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第二十話 大天使、降臨
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パーンッという大きな破裂音がして、黒い全身スーツの一部が弾け飛ぶ。スーツには亀裂が入り、中から白い布地が見えていた。
「な、何……?」
驚く伊吹の前で、体を締め付けていた黒いスーツを脱ぎ、土偶体型の少女が姿を現した。背丈はチガヤよりも少し低いのに、幅だけはチガヤの倍はありそうだった。その背には小さな白い翼が生え、世界史の資料集に載っていた“ローマ帝国時代の服装”に似た服を着ている。
彼女はスーツを脱ぎ捨てると、大量の汗を流しながら、全力で走った後のように激しい呼吸を繰り返した。両サイドでまとめあげられた長い髪が、豊満すぎるボディにべったりと汗で張り付いている。
「大丈夫?」
チガヤが声をかけると、土偶体型の少女は何か言ったが、それは聴いたこともない言語だった。慌ててチガヤが彼女の星印に触れると、言葉として聞き取れるものになる。
「み、水……」
喉に潤いが無いせいか、かすれた声だった。台座の周りで演奏していたメンバーの一人が、近くにあった水桶を持っていくと、彼女は桶に口を付けて一気に飲みした。
水を飲んで落ち着いたのか、額の汗をぬぐって彼女は笑みを浮かべた。美人というには全体的に肉があり過ぎたが、なかなかに愛嬌のある顔だなというのが伊吹の第一印象だった。
「あの、もしもし……?」
チガヤが彼女の顔を覗き込む。
「なぁ~に?」
それが土偶体型の少女の声だと認識するのには少し時間がかかった。太った人特有の声ではなく、無駄に可愛い声質をしていたからだ。
「私の話してること、わかるよね?」
「うん。わかる、わかる~」
「あのね、ここはマ国のスコウレリアという街で……」
チガヤは彼女が置かれている状況を説明しだした。ガチャによって召喚されたこと、自分たちのこと、見知らぬ言語を知っている言語に置き換える『脳内変換』のことを一通り話す。
「へぇ~、そ~なんだぁ~」
聞き終えた彼女の感想は、それだけだった。
「何か質問とか、あるかなぁ?」
「はいはーい! ここに美味しい物はありますか?」
「うん、あるよ」
「やったぁー!」
土偶体型の少女は諸手を上げて喜んだ。
「なんか、体つきの割に、頭の中が軽そうな子が来たな……」
「うん……」
ボソッと言うサーヤに同調する。
「彼女、Sレアですね」
「嘘っ!?」
ウサウサに言われて見てみると、確かに彼女の腕には星印が4つあった。紛れもなくレアリティはSレアを示し、チガヤのユニットの中では最上位に位置した。Sレアと知って、まじまじと彼女を見てみたが、どうにもレアリティの高さが感じられない。
チガヤは彼女の手を引いて台座から降りてくると、伊吹たちを呼んでガチャの傍から離れた。
「それじゃ、自己紹介するね。私はチガヤ。あなたは?」
「マユタンだよっ!」
土偶体型の少女、もといマユタンは人差し指を頬に当て、小首を傾げてみせた。若干、ポーズを取っている。そのポーズをスルーしてチガヤはニコッと笑った。
「よろしくね、マユタン」
「よろしくね!」
いきなりチガヤを抱きしめたかと思うと、マユタンは伊吹とウサウサにもハグをした。それを見て、サーヤは2mの高さまで羽ばたいた。
「あたい、そういうのはいい……。潰されるのはごめんだ」
「軽めにするから、降りといでよ~」
マユタンが、その場でぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「君も飛べばいいんじゃないの?」
背中の小さな翼を見て伊吹が言う。
「あの高さは無理っ!」
マユタンが手でバツを作る。
「飛行ユニット限定ガチャで出たのに、飛べないって……」
「飛べないんじゃないよ、高く飛べないだけ」
そう言うと、マユタンは翼をはためかせて浮いてみせた。と言っても、ほとんど立っているような姿勢で、地面から10cmほど足が離れたに過ぎない。
「あっ、飛んだ飛んだぁ~!」
浮いた彼女を見て、チガヤが無邪気な歓声を上げる。
「昔はね、もっと飛べたんだよ。でも太ってからは、これがやっとだったり」
飛行ユニット限定ガチャは、これもアリなのか。この国のガチャには、返品制度はないのかと思ったが、物ではなく人を前にしては言葉もない。
「ということは、痩せたら飛べるわけか」
「もうダイエットはしないのだっ! せっかく、デブに人権が無い国から抜け出せたんだもん。美味しい物をいっぱい食べなきゃ損、損、損!」
サーヤの指摘に不機嫌な顔をすると、マユタンは服の下に身に着けていたコルセットを外した。腰の周りだけは少し凹んでいたのに、一気に樽体型へと変化する。
「デブに人権が無い国って……」
「マユタンがいたのは、そんな怖い世界なのだ。来る日も来る日も、体をギュウギュウに締め付ける着圧スーツを着せられて、走れ走れと大地を転がされる日々……。飛べない天使はタダのデブと、何度も言われ……」
「天使、なんだ……」
無論、その“天使”とは『脳内変換』で置き換えられた単語に過ぎない。伊吹の知っているそれとは、違いがあるのは自分でもわかっていた。
「そうですよぉ~、マユタンは天使。悲しいくらいに大天使なのです」
「大天使ってことは、普通の天使より偉いの?」
「何を言っているのです? 重いからに決まってるじゃないですか」
彼女の言う階級がヒエラルキーではなく、重量を基準にしたものだと知り、やはり自分の知っている天使とは違うのだと再認識する。
「みんなも、マユタンに自己紹介しよっか」
チガヤがサーヤに目で合図する。
「あたいはサーヤ。チガヤのユニットの中では一番の古株だ。スキルは……」
「『電気操作』」
サーヤがスキル名を言う前にマユタンが言い当てる。一同が驚く中で、マユタンは続けざまにそれぞれの能力を言っていった。
「アビリティは『加湿香炉』っと。そっちの金髪の人は、スキルが『好意防壁』、アビリティは『光耀遮蔽』かなぁ? 男の子は……ちょっと判別しにくいのだ。たぶん、スキルが『快感誘導』に、アビリティが『無限進化』って感じ」
「すご~い、なんでわかるの?」
「なんでって? みんなは、わかんないの? マユタンは、相手の顔を見たら、スッと言葉が頭に入ってくるよ。でも、おかしいのだ。マユタン、こんな特技はなかったような?」
「僕らの能力がわかるってことは……。ちょっと、自分の顔を見てみて……と言っても、鏡はないか」
「ん? もしかして、マユタンの顔に何かついてる?」
顔をぺたぺたと触っていたマユタンだったが、何かに気付いたのか、自分の手のひらを見つめて言った。
「スキル『能力解析』……」
マユタンが口にした一言で合点がいった。能力を判別するスキルを持っているのなら、見ただけで相手の能力がわかっても不思議はない。
「このスキルがありゃ、能力鑑定士になれんじゃないのか」
「うん、なれるかも。それより、国に届けを出さなきゃだよ!」
少し興奮気味になったチガヤはマユタンの手を引き、能力鑑定をしている部屋へと走って行った。
特定スキルかアビリティを有している場合、国に対して届け出が必要なのは、能力鑑定を受ける際に聴かされていた。脳内で自動翻訳する『脳内変換』。能力を判別する『能力解析』。一定以上の負荷が肉体にかかる前に瞬間移動させる『強制離脱』。ユニットの肉体を数分前の状態に戻す『可逆治癒』。対象の能力を発動させなくする『発動阻止』。能力によって生じた事象を打ち消す『無効波動』。他に、ガチャで呼び出すユニットを限定するものが、いわゆる特定スキル、特定アビリティと呼ばれていた。
「能力鑑定士って、隣の部屋でユニットの能力を教えてくれる人だよね?」
「そう。国の依頼で仕事してるから、報酬もいいって聴く」
「へぇ~……報酬がいいんだ」
サーヤに報酬の話をされ、稼げる能力って大事だよなと改めて思う。同時に、国の依頼で働いていると知り、占い師的に捉えていた能力鑑定士のイメージが、公務員的なものへと変わる。
「スキルはわかったけど、彼女のアビリティは何だろうね」
「あたいとしては、飛行関連の能力だと嬉しいね」
サーヤは目を細めて半笑いする。能力云々の前に、自分たちが求めていたのは飛べるということ、ただ一点だったことを思い起こす。
「終わったよ~」
隣の部屋から手を振りながらチガヤが走ってくる。一緒に行ったハズのマユタンの姿はない。
「早かったね」
傍まで来たチガヤを伊吹が出迎える。
「うん、届け出の方は混んでなかったから」
「で、彼女は?」
「マユタンなら、アビリティを試したいからって、いろんな人に抱きついてるよ」
「へ?」
アビリティと抱きつくという行為が、どう考えてもイコールで結ばれない。
「能力鑑定士にならないか……みたいな話ってなかった?」
「なかったよ。『能力解析』のスキルを持った人が、増えてるって話なら聴いたけど」
「そっか……。それじゃ、能力鑑定士の募集はナシか、あっても倍率が高そうだな」
残念そうに言うと、サーヤは軽く息を吐いた。その残念がり具合から、マユタンが能力鑑定士になれたら、チガヤの家も裕福になれたんだろうか思っていると、近くで「うわぁっ!」という男性の声がした。
「な、何?」
声がした方に目を向けると、マユタンが細身の男性に抱きつき、首元に熱いキスをしていた。濃厚なキスをされた相手の首元には、痣のようなキスマークが付いている。
「ひぃ~……」
マユタンの腕を振り払うと、男性は一目散に逃げ出した。
「何、してるの?」
「見てのとおり、キスマークを付けているのですっ!」
「なんで……」
「それはぁ~、マユタンのアビリティの発動には、キスマークを付ける必要があるからなのですっ!」
ビシッと指を差されて力説されても、伊吹は「はぁ……」としか反応できなかった。
「で、どんなアビリティなのさ?」
「ん~……言葉で言っても伝わらない気がするのだ。あとで使ってみるので、お楽しみに!」
マユタンは人差し指で自分の頬を突き、体をくねらせるポーズを取った。今度は、サーヤが「そう……」としか反応できなかった。
「うん、楽しみにしてるね」
チガヤはニコッと笑うとスタスタと歩き始めた。
「おうちに帰るよ~」
振り返って言うチガヤに頷き、ユニットたちも後に続いた。
家に帰ると、情報倉庫で別れたシオリンとブリオの他に、闘技場で観戦を続けていたワニックも戻っていた。「ただいま」を言い終わると、チガヤは早速マユタンの紹介に入った。
「新しい友達だよ~」
「マユタンだよっ!」
チガヤに促されるように前に出たマユタンは、またもや人差し指を頬に当て、小首を傾げ、やはり若干ポーズを取っていた。
「……シオリンです」
少し間をおいてシオリンが名乗る。
「オイラは、ブリオなんだな」
「俺はワニックだ」
続いて男性陣も名前だけ言う。
「あのね、マユタンは能力を判別するスキルを持ってるんだよ」
「えへんっ!」
スキルを紹介されると、マユタンは得意げに胸を張った。
「ほぉ~。では試しに、当ててもらおうか。まずは俺から」
「え~っと、スキルが『瞬間加速』で、アビリティが『水分蒸発』なのだ」
「まさに。この能力があれば、バトルで戦いやすくなるな」
「またバトルの話……」
バトルの話に繋げるワニックに、チガヤが頬を膨らます。
「そっちのカエルさんは、スキルは『毒素感知』ってわかるのに、アビリティが見えないのだ。魚さんはスキルも見えてこない……む~、これは一体?」
「スキルやアビリティを持っていないユニットもいるんだよ。コモンは両方持ってないし、アンコモンでも持っている人は少ないから」
チガヤに説明され、マユタンは「ふむふむ」と頷く。
「なるほど、なるほど。でもでも~、ちょっと不思議かなぁ~……なんて」
「何が不思議なの?」
「ユニットはガチャで出るのに、神殿にはコモンやアンコモンの人が居なかったのだ」
「それはね……たぶん、ガチャで出ても、すぐに強化素材にされちゃうからだと思う」
重々しくチガヤは語ったが、マユタンは気にせずに話し続けた。
「強化? あっ、そういえば見たような。ユニットの片方がいなくなって、もう片方が少し変化するの。チガヤは強化しないのです?」
「ユニットは友達だもん。強化や進化なんて酷いことはしない。だから、イブキの『無限進化』もダメって言ってる」
チガヤの発言にマユタンが首を傾げる。
「む~……。どうして、『無限進化』がダメなのです?」
「だって、進化だよ? 素材にしたユニットが消えちゃうんだよ?」
「それは勘違いなのですっ!」
マユタンはポーズを取ってチガヤを指差した。
「勘違い……?」
「『無限進化』は名前だけっ! 普通の進化とは違うのですっ!」
「じゃ、僕のアビリティって何が起こるの? 前に見てもらったときは、進化素材対象は同一型ユニットじゃなくてもいいけど、特定の条件を満たした人限定で、それ以上はわからないって言われたんだけど……」
腕組みをしてマユタンは考え込む。
「む~、確かにマユタンにも、よくわからないところがあったり……。他の人と違って、スキルもアビリティも、頭に入って来る言葉にノイズが混じるのですよ、君は。でもでも、一時的な効果だというのは間違いないのだ」
「一時的な効果って?」
「アビリティを発動したら、対象のユニットと何か起こっちゃう。けどけど、アビリティの使用をやめれば、対象のユニットが元に戻る……みたいな感じ、なのだ」
発動したら特定の条件を満たすユニットと一時的に何かなる……。伊吹はゲームに出てくる合体するモンスターを思い浮かべた。大きくなった自分の姿を想像したが、どうにも強そうには見えない。
「君みたいに能力情報がノイズだらけの人は、神殿にもいなかったのだ。スキルもアビリティも、効果がハッキリしなくて気味が悪いのです。特に、アビリティは発動条件が2つもあって明らかに変、変、変!」
「発動条件って2つあるの?」
「そうなのです。特定の条件を満たすユニットの……何かの他に、能力名を声に出す必要があるのだっ!」
「能力名を声に出すの? え~っと、無限進化!!」
試しに叫んでみたところで、何も起こらずに辺りが白けただけだった。
「条件を満たすユニットがいないとダメってこと……だよね」
「わかっているなら叫ぶな」
サーヤに後ろから蹴られる。
「アテッ……でも、なんで僕だけ能力がアレなんだろ」
「変人だからじゃないのか?」
からかうサーヤに、他のユニットたちが「あぁ……」と共感する。そんな言葉で納得しないでよ、と言いかけたところで、伊吹は自分が珍しいと言われたことを思い出した。
ヒューゴに言われた「珍しいものに入ってたから気になっていた」というのがそれだ。ユニットの大半は捕えられた状態で召喚されているので、袋、檻、箱状のものが多いと聞かされている。確かに、仲間内でもガラスケース、袋、壺、拷問具、箱、そして着厚スーツと、誰かに何らかの理由で押し込められた物ばかりだ。それに比べ、自分は自らカボチャの中に入っているだけに、召喚対象として特殊なことは否定できない。
召喚されるのは、何かに入った状態で、今いる世界を離れたいって思った人だけ、という条件を満たしていたとはいえ、自分は他のユニットに比べて、離れたいという動機が希薄だ。それが、見えずらい能力に繋がっているのでは……。
「な、何……?」
驚く伊吹の前で、体を締め付けていた黒いスーツを脱ぎ、土偶体型の少女が姿を現した。背丈はチガヤよりも少し低いのに、幅だけはチガヤの倍はありそうだった。その背には小さな白い翼が生え、世界史の資料集に載っていた“ローマ帝国時代の服装”に似た服を着ている。
彼女はスーツを脱ぎ捨てると、大量の汗を流しながら、全力で走った後のように激しい呼吸を繰り返した。両サイドでまとめあげられた長い髪が、豊満すぎるボディにべったりと汗で張り付いている。
「大丈夫?」
チガヤが声をかけると、土偶体型の少女は何か言ったが、それは聴いたこともない言語だった。慌ててチガヤが彼女の星印に触れると、言葉として聞き取れるものになる。
「み、水……」
喉に潤いが無いせいか、かすれた声だった。台座の周りで演奏していたメンバーの一人が、近くにあった水桶を持っていくと、彼女は桶に口を付けて一気に飲みした。
水を飲んで落ち着いたのか、額の汗をぬぐって彼女は笑みを浮かべた。美人というには全体的に肉があり過ぎたが、なかなかに愛嬌のある顔だなというのが伊吹の第一印象だった。
「あの、もしもし……?」
チガヤが彼女の顔を覗き込む。
「なぁ~に?」
それが土偶体型の少女の声だと認識するのには少し時間がかかった。太った人特有の声ではなく、無駄に可愛い声質をしていたからだ。
「私の話してること、わかるよね?」
「うん。わかる、わかる~」
「あのね、ここはマ国のスコウレリアという街で……」
チガヤは彼女が置かれている状況を説明しだした。ガチャによって召喚されたこと、自分たちのこと、見知らぬ言語を知っている言語に置き換える『脳内変換』のことを一通り話す。
「へぇ~、そ~なんだぁ~」
聞き終えた彼女の感想は、それだけだった。
「何か質問とか、あるかなぁ?」
「はいはーい! ここに美味しい物はありますか?」
「うん、あるよ」
「やったぁー!」
土偶体型の少女は諸手を上げて喜んだ。
「なんか、体つきの割に、頭の中が軽そうな子が来たな……」
「うん……」
ボソッと言うサーヤに同調する。
「彼女、Sレアですね」
「嘘っ!?」
ウサウサに言われて見てみると、確かに彼女の腕には星印が4つあった。紛れもなくレアリティはSレアを示し、チガヤのユニットの中では最上位に位置した。Sレアと知って、まじまじと彼女を見てみたが、どうにもレアリティの高さが感じられない。
チガヤは彼女の手を引いて台座から降りてくると、伊吹たちを呼んでガチャの傍から離れた。
「それじゃ、自己紹介するね。私はチガヤ。あなたは?」
「マユタンだよっ!」
土偶体型の少女、もといマユタンは人差し指を頬に当て、小首を傾げてみせた。若干、ポーズを取っている。そのポーズをスルーしてチガヤはニコッと笑った。
「よろしくね、マユタン」
「よろしくね!」
いきなりチガヤを抱きしめたかと思うと、マユタンは伊吹とウサウサにもハグをした。それを見て、サーヤは2mの高さまで羽ばたいた。
「あたい、そういうのはいい……。潰されるのはごめんだ」
「軽めにするから、降りといでよ~」
マユタンが、その場でぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「君も飛べばいいんじゃないの?」
背中の小さな翼を見て伊吹が言う。
「あの高さは無理っ!」
マユタンが手でバツを作る。
「飛行ユニット限定ガチャで出たのに、飛べないって……」
「飛べないんじゃないよ、高く飛べないだけ」
そう言うと、マユタンは翼をはためかせて浮いてみせた。と言っても、ほとんど立っているような姿勢で、地面から10cmほど足が離れたに過ぎない。
「あっ、飛んだ飛んだぁ~!」
浮いた彼女を見て、チガヤが無邪気な歓声を上げる。
「昔はね、もっと飛べたんだよ。でも太ってからは、これがやっとだったり」
飛行ユニット限定ガチャは、これもアリなのか。この国のガチャには、返品制度はないのかと思ったが、物ではなく人を前にしては言葉もない。
「ということは、痩せたら飛べるわけか」
「もうダイエットはしないのだっ! せっかく、デブに人権が無い国から抜け出せたんだもん。美味しい物をいっぱい食べなきゃ損、損、損!」
サーヤの指摘に不機嫌な顔をすると、マユタンは服の下に身に着けていたコルセットを外した。腰の周りだけは少し凹んでいたのに、一気に樽体型へと変化する。
「デブに人権が無い国って……」
「マユタンがいたのは、そんな怖い世界なのだ。来る日も来る日も、体をギュウギュウに締め付ける着圧スーツを着せられて、走れ走れと大地を転がされる日々……。飛べない天使はタダのデブと、何度も言われ……」
「天使、なんだ……」
無論、その“天使”とは『脳内変換』で置き換えられた単語に過ぎない。伊吹の知っているそれとは、違いがあるのは自分でもわかっていた。
「そうですよぉ~、マユタンは天使。悲しいくらいに大天使なのです」
「大天使ってことは、普通の天使より偉いの?」
「何を言っているのです? 重いからに決まってるじゃないですか」
彼女の言う階級がヒエラルキーではなく、重量を基準にしたものだと知り、やはり自分の知っている天使とは違うのだと再認識する。
「みんなも、マユタンに自己紹介しよっか」
チガヤがサーヤに目で合図する。
「あたいはサーヤ。チガヤのユニットの中では一番の古株だ。スキルは……」
「『電気操作』」
サーヤがスキル名を言う前にマユタンが言い当てる。一同が驚く中で、マユタンは続けざまにそれぞれの能力を言っていった。
「アビリティは『加湿香炉』っと。そっちの金髪の人は、スキルが『好意防壁』、アビリティは『光耀遮蔽』かなぁ? 男の子は……ちょっと判別しにくいのだ。たぶん、スキルが『快感誘導』に、アビリティが『無限進化』って感じ」
「すご~い、なんでわかるの?」
「なんでって? みんなは、わかんないの? マユタンは、相手の顔を見たら、スッと言葉が頭に入ってくるよ。でも、おかしいのだ。マユタン、こんな特技はなかったような?」
「僕らの能力がわかるってことは……。ちょっと、自分の顔を見てみて……と言っても、鏡はないか」
「ん? もしかして、マユタンの顔に何かついてる?」
顔をぺたぺたと触っていたマユタンだったが、何かに気付いたのか、自分の手のひらを見つめて言った。
「スキル『能力解析』……」
マユタンが口にした一言で合点がいった。能力を判別するスキルを持っているのなら、見ただけで相手の能力がわかっても不思議はない。
「このスキルがありゃ、能力鑑定士になれんじゃないのか」
「うん、なれるかも。それより、国に届けを出さなきゃだよ!」
少し興奮気味になったチガヤはマユタンの手を引き、能力鑑定をしている部屋へと走って行った。
特定スキルかアビリティを有している場合、国に対して届け出が必要なのは、能力鑑定を受ける際に聴かされていた。脳内で自動翻訳する『脳内変換』。能力を判別する『能力解析』。一定以上の負荷が肉体にかかる前に瞬間移動させる『強制離脱』。ユニットの肉体を数分前の状態に戻す『可逆治癒』。対象の能力を発動させなくする『発動阻止』。能力によって生じた事象を打ち消す『無効波動』。他に、ガチャで呼び出すユニットを限定するものが、いわゆる特定スキル、特定アビリティと呼ばれていた。
「能力鑑定士って、隣の部屋でユニットの能力を教えてくれる人だよね?」
「そう。国の依頼で仕事してるから、報酬もいいって聴く」
「へぇ~……報酬がいいんだ」
サーヤに報酬の話をされ、稼げる能力って大事だよなと改めて思う。同時に、国の依頼で働いていると知り、占い師的に捉えていた能力鑑定士のイメージが、公務員的なものへと変わる。
「スキルはわかったけど、彼女のアビリティは何だろうね」
「あたいとしては、飛行関連の能力だと嬉しいね」
サーヤは目を細めて半笑いする。能力云々の前に、自分たちが求めていたのは飛べるということ、ただ一点だったことを思い起こす。
「終わったよ~」
隣の部屋から手を振りながらチガヤが走ってくる。一緒に行ったハズのマユタンの姿はない。
「早かったね」
傍まで来たチガヤを伊吹が出迎える。
「うん、届け出の方は混んでなかったから」
「で、彼女は?」
「マユタンなら、アビリティを試したいからって、いろんな人に抱きついてるよ」
「へ?」
アビリティと抱きつくという行為が、どう考えてもイコールで結ばれない。
「能力鑑定士にならないか……みたいな話ってなかった?」
「なかったよ。『能力解析』のスキルを持った人が、増えてるって話なら聴いたけど」
「そっか……。それじゃ、能力鑑定士の募集はナシか、あっても倍率が高そうだな」
残念そうに言うと、サーヤは軽く息を吐いた。その残念がり具合から、マユタンが能力鑑定士になれたら、チガヤの家も裕福になれたんだろうか思っていると、近くで「うわぁっ!」という男性の声がした。
「な、何?」
声がした方に目を向けると、マユタンが細身の男性に抱きつき、首元に熱いキスをしていた。濃厚なキスをされた相手の首元には、痣のようなキスマークが付いている。
「ひぃ~……」
マユタンの腕を振り払うと、男性は一目散に逃げ出した。
「何、してるの?」
「見てのとおり、キスマークを付けているのですっ!」
「なんで……」
「それはぁ~、マユタンのアビリティの発動には、キスマークを付ける必要があるからなのですっ!」
ビシッと指を差されて力説されても、伊吹は「はぁ……」としか反応できなかった。
「で、どんなアビリティなのさ?」
「ん~……言葉で言っても伝わらない気がするのだ。あとで使ってみるので、お楽しみに!」
マユタンは人差し指で自分の頬を突き、体をくねらせるポーズを取った。今度は、サーヤが「そう……」としか反応できなかった。
「うん、楽しみにしてるね」
チガヤはニコッと笑うとスタスタと歩き始めた。
「おうちに帰るよ~」
振り返って言うチガヤに頷き、ユニットたちも後に続いた。
家に帰ると、情報倉庫で別れたシオリンとブリオの他に、闘技場で観戦を続けていたワニックも戻っていた。「ただいま」を言い終わると、チガヤは早速マユタンの紹介に入った。
「新しい友達だよ~」
「マユタンだよっ!」
チガヤに促されるように前に出たマユタンは、またもや人差し指を頬に当て、小首を傾げ、やはり若干ポーズを取っていた。
「……シオリンです」
少し間をおいてシオリンが名乗る。
「オイラは、ブリオなんだな」
「俺はワニックだ」
続いて男性陣も名前だけ言う。
「あのね、マユタンは能力を判別するスキルを持ってるんだよ」
「えへんっ!」
スキルを紹介されると、マユタンは得意げに胸を張った。
「ほぉ~。では試しに、当ててもらおうか。まずは俺から」
「え~っと、スキルが『瞬間加速』で、アビリティが『水分蒸発』なのだ」
「まさに。この能力があれば、バトルで戦いやすくなるな」
「またバトルの話……」
バトルの話に繋げるワニックに、チガヤが頬を膨らます。
「そっちのカエルさんは、スキルは『毒素感知』ってわかるのに、アビリティが見えないのだ。魚さんはスキルも見えてこない……む~、これは一体?」
「スキルやアビリティを持っていないユニットもいるんだよ。コモンは両方持ってないし、アンコモンでも持っている人は少ないから」
チガヤに説明され、マユタンは「ふむふむ」と頷く。
「なるほど、なるほど。でもでも~、ちょっと不思議かなぁ~……なんて」
「何が不思議なの?」
「ユニットはガチャで出るのに、神殿にはコモンやアンコモンの人が居なかったのだ」
「それはね……たぶん、ガチャで出ても、すぐに強化素材にされちゃうからだと思う」
重々しくチガヤは語ったが、マユタンは気にせずに話し続けた。
「強化? あっ、そういえば見たような。ユニットの片方がいなくなって、もう片方が少し変化するの。チガヤは強化しないのです?」
「ユニットは友達だもん。強化や進化なんて酷いことはしない。だから、イブキの『無限進化』もダメって言ってる」
チガヤの発言にマユタンが首を傾げる。
「む~……。どうして、『無限進化』がダメなのです?」
「だって、進化だよ? 素材にしたユニットが消えちゃうんだよ?」
「それは勘違いなのですっ!」
マユタンはポーズを取ってチガヤを指差した。
「勘違い……?」
「『無限進化』は名前だけっ! 普通の進化とは違うのですっ!」
「じゃ、僕のアビリティって何が起こるの? 前に見てもらったときは、進化素材対象は同一型ユニットじゃなくてもいいけど、特定の条件を満たした人限定で、それ以上はわからないって言われたんだけど……」
腕組みをしてマユタンは考え込む。
「む~、確かにマユタンにも、よくわからないところがあったり……。他の人と違って、スキルもアビリティも、頭に入って来る言葉にノイズが混じるのですよ、君は。でもでも、一時的な効果だというのは間違いないのだ」
「一時的な効果って?」
「アビリティを発動したら、対象のユニットと何か起こっちゃう。けどけど、アビリティの使用をやめれば、対象のユニットが元に戻る……みたいな感じ、なのだ」
発動したら特定の条件を満たすユニットと一時的に何かなる……。伊吹はゲームに出てくる合体するモンスターを思い浮かべた。大きくなった自分の姿を想像したが、どうにも強そうには見えない。
「君みたいに能力情報がノイズだらけの人は、神殿にもいなかったのだ。スキルもアビリティも、効果がハッキリしなくて気味が悪いのです。特に、アビリティは発動条件が2つもあって明らかに変、変、変!」
「発動条件って2つあるの?」
「そうなのです。特定の条件を満たすユニットの……何かの他に、能力名を声に出す必要があるのだっ!」
「能力名を声に出すの? え~っと、無限進化!!」
試しに叫んでみたところで、何も起こらずに辺りが白けただけだった。
「条件を満たすユニットがいないとダメってこと……だよね」
「わかっているなら叫ぶな」
サーヤに後ろから蹴られる。
「アテッ……でも、なんで僕だけ能力がアレなんだろ」
「変人だからじゃないのか?」
からかうサーヤに、他のユニットたちが「あぁ……」と共感する。そんな言葉で納得しないでよ、と言いかけたところで、伊吹は自分が珍しいと言われたことを思い出した。
ヒューゴに言われた「珍しいものに入ってたから気になっていた」というのがそれだ。ユニットの大半は捕えられた状態で召喚されているので、袋、檻、箱状のものが多いと聞かされている。確かに、仲間内でもガラスケース、袋、壺、拷問具、箱、そして着厚スーツと、誰かに何らかの理由で押し込められた物ばかりだ。それに比べ、自分は自らカボチャの中に入っているだけに、召喚対象として特殊なことは否定できない。
召喚されるのは、何かに入った状態で、今いる世界を離れたいって思った人だけ、という条件を満たしていたとはいえ、自分は他のユニットに比べて、離れたいという動機が希薄だ。それが、見えずらい能力に繋がっているのでは……。
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――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
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アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
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最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
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https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
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もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております
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