57 / 82
第三章
戒心散花 24
しおりを挟む
いくつもの石楠花がカミラの手からフワッと飛び立ちアイリスとローガンを狙う最中。
石楠花は二人に届く前に爆散した。
「なっ、何事っ!?」
カミラは突然爆発した石楠花の煙を手で振り払いながら辺りを見渡す。
すると、その路地の上から少年の声が聞こえてきた。
「おい、てめー朝から出掛けてまだ犯人捕まえてなかったのかよ?」
三階建の建物の上から少年……リトは銃を構えながらアイリスへと問い掛ける。
「リト、来てくれたんだ」
不思議そうにリトに問い掛けるアイリスに、リトは不機嫌そうに顔を顰めながら答える。
「あんまり遅いから、てめーが一人で報酬持ち逃げしてんじゃと思ってきた訳でお前が心配だとか微塵も思ってねーからな!?」
「そう。分かったよ」
そんなどこかゆるい会話を繰り広げる二人に対しカミラは更に石楠花を作り出して飛ばした。
「~~っ!! あんたら一体何なのよ!?
私の計画の邪魔をしないで!!」
しかし、カミラの飛ばした石楠花はやはり二人に届く前に銃弾によって途中で爆散してしまう。
「どうやら貴女の作り出している石楠花は対象物に対しての爆破威力は凄まじいけれど、その対象物にまで届かなかったらそんなに威力は高くないんだね」
石楠花の爆発に物ともせず冷静にアイリスはそう淡々と告げる。
「カミラ! 何なんだその花は!?
それに人を殺すだなんてどうかしてるぞ!!」
「今更命乞いしたって遅いわよ!
仕方ないじゃない! もう人を三人も殺してしまった! 後には引けないわっ!」
最早自棄になっているカミラに向かいほぼ一瞬でアイリスはカミラに近付くと、すぐ様腰に差していた刀を抜く。
「あ! てめーまた人を殺すなよ!」
そんなアイリスの一瞬の動きを見逃さなかったリトはアイリスに叫びながら忠告した。
「分かってる」
それに対して短かく呟く様に返事をしたアイリスはカミラの首元すんでのところで刃を止める。
「なっ!?」
アイリスの動きに追いつけなかったカミラは急に自分の首元にピタリと当たった刃に驚いていた。
「すっかり瞳がオレンジに染まってるね。
このまま私やリトやおじさんや、それにおじさんの両親達まで殺してしまえば、その殺人衝動はどんどん抑えられなくなるよ」
カミラは目の前で面と向かって対峙しているアイリスにそう言われてハッとする。
「殺人……衝動?
な、何言ってるのよ?
私はこの子の為にお金が必要で……だから」
「最初の三人はもっと緻密に計画して殺したんじゃないの?
何せ目撃者は誰も居ない。みんな部屋の中での突然の爆死。おじさんの浮気相手だったという情報が出て疑われはしても証拠がなければ罪にも問われない。
ここまで計算してた貴女が、路地とは言えこんな街中で爆発を起こすなんて考えづらい。
しかも、ローガンのいる近くで。
私にバレたとしても一旦身を隠して夜にでもまた襲撃すれば良かったのに」
アイリスに説明されたカミラは何かを思い出した様な、思い詰めた様な表情を浮かべる。
……そうだ。私は、あのチャイナ娘とこの和服の娘を夜まで追って家を探る予定だったのに。
どこで計画が狂ってしまったのだろう?
石楠花は二人に届く前に爆散した。
「なっ、何事っ!?」
カミラは突然爆発した石楠花の煙を手で振り払いながら辺りを見渡す。
すると、その路地の上から少年の声が聞こえてきた。
「おい、てめー朝から出掛けてまだ犯人捕まえてなかったのかよ?」
三階建の建物の上から少年……リトは銃を構えながらアイリスへと問い掛ける。
「リト、来てくれたんだ」
不思議そうにリトに問い掛けるアイリスに、リトは不機嫌そうに顔を顰めながら答える。
「あんまり遅いから、てめーが一人で報酬持ち逃げしてんじゃと思ってきた訳でお前が心配だとか微塵も思ってねーからな!?」
「そう。分かったよ」
そんなどこかゆるい会話を繰り広げる二人に対しカミラは更に石楠花を作り出して飛ばした。
「~~っ!! あんたら一体何なのよ!?
私の計画の邪魔をしないで!!」
しかし、カミラの飛ばした石楠花はやはり二人に届く前に銃弾によって途中で爆散してしまう。
「どうやら貴女の作り出している石楠花は対象物に対しての爆破威力は凄まじいけれど、その対象物にまで届かなかったらそんなに威力は高くないんだね」
石楠花の爆発に物ともせず冷静にアイリスはそう淡々と告げる。
「カミラ! 何なんだその花は!?
それに人を殺すだなんてどうかしてるぞ!!」
「今更命乞いしたって遅いわよ!
仕方ないじゃない! もう人を三人も殺してしまった! 後には引けないわっ!」
最早自棄になっているカミラに向かいほぼ一瞬でアイリスはカミラに近付くと、すぐ様腰に差していた刀を抜く。
「あ! てめーまた人を殺すなよ!」
そんなアイリスの一瞬の動きを見逃さなかったリトはアイリスに叫びながら忠告した。
「分かってる」
それに対して短かく呟く様に返事をしたアイリスはカミラの首元すんでのところで刃を止める。
「なっ!?」
アイリスの動きに追いつけなかったカミラは急に自分の首元にピタリと当たった刃に驚いていた。
「すっかり瞳がオレンジに染まってるね。
このまま私やリトやおじさんや、それにおじさんの両親達まで殺してしまえば、その殺人衝動はどんどん抑えられなくなるよ」
カミラは目の前で面と向かって対峙しているアイリスにそう言われてハッとする。
「殺人……衝動?
な、何言ってるのよ?
私はこの子の為にお金が必要で……だから」
「最初の三人はもっと緻密に計画して殺したんじゃないの?
何せ目撃者は誰も居ない。みんな部屋の中での突然の爆死。おじさんの浮気相手だったという情報が出て疑われはしても証拠がなければ罪にも問われない。
ここまで計算してた貴女が、路地とは言えこんな街中で爆発を起こすなんて考えづらい。
しかも、ローガンのいる近くで。
私にバレたとしても一旦身を隠して夜にでもまた襲撃すれば良かったのに」
アイリスに説明されたカミラは何かを思い出した様な、思い詰めた様な表情を浮かべる。
……そうだ。私は、あのチャイナ娘とこの和服の娘を夜まで追って家を探る予定だったのに。
どこで計画が狂ってしまったのだろう?
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
悪役令嬢として断罪された聖女様は復讐する
青の雀
恋愛
公爵令嬢のマリアベルーナは、厳しい母の躾により、完ぺきな淑女として生まれ育つ。
両親は政略結婚で、父は母以外の女性を囲っていた。
母の死後1年も経たないうちに、その愛人を公爵家に入れ、同い年のリリアーヌが異母妹となった。
リリアーヌは、自分こそが公爵家の一人娘だと言わんばかりにわが物顔で振る舞いマリアベルーナに迷惑をかける。
マリアベルーナには、5歳の頃より婚約者がいて、第1王子のレオンハルト殿下も、次第にリリアーヌに魅了されてしまい、ついには婚約破棄されてしまう。
すべてを失ったマリアベルーナは悲しみのあまり、修道院へ自ら行く。
修道院で聖女様に覚醒して……
大慌てになるレオンハルトと公爵家の人々は、なんとかマリアベルーナに戻ってきてもらおうとあの手この手を画策するが
マリアベルーナを巡って、各国で戦争が起こるかもしれない
完ぺきな淑女の上に、完ぺきなボディライン、完ぺきなお妃教育を持った聖女様は、自由に羽ばたいていく
今回も短編です
誰と結ばれるかは、ご想像にお任せします♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる