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幕間
花休め 3
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そんな警察騒動から間もなく今度はドアがコンコンとノックされる。
チャイムを無視してドアをノックするのは大体情報屋くらいなので、アイリスは特に躊躇する事なくドアを開けた。
「よっ! アイリスちゃんにリト!
元気にしてっか?」
「こんにちは、情報屋さん」
「あーっ! おいおっさん!
てめーちょっとこっち来いや!」
「え? 何何?
って、引きずるのはやめてー!」
いつも通り挨拶するアイリスの横でリトは情報屋の胸倉を掴みかかりそのまま引きずりながら玄関を一旦出る。
引きずり出された情報屋ははあ、はあ、と息を乱して首元に手を押さえながらリトを見やった。
「全く、何だよ一体?
男同士で何か話したい事でもあった?
エロい事でもあった?」
情報屋のその言葉にリトはややブチギレて情報屋のすぐ真横の壁を殴りつける。
「んな訳ねぇだろ?」
「わぁ、怖い怖い。
てか俺、男からの壁ドンなんて初めて……♡」
「頬染めながら気色悪い事抜かすなおっさん」
ポッと頬を染める振りをする情報屋に気分を害したリトはすぐ様壁から手を下ろした。
「そうじゃなくて、もう一つの報酬まだ貰ってねーぞ」
リトの言葉にすぐピンときたのか、情報屋はああ、と何かを思い出した様に呟く。
「あーはいはい、あのじいさんの件ね。
うーん、どうしようっかな~?」
「しらばっくれてねーで情報寄越せ」
「というか、リトは今更それを知ってどうすんの?
ただ知りたいだけか? それとも復讐でもする気なのか?」
情報にそう訊かれたリトは二つ返事で答えた。
「そんなん、ただ知りたいだけじゃ悪いのかよ。
今更復讐なんて、したところで意味もねーしそこまであのじーさんと仲良かった訳でもねーしな」
リトの答えを聞いた情報屋は何やら少し笑いながらそっかと呟いた。
その情報屋の苦笑いの様な笑顔は何処か哀愁が漂っている。
「ま、それなら別にいいんだけどさ。
それはそうと前々回の奴はアイリスちゃんに人殺させてるから報酬はなしだ」
「……ちっ」
「ただ、今回の件での報酬は、そうだなぁ。
あのじいさんは異国出身で、じいさんの命を奪おうとした大元の奴らもその異国の奴らだって事かな」
「異国出身だったのか……」
それを聞いたリトは昔の記憶を辿る。
……幼い頃の記憶だから色々とあやふやな面も強い上、この国では色んな人種が住んでる為外見では元々この国出身なのか、はたまたま異国から来たのか判別がつきにくい。
アイリスは普段から着物を着ている為異国人だと一目で分かるが、普通の服を着ていれば恐らく誰も気付かないだろう。
それだけここの国には色々な人種がありふれているのだ。
「まあ後はお前らの頑張り次第だな。
後、仲良くするんだぞ」
「仲良くなんかなれねーよあんな奴なんかと……!」
怒るリトに対して情報屋ははっはっはっと笑いながらアイリスのいる一◯二号室へと顔を出した。
「アイリスちゃん、俺今日はもう帰るわ!」
「あっ、そうなんだ?
仕事の依頼ではないんだね?」
「ああ、二人がちゃんと元気にやってるのか、近くを寄ったから見に来ただけだ。
まあ、あんな奴だけど、リトと仲良くしてやってくれよな」
「分かったよ」
「リトも、アイリスちゃんと仲良くな」
「だからっ! こいつなんかと仲良くなんか……!」
そうリトが抗議する間もなくじゃあな! と情報屋は片手を振って去ってしまった。
チャイムを無視してドアをノックするのは大体情報屋くらいなので、アイリスは特に躊躇する事なくドアを開けた。
「よっ! アイリスちゃんにリト!
元気にしてっか?」
「こんにちは、情報屋さん」
「あーっ! おいおっさん!
てめーちょっとこっち来いや!」
「え? 何何?
って、引きずるのはやめてー!」
いつも通り挨拶するアイリスの横でリトは情報屋の胸倉を掴みかかりそのまま引きずりながら玄関を一旦出る。
引きずり出された情報屋ははあ、はあ、と息を乱して首元に手を押さえながらリトを見やった。
「全く、何だよ一体?
男同士で何か話したい事でもあった?
エロい事でもあった?」
情報屋のその言葉にリトはややブチギレて情報屋のすぐ真横の壁を殴りつける。
「んな訳ねぇだろ?」
「わぁ、怖い怖い。
てか俺、男からの壁ドンなんて初めて……♡」
「頬染めながら気色悪い事抜かすなおっさん」
ポッと頬を染める振りをする情報屋に気分を害したリトはすぐ様壁から手を下ろした。
「そうじゃなくて、もう一つの報酬まだ貰ってねーぞ」
リトの言葉にすぐピンときたのか、情報屋はああ、と何かを思い出した様に呟く。
「あーはいはい、あのじいさんの件ね。
うーん、どうしようっかな~?」
「しらばっくれてねーで情報寄越せ」
「というか、リトは今更それを知ってどうすんの?
ただ知りたいだけか? それとも復讐でもする気なのか?」
情報にそう訊かれたリトは二つ返事で答えた。
「そんなん、ただ知りたいだけじゃ悪いのかよ。
今更復讐なんて、したところで意味もねーしそこまであのじーさんと仲良かった訳でもねーしな」
リトの答えを聞いた情報屋は何やら少し笑いながらそっかと呟いた。
その情報屋の苦笑いの様な笑顔は何処か哀愁が漂っている。
「ま、それなら別にいいんだけどさ。
それはそうと前々回の奴はアイリスちゃんに人殺させてるから報酬はなしだ」
「……ちっ」
「ただ、今回の件での報酬は、そうだなぁ。
あのじいさんは異国出身で、じいさんの命を奪おうとした大元の奴らもその異国の奴らだって事かな」
「異国出身だったのか……」
それを聞いたリトは昔の記憶を辿る。
……幼い頃の記憶だから色々とあやふやな面も強い上、この国では色んな人種が住んでる為外見では元々この国出身なのか、はたまたま異国から来たのか判別がつきにくい。
アイリスは普段から着物を着ている為異国人だと一目で分かるが、普通の服を着ていれば恐らく誰も気付かないだろう。
それだけここの国には色々な人種がありふれているのだ。
「まあ後はお前らの頑張り次第だな。
後、仲良くするんだぞ」
「仲良くなんかなれねーよあんな奴なんかと……!」
怒るリトに対して情報屋ははっはっはっと笑いながらアイリスのいる一◯二号室へと顔を出した。
「アイリスちゃん、俺今日はもう帰るわ!」
「あっ、そうなんだ?
仕事の依頼ではないんだね?」
「ああ、二人がちゃんと元気にやってるのか、近くを寄ったから見に来ただけだ。
まあ、あんな奴だけど、リトと仲良くしてやってくれよな」
「分かったよ」
「リトも、アイリスちゃんと仲良くな」
「だからっ! こいつなんかと仲良くなんか……!」
そうリトが抗議する間もなくじゃあな! と情報屋は片手を振って去ってしまった。
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