそうな奴生まれて初めて会った。
敵に回さない方がいいな……。
それに、あのおっさんからはたんまりと報酬も頂いたし♡」
と、ランホアは黒の長財布を懐から取り出して頬擦りしながら上機嫌に歩き出した。
「さぁて、次はどの男を獲物にしようかなぁ。
右も左も分からない外国人のフリをしていれば割と釣れるし……ん?」
そんなランホアの目の前に、ピンクの花が一輪ふわりと風に乗って飛んできた。
「これは……石楠花?」
石楠花は普通春から初夏にかけて咲く花のはず……。
何でこんな所に季節外れの石楠花が?
ランホアは飛んできた石楠花に手を伸ばしたが、その瞬間ランホアの脳内にピリッと警告らしき予感が過ぎった。
何だか嫌な予感がする。
まるで、誰かの殺意の怨念でもあるかの様な……。
ランホアが手を引っ込めて咄嗟に石楠花の花から間合いを取った瞬間。
ボンッとけたたましい音を立てて石楠花の花が爆発したのだ。
「え? な、何!?」
その様を見ていたランホアは爆風に飲まれない様近くの路地の角に身を隠しながら様子を伺った。
すると、近辺の人達も音を聞いて数人やって来た。
「何だ今の音?」
「凄い煙……ボヤ?」
「誰も居ないわ……誰かのいたずら?」
少しの煙が立ったが、しかしそれも風であっという間に掻き消され、辺りは元の静かな路地に戻っていく。
爆発自身そんなに威力があった訳でもないのか、周りの壁や地面に焼けた跡はなかった。
しかし、その程度の爆発とはいえ人がもろに巻き込まれたら無事では済まないだろう。
その一部始終をランホアはおかしなものを見る目で眺めていた。
「今の石楠花……小型の爆弾か何かか?
火薬の臭いもしないし、新手の天然エネルギーでも使われてる、とか?」
この国にそれ程の技術があるというのか?
「……いや、それより問題は、あの花、私に向かって来ていた。
爆発したのも私が近付いた瞬間だったし、追尾型?
だとしたら、私はどこぞの組織から狙われている?」
この国に来て思えばもう十年は経つ。
基本盗みなんかで生活している為恨み言もいっぱい買っているだろうし、誰かからいつ狙われてもおかしくないと言えばおかしくない。
現に何度か命の危機に瀕した事はある。
ただ、私は人一倍人の出す殺意や殺気に敏感なので、狙われているのもすぐに気付けた。
だからこれまでも大事には至らなかったのだが。
「こんな形で襲われたのは初めてだ。
さっきの女といい、今日はやけにおかしな事が多い日だな……これ以上出しゃばるのも危ないし、今日は素直に家に帰ろう……ん?
あれは……」
帰ろうと大通りを目指していたランホアはとある人物を見かけて足を止める。
「さっきのおっさんとあの女……?」
確か、おっさんの浮気相手が一夜にして三人死んだとか……。
待てよ? 一夜に三人?
それこそ今朝新聞で読んだ爆破された女の人達の事では?
「もしかしたら、今の石楠花型の爆弾の事や、その犯人が分かるかも……?」
どうせこの後暇だし、家に一人で居ても安全とは限らない。
それならあの二人に着いていって犯人の顔を拝むのもアリだ。
「よーし、そうと決まれば尾行開始ー♡」
そうしてランホアは意気揚々と二人の後を尾け始めたのだった。
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