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2.推しカプのために
第2の試験:知識&作文試験
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2つ目の試験は、王妃に相応しい教養を持っているかどうかを試す「作文試験」。
お題はシンプルに「自分が王妃になったらどんなことをしたいか」だった。
王妃という肩書きと権力だけを欲していた、お飾り令嬢には決して書くことができない代物。
さらに、文章を書くということも
「ペンのインクで手が汚れてしまうのが嫌」
と忌避する令嬢も少なからずいた。
実際、王家の一員として実務をこなすのに、ペンに触りたくないは論外なので、これも効率的な良い足切り方法ではある。
ほとんどの令嬢は
「こんなの分からない」
「もっと王妃としての資質を問うべき試験があったはず」
と、口々に文句を言い始めた。
そんな中で、黙々とペンを走らせていたのは2名。
1人目は、もちろんアレクサンドラ。
試験問題を聞き、書き留めるための紙が配られた瞬間、無駄な動作1つなく、流麗な字を書き始めた。
アレクサンドラのすごいところは、そんな些細な動きすら映えること。
特に真横にいるリーゼは、目の前の紙にこの美しさを絵という形で残したい欲を抑え込むので精一杯だった。
(くっ……これが……アレクサンドラ様のための試験でなければ、自分用に全力で模写したのに……)
だが、自分には役目がある。
リーゼは深呼吸をしてから改めて、まだ何も書かれていない自分用の紙に向き合う。
文章を作ることは、リーゼの十八番。
そしてリーゼは、この十八番を使い、アレクサンドラを全力で推薦するための文章を書こうという使命感に燃えていた。
歴史学、経済学、芸術学、家政学、教育学などなど、王妃にふさわしい知識は諸々のニーナによる対策のおかげでしっかり身についていた。
後は、これらを組み合わせて、いかにアレクサンドラという存在が王妃にふさわしいかをプッシュするだけ。
そう考えたリーゼが書き上げたのは
「どこの恋愛小説だよ!」
とニーナが読んだら100%突っ込むであろう、王妃のサクセスストーリーだった。
これを短時間で書き上げただけでもすごいのに、宰相ですら「この発想は天才か……!?」と唸らせる程のものに、なってしまったのだ。
お題はシンプルに「自分が王妃になったらどんなことをしたいか」だった。
王妃という肩書きと権力だけを欲していた、お飾り令嬢には決して書くことができない代物。
さらに、文章を書くということも
「ペンのインクで手が汚れてしまうのが嫌」
と忌避する令嬢も少なからずいた。
実際、王家の一員として実務をこなすのに、ペンに触りたくないは論外なので、これも効率的な良い足切り方法ではある。
ほとんどの令嬢は
「こんなの分からない」
「もっと王妃としての資質を問うべき試験があったはず」
と、口々に文句を言い始めた。
そんな中で、黙々とペンを走らせていたのは2名。
1人目は、もちろんアレクサンドラ。
試験問題を聞き、書き留めるための紙が配られた瞬間、無駄な動作1つなく、流麗な字を書き始めた。
アレクサンドラのすごいところは、そんな些細な動きすら映えること。
特に真横にいるリーゼは、目の前の紙にこの美しさを絵という形で残したい欲を抑え込むので精一杯だった。
(くっ……これが……アレクサンドラ様のための試験でなければ、自分用に全力で模写したのに……)
だが、自分には役目がある。
リーゼは深呼吸をしてから改めて、まだ何も書かれていない自分用の紙に向き合う。
文章を作ることは、リーゼの十八番。
そしてリーゼは、この十八番を使い、アレクサンドラを全力で推薦するための文章を書こうという使命感に燃えていた。
歴史学、経済学、芸術学、家政学、教育学などなど、王妃にふさわしい知識は諸々のニーナによる対策のおかげでしっかり身についていた。
後は、これらを組み合わせて、いかにアレクサンドラという存在が王妃にふさわしいかをプッシュするだけ。
そう考えたリーゼが書き上げたのは
「どこの恋愛小説だよ!」
とニーナが読んだら100%突っ込むであろう、王妃のサクセスストーリーだった。
これを短時間で書き上げただけでもすごいのに、宰相ですら「この発想は天才か……!?」と唸らせる程のものに、なってしまったのだ。
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