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3章
見えるあなたと見えない僕
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「雰囲気あるな」そう思いながら映画館の正面に来て写真を撮る。朝一番に来たため外は全然明るい。だからか、あまり怖いとも思わずに中に入る。入るともうすぐにカーテンがあって劇場とは遮られている。少し触れただけで切れてしまいそうなカーテンを優しく開けると、寂しく並んだ椅子がなにも映し出されていないスクリーンに向かって並んでいる。少し古びて、汚れているがタイムスリップしたような感じがして面白い。一通り見て周り雰囲気やその場の道具を見て外へ出ようとした時、不意に当たりが静かになるのを感じた。元々人が来ないから静かだったが、それとは違う。空気すらも無くなって全くの無音。
「やばい」そう思い、動こうとするも金縛りにあったかのように足が地面に張り付いてしまっていた。かろうじて動く手でスマホを見るが案の定電源すらもつかないで真っ暗な画面のままだった。
「嘘だろ…」
そうつぶやいた言葉に返事するように「ピシッ」と後ろの方で鳴る。俺のすぐ後ろには、映画をスクリーンに映すための機械室がある。
ここは外の光も届かないため暗い。昼間だからって油断していた。そんな後悔を今更しても遅い。どうにか動こうと出す足は全くもって動かないまま時が過ぎていく。時間が経つにつれて大きく、そして近くなってくるラップ音が余計怖さを煽る。
「動けよ…」
そういいながら叩いてみるも状況はなにも変わらない。もう無理だ…。そう諦めて抵抗するのをやめる。
「見つけた。華さんは向こうの霊、お願いします。」
目の前に現れた天野さんを見て、安堵で世界が滲んでいく。
「大丈夫ですか、」
そう聞きながら俺の足元を見たり周りを見たりしている。その様子は周りに何かいるのだといっているようなもので怖かった。彼女は体が触れない程度の場所に座って守るようにまわりを警戒してくれる。体が触れないようにしてくれているのは、ここの様子を俺に見させないようにするためだと分かっていてもこの距離がどうしようもなく深いものに感じてやまなかった。落ち着いたのかゆっくり連れられながら外に出ると日は暮れ、真っ暗だった。
「とりあえず、近くのファミレスよりますね」
そう聞かれて頷いて返す。それを見てから中に入って席に座り珈琲を頼んでくれる。この賑やかな店内がいくらかさっきまでの恐怖を紛らわせてくれる。彼女はカバンからノートとペンを出してきて何か書いては頷いたりを繰り返している。
「どうしてわかったんですか」
あの時あと場所にたまたま居合わせたと行くさう可能性もなくは無いがそれはあまりにもできすぎている。
「華さんが知らせに来てくれたんです」
だが、彼女の言った言葉もまた現実的では無いものだった。幽霊が教えるなんてことあるのだろうか。
「今も私の隣にいますよ」
今も私の…。理解すると同時にソファ席の端にまで逃げる。その姿を見て彼女は少し笑う。
「林さんを助けてくださったのにかわいそう」
そう言われてもさっきのことがまだ鮮明に残っている今、素直に見てありがとうなど言えない。届いた珈琲を飲みながら一息ついている間も彼女は何か書いていた。ノートの内容は怖くて見れないが霊関係なのは間違いなさそうだ。
「もう終電ないので送ってきますね。もう少しだけ待っててください」
そう言った彼女の顔色が悪いことに気づく。
「顔色悪いですけど…」
そう聞いたと同時に彼女が倒れたのがわかった。急いで隣に行き、声をかけるが全く反応がない。気絶しているのか…。店員さんにより呼ばれた救急車で運ばれて病院に着いたときには時計は一時を過ぎていた。
「やばい」そう思い、動こうとするも金縛りにあったかのように足が地面に張り付いてしまっていた。かろうじて動く手でスマホを見るが案の定電源すらもつかないで真っ暗な画面のままだった。
「嘘だろ…」
そうつぶやいた言葉に返事するように「ピシッ」と後ろの方で鳴る。俺のすぐ後ろには、映画をスクリーンに映すための機械室がある。
ここは外の光も届かないため暗い。昼間だからって油断していた。そんな後悔を今更しても遅い。どうにか動こうと出す足は全くもって動かないまま時が過ぎていく。時間が経つにつれて大きく、そして近くなってくるラップ音が余計怖さを煽る。
「動けよ…」
そういいながら叩いてみるも状況はなにも変わらない。もう無理だ…。そう諦めて抵抗するのをやめる。
「見つけた。華さんは向こうの霊、お願いします。」
目の前に現れた天野さんを見て、安堵で世界が滲んでいく。
「大丈夫ですか、」
そう聞きながら俺の足元を見たり周りを見たりしている。その様子は周りに何かいるのだといっているようなもので怖かった。彼女は体が触れない程度の場所に座って守るようにまわりを警戒してくれる。体が触れないようにしてくれているのは、ここの様子を俺に見させないようにするためだと分かっていてもこの距離がどうしようもなく深いものに感じてやまなかった。落ち着いたのかゆっくり連れられながら外に出ると日は暮れ、真っ暗だった。
「とりあえず、近くのファミレスよりますね」
そう聞かれて頷いて返す。それを見てから中に入って席に座り珈琲を頼んでくれる。この賑やかな店内がいくらかさっきまでの恐怖を紛らわせてくれる。彼女はカバンからノートとペンを出してきて何か書いては頷いたりを繰り返している。
「どうしてわかったんですか」
あの時あと場所にたまたま居合わせたと行くさう可能性もなくは無いがそれはあまりにもできすぎている。
「華さんが知らせに来てくれたんです」
だが、彼女の言った言葉もまた現実的では無いものだった。幽霊が教えるなんてことあるのだろうか。
「今も私の隣にいますよ」
今も私の…。理解すると同時にソファ席の端にまで逃げる。その姿を見て彼女は少し笑う。
「林さんを助けてくださったのにかわいそう」
そう言われてもさっきのことがまだ鮮明に残っている今、素直に見てありがとうなど言えない。届いた珈琲を飲みながら一息ついている間も彼女は何か書いていた。ノートの内容は怖くて見れないが霊関係なのは間違いなさそうだ。
「もう終電ないので送ってきますね。もう少しだけ待っててください」
そう言った彼女の顔色が悪いことに気づく。
「顔色悪いですけど…」
そう聞いたと同時に彼女が倒れたのがわかった。急いで隣に行き、声をかけるが全く反応がない。気絶しているのか…。店員さんにより呼ばれた救急車で運ばれて病院に着いたときには時計は一時を過ぎていた。
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