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2.推しカプのために
第1の試験:ドレスコーディネート
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「まさか、あのブラウニー家の末娘が、ここまでだとは……」
「男爵も人が悪い。あんな素晴らしい娘が、何故今日の今日まで目立ってこなかったのか」
「全くもって、理解ができない……」
最初の試験は、いわば足切りのようなもの。
わざわざ王族の人間を同席させる必要はないと考えられていたので、宰相と大臣のみがダンスホールにて令嬢達が各々のスキルを発揮するのを見守っていた。
1番の有力候補だと言われているアレクサンドラも、試験時間ギリギリの到着ではあったものの、無事に最前列にて淡々とこなしている。
誰もが、このアレクサンドラこそがぶっちぎりの成績でクリアするだろうと、1問目が始まるまで信じていた。
ところが、この1問目でほとんどの人間にとっての番狂わせが起きたのだった。
「ねえ、あなた……」
アレクサンドラは、真横にちょこんと座っているリーゼに声をかけた。
アレクサンドラが、自分から他の令嬢に声をかけることはまずあり得ないので、そこからすでにダンスホールにいた全員にショックを与えた。
「は、はいいいい!!!」
リーゼは推しに話しかけてもらえたという、天にも昇る喜びを表現したくてうずうずした。
「確か、この試験はドレスと宝石のコーディネートを試験するものよね」
「はい!おっしゃる通りです!!!」
第一の試験は、王妃としての美的センスを試すもの。
王家御用達のドレス職人と宝石職人に協力させ、王妃として相応しいコーディネートを見せろ、と言う内容だった。
リーゼは、眼鏡が曇る程、鼻息荒く返事をした。
「それならば、何故あなたの手元には裁縫道具があるのかしら」
「王妃ともあろう方は、民にとって星のようなお方です」
「そうね」
「ですから!!このドレスは全ての民にとって憧れのドレスであるべきなのです!!」
「アレクサンドラ様に着せるには」と言う、大事すぎる一文を言うのをすっかりリーゼは忘れていた。
アレクサンドラが若干引いていることなど、気に求めず、リーゼはただのレースをものすごい速さで芸術的な繊細さにまで仕上げた。
その結果、どの令嬢がコーディネートしたものより、桁違いに素晴らしいコーディネートが完成したのである。
例え、リーゼが、アレクサンドラと自らが生み出した素晴らしいコーディネートを交互に見ながら「うふふ」と涎を垂らしていようとも、そんなことが目にも止まらないくらい、もはや伝説的な作品にまで昇華させてしまったのだ。
「男爵も人が悪い。あんな素晴らしい娘が、何故今日の今日まで目立ってこなかったのか」
「全くもって、理解ができない……」
最初の試験は、いわば足切りのようなもの。
わざわざ王族の人間を同席させる必要はないと考えられていたので、宰相と大臣のみがダンスホールにて令嬢達が各々のスキルを発揮するのを見守っていた。
1番の有力候補だと言われているアレクサンドラも、試験時間ギリギリの到着ではあったものの、無事に最前列にて淡々とこなしている。
誰もが、このアレクサンドラこそがぶっちぎりの成績でクリアするだろうと、1問目が始まるまで信じていた。
ところが、この1問目でほとんどの人間にとっての番狂わせが起きたのだった。
「ねえ、あなた……」
アレクサンドラは、真横にちょこんと座っているリーゼに声をかけた。
アレクサンドラが、自分から他の令嬢に声をかけることはまずあり得ないので、そこからすでにダンスホールにいた全員にショックを与えた。
「は、はいいいい!!!」
リーゼは推しに話しかけてもらえたという、天にも昇る喜びを表現したくてうずうずした。
「確か、この試験はドレスと宝石のコーディネートを試験するものよね」
「はい!おっしゃる通りです!!!」
第一の試験は、王妃としての美的センスを試すもの。
王家御用達のドレス職人と宝石職人に協力させ、王妃として相応しいコーディネートを見せろ、と言う内容だった。
リーゼは、眼鏡が曇る程、鼻息荒く返事をした。
「それならば、何故あなたの手元には裁縫道具があるのかしら」
「王妃ともあろう方は、民にとって星のようなお方です」
「そうね」
「ですから!!このドレスは全ての民にとって憧れのドレスであるべきなのです!!」
「アレクサンドラ様に着せるには」と言う、大事すぎる一文を言うのをすっかりリーゼは忘れていた。
アレクサンドラが若干引いていることなど、気に求めず、リーゼはただのレースをものすごい速さで芸術的な繊細さにまで仕上げた。
その結果、どの令嬢がコーディネートしたものより、桁違いに素晴らしいコーディネートが完成したのである。
例え、リーゼが、アレクサンドラと自らが生み出した素晴らしいコーディネートを交互に見ながら「うふふ」と涎を垂らしていようとも、そんなことが目にも止まらないくらい、もはや伝説的な作品にまで昇華させてしまったのだ。
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