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3.リーゼVSそれぞれ
殿下の寝巻きを作っておりますの
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「今、殿下の寝巻きを作っておりますの」
リーゼが、鼻息荒くしながらニーナにドヤった。
ニーナには、ただただ混乱しかない。
一体、何がどういう流れになれば、この国の次期トップの寝巻きを作ることになるのか。
それも、アレクサンドラと一緒に。
「私がお願いしましたの」
アレクサンドラが、まるで王族が下々の者に手を振るかのような綺麗な角度でピンっと手を挙げた。
こういうのを見てしまうと、選ばれるべき人とはこういう人なのか……と、感心すらしてしまう。
ほんと、どうしてうちの自由令嬢がこんな人を差し置いて殿下のお目に叶ったのが。この国の七不思議の1つと言っても過言ではないだろう。
ちなみに、残り6つはまだ未知。ただ、その内の1つにはこの悪戯顔すら麗しいアレクサンドラが関わることだけは間違いないと、ニーナは確信すらした。
「アレクサンドラ様が、誰に、何のお願いをなさったのでしょう?」
「リーゼ様に、殿下の寝巻きを縫っていただきたいと」
「は、はあ……」
アレクサンドラは、クスクスと口元に手を当てて笑いながら、上半身スッポンポンのエドヴィン王子が座っている椅子の周りをくるくる回りながら言葉を続ける。
「可哀想に。殿下は、今不眠症で苦しみになられておりますの」
「ふ、不眠症……ですか?」
「ええ。リーゼ様は婚約者試験のご様子から、お裁縫に大変優れているとお見受け致しましたの。それで、不眠症に効く寝巻きを、ぜひリーゼ様のお手製で作っていただくのが良いのではないか……」
そう言いながら、アレクサンドラがニーナに向けてウインクをパチパチしたことで、気づいてしまった。
そうか。これはアレクサンドラの、リーゼとエドヴィン王子の心を近づける作戦である、と。
リーゼが、鼻息荒くしながらニーナにドヤった。
ニーナには、ただただ混乱しかない。
一体、何がどういう流れになれば、この国の次期トップの寝巻きを作ることになるのか。
それも、アレクサンドラと一緒に。
「私がお願いしましたの」
アレクサンドラが、まるで王族が下々の者に手を振るかのような綺麗な角度でピンっと手を挙げた。
こういうのを見てしまうと、選ばれるべき人とはこういう人なのか……と、感心すらしてしまう。
ほんと、どうしてうちの自由令嬢がこんな人を差し置いて殿下のお目に叶ったのが。この国の七不思議の1つと言っても過言ではないだろう。
ちなみに、残り6つはまだ未知。ただ、その内の1つにはこの悪戯顔すら麗しいアレクサンドラが関わることだけは間違いないと、ニーナは確信すらした。
「アレクサンドラ様が、誰に、何のお願いをなさったのでしょう?」
「リーゼ様に、殿下の寝巻きを縫っていただきたいと」
「は、はあ……」
アレクサンドラは、クスクスと口元に手を当てて笑いながら、上半身スッポンポンのエドヴィン王子が座っている椅子の周りをくるくる回りながら言葉を続ける。
「可哀想に。殿下は、今不眠症で苦しみになられておりますの」
「ふ、不眠症……ですか?」
「ええ。リーゼ様は婚約者試験のご様子から、お裁縫に大変優れているとお見受け致しましたの。それで、不眠症に効く寝巻きを、ぜひリーゼ様のお手製で作っていただくのが良いのではないか……」
そう言いながら、アレクサンドラがニーナに向けてウインクをパチパチしたことで、気づいてしまった。
そうか。これはアレクサンドラの、リーゼとエドヴィン王子の心を近づける作戦である、と。
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