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第二部 高校生編
尻派にも優しいエロを書きたかった ♡
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色々納得しがたいことはあるが、まあなじみと事を致す点については何も問題は無い。
圭希が隣で見ているというのは懸念点ともいえるが、どうせ始まってからはなじみの事しか見ていない。その内存在も忘れてしまうだろう。見られて後ろめたいものも特にない。
余り遅れると信照が心配しそうだが、実の所俺となじみは始まるまでは長いものの、始まってしまえば割と手早く終わる。
ならばいよいよ懸念事項もない。
えらく特殊なプレイに巻き込まれる圭希については、まあ・・・いいか。うん。
「あ、でも私ケーくん以外に体見られたくないからちょっと着替えてくるね」
「同性でも嫌なのか」
「嫌。ケーくん以外だと・・・まどかぐらい?」
「ああ、妹だっけ」
懐かしい。思えば随分顔も合わせてないが、今どうしているのだろうか。
なじみと違って割と運動好きな感じだったが。
「そうそう圭希さん。こっちが冷めちゃったら色々台無しだから、あんまり声とか出さないようにね? ウーロン茶は飲んでていいから」
そういえばあのウーロン茶はある種の慈悲なのだろうか。
いっそ口まで縛り切ってしまった方が良い様にも思うが。
「ケーくんはどうする? 着替える?」
「着替えると言ってもな。バスローブとパーカーぐらいしかないだろ。それに野郎の裸なぞ隠してもしょうがあるまい」
「歩く18禁」
「んぐっ・・・まあバスローブぐらいは着るさ」
正直そのワードは今でも少し傷付く。
肌隠してなんとかなるレベルの問題なんだろうか? 原因が超能力等の先天的な部分にあるとするなら、いよいよ俺にはどうすることもできない。
*
エロメイド服&勝負下着に着替えたなじみと、全裸+バスローブに着替えた俺。
そしてその間椅子に縛られたまま放置された圭希。
いよいよ哀れに見えてきた。彼女が何をしたというんだ。
「どうする? 早速使ってみる?」
「使うって・・・ああ、首輪な」
色々あって忘れていたが、元々俺たちはそれを買うべく外に出たのだ。
満足いく品を選べたと自負しているが、その対価がこの事態だと言うなら費用対効果は微妙な所だ。
「しかしあくまでも参考だろ? 初手から特殊プレイを見せるのはどうなんだ?」
「一般的な方のハードルは下がるからいいんじゃない?」
「・・・まあ、いいか」
どうでも。
その一言だけは、飲み込むことに成功した。
がさりと紙袋を漁り・・・。
「あれ」
「どしたの?」
「縄こっちにあるぞ。圭希を縛ってるあの縄は一体・・・?」
「ああそれ。私がルームサービスでレンタルしたの。買った方は私が使うから」
「なるほど、そういう・・・」
飲み物を注文しようという段階で既になじみの段取りだったという訳だ。
周到と言うか、なんというか・・・。
「まあいい。今日は縄は使わないだろ」
そういう意味では無関係な話だ。
とりあえず手に取った首輪を再確認する。
黒い、デカい、ゴツイ。
構造としては制服のベルトと大差ない。違うのはサイズ感ぐらいだ。
特に説明書を見る必要もないだろう。
「顎上げて」
「はぁい」
その首はやはり細く、白い。
なんとなく指を這わせ、掌で喉笛を包み込む。
「これ、ゾクゾクする」
「何が?」
掌にある振動の感触が心地よくて、俺はなじみの発声を促していた。
「ケーくんに、命握られてるこの感じ、好き」
少しずつ大きくなっていく頸動脈の蠢き。
血行が良くなっているのだろうか? それが興奮からなら嬉しい事だ。
犬猫を可愛がるように何度か喉を撫でた後、いよいよ首輪の方をなじみの首に合わせる。
一番搾っても3割くらい余るんだが、これがフィットする奴は本当に人間なのだろうか? いやむしろ3割も余るなじみの方が人間離れしているのか?
そんなことを考えながらバックルを通し、掌にリードを握る。
カチューシャまで完備したエロメイド服着てる少女が、不釣り合いなゴツイ首輪を付けて、その首輪のリードは自分が持っている。
この中々に倒錯した状況へ、なるほど確かにゾクゾクするものがあると納得している俺の目の前で、なじみがへにゃりとペタン座りに崩れ落ちた。
必然、見下げる俺と見上げるなじみ。
「あっ私分かる。これダメな奴だ」
その言葉とは裏腹に、なじみの表情は特に変わらない。
未知との遭遇に放心しているようにも、既知への回帰に安堵している様にも見えた。
「ケーくん、ちょっとそれっぽい事言ってみて」
「それっぽい・・・」
なんだろう、いざ言えと言われると詰まる。
礼儀を知らぬ獣風情に賜う言葉などありはしない・・・これは違うな。
さあ、我が血を余さず啜るが良い・・・これも違うな。
というかこれらは女王様のセリフだ。
うん、もう適当でいいか。
「今から俺の体のどこか一つに口づけを許す。お前の服従と忠誠をそれで示せ」
「はい・・・」
言っといてなんだが、これも違うな。
アレだな、パッと思いついた例文の2つがお洒落過ぎて相対的に悪く見えてるんだろう。
宮〇は思考の次元が高すぎる。ちょっと瞳が多すぎなのだ。
まあなじみは楽し気だし、良しとしよう。
当然の様になじみは楚々と頭を下げ、土下座の体勢になって右足の親指にキスをした。
しかしその後もずっと頭を下げたままなので、少しリードを引っ張って強引に頭を上げさせる。
「素晴らしい、忠実な娘で嬉しいよ」
「勿体ないお言葉」
「なじみ、ちょっと待て」
「うん」
『これはちょっと違う』
ハモった。
「これはもっとこう、16世紀とかその辺の『美しき主従』とかそういうアレだ」
「私が言うのもなんだけど、絶対逆の方が絵的に映えるやつ」
SM系の作品で男側がMに回るケースが多い理由は多分ここにあるんだと思う。
なんというか、映えないのだ。SMはインモラルな特殊性癖と言う前提がある以上、その関係性もある程度特殊でなければならないのだが、男が責めると言うのはある意味妥当で意外性が無い。
「どうする、なんか盛大にグダッたぞ。ていうかなじみはいつまでペタン座りしてるんだ」
「これは首輪の感触が良過ぎて腰が抜けてるだけだから」
「ああそう・・・」
なんだろう、やっぱ俺のワードセンスか?
『忠誠』とか安易に使うもんじゃないな。普段使わない言葉には普段使わない相応の理由があるものか。
コミュニケーションの基本はケースバイケース。古事記にもそう書いてある。
「あっちょっと待ってこれホントに立てないかも」
「首輪一つでそんなになるか?」
「いやこれ凄いもん。例えるなら生まれたときから背負い続けていた重りを初めて外したって感じの、自分が今までどれほど不自然な状態だったか俯瞰できるというか」
「首輪されて俺にリード掴まれてるのが自然?」
「ケーくんに全部握られてるのをフルに感じる状態が私の人生の集大成だったんじゃないかなって・・・」
「その割には受け応えとか普通じゃないか」
「これまでは吹っ飛ぶって感じだったんだけど、これはふわふわ浮かんでる感じ」
・・・よくわからん。男女愛で結ばれた夫婦が人間愛に昇華された、みたいな感じだろうか?
似たような感触は過去にも覚えがある。微の人体破壊のコツとか、部長のミズハラとか。
根源の部分では、俺となじみでも相違点と言うのは存在するのだなぁ。
その知見だけで非常に大きな収穫である。やはり相互理解の努力と相手への敬意を怠るべきではないな。どれほど親密な仲であろうともだ。
「とりあえず今日の所はお口で・・・」
「あ、続けるんだ。というかなんで口?」
「高さ的に丁度いいし、それに・・・」
「それに?」
「今エッチしたら、多分私、お猿さんみたいにケーくんの事求めるようになっちゃうから」
「なるほど、そりゃ大変だな」
「うん、すごく大変」
ぐいっとリードを引っ張る。
当然、ベッドの上へ。
「ほーら、俺がお前をお猿さんにしてあげよう。未来永劫、なんの不安もなく、ただ俺を求めるだけの動物にしてあげよう」
「いやぁ、私ケーくんのペットになっちゃう」
「脳みそが爆ぜて人語を失ったらそうしてやるよ」
口ではいやなどと言っているが、リードは既に緩んでおり、なじみは抜けた腰に鞭打って、上半身だけでベッドの上に乗ろうとしている。
それを念力で軽く補佐して、うつ伏せにベッドへ乗った所でまた少し引っ張る。
「乗ったな? じゃあ良いよな?」
「これは、ケーくんが引っ張ったからであって、私の意思とは違うからぁ」
「自分で上がって来てたじゃないか、腰抜けてるのに必死になって・・・そんなにコレが欲しいか?」
小さく振り返るなじみの視界に映るよう、バスローブから勃起した愚息を取り出す。
「えっ、おっきぃ・・・」
圭希が一言、思わずと言った風に漏らす言葉へ、なじみは凄まじく冷たい視線を送った。
確かに俺も若干冷めた感じはするが、己が逸物を『デカい』と仮にも女性に評されて悪い気はしない。
しかしやはりなじみには関係のない事なのだろう。
色々クライマックスだった所に水を差されてご機嫌斜めだ。
「ほらなじみ」
「きゅうんっ!」
軽くのしかかると同時に首輪を引っ張る。
10センチもない距離になじみの顔が近づいた。
「どうかしたか?」
「えっと・・・」
「何かあったか? 俺以上に気にする何かが、ほんの少しでもあったか?」
ただでさえ大きななじみの瞳が更に大きく見開かれ、何かに感激したような表情になる。
「無かった。勘違いだった」
「だよな? なじみは俺が居れば他に何も要らないよな?」
「要らない!」
うーむ、重い。
だがそれが良い。
布を横にずらして小さく水音を立てる。
ひとまず機嫌は治ったようだ。
少しだけ唇にキスをして、腰の照準を合わせる。
思えば後ろから、と言うのは新鮮だ。普段は対面で密着するスタイルなのだが。
そんな些事に思いを馳せてから、のしかかったままで沈み込むように腰を進める。
「んんううっ!」
向きが違うからだろうか。普段とは違った感触がする。
普段は熱い風呂の様に優しくも満遍なく纏わりついてくる感じだったが、今回はその熱に隙間があるものの、苛烈な程に締め上げ、吸い込んでくる。
だが、深くはない。
当然だ。ヒップの分は浅くなるのだから。なじみの場合はデカいだけでなくハリもあるので尚更だ。
鼠径部や股関節まわりに潤いのある肌が張り付く感触は正面からの時とは比べ物にならない程強く、腰を押し返してくる肉の弾力は心地よいものの、全身の密着感は弱いのが難点か。
メイド服に隠れているとはいえ、ウエストからヒップにかけてのラインはよく見えるし、ベッドで潰れて細い背中からはみ出すバストは新たな趣もある。
しかし自分からの視覚効果についてはあまり重要視していないので、総合的には『たまには良いけど普段使いには微妙』という評価に落ち着く。
抜けない様意識して腰を動かすが、ワンストロークが短く、あまり勢いのある動きではなかった。
実際、なじみは喘ぎ声を我慢できているのだから、劇的な快楽ではないのだろう。
「なじみ、腰浮かして」
「んぇ・・・こう?」
枕に顔を埋めたまま、体を離したこちらへと膝で支えるような形で尻を突き出すなじみ。
その丸く大きな尻を強調するこの姿勢は下品で、丸出しにされた陰唇や菊門は卑猥な限りだ。しかし卑猥も極まればある種の美を内包するらしく、俺は今のなじみに否定的な感情は抱かなかった。
いやまあ、単純に欲情しているだけなのかもしれないが。
リードは側に置き、力強くなじみの腰を掴む。
こうしてみると細さがよくわかるというものだ。本当に内臓が十全に入ってるのか心配になるレベルで細い。
一瞬、ガクリとなじみの体が動く。
何のことは無い。軽イキしただけだ。割とよくあるので驚くようなことでもない。
だが彼女が今期待に満ち満ちていることはよくわかった。
ならばあとは押し進むのみである。
体勢変更の為に一旦抜いていた息子をもう一度合わせ、今度は一気に奥まで突き込む。
ぶちゅん、と水気のあるものがぶつかる音が響き、それと同時になじみが絶頂する。
「ふあぁぁあん!!」
絶頂の影響で締まりが強くなる一方、仰け反った体の反動で更に抉り込まれ、その影響でまた絶頂する。
連鎖する絶頂が終わらないうちに腰の前後運動を始める。
ムチムチに張り詰めたなじみの尻に腰を打ち付けるこの感触。メイド服に首輪を着け、下半身は俺が固定しているという支配感。陰茎から送り込まれる快感は勿論の事、ぶつかり合う肉の音が耳にも心地よい。
だが余裕を持って快楽を得ている俺とは違い、なじみはもう虫の息と言った風だ。
なじみは一突き毎に絶頂を迎え、その波はやってくるたび上方向にだけ大きくなる。
常人ならば一回だけで発狂には十分なそれを既に二十は叩き込まれている。今二十五を数えた所だが。
片手をリードに持ち替え、ついでに念力で補佐しながら一気に引っ張る。
子宮を抉って一番大きく絶頂させたところで、射精によってもう一度最高を上書きした。
その頃には、なじみはもう膝立ちと言った方が良さそうな程仰け反っていた。
圭希が隣で見ているというのは懸念点ともいえるが、どうせ始まってからはなじみの事しか見ていない。その内存在も忘れてしまうだろう。見られて後ろめたいものも特にない。
余り遅れると信照が心配しそうだが、実の所俺となじみは始まるまでは長いものの、始まってしまえば割と手早く終わる。
ならばいよいよ懸念事項もない。
えらく特殊なプレイに巻き込まれる圭希については、まあ・・・いいか。うん。
「あ、でも私ケーくん以外に体見られたくないからちょっと着替えてくるね」
「同性でも嫌なのか」
「嫌。ケーくん以外だと・・・まどかぐらい?」
「ああ、妹だっけ」
懐かしい。思えば随分顔も合わせてないが、今どうしているのだろうか。
なじみと違って割と運動好きな感じだったが。
「そうそう圭希さん。こっちが冷めちゃったら色々台無しだから、あんまり声とか出さないようにね? ウーロン茶は飲んでていいから」
そういえばあのウーロン茶はある種の慈悲なのだろうか。
いっそ口まで縛り切ってしまった方が良い様にも思うが。
「ケーくんはどうする? 着替える?」
「着替えると言ってもな。バスローブとパーカーぐらいしかないだろ。それに野郎の裸なぞ隠してもしょうがあるまい」
「歩く18禁」
「んぐっ・・・まあバスローブぐらいは着るさ」
正直そのワードは今でも少し傷付く。
肌隠してなんとかなるレベルの問題なんだろうか? 原因が超能力等の先天的な部分にあるとするなら、いよいよ俺にはどうすることもできない。
*
エロメイド服&勝負下着に着替えたなじみと、全裸+バスローブに着替えた俺。
そしてその間椅子に縛られたまま放置された圭希。
いよいよ哀れに見えてきた。彼女が何をしたというんだ。
「どうする? 早速使ってみる?」
「使うって・・・ああ、首輪な」
色々あって忘れていたが、元々俺たちはそれを買うべく外に出たのだ。
満足いく品を選べたと自負しているが、その対価がこの事態だと言うなら費用対効果は微妙な所だ。
「しかしあくまでも参考だろ? 初手から特殊プレイを見せるのはどうなんだ?」
「一般的な方のハードルは下がるからいいんじゃない?」
「・・・まあ、いいか」
どうでも。
その一言だけは、飲み込むことに成功した。
がさりと紙袋を漁り・・・。
「あれ」
「どしたの?」
「縄こっちにあるぞ。圭希を縛ってるあの縄は一体・・・?」
「ああそれ。私がルームサービスでレンタルしたの。買った方は私が使うから」
「なるほど、そういう・・・」
飲み物を注文しようという段階で既になじみの段取りだったという訳だ。
周到と言うか、なんというか・・・。
「まあいい。今日は縄は使わないだろ」
そういう意味では無関係な話だ。
とりあえず手に取った首輪を再確認する。
黒い、デカい、ゴツイ。
構造としては制服のベルトと大差ない。違うのはサイズ感ぐらいだ。
特に説明書を見る必要もないだろう。
「顎上げて」
「はぁい」
その首はやはり細く、白い。
なんとなく指を這わせ、掌で喉笛を包み込む。
「これ、ゾクゾクする」
「何が?」
掌にある振動の感触が心地よくて、俺はなじみの発声を促していた。
「ケーくんに、命握られてるこの感じ、好き」
少しずつ大きくなっていく頸動脈の蠢き。
血行が良くなっているのだろうか? それが興奮からなら嬉しい事だ。
犬猫を可愛がるように何度か喉を撫でた後、いよいよ首輪の方をなじみの首に合わせる。
一番搾っても3割くらい余るんだが、これがフィットする奴は本当に人間なのだろうか? いやむしろ3割も余るなじみの方が人間離れしているのか?
そんなことを考えながらバックルを通し、掌にリードを握る。
カチューシャまで完備したエロメイド服着てる少女が、不釣り合いなゴツイ首輪を付けて、その首輪のリードは自分が持っている。
この中々に倒錯した状況へ、なるほど確かにゾクゾクするものがあると納得している俺の目の前で、なじみがへにゃりとペタン座りに崩れ落ちた。
必然、見下げる俺と見上げるなじみ。
「あっ私分かる。これダメな奴だ」
その言葉とは裏腹に、なじみの表情は特に変わらない。
未知との遭遇に放心しているようにも、既知への回帰に安堵している様にも見えた。
「ケーくん、ちょっとそれっぽい事言ってみて」
「それっぽい・・・」
なんだろう、いざ言えと言われると詰まる。
礼儀を知らぬ獣風情に賜う言葉などありはしない・・・これは違うな。
さあ、我が血を余さず啜るが良い・・・これも違うな。
というかこれらは女王様のセリフだ。
うん、もう適当でいいか。
「今から俺の体のどこか一つに口づけを許す。お前の服従と忠誠をそれで示せ」
「はい・・・」
言っといてなんだが、これも違うな。
アレだな、パッと思いついた例文の2つがお洒落過ぎて相対的に悪く見えてるんだろう。
宮〇は思考の次元が高すぎる。ちょっと瞳が多すぎなのだ。
まあなじみは楽し気だし、良しとしよう。
当然の様になじみは楚々と頭を下げ、土下座の体勢になって右足の親指にキスをした。
しかしその後もずっと頭を下げたままなので、少しリードを引っ張って強引に頭を上げさせる。
「素晴らしい、忠実な娘で嬉しいよ」
「勿体ないお言葉」
「なじみ、ちょっと待て」
「うん」
『これはちょっと違う』
ハモった。
「これはもっとこう、16世紀とかその辺の『美しき主従』とかそういうアレだ」
「私が言うのもなんだけど、絶対逆の方が絵的に映えるやつ」
SM系の作品で男側がMに回るケースが多い理由は多分ここにあるんだと思う。
なんというか、映えないのだ。SMはインモラルな特殊性癖と言う前提がある以上、その関係性もある程度特殊でなければならないのだが、男が責めると言うのはある意味妥当で意外性が無い。
「どうする、なんか盛大にグダッたぞ。ていうかなじみはいつまでペタン座りしてるんだ」
「これは首輪の感触が良過ぎて腰が抜けてるだけだから」
「ああそう・・・」
なんだろう、やっぱ俺のワードセンスか?
『忠誠』とか安易に使うもんじゃないな。普段使わない言葉には普段使わない相応の理由があるものか。
コミュニケーションの基本はケースバイケース。古事記にもそう書いてある。
「あっちょっと待ってこれホントに立てないかも」
「首輪一つでそんなになるか?」
「いやこれ凄いもん。例えるなら生まれたときから背負い続けていた重りを初めて外したって感じの、自分が今までどれほど不自然な状態だったか俯瞰できるというか」
「首輪されて俺にリード掴まれてるのが自然?」
「ケーくんに全部握られてるのをフルに感じる状態が私の人生の集大成だったんじゃないかなって・・・」
「その割には受け応えとか普通じゃないか」
「これまでは吹っ飛ぶって感じだったんだけど、これはふわふわ浮かんでる感じ」
・・・よくわからん。男女愛で結ばれた夫婦が人間愛に昇華された、みたいな感じだろうか?
似たような感触は過去にも覚えがある。微の人体破壊のコツとか、部長のミズハラとか。
根源の部分では、俺となじみでも相違点と言うのは存在するのだなぁ。
その知見だけで非常に大きな収穫である。やはり相互理解の努力と相手への敬意を怠るべきではないな。どれほど親密な仲であろうともだ。
「とりあえず今日の所はお口で・・・」
「あ、続けるんだ。というかなんで口?」
「高さ的に丁度いいし、それに・・・」
「それに?」
「今エッチしたら、多分私、お猿さんみたいにケーくんの事求めるようになっちゃうから」
「なるほど、そりゃ大変だな」
「うん、すごく大変」
ぐいっとリードを引っ張る。
当然、ベッドの上へ。
「ほーら、俺がお前をお猿さんにしてあげよう。未来永劫、なんの不安もなく、ただ俺を求めるだけの動物にしてあげよう」
「いやぁ、私ケーくんのペットになっちゃう」
「脳みそが爆ぜて人語を失ったらそうしてやるよ」
口ではいやなどと言っているが、リードは既に緩んでおり、なじみは抜けた腰に鞭打って、上半身だけでベッドの上に乗ろうとしている。
それを念力で軽く補佐して、うつ伏せにベッドへ乗った所でまた少し引っ張る。
「乗ったな? じゃあ良いよな?」
「これは、ケーくんが引っ張ったからであって、私の意思とは違うからぁ」
「自分で上がって来てたじゃないか、腰抜けてるのに必死になって・・・そんなにコレが欲しいか?」
小さく振り返るなじみの視界に映るよう、バスローブから勃起した愚息を取り出す。
「えっ、おっきぃ・・・」
圭希が一言、思わずと言った風に漏らす言葉へ、なじみは凄まじく冷たい視線を送った。
確かに俺も若干冷めた感じはするが、己が逸物を『デカい』と仮にも女性に評されて悪い気はしない。
しかしやはりなじみには関係のない事なのだろう。
色々クライマックスだった所に水を差されてご機嫌斜めだ。
「ほらなじみ」
「きゅうんっ!」
軽くのしかかると同時に首輪を引っ張る。
10センチもない距離になじみの顔が近づいた。
「どうかしたか?」
「えっと・・・」
「何かあったか? 俺以上に気にする何かが、ほんの少しでもあったか?」
ただでさえ大きななじみの瞳が更に大きく見開かれ、何かに感激したような表情になる。
「無かった。勘違いだった」
「だよな? なじみは俺が居れば他に何も要らないよな?」
「要らない!」
うーむ、重い。
だがそれが良い。
布を横にずらして小さく水音を立てる。
ひとまず機嫌は治ったようだ。
少しだけ唇にキスをして、腰の照準を合わせる。
思えば後ろから、と言うのは新鮮だ。普段は対面で密着するスタイルなのだが。
そんな些事に思いを馳せてから、のしかかったままで沈み込むように腰を進める。
「んんううっ!」
向きが違うからだろうか。普段とは違った感触がする。
普段は熱い風呂の様に優しくも満遍なく纏わりついてくる感じだったが、今回はその熱に隙間があるものの、苛烈な程に締め上げ、吸い込んでくる。
だが、深くはない。
当然だ。ヒップの分は浅くなるのだから。なじみの場合はデカいだけでなくハリもあるので尚更だ。
鼠径部や股関節まわりに潤いのある肌が張り付く感触は正面からの時とは比べ物にならない程強く、腰を押し返してくる肉の弾力は心地よいものの、全身の密着感は弱いのが難点か。
メイド服に隠れているとはいえ、ウエストからヒップにかけてのラインはよく見えるし、ベッドで潰れて細い背中からはみ出すバストは新たな趣もある。
しかし自分からの視覚効果についてはあまり重要視していないので、総合的には『たまには良いけど普段使いには微妙』という評価に落ち着く。
抜けない様意識して腰を動かすが、ワンストロークが短く、あまり勢いのある動きではなかった。
実際、なじみは喘ぎ声を我慢できているのだから、劇的な快楽ではないのだろう。
「なじみ、腰浮かして」
「んぇ・・・こう?」
枕に顔を埋めたまま、体を離したこちらへと膝で支えるような形で尻を突き出すなじみ。
その丸く大きな尻を強調するこの姿勢は下品で、丸出しにされた陰唇や菊門は卑猥な限りだ。しかし卑猥も極まればある種の美を内包するらしく、俺は今のなじみに否定的な感情は抱かなかった。
いやまあ、単純に欲情しているだけなのかもしれないが。
リードは側に置き、力強くなじみの腰を掴む。
こうしてみると細さがよくわかるというものだ。本当に内臓が十全に入ってるのか心配になるレベルで細い。
一瞬、ガクリとなじみの体が動く。
何のことは無い。軽イキしただけだ。割とよくあるので驚くようなことでもない。
だが彼女が今期待に満ち満ちていることはよくわかった。
ならばあとは押し進むのみである。
体勢変更の為に一旦抜いていた息子をもう一度合わせ、今度は一気に奥まで突き込む。
ぶちゅん、と水気のあるものがぶつかる音が響き、それと同時になじみが絶頂する。
「ふあぁぁあん!!」
絶頂の影響で締まりが強くなる一方、仰け反った体の反動で更に抉り込まれ、その影響でまた絶頂する。
連鎖する絶頂が終わらないうちに腰の前後運動を始める。
ムチムチに張り詰めたなじみの尻に腰を打ち付けるこの感触。メイド服に首輪を着け、下半身は俺が固定しているという支配感。陰茎から送り込まれる快感は勿論の事、ぶつかり合う肉の音が耳にも心地よい。
だが余裕を持って快楽を得ている俺とは違い、なじみはもう虫の息と言った風だ。
なじみは一突き毎に絶頂を迎え、その波はやってくるたび上方向にだけ大きくなる。
常人ならば一回だけで発狂には十分なそれを既に二十は叩き込まれている。今二十五を数えた所だが。
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その頃には、なじみはもう膝立ちと言った方が良さそうな程仰け反っていた。
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