【完結】悪役令嬢だけど何故か義理の兄弟達から溺愛されてます!?

本田ゆき

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相談相手は王子様

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「さて、どうしようか」

 その後、お屋敷に着いていつもの部屋着用のドレスに着替えた後、私は青い宝石を改めて眺めながらそう呟いた。

 お小遣いを切り崩して買う予定が、成り行きでただ同然で貰ってしまったのだが。

「うーん、でもなぁ……」

 例えただ同然とはいえ、宝石をあしらった手作りのネックレスをあげるのは流石に気が引ける。

 ルーカスの物だけ随分と豪華になるんだよなぁ。

 まあ貴族のプレゼントなのだから、宝石がついててもおかしくないだろうし、寧ろ今までのプレゼントが質素すぎたのかもしれないけど。

 かといって私がルーカスにあげるには張り切り過ぎてる様な気もするし……。

「いっその事シーラにルーカスへのプレゼントにこれを使ってって渡す?
いや、それも変よね……」

 うーん、とオリヴィアはあれこれと考え込むも、中々良い案が思い浮かばない。
 そして悩んだ末オリヴィアが辿り着いた答えは。

「よし、分からない事はアデック王子に聞こう」

 そう決めるや否や、オリヴィアは早速アデック宛の手紙を書き始めた。

 オリヴィアの中でアデックの存在はすっかり困った時の相談相手と定着していたのであった。

 それから3日後、いつもの如くオリヴィアは王室へとやって来ていた。

「よお、オリヴィア。
この間振りだな」
「こんにちはアデック王子。
その節はどうもありがとうございました」

 アデックの軽い挨拶に、オリヴィアは頭を下げて礼を言う。

「いやいいって。
それよりさ……来るスパンが早くねーか?」

 アデックは早速オリヴィアにツッコんだ。
 それからはあ、と小さく溜め息を吐きながら考える。

 何せ前回嘘でとはいえ告白して振られた手前、しばらくは顔も合わせ辛いなと思っていたのだが……。
 まさかあれから1ヶ月も経たずに相談事に来るとは思わなかった。

 どうやらオリヴィアは余程俺の事を意識していないのか、信頼してくれているからなのか……。

 どちらにせよ、あんまり宜しい事ではない気がする。

 アデックは小さく溜め息を吐きながらそう考えていた。

「すみません、相談事があるとどうにも真っ先にアデック王子が思い浮かぶので……」

 オリヴィアにそう言われてアデックは嬉しさが表情に出そうになるのをグッと堪えた。

 ……オリヴィアにそう言われるとやはり頼られて嬉しいだとか、もしかしてと期待してしまいそうになる自分が情けないなと思う。

 本当はきつく言って突き放した方が良いのかもしれないが、それが出来ないのは俺が弱いからなんだろうな……。

「それで? 今回の相談事はなんだ?」

 アデックはそんな事を考えつつもオリヴィアに自身の気持ちを悟られない様ごく自然に相談内容を尋ねた。

「あ、はい。
実は……」

 それからオリヴィアはルーカスの誕生日プレゼントで悩んでる事を一通りアデックへと説明した。
 因みに、宝石を買う際の修羅場の話は説明が面倒なのでその辺りは喋っていない。

「成る程な、ルーカスの誕生日プレゼントだけ気合が入ってる様に感じると……。
確かにルーカスなら勘違いするかもなぁ」
「やっぱり、そうなりますよねぇ……」

 アデックがそうオリヴィアに答えると、オリヴィアもやはりなと頷く。

「まあそればっかりはお前次第な気もするがな?
多分、あんまり豪華過ぎるプレゼントはシーラに悪いとか思ってるんだろ?」

「うっ……流石よく気付きますね」

 アデックに言い当てられてオリヴィアは潔く観念する。

「そりゃあお……まあな」

 お前の考えてる事なら分かるよ。と言いそうになりアデックは咄嗟に言葉を変えた。

「まあでも、変に遠慮される方がシーラも嫌だと思うぞ」
「そうですよねぇ」
「まあ後はぶっちゃけお前次第だろ。
お前がルーカスに渡したいと思うなら渡せばいいし、そこまでルーカスに渡すまでもないと思うなら渡さなくてもいいんじゃないか?」
「やっぱり、そうなりますよね?
うーん……」
 
 アデックにそう言われて私は結局最終的には自分が決めなくてはならない事にまた悩みだす。

「えい」

 すると、アデックにデコピンされた。

「痛っ! な、何ですか一体?」

 私がそう問うと、アデックはやれやれと呆れた様に答えだした。

「お前どうせ俺のアドバイスを聞いてその通りにしようとか考えてたんだろ?
その方が自分で考えるより楽だしなぁ」

「え?
まあ確かにアデック王子に考えて貰った方がきっと合ってるだろうし楽だとは思いましたけど……」

 私は中々に図星をつかれてたじろぎながら答える。

「全くなぁ……あくまで俺個人の考え方というか、意見なだけで俺の言う事が絶対正しいとか正解って訳じゃないからな?

それに俺を頼ってくれるのは嬉しいけど、今後いつまでも俺にこうして相談できる訳でもないんだぞ?」

 アデックとしては、オリヴィアが簡単に自分の元に頼りに来なくなる様にという想いも込めてそう話した。

 しかしオリヴィアはそれを聞いて切ない表情をする。

 まるで、アデックからこうしていられるまでのタイムリミットが迫っているぞと言われてしまったかの様で少し悲しくなった。

「そうですよね……。
みんな、いつまでも変わらず同じ関係ではいられないですよね……」

 私の呟きに、アデックはある程度私の考えを察したのか静かに口を開く。

「……そりゃあお前もみんなも大人になれば関係性もいくらかは変わるだろうけどな。

でもな、変わるものもあれば変わらないものもあるぞ。
例えば兄弟達がみんな家を出てバラバラで住む様になったとしても、兄弟であるという事実は変わらないし、昔一緒に住んでいた過去も変わらないだろ?」

「まあ、そうですけど……」

 アデックの話に同意しつつ、しかしそれでもこの生活が変わっていってしまう事実は変わらないのだというところが引っかかってしまう。

「とは言えこうしていられるのも今だけである事も確かだからな。
全く後悔無く、とまでは無理かもしれないが、それでもなるべく悔いのない様に精一杯考えて生きろよ」

 アデックはオリヴィアを見据えて自身の鼓動を深呼吸で抑えながらそう言った。

「精一杯考えて……分かりました。
その、毎度毎度ありがとうございます」

 オリヴィアはアデックに礼を言いながらアデックの優しさに内心感謝していた。

 本当に毎回毎回自分の悩みを言い当てられてはそれに適切にアドバイスが貰えるのでやはり甘えてしまうけど。

 ……でもきっと、本当は一人でちゃんと考えないといけないんだよなぁ。

「ま、精々頑張れよな」

「はい……頑張りますね」

 オリヴィアはそう考えながらアデックに返事をした。
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