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第68話 君とデート後
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そんなこんなで時は過ぎていき、夕暮れ時には帰りの電車に乗り、それぞれ別れ道まで着いた。
「今日は本当楽しかったなー! 別れるの寂しいなぁ……静夜くん、学校まで送っちゃ駄目?」
可愛くお願いしてくる遥に静夜は即答で答える。
「駄目」
「ですよねー」
分かりきっていた答えを聞いて遥はため息をついた。
そんな遥の様子を見て静夜が提案する。
「葵さん家近くなんでしょ? 送ろうか?」
静夜からの思いがけない提案に遥は目を丸くした。
「えぇ!? い、良いの!? 家まで来てくれるの!?」
「まあそう遠くないし、女子1人で帰すのもアレだし……何より学校まで着いて来られそうで嫌だし」
「ははーん。これは最後の一言が本音ですな~」
遥は名推理と言わんばかりにそう話すと、静夜は首を縦に振る。
「まあね」
「まあ理由はどうあれ私的には静夜くんと1秒でも長くいられて嬉しい限りだよ!」
「はいはい」
流石に遥の発言に慣れてきた静夜は遥の言葉を軽くあしらって遥の横を歩き出した。
「でも今日は本当にありがとね。勘違いで来てくれたとは言え」
「まあ、スイーツビュッフェの件はマジで勘違いしてたからな」
「……その、やっぱり2人きりは嫌だった?」
恐る恐る訪ねる遥に静夜は何の気なしに答える。
「嫌だったら食べ終わった後すぐ解散してると思うけど?」
「……へ?」
(嫌だったらすぐ解散してた=静夜くんが私と居るのは嫌じゃない=私と居たい=私の事好き!?!?)
静夜の言葉を遥は頭の中で拡大解釈していき、とある一つの答えを導き出した。
「静夜くん、私の事好きなの!?」
「まあ、友達としては」
あっさりとそう返す静夜に遥はスーッと冷静に戻った。
「そ、そうだよね、友達として、だよね」
(分かりやすく落ち込んでる……)
シューンとなっている遥を見て静夜は何だか申し訳ない気持ちになった。
そうしてる間にも、あっという間に2人は遥の家へと着いた。
「あ、もう着いちゃった……」
「本当学校から近いな。家から通えるの羨ましい」
「そうかな? 寮もみんな居るし楽しそうだけど」
呟きに近い静夜の言葉に遥がそう返すと、静夜は頭を横に振った。
「結構面倒だよ。外出する時には先生の許可前もって取らなきゃいけないし」
「そうなんだ。じゃあなるべく早く誘った方が良いんだね」
遥の言葉に静夜はまあねと返事をする。
「分かった! 今度から早めに連絡するね! 今日は家までわざわざ送ってくれてありがとう!」
「いいよこのくらいの距離なら大した事ないし、それじゃあまた月曜日に」
静夜がそう言って立ち去ろうと振り返ると、遥は静夜に大きく手を振った。
「また月曜日にねー!」
遥の大声に静夜は振り返って小さく手を上げる。
「えっへっへっへっへぇ~、静夜くんに送ってもらっちゃった♡」
遥は上機嫌に呟きながら家へと入っていった。
一方静夜は学校へ戻ろうと来た道を戻っていく。
(葵さんと別れるとすっごく静かになるなぁ)
改めて遥の明るさ、もとい煩さを実感する。
(「本当に楽しかった」……か)
静夜は遥が今日1日本当に楽しそうにしている姿を思い出した。
(楽しくなかったと言えば嘘になる。実際葵さんと居るのは楽しかった……でも)
(それって葵さんがずっと明るいからな気がする)
--人はネガティブな人と居るよりポジティブな人と居る方が居心地が良い。
しかし、それは果たして恋愛の好きではあるのか?
そんな事をぐるぐると考えているうちに静夜は学校の寮へと帰ってきた。
部屋に入ると、もう1人の同居人である陽太はまだ仕事が終わっていないのか姿がない。
静夜は荷物を机の上に置くと、椅子に座って考えだした。
(何で葵さんが俺を好きなのか……まさか俺が前適当に言った言葉が返ってくるなんてな。そもそも恋愛した事ないのに「好きになるのに深い理由なんてないんじゃない?」なんて改めて何言ってんだ俺)
過去の事を思い出し静夜は恥ずかしさのあまりに机に項垂れる。
(そもそも俺自体恋愛した事ないのに恋愛してる人の心理なんて分かる訳がねーじゃんか)
--ドラマや小説の恋愛ではでは分かりやすい理由付けがされてる事が多い。
過去に助けてもらったとか、子供の頃からずっと一緒だったとか。
一目惚れパターンもあるがそれは美男美女だからの話であって、リアルではそんなに一目惚れって多いのか?
静夜は携帯を取り出して「一目惚れ した事あるか」と検索した。
すると静夜が思っている以上に沢山の一目惚れエピソードが出てきた。
(マジか……割とある事なのか?)
それから一目惚れの理由に顔や体型などが書かれておりそこに静夜は納得した。
(確かに陽太狙いの女子も大半が一目惚れだもんな。やっぱ世の中見た目か……)
(……つまり葵さんの好みの顔が俺って事!?)
静夜は改めて鏡で自分の顔を見た。
(こんな前髪やたらと伸ばしてる身長低い奴が好み……? いや好みは人それぞれだし否定する気もないけど……。それでも他に顔の良い奴なんていくらでもいると思うけど、何せ葵さんだしなぁ。言っちゃ悪いかもだけどかなり変人っぽいしうん、まあ)
静夜は鏡を見るのをやめた。
(そもそも葵さんが何で俺を好きになったかなんて葵さんしか分からない訳だし、問題はそこじゃない)
(俺が葵さんの事好きなのかどうかだよな)
それから静夜は鞄から鍵を取り出し、鍵に付いている黒猫のキーホルダーを眺めた。
(葵さんはすっごい喜んでたけど、俺は正直同じ熱量で喜べなかった。そもそも取るの無理だと思ってたし。何なら雑貨屋で買った方が確実だと思ったけど、多分葵さん的にロマンが無いって部分だろうな……それにそこまで欲しいものでも葵さんとペアで使いたいっていう気もなかった。ただ貰ったから付けてるだけ……ってなんか、我ながら言い訳がましいな)
そこまで考え静夜は鍵を鞄の中へと片付けて、ついでに荷物も片付けだした。
(そもそも陽太の事抜きで俺本人を好きになってくれる人なんて居なかったから混乱してるだけだな。そりゃあクラス1の美少女とか言われる人に無条件に好かれて嫌な気分はしない……ただ、裏があるんじゃないのかってのが怖い)
静夜は遥のこれまでの失態、失言を思い出し恐怖でゾッとする。
(陽太絡みの裏は無くても人間として裏がありそうで怖いんだよな……これまで会った人達にも居ないタイプだったから余計に)
「ただいまー」
静夜が考え事をしながら片付けを済ませてお風呂の準備をしていたら、仕事帰りの陽太が寮へと帰って来た。
「おかえり」
「なあなあ、葵さんとデートどうだったんだよ?」
帰って来て早々にニヤニヤと聞いてくる陽太に静夜はそっぽ向きながら答える。
「デートじゃないし、普通にケーキ食べて遊びに行っただけだし」
「それもうデートなんじゃねーの?」
「違う」
陽太の問いに静夜は断固拒否した。
「そんで? 何したんだよ? 楽しかったか?」
「何でお前にいちいち報告しなきゃなんねーんだよ?」
「なんだよー、服だって貸してやったんだからどんなだったかくらい聞いたって良いだろー?」
陽太の問いに静夜はやれやれと答える。
「ゲーセン行ってゲームしたくらいだって。服は洗濯して返すから」
「ゲーセンか~青春だな~」
「それじゃあ俺風呂入ってくるから」
それから静夜は陽太の事を無視してさっさと行ってしまった。
「んー、あの様子じゃあ葵さんまだ静夜の事は落とせてないんだなぁ。とは言え、静夜も葵さんの事嫌いじゃないとは思うんだけどな」
陽太はやれやれと独り言を呟きながら鞄を机に置いた。
「静夜のやつ、奥手というか慎重だからなー。うだうだ考え込まずに自分の気持ちに素直になれば良いだけなのにさ。まあそれがあいつの長所であり短所だけど」
鞄から荷物を片付けながら陽太は机の上に置いてあったプリントを見つめる。
そこには「進路希望調査票」と書かれていた。
「あいつ結局進路どうすんだろ……? まあ俺も考えなきゃだが」
陽太はため息をつきながら椅子に座りペンを取ってプリントを書き出した。
「今日は本当楽しかったなー! 別れるの寂しいなぁ……静夜くん、学校まで送っちゃ駄目?」
可愛くお願いしてくる遥に静夜は即答で答える。
「駄目」
「ですよねー」
分かりきっていた答えを聞いて遥はため息をついた。
そんな遥の様子を見て静夜が提案する。
「葵さん家近くなんでしょ? 送ろうか?」
静夜からの思いがけない提案に遥は目を丸くした。
「えぇ!? い、良いの!? 家まで来てくれるの!?」
「まあそう遠くないし、女子1人で帰すのもアレだし……何より学校まで着いて来られそうで嫌だし」
「ははーん。これは最後の一言が本音ですな~」
遥は名推理と言わんばかりにそう話すと、静夜は首を縦に振る。
「まあね」
「まあ理由はどうあれ私的には静夜くんと1秒でも長くいられて嬉しい限りだよ!」
「はいはい」
流石に遥の発言に慣れてきた静夜は遥の言葉を軽くあしらって遥の横を歩き出した。
「でも今日は本当にありがとね。勘違いで来てくれたとは言え」
「まあ、スイーツビュッフェの件はマジで勘違いしてたからな」
「……その、やっぱり2人きりは嫌だった?」
恐る恐る訪ねる遥に静夜は何の気なしに答える。
「嫌だったら食べ終わった後すぐ解散してると思うけど?」
「……へ?」
(嫌だったらすぐ解散してた=静夜くんが私と居るのは嫌じゃない=私と居たい=私の事好き!?!?)
静夜の言葉を遥は頭の中で拡大解釈していき、とある一つの答えを導き出した。
「静夜くん、私の事好きなの!?」
「まあ、友達としては」
あっさりとそう返す静夜に遥はスーッと冷静に戻った。
「そ、そうだよね、友達として、だよね」
(分かりやすく落ち込んでる……)
シューンとなっている遥を見て静夜は何だか申し訳ない気持ちになった。
そうしてる間にも、あっという間に2人は遥の家へと着いた。
「あ、もう着いちゃった……」
「本当学校から近いな。家から通えるの羨ましい」
「そうかな? 寮もみんな居るし楽しそうだけど」
呟きに近い静夜の言葉に遥がそう返すと、静夜は頭を横に振った。
「結構面倒だよ。外出する時には先生の許可前もって取らなきゃいけないし」
「そうなんだ。じゃあなるべく早く誘った方が良いんだね」
遥の言葉に静夜はまあねと返事をする。
「分かった! 今度から早めに連絡するね! 今日は家までわざわざ送ってくれてありがとう!」
「いいよこのくらいの距離なら大した事ないし、それじゃあまた月曜日に」
静夜がそう言って立ち去ろうと振り返ると、遥は静夜に大きく手を振った。
「また月曜日にねー!」
遥の大声に静夜は振り返って小さく手を上げる。
「えっへっへっへっへぇ~、静夜くんに送ってもらっちゃった♡」
遥は上機嫌に呟きながら家へと入っていった。
一方静夜は学校へ戻ろうと来た道を戻っていく。
(葵さんと別れるとすっごく静かになるなぁ)
改めて遥の明るさ、もとい煩さを実感する。
(「本当に楽しかった」……か)
静夜は遥が今日1日本当に楽しそうにしている姿を思い出した。
(楽しくなかったと言えば嘘になる。実際葵さんと居るのは楽しかった……でも)
(それって葵さんがずっと明るいからな気がする)
--人はネガティブな人と居るよりポジティブな人と居る方が居心地が良い。
しかし、それは果たして恋愛の好きではあるのか?
そんな事をぐるぐると考えているうちに静夜は学校の寮へと帰ってきた。
部屋に入ると、もう1人の同居人である陽太はまだ仕事が終わっていないのか姿がない。
静夜は荷物を机の上に置くと、椅子に座って考えだした。
(何で葵さんが俺を好きなのか……まさか俺が前適当に言った言葉が返ってくるなんてな。そもそも恋愛した事ないのに「好きになるのに深い理由なんてないんじゃない?」なんて改めて何言ってんだ俺)
過去の事を思い出し静夜は恥ずかしさのあまりに机に項垂れる。
(そもそも俺自体恋愛した事ないのに恋愛してる人の心理なんて分かる訳がねーじゃんか)
--ドラマや小説の恋愛ではでは分かりやすい理由付けがされてる事が多い。
過去に助けてもらったとか、子供の頃からずっと一緒だったとか。
一目惚れパターンもあるがそれは美男美女だからの話であって、リアルではそんなに一目惚れって多いのか?
静夜は携帯を取り出して「一目惚れ した事あるか」と検索した。
すると静夜が思っている以上に沢山の一目惚れエピソードが出てきた。
(マジか……割とある事なのか?)
それから一目惚れの理由に顔や体型などが書かれておりそこに静夜は納得した。
(確かに陽太狙いの女子も大半が一目惚れだもんな。やっぱ世の中見た目か……)
(……つまり葵さんの好みの顔が俺って事!?)
静夜は改めて鏡で自分の顔を見た。
(こんな前髪やたらと伸ばしてる身長低い奴が好み……? いや好みは人それぞれだし否定する気もないけど……。それでも他に顔の良い奴なんていくらでもいると思うけど、何せ葵さんだしなぁ。言っちゃ悪いかもだけどかなり変人っぽいしうん、まあ)
静夜は鏡を見るのをやめた。
(そもそも葵さんが何で俺を好きになったかなんて葵さんしか分からない訳だし、問題はそこじゃない)
(俺が葵さんの事好きなのかどうかだよな)
それから静夜は鞄から鍵を取り出し、鍵に付いている黒猫のキーホルダーを眺めた。
(葵さんはすっごい喜んでたけど、俺は正直同じ熱量で喜べなかった。そもそも取るの無理だと思ってたし。何なら雑貨屋で買った方が確実だと思ったけど、多分葵さん的にロマンが無いって部分だろうな……それにそこまで欲しいものでも葵さんとペアで使いたいっていう気もなかった。ただ貰ったから付けてるだけ……ってなんか、我ながら言い訳がましいな)
そこまで考え静夜は鍵を鞄の中へと片付けて、ついでに荷物も片付けだした。
(そもそも陽太の事抜きで俺本人を好きになってくれる人なんて居なかったから混乱してるだけだな。そりゃあクラス1の美少女とか言われる人に無条件に好かれて嫌な気分はしない……ただ、裏があるんじゃないのかってのが怖い)
静夜は遥のこれまでの失態、失言を思い出し恐怖でゾッとする。
(陽太絡みの裏は無くても人間として裏がありそうで怖いんだよな……これまで会った人達にも居ないタイプだったから余計に)
「ただいまー」
静夜が考え事をしながら片付けを済ませてお風呂の準備をしていたら、仕事帰りの陽太が寮へと帰って来た。
「おかえり」
「なあなあ、葵さんとデートどうだったんだよ?」
帰って来て早々にニヤニヤと聞いてくる陽太に静夜はそっぽ向きながら答える。
「デートじゃないし、普通にケーキ食べて遊びに行っただけだし」
「それもうデートなんじゃねーの?」
「違う」
陽太の問いに静夜は断固拒否した。
「そんで? 何したんだよ? 楽しかったか?」
「何でお前にいちいち報告しなきゃなんねーんだよ?」
「なんだよー、服だって貸してやったんだからどんなだったかくらい聞いたって良いだろー?」
陽太の問いに静夜はやれやれと答える。
「ゲーセン行ってゲームしたくらいだって。服は洗濯して返すから」
「ゲーセンか~青春だな~」
「それじゃあ俺風呂入ってくるから」
それから静夜は陽太の事を無視してさっさと行ってしまった。
「んー、あの様子じゃあ葵さんまだ静夜の事は落とせてないんだなぁ。とは言え、静夜も葵さんの事嫌いじゃないとは思うんだけどな」
陽太はやれやれと独り言を呟きながら鞄を机に置いた。
「静夜のやつ、奥手というか慎重だからなー。うだうだ考え込まずに自分の気持ちに素直になれば良いだけなのにさ。まあそれがあいつの長所であり短所だけど」
鞄から荷物を片付けながら陽太は机の上に置いてあったプリントを見つめる。
そこには「進路希望調査票」と書かれていた。
「あいつ結局進路どうすんだろ……? まあ俺も考えなきゃだが」
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