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6.二人が結ばれしまった夜

やめてください。時間の無駄です

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「とりあえず……会場に連れて行ってもいいですか?」
 
 最初に沈黙を破ったのはやはり、腹黒隠して空気を読み続けて早ピー年のニーナだった。

「え、ええそうですね隊ちょ……」

 本来使用人であるはずのニーナに対して、敬語を使いそうになったアレクサンドラにぎろりとニーナは睨みつける。
 おめえ分かってんのか?普通上下関係逆なんだよ、今までが特殊だったんだよ、と言いたげな目で。
 その睨みの意味は流石にわかったのか

「ええ!そうね!いきま……じゃなくて、行くわよ!」

 と、無理やりわざとらしいタメ語で言葉を繋いだアレクサンドラだった。
 そうじゃねえ……とニーナは頭を抱えたくなったが、リーゼが自分の背中にべったりセミのようにくっついてるものだから、身動きがうまくできない。

「リーゼ様、離れてくださいまし」
「………………」
「あの、アレクサンドラ様」
「なあに?」
「10歩ほど先に歩いてくれます?」
「なんで」
「いいから、早く」
「…………わかりましたわよ…………」

 アレクサンドラは怪訝な顔をしながら10歩先に進んだ。
 するとあら不思議。リーゼがあっさりニーナの横に戻った。
 アレクサンドラは、試しに2歩戻ってみた。
 するとリーゼはまたもやニーナの後ろに戻った。
 アレクサンドラは、今度は3歩進んでみた。
 するとリーゼはニーナの横に戻った。
 アレクサンドラが戻ろうとした時

「やめてください。時間の無駄です」

 とニーナの制止が入ったのだった。
 そんなこんなで、3人で無事にダンスホールの入口までついた時だった。

「「やあ」」

 2人の男性が、3人に話しかけてきた。
 その2人というのが……。
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