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幕間
花休め 4
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情報屋が去ったそのすぐ後、またピンポンとインターホンが鳴らされた。
「はあ、また客かよ」
「……あ!」
しかし、いつも面倒だとリトに対応させようとするアイリスがドアの向こうのシルエットを一目見てカレンダーの日付を確認し、急いで部屋から封筒らしき物を取ってきた後に珍しく率先してドアを開けに行ったのだった。
そんなアイリスを物珍しげにリトが眺めていると、開かれたドアの向こうからは何とも物腰優しそうな眼鏡の男性が立っていた。
「こんばんは、夜分遅くにすみません」
「こんばんは、大家さん。
集金ですよね?」
アイリスの言葉を聞いてリトはすぐに納得する。
どうやらこの男性はこのアパートの大家で、恐らく今日が月初めだから家賃を集金しにきたという訳だ。
「おや、お友達も一緒でしたか。
もしかして……ボーイフレンドですか?」
「いえ、虫捕り係として雇いました」
「虫捕り係……?」
アイリスの雑な紹介に男性は驚き半分、面白半分といった表情になる。
「おい、変な紹介の仕方すんなよ」
「でも、他になんて言うの?
友達?」
「友達じゃねーよ。
なんか他に言い方あるだろ、仕事仲間とか、そんなん」
「そうですか、お仕事仲間で一緒に暮らされてるんですか?」
大家に優しくそう問われたリトは内心しまったと言わんばかりに顔を顰める。
「あ、いや、一緒に住んでる訳では……!」
「はい、そうです」
しかし、リトが全否定している横でアイリスは淡々と返事をした。
「てめー、一緒に住んでるなんて言ったら俺の分まで家賃が発生するんじゃ……!」
「あ、そこはご心配なく。
家賃はその部屋の代金であって、そこに一人住もうが二人住もうが変わりませんよ」
リトの言葉に男性は優しく答える。
「え? そうなのか?」
「ただ、緊急事態の時などその部屋に何人住んでるのか、誰が住んでるなどの情報は大家としては把握しておきたいですけどね。
例えばこのアパートが火事になった時、住人が全員避難できたかなどの目安としてですが」
「あ、そうなんだ……」
男性の説明に今までまともに家で暮らした事のないリトはそういうものかと納得する。
「ええ、なので君もしばらくここに住むなら簡単に情報が欲しいので、出来れば今からお時間頂いてもいいですか?」
「え? あ、まあいい、ですけど」
男性の優しい雰囲気に押されたリトはぎこちない敬語で答えた。
「それでは、ここで立ち話もなんですし、書類も私の部屋にあるので私の部屋に案内しますね。
という訳でアイリスさん、彼をお借りしますね」
「あ、はい、どうぞ」
隣で聞いていたアイリスも男性の提案にいつもの様に無感情に承諾する。
「ではこちらへどうぞ」
「あ、ああ」
こうしてリトは大家に連れられて隣の一○一号室へと向かった。
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