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第17話 君と他の人
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「よーしグループ出来たなー。
今後国語の授業の時はしばらくグループ学習だから次からは授業始まる前に今みたいにグループ組む様に。
そんじゃあ今日の課題は……」
「うう……ううう……」
「あ、あの……葵さん、だ、大丈夫?」
先生が説明を始める中、遥はまだ机に顔を突っ伏して落ち込んでいた。
そんな遥に対して同じグループになった隅田真央は心配そうに声をかける。
「ごめんね隅田さん、遥は常にヒューマンエラー起こしてみるみたいなもんだから気にしないでいいよ」
「ユウちゃん……流石に私の紹介でそれは酷くない……?」
ユウにそう言われて遥は顔をあげて反論した。
「ほら隅田さんに迷惑かかるから、シャキッとしろ」
「はーい……」
ユウに注意され遥は渋々背筋をただしてプリントとシャープペンシルを手に取った。
「ねーねー、ところで隅田さんって好きな人とかいる?
私は零様推しなんだけどね!」
ハルは恋バナ(という名のあわよくば零の事を語ろうと)目をキラキラと輝かせた。
「え?
私は……好きな人、というかカッコいいなーって憧れてる人は、あz」「東くん!?」
真央が答えるより先に食い気味に遥が反応すると、そんな遥の様子に驚きつつ真央はおずおずと話を続ける。
「あ、えっと……東陽太くんのファンなんだけどね……プリ◯ツのCMから一目惚れでファンになって……」
顔を赤くしてそう答えた真央に対して遥は胸を撫で下ろしながら小さく呟いた。
「ほっ……そっちか、良かった~……。
危うく手にかけるところだったよ」
「ナチュラルに人殺そうとするなサイコパス」
遥の小声の呟きにユウも小声で辛辣にツっこむ。
一方その頃静夜はと言うと。
「へー、鈴木と渡辺って北海道出身なんだ。
めっちゃ美味いものあるじゃん。
羨ましいなー」
「おう! ジンギスカンとかめっちゃうめーぞ!」
静夜の言葉に鈴木徹人が笑顔で答える。
徹人の横から渡辺太一が更に言葉を付け足した。
「まあ俺は札幌でこいつは稚内出身だから、同じ北海道でも場所は全然違うんだけどさ」
「てか俺東の事、東京出身かと思ってたわ」
もう1人の男子の山本明宏がそう話すと、徹人がその話に乗っかってきた。
「そういや前に東陽太が岐阜出身ってテレビで紹介されてたの見たわ、あれ、県の秘密アバキマショーに出てた時」
「岐阜県って関西弁? てか東そんなに訛ってなくね?」
太一の疑問に静夜は明るく答える。
「関西弁ではないな。
訛ってるとか気にした事なかったなー。
あ、でも陽太の仕事についてって東京の人と関わる事が多かったからそんなに訛ってないのかも」
「マジ!? やっぱ芸能人が身内だとすげーな!
Yukaとか会った事ある!?」
男子達は各々自己紹介も交えつつどんどんと仲良くなっていった。
一方遥は。
「私の知らないところで東くんが着々と人間関係を築いていってる……。
私の見ていないところで……。
私が先に友達になったの〝に〝っ!!」
男子達と仲良くなる静夜の姿を見ながら無事に脳破壊されていた。
「いや東に友達出来るのは良い事だろ普通に」
ユウの正論に遥は大いに嘆いた。
「いやそうだけど! クラスで浮いてるよりは友達が沢山出来て良かったねと純粋に思うけど!
でも私には2回しか見せてくれなかった笑顔を! あの眩い笑顔を!!
男達の前では何回も見せてるんだよ!?
私と一緒にいる時よりむしろイキイキとしてるんだよ!?」
どんどんと声を荒げていく遥にユウはきっぱりと指摘する。
「そんなの異性の友達と一緒にいるより同性の友達と一緒にいる方が話も盛り上がるだろうし当たり前だろ」
「うう……そうだろうけど!
でもっ!!」
ダンっと拳を机に振り下ろし遥は苦悶の表情で語る。
「男子達の話のおかげでどんどん東くんの情報が聞けるから正直嬉しい気持ちもある!
心がふたつある~っ!」
遥はしっかりと耳をダンボにして男子達の他愛無い会話に全神経を集中させていた。
「こんなに心の穢れたハチ●レ見た事ないわ」
ユウに突っ込まれてもしかし遥は男子達の会話を盗み聞きする事をやめはしなかった。
一方ハルは、真央にずっと零の事を語っていた。
「零様のね~このMVの表情が本当たまんないの♡
それとこの曲の「愛してる」って歌詞だけでもう耳が溶けそうなくらいやばくてね!!」
「は、はぁ……(誰も課題やらない……どうしよう……)」
真央の心中を察したユウはハルと遥の頭を叩いた。
「「痛っ!!?」」
「お前ら2人ともいい加減にしろ」
その後遥とハルはユウに叱られしっかりと課題に取り組んだのだった。
今後国語の授業の時はしばらくグループ学習だから次からは授業始まる前に今みたいにグループ組む様に。
そんじゃあ今日の課題は……」
「うう……ううう……」
「あ、あの……葵さん、だ、大丈夫?」
先生が説明を始める中、遥はまだ机に顔を突っ伏して落ち込んでいた。
そんな遥に対して同じグループになった隅田真央は心配そうに声をかける。
「ごめんね隅田さん、遥は常にヒューマンエラー起こしてみるみたいなもんだから気にしないでいいよ」
「ユウちゃん……流石に私の紹介でそれは酷くない……?」
ユウにそう言われて遥は顔をあげて反論した。
「ほら隅田さんに迷惑かかるから、シャキッとしろ」
「はーい……」
ユウに注意され遥は渋々背筋をただしてプリントとシャープペンシルを手に取った。
「ねーねー、ところで隅田さんって好きな人とかいる?
私は零様推しなんだけどね!」
ハルは恋バナ(という名のあわよくば零の事を語ろうと)目をキラキラと輝かせた。
「え?
私は……好きな人、というかカッコいいなーって憧れてる人は、あz」「東くん!?」
真央が答えるより先に食い気味に遥が反応すると、そんな遥の様子に驚きつつ真央はおずおずと話を続ける。
「あ、えっと……東陽太くんのファンなんだけどね……プリ◯ツのCMから一目惚れでファンになって……」
顔を赤くしてそう答えた真央に対して遥は胸を撫で下ろしながら小さく呟いた。
「ほっ……そっちか、良かった~……。
危うく手にかけるところだったよ」
「ナチュラルに人殺そうとするなサイコパス」
遥の小声の呟きにユウも小声で辛辣にツっこむ。
一方その頃静夜はと言うと。
「へー、鈴木と渡辺って北海道出身なんだ。
めっちゃ美味いものあるじゃん。
羨ましいなー」
「おう! ジンギスカンとかめっちゃうめーぞ!」
静夜の言葉に鈴木徹人が笑顔で答える。
徹人の横から渡辺太一が更に言葉を付け足した。
「まあ俺は札幌でこいつは稚内出身だから、同じ北海道でも場所は全然違うんだけどさ」
「てか俺東の事、東京出身かと思ってたわ」
もう1人の男子の山本明宏がそう話すと、徹人がその話に乗っかってきた。
「そういや前に東陽太が岐阜出身ってテレビで紹介されてたの見たわ、あれ、県の秘密アバキマショーに出てた時」
「岐阜県って関西弁? てか東そんなに訛ってなくね?」
太一の疑問に静夜は明るく答える。
「関西弁ではないな。
訛ってるとか気にした事なかったなー。
あ、でも陽太の仕事についてって東京の人と関わる事が多かったからそんなに訛ってないのかも」
「マジ!? やっぱ芸能人が身内だとすげーな!
Yukaとか会った事ある!?」
男子達は各々自己紹介も交えつつどんどんと仲良くなっていった。
一方遥は。
「私の知らないところで東くんが着々と人間関係を築いていってる……。
私の見ていないところで……。
私が先に友達になったの〝に〝っ!!」
男子達と仲良くなる静夜の姿を見ながら無事に脳破壊されていた。
「いや東に友達出来るのは良い事だろ普通に」
ユウの正論に遥は大いに嘆いた。
「いやそうだけど! クラスで浮いてるよりは友達が沢山出来て良かったねと純粋に思うけど!
でも私には2回しか見せてくれなかった笑顔を! あの眩い笑顔を!!
男達の前では何回も見せてるんだよ!?
私と一緒にいる時よりむしろイキイキとしてるんだよ!?」
どんどんと声を荒げていく遥にユウはきっぱりと指摘する。
「そんなの異性の友達と一緒にいるより同性の友達と一緒にいる方が話も盛り上がるだろうし当たり前だろ」
「うう……そうだろうけど!
でもっ!!」
ダンっと拳を机に振り下ろし遥は苦悶の表情で語る。
「男子達の話のおかげでどんどん東くんの情報が聞けるから正直嬉しい気持ちもある!
心がふたつある~っ!」
遥はしっかりと耳をダンボにして男子達の他愛無い会話に全神経を集中させていた。
「こんなに心の穢れたハチ●レ見た事ないわ」
ユウに突っ込まれてもしかし遥は男子達の会話を盗み聞きする事をやめはしなかった。
一方ハルは、真央にずっと零の事を語っていた。
「零様のね~このMVの表情が本当たまんないの♡
それとこの曲の「愛してる」って歌詞だけでもう耳が溶けそうなくらいやばくてね!!」
「は、はぁ……(誰も課題やらない……どうしよう……)」
真央の心中を察したユウはハルと遥の頭を叩いた。
「「痛っ!!?」」
「お前ら2人ともいい加減にしろ」
その後遥とハルはユウに叱られしっかりと課題に取り組んだのだった。
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