61 / 117
第二部 高校生編
二泊三日が二話で終わるサクサクテンポ
しおりを挟む
『遥けき空に~東雲の~』
「はいもしもし」
「なんだ今の着信音」
突如として鳴り響いた着信音に反応して電話を取る。
なんだ、ちゃんと使う機会もあるじゃないか。
『もしもしケーくん? 今大丈夫?』
電話の主はなじみだった。
まあそらそうか。他に掛けてくる相手もいないし。
「ああお前か、どうしたいきなり」
『ごめんねこんな時間に。今周りに誰かいる?』
「ああ、ルームメイトが二人いるが」
『そう・・・何か話してたの?』
「そりゃあ・・・」
ふっと目線を向けると二人は『ありのまま話すなよ』と凄い眼力とジェスチャーで伝えてきた。
「ベッドが二つしかないんで、誰が敷布団を使うか言い合っていたんだ。その途中」
『そうなんだ、水差しちゃったかな?』
「いや? むしろヒートアップし過ぎていたからちょうどいい」
この余所余所しい感じ、多分なじみの周りにも誰かいるな。
順当に考えればルームメイトなのだろうが・・・。
「それで、要件とは?」
『その・・・これから、中庭の一本杉まで来てくれない?』
ふむ。
なんというか・・・意図がわからんな。
今更感が強すぎる。
「・・・ああ、わかった。一本杉だな」
『うん、待ってる、ね』
電話を切る。
「安心院お前・・・」
「一本杉って・・・」
「ああ・・・」
一本杉の一言だけで大体察したルームメイト二名は、まるで裏切り者を見るかのような目でこちらを見ていた。
「まあ、勝ち誇らせてもらおうかな?」
めっちゃ怒られた。
*
女性という生き物は敏感なもので、他人の視線が大体わかるのだという。
視線にどんな物理的圧力が存在するのか、俺の知る限りでは現行科学で解明されていないはずだが、それでも感じ取れるのだとか。
なので胸の大きな女性や露出の多い女性をチラチラと見てしまう男性諸君の視線もまた丸わかりであるという事らしい。
前者はともかく、後者は露出してる方が悪くね? と思わんでもないのだが、こういう言い合いで男が勝利することは原理的に不可能なので諦めよう。
翻って男性はそういう視線の疎いのかもしれない。
だからこそ『視線の分かる感覚』が分からなくてチラ見してしまう。
とはいえ、だ。
そんな男である俺でも、今自分に集中する大量の視線は手に取るように分かった。
手狭な中庭。
そこに直立する一本杉。
そしてその下に佇むなじみと、そこへ歩み寄る俺。
ここから見えるほぼすべての窓にカーテンが引いてあるが、その間から視線を通しているのがよくわかる。
「おうい、来たぞ」
「あ、来た来た。ごめんねいきなり」
非常に遠いので、まあ会話内容はバレないだろう。
唇を読めるやつにしたって、この距離では難しいはず。
「全くだ。しかしなんで今更告白なんて?」
「いい機会だから、もう公開しよっかなって」
「いい機会、ね・・・」
まあ、浮気相手を誘引する必要は実際ないだろう。
微がそういう存在になってしまったし、なじみとしても一回手放すような真似をすることが思ったより嫌というのは前にも聞いた。
「私も部活とかで妙に言い寄られるし、ケーくんだって0じゃないでしょ?」
「・・・そうとわかるような奴は一人もいなかったが」
「ありゃ? ケーくんいいなって人結構見たんだけどなぁ」
どっかで無意識にフラグをぶっ壊していたのだろうか。
「まあいいや。そういうのうざったいから公認カップルになったら完璧じゃない? 色々隠すのめんどくさくなってきたし、思ったより多いし」
「俺は別にかまわないが」
「ありがとう。じゃあ・・・ケーくん、私と付き合ってください」
なじみが頭を下げて手をこちらに伸ばす。
数秒だけ溜めて、その手を取る。
「こちらこそ、よろしく」
なじみは恐々と頭を上げて、にこりと笑った。
「うん、ありがとうね。ケーくん」
「よし、茶番終わり」
「ええ・・・ケーくんがいうの? それ」
「どっちかが言わないと終わらないんだから、しょうがのいじょのいこ」
二人そろって宿舎の入口へ戻る。
「電話の時周りに誰かいた?」
「うん、ルームメイトの子が二人。話してる最中に恋バナが盛り上がっちゃって、蝶ヶ崎さん告白しちゃいなよって流れ」
「それでついでに公開カップルになって色々な面倒を省こうと。しかしお前、俺の事なんて言ったんだ?」
「幼稚園の頃からの幼馴染で、高校入ってから疎遠。小1ぐらいから好きだった」
「うーん、俺でも告白しろっていうわ」
そしてとっととケリつけろって言うわ。
「というか高校入ってから付き合い始めたんじゃないか」
「そりゃ嘘言わないと色々ダメじゃん?」
「まあ・・・そうか、そうだな」
ベルトで尻引っ叩くプレイしましたなんて言えないわな。
どっちがどっちかに関わらず。
「というか私視点では中2くらいから付き合ってるつもりだった」
「・・・そういやなんかスキンシップ増えたのってそれぐらいか」
それまでも結構な頻度だったが。
「でも告白って何回してもいいね。ごっこなのにドキドキしちゃった」
「『好き』って伝えて、受け入れられるのはやっぱりうれしいものだろうからな」
「そーいえばケーくんから『好き』って言われてないなー?」
「・・・好きだよ、なじみ」
「私も大好き!」
その時浮かべたなじみの笑顔は本当に綺麗だった。
またドキドキしてしまうくらいに。
「じゃあね! 合宿終わりに」
「ああ、終わったらな」
そうして宿舎に戻った。
*
「どじゃあああん」
そういって入室した俺に襲い掛かってきたのは、あまりにも流麗な回し蹴りであった。
「あっぶなッ!」
「この真っ黒いクレバスがッ!」
「吐き気を催す邪悪とはッ!」
それらの攻撃をすべて回避して入室する。
「避けんな!」
「避けるわ。なんだいきなり」
「蝶ヶ崎なじみという華に手を出した罪・・・万死に値する」
その理屈だと俺は30万回程死ぬ必要があるが。
「そんな恨みつらみを押し付けられてもな・・・」
「ここから話す事はとても重要な事だ。それだけを話す。わたしの行動は『私利私欲』でやった事ではない。『彼女』が欲しいだとかお前を『成敗』するために『回し蹴りの技』を手に入れたのではない」
「しらねーよ」
「我らが心と行動に一点の曇りなし・・・! 全てが『正義』だ」
「そんな正義まかり通って溜まるか」
あとお前らどんだけジョジョ好きなんだ。
「ていうかなんで知ってるの?」
「クラスのラインで回って来てるぞ」
「マジ?」
オフにしておいた通知を見ると大量の未読メッセが。
「うわマジだ・・・」
「お前はこれから数多の男子から干されることとなろう」
「楽しみにしておけ」
「じゃあ干された分だけいちゃつくわ」
「なあ安心院、連絡先交換しようや」
掌くるっくるワイパーやんけお前。
「さて、ここからは同室になることのできた俺たち二人の特権だ」
「ああ、正直全員が気になってるところだろうしな」
「何が?」
「馴れ初め」
「蝶ヶ崎さんに好意を抱かれた理由、思い当たる節、洗いざらい吐いてもらおうか」
「今夜は眠らせないゾ☆」
「男に言われたくないセリフだな」
こうして俺はなじみのとの関係性を洗いざらい吐くことになった。
多少脚色はしたが、結果としてはなじみと口裏を合わせたかのようになった。
*
三日目。
講堂に集められた文系コースの俺たちは、またも山の様なプリントを目の前にしていた。
原稿用紙ではない。
とにかく大量の諺、慣用句、比喩、故事成語がずらずらと並べられたプリントである。
そしてその隣には広辞苑第7版。
「意味を書け。知らないなら広辞苑で調べろ。終わったやつから帰投準備。でははじめ」
昨日と比べると本当に地味で、作業染みた時間が始まった。
*
「お、終わった・・・」
昨日は脳みそを絞り出した気分だが、今日は筋肉を絞り出した気分だ。
部屋で帰る準備を始める。
二泊過ごしたこの部屋とももうお別れだ。
正直大した思い出はないのでさっさと帰りたい。
帰ってなじみとくっつきたい。
毎晩隣が寂しくて寂しくて。
「あの時の笑顔が妙に綺麗だったのはそのせいもあるんだろうか」
そんなことを考えてしまう。
「はいもしもし」
「なんだ今の着信音」
突如として鳴り響いた着信音に反応して電話を取る。
なんだ、ちゃんと使う機会もあるじゃないか。
『もしもしケーくん? 今大丈夫?』
電話の主はなじみだった。
まあそらそうか。他に掛けてくる相手もいないし。
「ああお前か、どうしたいきなり」
『ごめんねこんな時間に。今周りに誰かいる?』
「ああ、ルームメイトが二人いるが」
『そう・・・何か話してたの?』
「そりゃあ・・・」
ふっと目線を向けると二人は『ありのまま話すなよ』と凄い眼力とジェスチャーで伝えてきた。
「ベッドが二つしかないんで、誰が敷布団を使うか言い合っていたんだ。その途中」
『そうなんだ、水差しちゃったかな?』
「いや? むしろヒートアップし過ぎていたからちょうどいい」
この余所余所しい感じ、多分なじみの周りにも誰かいるな。
順当に考えればルームメイトなのだろうが・・・。
「それで、要件とは?」
『その・・・これから、中庭の一本杉まで来てくれない?』
ふむ。
なんというか・・・意図がわからんな。
今更感が強すぎる。
「・・・ああ、わかった。一本杉だな」
『うん、待ってる、ね』
電話を切る。
「安心院お前・・・」
「一本杉って・・・」
「ああ・・・」
一本杉の一言だけで大体察したルームメイト二名は、まるで裏切り者を見るかのような目でこちらを見ていた。
「まあ、勝ち誇らせてもらおうかな?」
めっちゃ怒られた。
*
女性という生き物は敏感なもので、他人の視線が大体わかるのだという。
視線にどんな物理的圧力が存在するのか、俺の知る限りでは現行科学で解明されていないはずだが、それでも感じ取れるのだとか。
なので胸の大きな女性や露出の多い女性をチラチラと見てしまう男性諸君の視線もまた丸わかりであるという事らしい。
前者はともかく、後者は露出してる方が悪くね? と思わんでもないのだが、こういう言い合いで男が勝利することは原理的に不可能なので諦めよう。
翻って男性はそういう視線の疎いのかもしれない。
だからこそ『視線の分かる感覚』が分からなくてチラ見してしまう。
とはいえ、だ。
そんな男である俺でも、今自分に集中する大量の視線は手に取るように分かった。
手狭な中庭。
そこに直立する一本杉。
そしてその下に佇むなじみと、そこへ歩み寄る俺。
ここから見えるほぼすべての窓にカーテンが引いてあるが、その間から視線を通しているのがよくわかる。
「おうい、来たぞ」
「あ、来た来た。ごめんねいきなり」
非常に遠いので、まあ会話内容はバレないだろう。
唇を読めるやつにしたって、この距離では難しいはず。
「全くだ。しかしなんで今更告白なんて?」
「いい機会だから、もう公開しよっかなって」
「いい機会、ね・・・」
まあ、浮気相手を誘引する必要は実際ないだろう。
微がそういう存在になってしまったし、なじみとしても一回手放すような真似をすることが思ったより嫌というのは前にも聞いた。
「私も部活とかで妙に言い寄られるし、ケーくんだって0じゃないでしょ?」
「・・・そうとわかるような奴は一人もいなかったが」
「ありゃ? ケーくんいいなって人結構見たんだけどなぁ」
どっかで無意識にフラグをぶっ壊していたのだろうか。
「まあいいや。そういうのうざったいから公認カップルになったら完璧じゃない? 色々隠すのめんどくさくなってきたし、思ったより多いし」
「俺は別にかまわないが」
「ありがとう。じゃあ・・・ケーくん、私と付き合ってください」
なじみが頭を下げて手をこちらに伸ばす。
数秒だけ溜めて、その手を取る。
「こちらこそ、よろしく」
なじみは恐々と頭を上げて、にこりと笑った。
「うん、ありがとうね。ケーくん」
「よし、茶番終わり」
「ええ・・・ケーくんがいうの? それ」
「どっちかが言わないと終わらないんだから、しょうがのいじょのいこ」
二人そろって宿舎の入口へ戻る。
「電話の時周りに誰かいた?」
「うん、ルームメイトの子が二人。話してる最中に恋バナが盛り上がっちゃって、蝶ヶ崎さん告白しちゃいなよって流れ」
「それでついでに公開カップルになって色々な面倒を省こうと。しかしお前、俺の事なんて言ったんだ?」
「幼稚園の頃からの幼馴染で、高校入ってから疎遠。小1ぐらいから好きだった」
「うーん、俺でも告白しろっていうわ」
そしてとっととケリつけろって言うわ。
「というか高校入ってから付き合い始めたんじゃないか」
「そりゃ嘘言わないと色々ダメじゃん?」
「まあ・・・そうか、そうだな」
ベルトで尻引っ叩くプレイしましたなんて言えないわな。
どっちがどっちかに関わらず。
「というか私視点では中2くらいから付き合ってるつもりだった」
「・・・そういやなんかスキンシップ増えたのってそれぐらいか」
それまでも結構な頻度だったが。
「でも告白って何回してもいいね。ごっこなのにドキドキしちゃった」
「『好き』って伝えて、受け入れられるのはやっぱりうれしいものだろうからな」
「そーいえばケーくんから『好き』って言われてないなー?」
「・・・好きだよ、なじみ」
「私も大好き!」
その時浮かべたなじみの笑顔は本当に綺麗だった。
またドキドキしてしまうくらいに。
「じゃあね! 合宿終わりに」
「ああ、終わったらな」
そうして宿舎に戻った。
*
「どじゃあああん」
そういって入室した俺に襲い掛かってきたのは、あまりにも流麗な回し蹴りであった。
「あっぶなッ!」
「この真っ黒いクレバスがッ!」
「吐き気を催す邪悪とはッ!」
それらの攻撃をすべて回避して入室する。
「避けんな!」
「避けるわ。なんだいきなり」
「蝶ヶ崎なじみという華に手を出した罪・・・万死に値する」
その理屈だと俺は30万回程死ぬ必要があるが。
「そんな恨みつらみを押し付けられてもな・・・」
「ここから話す事はとても重要な事だ。それだけを話す。わたしの行動は『私利私欲』でやった事ではない。『彼女』が欲しいだとかお前を『成敗』するために『回し蹴りの技』を手に入れたのではない」
「しらねーよ」
「我らが心と行動に一点の曇りなし・・・! 全てが『正義』だ」
「そんな正義まかり通って溜まるか」
あとお前らどんだけジョジョ好きなんだ。
「ていうかなんで知ってるの?」
「クラスのラインで回って来てるぞ」
「マジ?」
オフにしておいた通知を見ると大量の未読メッセが。
「うわマジだ・・・」
「お前はこれから数多の男子から干されることとなろう」
「楽しみにしておけ」
「じゃあ干された分だけいちゃつくわ」
「なあ安心院、連絡先交換しようや」
掌くるっくるワイパーやんけお前。
「さて、ここからは同室になることのできた俺たち二人の特権だ」
「ああ、正直全員が気になってるところだろうしな」
「何が?」
「馴れ初め」
「蝶ヶ崎さんに好意を抱かれた理由、思い当たる節、洗いざらい吐いてもらおうか」
「今夜は眠らせないゾ☆」
「男に言われたくないセリフだな」
こうして俺はなじみのとの関係性を洗いざらい吐くことになった。
多少脚色はしたが、結果としてはなじみと口裏を合わせたかのようになった。
*
三日目。
講堂に集められた文系コースの俺たちは、またも山の様なプリントを目の前にしていた。
原稿用紙ではない。
とにかく大量の諺、慣用句、比喩、故事成語がずらずらと並べられたプリントである。
そしてその隣には広辞苑第7版。
「意味を書け。知らないなら広辞苑で調べろ。終わったやつから帰投準備。でははじめ」
昨日と比べると本当に地味で、作業染みた時間が始まった。
*
「お、終わった・・・」
昨日は脳みそを絞り出した気分だが、今日は筋肉を絞り出した気分だ。
部屋で帰る準備を始める。
二泊過ごしたこの部屋とももうお別れだ。
正直大した思い出はないのでさっさと帰りたい。
帰ってなじみとくっつきたい。
毎晩隣が寂しくて寂しくて。
「あの時の笑顔が妙に綺麗だったのはそのせいもあるんだろうか」
そんなことを考えてしまう。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
田舎に帰ったら従妹が驚くほど積極的になってた話
神谷 愛
恋愛
久しぶりに帰った田舎には暫くあっていない従妹がいるはずだった。数年ぶりに帰るとそこにいたのは驚くほど可愛く、そして積極的に成長した従妹の姿だった。昔の従妹では考えられないほどの色気で迫ってくる従妹との数日の話。
二話毎六話完結。だいたい10時か22時更新、たぶん。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる