幼馴染でマジカルなアレが固くなる

余るガム

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第一章 幼年編

精神の病はもはや我らを傷つけない

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 なじみ相手に勃起するということは今のところない。
 そのため一緒に風呂に入ってまずいことと言ったら俺の精神は普通に大人であることぐらいだろう。それですら俺以外知らない事だし、言わない限り、あるいは言ったところで大して問題はない。

 が、しかし。

 惚れた女性が全裸で、目の前にいて惜しげもなく自分に接触してくるという状況で。
 勃起しないというのは、まるで自分がEDになってしまったかのようで。
 凄く自分が情けないように思えてくるのだ。

 だから蝶ヶ崎家に泊まるときは、風呂を上がってから勃起の確認をしている。
 マジカルというだけあって勃起自体は可能なのだが、いざなじみを目の前にするとどうもうまくいかない。

 心の奥底で、傷物にしたくないとでも思っているのだろうか。
 最初はつばの代わりに精液を付けるつもりだったくせに、その心変わりの速さはいっそ笑えてくる。

 なぜ俺がこうも自嘲気味にあれこれ考えているのかというと、現状のあれこれを考えないようにするためだ。

 おおっと、精神の防壁が崩れそうになってしまった。
 下手な主人公なら今のところでなじみの全裸描写が入るところだが、あいにく俺は神に選ばれた男。そんな愚は犯さない。

 他の主人公じゃあ感触とかを完全にシャットアウトしようとするのだろうが、それがまず間違っている。
 ある程度の感覚は残しておくんだ、そうじゃないと怪しまれてしまうし、背中を流すなんて繊細なことはできない。肌の艶やかで、ともすれば扇情的ですらある感触を一切傷つけないようにするには、必要不可欠だ。

 なじみは俺の背中をお返しに流したいようだが、あいにく俺はなじみが入ってくる前に終わらせてしまった。すまんの。

 しょうがないので一緒に湯船につかろうではないか。
 それで許してくれたまえ。

 なんで私の足の間に入る必要があるんですかね?
 対面じゃダメなの?
 あ、そう・・・。

 この状態で抱きしめてほしいそうだが、さすがにできない。
 そういうとなじみが抱き着いてくるのだから結局同じだった。

「ねえ、ケーくん」
「どうした?」
「おっきくなっても、こーやって一緒にお風呂入ろうね」

 可愛いかよ。
 それに頷くかどうかで迷っている俺を見かねたのか、なじみは言葉を重ねた。

「やっぱ言わなくていい。言っても同じだし」

 正直ありがたい言葉だったが、なじみはどっちの意味で言ったのだろう。
 一緒に入るから同じなのか、入らなくなるから同じなのか。

 その真意を推し量る術を、俺は持っていない。



 なじみとの風呂が終わって、なじみの部屋。
 実は俺の寝る部屋については現在長期出張中の旦那さんの部屋を使うことになっていたのだが、なじみが一緒に寝たいと聞かないのでなじみの部屋で寝ることが多い。
 とはいえ途中で勃起の確認も行おうと思っているので、少なくとも途中離脱はするつもりだ。その後は戻るが。

「ね、ケーくん」

 客用布団がないので、なじみのベッドで一緒に寝ることになっているのだが、そのために俺がなじみの布団を敷いていると、終わったところを見計らってなじみが話しかけてきた。

「秘密の遊び、しよ?」

 あれ以来、なじみはことあるごとにキスを求めてきた。
 大抵は断っている。日常にし過ぎるのも良くないと思うし、こういうのは多少特別であってほしい。
 ハマってくれたこと自体は非常にうれしいのだが、脇目もふらずに求めてくるようになればお互いの為にならない。

 そのため今回のお泊り等の特別な時しか応えないようにしている。
 なじみもそれを把握しているのか、今では応えやすい時にしか求めなくなった。

「いいよ。しようか」
「ッ! うん!」

 嗚呼、こうも喜びを表に出されては嬉しくなってしまうじゃないか。

「「んッ・・・」」

 普通のキスだ。唇を合わせるだけの、普通の。
 なじみはすぐに唇を開いて、俺の舌を中に誘う。
 駆け引きなどせず、素早く舌を入れた。

「んっ・・・ふう・・・」

 歯は開いていた。
 それだけだというのに、まるで自分との行為に慣れ始めているように感じられて、どうしようもなくうれしい。
 なじみの舌はちょんちょんとこちらの舌に触れてくる。

 こういう時は、男がリードしなくてはなるまい。

 俺はなじみの舌に自分の舌を柔らかくぶつけ、絡めた。

「んぅぅう!?」

 なじみから驚きの声が上がるが、それを無視して舌を絡め続ける。
 なじみの舌を俺の舌で舐める。それはさながらフェラチオのように。

「んっふぅっ、ぁっ」

 なじみの声に甘い色が混じり始める。
 顔は紅潮し、目は潤み、体温が上がるのは俺にも感じられた。
 傍にいるからだろうか、あるいはなじみが発情しているからだろうか。普段は気にも留めないなじみの匂いがどうしようもなく鼻腔に絡みつく。

 嗚呼、俺は今なじみを五感のすべてで感じている。

 このまま自分のすべてをなじみで埋め尽くせたら、どれほど幸福だろう。
 このままなじみのすべてを自分で塗りつぶせれば、どれほど幸福だろう。

 だが悲しいかな、そんなことできはしない。
 どれほど強固に愛し合おうと、どれほど二人が結合しようと、どこまで行っても二人でしかないのだから。

「んッ。ん~~・・・」

 なじみの体が跳ねる。
 ビクリビクリと痙攣する。

 視界の端でなじみの絶頂カウントを一つ増やしたエロステータスがなんとも無粋だ。

 どちらからともなく口を離す。
 なじみも俺も息が荒い。

「なんなの、今のぉ・・・」

 幼女特有の甲高い声でありながら、その声色ときたら吉原の遊女を連想させる艶。
 もっとその声を聴きたい。もっと深く、濃く、他の全てを白く見せてしまうほどの”色”を。
 少し、股間にきた。

「今のは、『イク』っていう感覚だよ。これからはイキそうだったら、声に出したりして教えてね」
「イク? ・・・うん、わかった。ケーくんに教えるね」

 まさか自分がこんな調教のようなセリフを吐くことになろうとは、考えもしなかった。

「じゃあ、今日はもうおしまいね」
「ぇ・・・もっと、したい」

 俯き指先でこちらの袖を軽くつまむ彼女は反則的に可愛かったが、ここで頷いてはいけない。
 エロステータスで見聞した絶頂深度は1。
 これは俗に甘イキや軽イキなどと呼ばれる程度のもので、我が逸物であればシーツとの擦れで至れるレベルだ。まあそれは多少難しいとはいえ、最低値といえばその通り。

 そんな程度でも幼いなじみの体には結構な負担だ。本来、なじみの体は快楽を受容できない段階なのだから。

 これ以上やれば、確実になじみの体に不調が起きる。
 明日怠い、程度であればまだいい。そもそも明日は休みだ。
 最悪体調を崩して寝込んでしまうまである。

 確かにこのまま続ければ俺は気持ちいいだろう。女性をキスだけで絶頂へ導いたとなれば優越感も一入だろう。本命の女性なのだから尚更だ。
 なじみも今は気持ちいいだろう。初体験の絶頂だ。気持ちよくないはずがない。

 しかしその代償は確実に払わされるのだ。なじみだけが。

 それを理解し、今歯止めとなれるのは俺だけだ。

「ダメ。続きはまた今度ね」
「う~~・・・」
「今日はもうだめ。次はもっと気持ちよくしてあげるから、ね?」
「う~~・・・うん」

 大分粘られたが、なんとか了承してくれた。
 思わず一線を越えかけた自分を誤魔化すようにそそくさとベッドに入る。
 俺は壁側になり、なじみは俺に抱き着き俺の足の間に自分の足を差し込んできた。

 絶対に逃がさないという強い意志を感じる。
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