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第四章
驚嘆風化 5
しおりを挟むそれから俺達は四軒目の被害者宅を訪れるも、タイミング悪く留守で話が聞けず、続いて五軒目へとやって来た。
「いや~マジでうちのエンジェルちゃんがいなくなってビビったし~。
あたしちょおっーと目を離しただけなのにもう何処にもいなくて~。
タバコ吸うのも我慢してエンジェルちゃーん! って呼んでも見つかんなくって~。
でもしばらくしたらお腹空かせて帰ってくるだろーと思って様子見てたんだけど~。
そしたらテレビで迷子が流行ってるとか言っててやばくね? エンジェルちゃんも迷子じゃね? ってなって~そっから警察とか色々行ってきた感じで~」
五軒目の被害者女性は、恐らく俺とタメぐらいのギャルだった。
正直一番苦手なタイプだ。
「それで娘さんが居なくなって丸二日経ってから警察にやっと行ったって事ですか?」
そう、この五軒目の誘拐だけ、居なくなった当日ではなく二日経ってからようやく警察に被害届を出したらしいのだ。
「そおそお! そんなおおごとって思わんくて~。警察のおっちゃんに何で早く来なかったんだー! とか怒られてマジテン下げーってなったわ。
こっちだって色々忙しーし、警察行くのもこっちの都合だってある訳じゃん?
急に行けなくね? って言っても全然話通じなくてマジイライラしたわ~」
ギャルは相変わらずダルそうな喋り方でおもむろに煙草を吸い始めた。
明らかにお前未成年だろ。と言ってやりたいが、俺だって未成年で煙草やら酒やら嗜めと強制された記憶があるので人の事を言えた義理ではない。
それに、単純にこのギャルに何を話しても通じないと諦めていたのもある。
「そうですか。
それじゃあ、その娘さんが居なくなった瞬間は見てなかったって事でいいんですか?」
アイリスは自分より歳下であろうギャルにも相変わらず敬語で淡々と話している。
そんなアイリスに煙草の煙をプカプカ吐きながらギャルは答える。
「そおだよ。
つーかさ、子供から目を離すなーとか言う奴いるけど、いやいや、お前ら四六時中子供をずーっと見てられんの? ってマジ思うんだよね~。
ふつーに無理くね?
トイレとかの時も目ぇ離すなとか無理だしw
お前らトイレにまで子供連れてってんの~とか思うとマジ笑えるw」
ギャルはキャハハっと下品に笑いながらふと俺の方を見てきた。
「ところでさ~きみ目つきめっちゃ悪くね?
さっきからこわいんですけどぉ~」
「すいませんねぇ生まれつき目つきが悪いもんで」
「うっわマジキレてんのやばくねw
てか目つきもう少しマイルドにしたら割とタイプなんだけど~」
「アイリス、もう十分聞いたろ。
次行くぞ」
「え~そっちの和風の子がタイプなん?
でも~うちもテクとか凄いよ♡
条件付きでならヤらせてあげてもイイけど~?」
ギャルはそう言って胸元の空いた服を更に捲り強調してきた。
そんな姿に一層気分が悪くなり俺はさっさとこの場を立ち去りたかった。
「いらねー世話だ。
行くぞアイリス」
「あ、うん」
「は? マジで感じ悪っ!」
それから俺はなるべく早足で歩き、ギャルが見えなくなった所で少し息を整える為に立ち止まった。
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