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第三章
戒心散花 31
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「ねぇリト、情報屋さんとは何話してたの?」
おっさんが帰った後、アイリスにそう問われて俺はイラつきながらも答えた。
「は? 何でもねーよ」
「ふーん?」
しかし、アイリスはその後特に興味がなかったのか、そのまま日課の猫の餌やりへと向かっていった。
◇
一方、猫に餌をやりに行ったアイリスの様子を、影から眺めている一人の人物が居た。
「アイリスちゃん、ね」
……どうやら今はアイリスちゃんは一人きりの様だ。
話しかけるなら今がチャンス!
私はにやりと微笑みながら偶然を装って声をかけた。
「コンニチハ!」
「……こんにちは」
急に挨拶されたアイリスちゃんは戸惑っているが、それも無理はないだろう。
何故私がアイリスちゃんに声をかけたのかと言うと、それはあの爆弾魔と一悶着あったあの日まで遡る。
……路地であの女に爆殺されかけたあの日、私はあの女をその後もこっそりと尾行していたのだ。
勿論相手が何もして来ないのであればそれに越した事はないのだが相手だって馬鹿じゃない。
それこそ相手は一夜に旦那の浮気相手を三人も爆殺してる様な女だ。
手の内を知ってしまった私の事もあの手この手で殺しにかかってくるはず。
ただ、今あの女は自身の旦那と一緒にいる和服のあの女にターゲットを切り替えているらしい。
それならこちらも好都合だ。
あの和服の女、恐らく只者ではない。
上手くいけば私が出る事なく事が運ぶかもしれない。
そう思った私はしばらく和服の女とおじさんを追っている女の後を追いかけた。
すると、案の定和服の女が爆弾魔の女を見つけたのだ。
「よし、これで爆弾魔が消耗してくれれば……」
と、私が様子を眺めていると、爆発の音を聞いておじさんがそそくさと逃げ出そうとしていた。
私はそれを見て何となく逃げられたらいけない様な気がしておじさんに足をかけてすっ転ばせる。
あのおじさんの浮気がそもそもの原因だとするなら、おじさんだけ罰を受けないというのは何となくムカついたのだ。
「ランホアちゃん! 今俺は忙しいんだ!」
それでもまだ逃げようとするおじさんに私は精一杯の笑顔を浮かべた。
「浮気するのがそんなに忙しいという事デスか?」
「なっ!?」
ギョッとするおじさんに私は更に畳み掛ける。
「全く、あの後奥様にこっぴどぉく叱られましたヨ?
私、結婚してただなんて聞いてませんケド?」
「いや、それは……!
というか、妻に会ったのか!?」
「ええ。あそこの路地デ」
それから先程爆発音のした路地を指差した。
「あ、あそこでか?」
「というか、さっきの爆発音、もしかして奥様が誰かにやられたかもしれませんヨ?
確か、オニイサンの浮気相手三人とも殺されたんでしょ?」
私の言葉にローガンはサァッと顔が青くなる。
どうやら浮気三昧の割に奥さんに何かが起こるのは嫌らしい。
「早く行ってあげた方がいいのデハ?」
「あ、ああ!」
こうしてローガンは路地へと向かったのだ。
その妻が被害者ではなく、加害者である事も知らずに……。
「全く、口ではああ言っても、本当は奥さんが一番好きって事なんじゃないの?
アホらしい」
私はやれやれと呆れつつ路地で起こった事を一部始終盗み見ていた。
そこで、やはり私の思った通り、いや、ある意味想像以上に只者ではなかった和服の女、アイリスちゃんに興味が湧いたのだ。
絶対に敵に回したくない。
しかし、この辺りに住んでる以上もし変に敵対する立ち位置になったら困る。
そこで私はある作戦を思いついたのだ。
それは……。
おっさんが帰った後、アイリスにそう問われて俺はイラつきながらも答えた。
「は? 何でもねーよ」
「ふーん?」
しかし、アイリスはその後特に興味がなかったのか、そのまま日課の猫の餌やりへと向かっていった。
◇
一方、猫に餌をやりに行ったアイリスの様子を、影から眺めている一人の人物が居た。
「アイリスちゃん、ね」
……どうやら今はアイリスちゃんは一人きりの様だ。
話しかけるなら今がチャンス!
私はにやりと微笑みながら偶然を装って声をかけた。
「コンニチハ!」
「……こんにちは」
急に挨拶されたアイリスちゃんは戸惑っているが、それも無理はないだろう。
何故私がアイリスちゃんに声をかけたのかと言うと、それはあの爆弾魔と一悶着あったあの日まで遡る。
……路地であの女に爆殺されかけたあの日、私はあの女をその後もこっそりと尾行していたのだ。
勿論相手が何もして来ないのであればそれに越した事はないのだが相手だって馬鹿じゃない。
それこそ相手は一夜に旦那の浮気相手を三人も爆殺してる様な女だ。
手の内を知ってしまった私の事もあの手この手で殺しにかかってくるはず。
ただ、今あの女は自身の旦那と一緒にいる和服のあの女にターゲットを切り替えているらしい。
それならこちらも好都合だ。
あの和服の女、恐らく只者ではない。
上手くいけば私が出る事なく事が運ぶかもしれない。
そう思った私はしばらく和服の女とおじさんを追っている女の後を追いかけた。
すると、案の定和服の女が爆弾魔の女を見つけたのだ。
「よし、これで爆弾魔が消耗してくれれば……」
と、私が様子を眺めていると、爆発の音を聞いておじさんがそそくさと逃げ出そうとしていた。
私はそれを見て何となく逃げられたらいけない様な気がしておじさんに足をかけてすっ転ばせる。
あのおじさんの浮気がそもそもの原因だとするなら、おじさんだけ罰を受けないというのは何となくムカついたのだ。
「ランホアちゃん! 今俺は忙しいんだ!」
それでもまだ逃げようとするおじさんに私は精一杯の笑顔を浮かべた。
「浮気するのがそんなに忙しいという事デスか?」
「なっ!?」
ギョッとするおじさんに私は更に畳み掛ける。
「全く、あの後奥様にこっぴどぉく叱られましたヨ?
私、結婚してただなんて聞いてませんケド?」
「いや、それは……!
というか、妻に会ったのか!?」
「ええ。あそこの路地デ」
それから先程爆発音のした路地を指差した。
「あ、あそこでか?」
「というか、さっきの爆発音、もしかして奥様が誰かにやられたかもしれませんヨ?
確か、オニイサンの浮気相手三人とも殺されたんでしょ?」
私の言葉にローガンはサァッと顔が青くなる。
どうやら浮気三昧の割に奥さんに何かが起こるのは嫌らしい。
「早く行ってあげた方がいいのデハ?」
「あ、ああ!」
こうしてローガンは路地へと向かったのだ。
その妻が被害者ではなく、加害者である事も知らずに……。
「全く、口ではああ言っても、本当は奥さんが一番好きって事なんじゃないの?
アホらしい」
私はやれやれと呆れつつ路地で起こった事を一部始終盗み見ていた。
そこで、やはり私の思った通り、いや、ある意味想像以上に只者ではなかった和服の女、アイリスちゃんに興味が湧いたのだ。
絶対に敵に回したくない。
しかし、この辺りに住んでる以上もし変に敵対する立ち位置になったら困る。
そこで私はある作戦を思いついたのだ。
それは……。
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