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第二部 高校生編
最後に一つ言っておこう・・・時は加速する
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高校についた。
まさしく『学習』合宿といったこの二泊三日は正直全く面白くなかった。
途中の告白ごっこがなければいよいよ何の記憶も残らないだろう。
いっそフェリーにテロリストでも乗り込んでくれば・・・なんて破滅的な事を考えてしまうくらいにはつまらない二泊三日だった。
ずっと島に停泊していたので無理だろうが。当時あの島はマジで絶海の孤島だったらしい。
点呼を取り、各自解散。
非常に雑だが、進学校ならこれくらい緩くても許されるのだろう。
許されるのだろうか。
「帰ろ、ケーくん」
「おう」
さて、今日この日よりこれまでと違う点が一つ。
なじみとの付き合いを周囲に隠す必要が無くなった。
周囲への喧伝は正直どちらでもよかったので、なじみの満足いくようにすればいいと思う。
まあ、一度周知した以上そうそう取り消すことは出来ないのだが。
「うわ、マジで付き合ってんだ・・・」
「ざーんねん、結構いいと思ってたんだけどなー」
「相手が蝶ヶ崎さんじゃ無理無理。悔しいけどお似合いじゃない」
「まああの二人なら妥当って感じだよなー」
「10年以上の両片思い、素直に祝福しようじゃないか」
俺の戦闘力って、そんなに高かったんだ・・・。
まあ、元よりなじみに釣り合うために積み上げてきた努力。その甲斐あったという事だろう。
大多数の男子連中は妬むのではなく、祝福して器の大きさを見せつける方針らしい。
実に生産的である。実るかはともかく。
「おう安心院、おめえとんでもないことになったな」
言動とは裏腹に結構上機嫌な感じの雄大が話しかけてきた。
「ああ、まさかここまで波紋が広がるとはな」
「まあ、なるようになったって感じじゃねーの? お前らが高校入ってからなんか余所余所しい感じになったの知ってたし」
「やっぱりか・・・上機嫌なのはそれが理由か?」
「半分そうだな。蝶ヶ崎さんと付き合ったという事は、お前はもはや仁科先輩との好感度レースから脱落したも同じこと・・・お前と言う強敵の自滅に私は心底機嫌が良いのだよ」
「元からお前が勝手に強敵認定してただけだけどな」
「過去は振り返らない!」
調子が良いというかなんというか。
でもごめんな、微かとの好感度レースはもう大体終わった後なんだ。
どうしよう、土下座ぐらいで許してくれるだろうか。
「じゃ、俺は帰るから。彼女と」
「FUCK!! とは言わないでおくぜ。すぐに追いつくからよ」
「言い切っていたが?」
じゃあな、と挨拶を交わしてなじみに合流する。
見ればあちらもちょうど同じ様に会話を終えた所らしい。
「友達?」
「うん、ルームメイトの。あれから仲良くなったんだー」
なじみの分の荷物をひょいと持ち上げ、帰路につく。
「・・・重くないの?」
「何が?」
こういう時の為に付けた筋肉だ。
むしろ重くてはいけない。
手荷物程度はなじみが持ってるし、これぐらいの配分がちょうどいいだろう。
「ありがとうね」
「どうも」
生憎荷物で埋まっているので、なじみの『手をつなぎたい』というオーダーには応えられない。
しかしこの初々しきも、善き哉。
*
家に着いた。
当然の様に俺と同じドアをくぐるなじみ。
数日間明けた分の始末をせねばならないのだが、それを差し引いても自分の部屋に帰るのは嫌なようだ。
「嫌って程じゃないんだけど・・・私たちって食費とか光熱費とか込みで仕送り貰ってるじゃん?」
「そうだな」
「一つの部屋で過ごしたらその分浮くじゃん?」
「そうだな」
「そしてお互いに抵抗ないじゃん?」
「そうだな」
「じゃあもうそうしない理由がないじゃん?」
ぐうの音も出ない。
出ないのだが・・・まあ、いいか。出す必要もないし。
キンコーン。
「宅配か?」
「微さんかもよ」
チャイムに応じてドアを開けると。
「こんにちは、NHKの集金です」
「ウチ、テレビないんで」
ドア、閉鎖。
「NHK?」
「ああ、『ぬるっとした花子』だ」
「日本放送協会じゃなくて?」
「知るか。略語で名乗る方が悪い。大体日本放送協会ならJBAだろ」
というか仮に日本放送協会だったとして、テレビなかったら受信料払わなくていいんだっけ・・・?
*
なめこの本を配る会の実態を忘れたが、税金関係は全部払ってるはずだ。
問題ない、という事にしておこう。
さておき本日は金曜日。
しかも部活がない。
その上バイトもない。呼ぶまで来るなと言われたが、あの店本当に大丈夫なんだろうか。
なのでこれから自由時間・・・なのだが。
実の所、俺たちが自宅についたのは結構いい時間だったのだ。
そこからさらに外泊の始末を付けているのだから、もう寝るってぐらいの時間帯である。
そして今日は自分の部屋。
つまり。
「寝るぞ、なじみ。おいで」
「はーい」
なじみとの同衾が出来るのである。
実に二日ぶりだが、そのたった二日がどれほど手持ち無沙汰だったか。
二人でいそいそと布団に入り、枕の位置を調整し、お互いの配置を吟味する。
くっつきすぎると息苦しいし、最近は少し暑くもなってきた。しかし離れすぎては本末転倒なうえ、寝台から転げ落ちる可能性もある。
なじみの胸は大きいし、お腹を冷やしても行けない。掛け布団の存在だって考慮する必要がある。
そんな状況下でお互いが安眠できるベストな状態を作り出す。
この二人で狭いベッドの中、お互いを思いやってもぞもぞするというこの時間が至福なのである。
なお、時と場合によってはそのまま前戯に移行する模様。
そこで鳴り響く、無粋な着信音。
着信相手は・・・『姉さん』?
なんだろう、またご褒美ボイスでも強請りに来たのだろうか。
面倒臭い感情と、至福の時間を邪魔されたフラストレーションを持って電話に出る。
「もしもし?」
『うわあ! 本当につながった!?』
電話口から聞こえてきたのは、確実に姉のものではない声。
「どちらさんです? なぜ姉の携帯を?」
『あの、えーと、あなたのお姉さん、氷麗さんが飲み会で潰れちゃって・・・それで迎えに来てくれる人を聞いたら弟っていうから呼んで言っていったんだけど私が呼べって言われちゃったから、こうして電話してます。あっ私の名前は内海です』
「なるほど、事情は分かりました」
めんどくせぇ。
俺の内心はそれだけでいっぱいだった。
さりとて姉は姉、それなり以上に情はある。
酔いつぶれた所を介抱の名目でお持ち帰り、からの一発なんてありふれた手法だが、それに姉が引っ掛かるのを黙ってみているのも忍びない。
場所は聞きだしたし、姉さんの家も知っている。
どうやらまだまだ今日は終わらないらしい。
*
姉が酔いつぶれたので少し出ると伝えると、なじみが拗ねてしまった。
なるだけ迅速に帰ることを約束し、先に寝ていろと言って家を出る。
軽いキスを要求されたのは良い思い出。
さておき、車はおろか自転車すらない俺が移動するとなれば、それは必然徒歩である。
そしてさっさと帰るためには走る必要がある。
わざわざ専用のウェアに着替えて走るのだ。
更に洗濯物が増えるが、なじみには代えられない。
しかし、ここで少し悪戯心の様なものが芽生えた。
家宅侵入罪で普通に犯罪となるのは知っているが、それでも夜だし。
10代の若い体。ここで一つ非行に興じるのも悪くないやもしれない。
という事で。
「うおおおッ、爽快だなぁ!」
超能力で肉体強化、そして屋根から屋根へ飛び移る。
思いっきり踏み込んでいるのに瓦一つ割れない当たり、ここいらの住居は随分頑丈らしい。
いや、そもそも俺の脚力がそうでもない可能性もあるのだが。
はっきり言って、俺にフリーランニングの技術はない。
しかし俺には筋肉と超能力がある。
技術の不足をスペックでごり押す。
障害物をそのまま飛び越えるこの動きはまるで空を飛んでいるかのよう。
直線で高速移動しているので、姉さんのいる場所・・・居酒屋までの時間は大分短縮される。
*
そう思っていた時期が、俺にもありました。
元々持ってた土地勘が屋根の上だと全く機能しない上、方向の誤差を知ることも難しい状況では時間的にはむしろマイナス。
それを更にスペックでごり押して、結局居酒屋に到着したのは普通に歩くのと大体同じくらいだった。
まさしく『学習』合宿といったこの二泊三日は正直全く面白くなかった。
途中の告白ごっこがなければいよいよ何の記憶も残らないだろう。
いっそフェリーにテロリストでも乗り込んでくれば・・・なんて破滅的な事を考えてしまうくらいにはつまらない二泊三日だった。
ずっと島に停泊していたので無理だろうが。当時あの島はマジで絶海の孤島だったらしい。
点呼を取り、各自解散。
非常に雑だが、進学校ならこれくらい緩くても許されるのだろう。
許されるのだろうか。
「帰ろ、ケーくん」
「おう」
さて、今日この日よりこれまでと違う点が一つ。
なじみとの付き合いを周囲に隠す必要が無くなった。
周囲への喧伝は正直どちらでもよかったので、なじみの満足いくようにすればいいと思う。
まあ、一度周知した以上そうそう取り消すことは出来ないのだが。
「うわ、マジで付き合ってんだ・・・」
「ざーんねん、結構いいと思ってたんだけどなー」
「相手が蝶ヶ崎さんじゃ無理無理。悔しいけどお似合いじゃない」
「まああの二人なら妥当って感じだよなー」
「10年以上の両片思い、素直に祝福しようじゃないか」
俺の戦闘力って、そんなに高かったんだ・・・。
まあ、元よりなじみに釣り合うために積み上げてきた努力。その甲斐あったという事だろう。
大多数の男子連中は妬むのではなく、祝福して器の大きさを見せつける方針らしい。
実に生産的である。実るかはともかく。
「おう安心院、おめえとんでもないことになったな」
言動とは裏腹に結構上機嫌な感じの雄大が話しかけてきた。
「ああ、まさかここまで波紋が広がるとはな」
「まあ、なるようになったって感じじゃねーの? お前らが高校入ってからなんか余所余所しい感じになったの知ってたし」
「やっぱりか・・・上機嫌なのはそれが理由か?」
「半分そうだな。蝶ヶ崎さんと付き合ったという事は、お前はもはや仁科先輩との好感度レースから脱落したも同じこと・・・お前と言う強敵の自滅に私は心底機嫌が良いのだよ」
「元からお前が勝手に強敵認定してただけだけどな」
「過去は振り返らない!」
調子が良いというかなんというか。
でもごめんな、微かとの好感度レースはもう大体終わった後なんだ。
どうしよう、土下座ぐらいで許してくれるだろうか。
「じゃ、俺は帰るから。彼女と」
「FUCK!! とは言わないでおくぜ。すぐに追いつくからよ」
「言い切っていたが?」
じゃあな、と挨拶を交わしてなじみに合流する。
見ればあちらもちょうど同じ様に会話を終えた所らしい。
「友達?」
「うん、ルームメイトの。あれから仲良くなったんだー」
なじみの分の荷物をひょいと持ち上げ、帰路につく。
「・・・重くないの?」
「何が?」
こういう時の為に付けた筋肉だ。
むしろ重くてはいけない。
手荷物程度はなじみが持ってるし、これぐらいの配分がちょうどいいだろう。
「ありがとうね」
「どうも」
生憎荷物で埋まっているので、なじみの『手をつなぎたい』というオーダーには応えられない。
しかしこの初々しきも、善き哉。
*
家に着いた。
当然の様に俺と同じドアをくぐるなじみ。
数日間明けた分の始末をせねばならないのだが、それを差し引いても自分の部屋に帰るのは嫌なようだ。
「嫌って程じゃないんだけど・・・私たちって食費とか光熱費とか込みで仕送り貰ってるじゃん?」
「そうだな」
「一つの部屋で過ごしたらその分浮くじゃん?」
「そうだな」
「そしてお互いに抵抗ないじゃん?」
「そうだな」
「じゃあもうそうしない理由がないじゃん?」
ぐうの音も出ない。
出ないのだが・・・まあ、いいか。出す必要もないし。
キンコーン。
「宅配か?」
「微さんかもよ」
チャイムに応じてドアを開けると。
「こんにちは、NHKの集金です」
「ウチ、テレビないんで」
ドア、閉鎖。
「NHK?」
「ああ、『ぬるっとした花子』だ」
「日本放送協会じゃなくて?」
「知るか。略語で名乗る方が悪い。大体日本放送協会ならJBAだろ」
というか仮に日本放送協会だったとして、テレビなかったら受信料払わなくていいんだっけ・・・?
*
なめこの本を配る会の実態を忘れたが、税金関係は全部払ってるはずだ。
問題ない、という事にしておこう。
さておき本日は金曜日。
しかも部活がない。
その上バイトもない。呼ぶまで来るなと言われたが、あの店本当に大丈夫なんだろうか。
なのでこれから自由時間・・・なのだが。
実の所、俺たちが自宅についたのは結構いい時間だったのだ。
そこからさらに外泊の始末を付けているのだから、もう寝るってぐらいの時間帯である。
そして今日は自分の部屋。
つまり。
「寝るぞ、なじみ。おいで」
「はーい」
なじみとの同衾が出来るのである。
実に二日ぶりだが、そのたった二日がどれほど手持ち無沙汰だったか。
二人でいそいそと布団に入り、枕の位置を調整し、お互いの配置を吟味する。
くっつきすぎると息苦しいし、最近は少し暑くもなってきた。しかし離れすぎては本末転倒なうえ、寝台から転げ落ちる可能性もある。
なじみの胸は大きいし、お腹を冷やしても行けない。掛け布団の存在だって考慮する必要がある。
そんな状況下でお互いが安眠できるベストな状態を作り出す。
この二人で狭いベッドの中、お互いを思いやってもぞもぞするというこの時間が至福なのである。
なお、時と場合によってはそのまま前戯に移行する模様。
そこで鳴り響く、無粋な着信音。
着信相手は・・・『姉さん』?
なんだろう、またご褒美ボイスでも強請りに来たのだろうか。
面倒臭い感情と、至福の時間を邪魔されたフラストレーションを持って電話に出る。
「もしもし?」
『うわあ! 本当につながった!?』
電話口から聞こえてきたのは、確実に姉のものではない声。
「どちらさんです? なぜ姉の携帯を?」
『あの、えーと、あなたのお姉さん、氷麗さんが飲み会で潰れちゃって・・・それで迎えに来てくれる人を聞いたら弟っていうから呼んで言っていったんだけど私が呼べって言われちゃったから、こうして電話してます。あっ私の名前は内海です』
「なるほど、事情は分かりました」
めんどくせぇ。
俺の内心はそれだけでいっぱいだった。
さりとて姉は姉、それなり以上に情はある。
酔いつぶれた所を介抱の名目でお持ち帰り、からの一発なんてありふれた手法だが、それに姉が引っ掛かるのを黙ってみているのも忍びない。
場所は聞きだしたし、姉さんの家も知っている。
どうやらまだまだ今日は終わらないらしい。
*
姉が酔いつぶれたので少し出ると伝えると、なじみが拗ねてしまった。
なるだけ迅速に帰ることを約束し、先に寝ていろと言って家を出る。
軽いキスを要求されたのは良い思い出。
さておき、車はおろか自転車すらない俺が移動するとなれば、それは必然徒歩である。
そしてさっさと帰るためには走る必要がある。
わざわざ専用のウェアに着替えて走るのだ。
更に洗濯物が増えるが、なじみには代えられない。
しかし、ここで少し悪戯心の様なものが芽生えた。
家宅侵入罪で普通に犯罪となるのは知っているが、それでも夜だし。
10代の若い体。ここで一つ非行に興じるのも悪くないやもしれない。
という事で。
「うおおおッ、爽快だなぁ!」
超能力で肉体強化、そして屋根から屋根へ飛び移る。
思いっきり踏み込んでいるのに瓦一つ割れない当たり、ここいらの住居は随分頑丈らしい。
いや、そもそも俺の脚力がそうでもない可能性もあるのだが。
はっきり言って、俺にフリーランニングの技術はない。
しかし俺には筋肉と超能力がある。
技術の不足をスペックでごり押す。
障害物をそのまま飛び越えるこの動きはまるで空を飛んでいるかのよう。
直線で高速移動しているので、姉さんのいる場所・・・居酒屋までの時間は大分短縮される。
*
そう思っていた時期が、俺にもありました。
元々持ってた土地勘が屋根の上だと全く機能しない上、方向の誤差を知ることも難しい状況では時間的にはむしろマイナス。
それを更にスペックでごり押して、結局居酒屋に到着したのは普通に歩くのと大体同じくらいだった。
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