最弱魔術師が初恋相手を探すために城の採用試験を受けたら、致死率90%の殺戮ゲームに巻き込まれました

和泉杏咲

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第2章

油断、しないんだな

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「少しは、学んだか」
「え?」
「油断、しないんだな」

初めて気づきました。
「油断をする」は、私がつい空気を吸うように使ってしまう言葉。
使ったことを忘れてしまう言葉。
悪気もなく、自らを正当化するのに一番楽な言葉だと誰もが思うのか、何か悪いことが起きるたびに周囲にいた大人達が挨拶のように繰り返し使っていました。

この言葉を言えば「次からは本気でやれよな」で誰もが許されておりました。それを見ておりましたので、私もいつの間にか失敗した直後に使う癖がついていたのでしょう。

「……できません……油断なんて……」
自分の人生の全てを賭けているのですから。
「そうか」
その人は、一言そう言うだけで、そのまま四つん這いになり、両手を地面へ置きました。マントから、シワだらけで骸骨のように肉がない手が現れました。

「何を……」
しているのかと私が聞く前に
「土の準備!」
「え?」
「早く!グズグズするな!」
「え?あ、あの?」

一体何を意味しているのか、私には分かりませんでしたが、その人は、祈りを組み立て始めました。それを見て、何らかの魔術を意味していることが分かりましたので、私は辞典を取り出そうとしましたが。
「遅い!こっちに来い!」
その人が私を引っ張ったと同時に、それが起きました。
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