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7.妊娠がわかってから
やっぱり、持ち込んでましたね。そのナイフ
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「リーゼ様、失礼致します」
「失礼する」
2人が、リーゼの反応も聞かずに扉を強引に開けると、リーゼが鼻をすする音が聞こえた。
ちなみに、部屋は真っ暗で月明かりだけが頼り。
だが、ごそごそとシーツが擦れる音でも、リーゼの居場所がベッドであることはお見通しだった。
「リーゼ様。そんなところで山にならないでください」
毛布の中でうずくまっているであろうリーゼに対し、ニーナは毛布を剥ぎ取ろうとしながら声をかけた。
だが、見た目に反して、推しカプグッズを作るために木を切り倒して担ぎ上げるようなリーゼだ。多少ニーナが強く引っ張ったところで、リーゼに本気で抵抗されたらぴくりとも動かすことはできなかった。
「ちょっ、リーゼ様!」
「私……もうこの世界の人達に顔を合わせられないわ……このまま死んでしまいたいわ」
リーゼの「死んでしまいたい」発言を聞いたエドヴィン王子は、瞬時に「そんなことを言うな!」と言いそうになったが、ニーナがすぐに口を塞いで首を横に振った。
今、エドヴィン王子の声をリーゼに聞かせたら、発作的に何をするかわからない。
とりあえず、ニーナは一旦部屋を見渡しながら彫刻用のナイフが何本落ちているかを確認した。
それからすぐ、ニーナはリーゼの毛布をもう一度掴みながら、こう尋ねた。
「リーゼ様。1本、持ってますね」
「な、何を……」
「失礼します」
リーゼの力は、確かに強い。
だがニーナも負けていない。
リーゼが推し活でエネルギーを使い果たして、屋敷のそこら中で転がっている時、拾い上げてくるのはニーナだ。
リーゼが20kgを軽々持ち上げるなら、ニーナは45キロ。
勝負は、決まっている。
「やめて!!」
リーゼが叫んだと同時に、毛布の中からリーゼが現れた。
「なっ……リーゼ嬢……」
エドヴィン王子も、姿を隠す必要はなかった。
全てが曝け出されていたから。
「やっぱり、持ち込んでましたね。そのナイフ」
リーゼは、手に1番大きい彫刻用ナイフを持っていた。
「失礼する」
2人が、リーゼの反応も聞かずに扉を強引に開けると、リーゼが鼻をすする音が聞こえた。
ちなみに、部屋は真っ暗で月明かりだけが頼り。
だが、ごそごそとシーツが擦れる音でも、リーゼの居場所がベッドであることはお見通しだった。
「リーゼ様。そんなところで山にならないでください」
毛布の中でうずくまっているであろうリーゼに対し、ニーナは毛布を剥ぎ取ろうとしながら声をかけた。
だが、見た目に反して、推しカプグッズを作るために木を切り倒して担ぎ上げるようなリーゼだ。多少ニーナが強く引っ張ったところで、リーゼに本気で抵抗されたらぴくりとも動かすことはできなかった。
「ちょっ、リーゼ様!」
「私……もうこの世界の人達に顔を合わせられないわ……このまま死んでしまいたいわ」
リーゼの「死んでしまいたい」発言を聞いたエドヴィン王子は、瞬時に「そんなことを言うな!」と言いそうになったが、ニーナがすぐに口を塞いで首を横に振った。
今、エドヴィン王子の声をリーゼに聞かせたら、発作的に何をするかわからない。
とりあえず、ニーナは一旦部屋を見渡しながら彫刻用のナイフが何本落ちているかを確認した。
それからすぐ、ニーナはリーゼの毛布をもう一度掴みながら、こう尋ねた。
「リーゼ様。1本、持ってますね」
「な、何を……」
「失礼します」
リーゼの力は、確かに強い。
だがニーナも負けていない。
リーゼが推し活でエネルギーを使い果たして、屋敷のそこら中で転がっている時、拾い上げてくるのはニーナだ。
リーゼが20kgを軽々持ち上げるなら、ニーナは45キロ。
勝負は、決まっている。
「やめて!!」
リーゼが叫んだと同時に、毛布の中からリーゼが現れた。
「なっ……リーゼ嬢……」
エドヴィン王子も、姿を隠す必要はなかった。
全てが曝け出されていたから。
「やっぱり、持ち込んでましたね。そのナイフ」
リーゼは、手に1番大きい彫刻用ナイフを持っていた。
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