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SSS
Necrophilia
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赤が抜けた青白い肌。血の通っていない紫の唇。だらりと垂れ下がったまま動かない肉の塊。虚ろな濁った目。
先程まで生きて動いて明日はどうしようかなんてくだらないことを考えていた人間が今はただ腐敗して朽ち果てるのを待つことしか出来ない。
この人はどう思っているのだろうか、生きるはずの未来を失ってしまって。
目の前で横たわる名前も知らないその亡骸の手をそっと握り締める。
あとは燃やされるだけなんてそんなの可哀想だ。
死人は用済み?とんでもない。死人だって生きている。意思がある。権利がある。人間として生活をする資格がある。
熱が抜け落ち外気と同調したひんやりとしたその肌触りが酷く心地よく、確かにその重みは人間のもので、脆くなった体を壊さないよう俺はその青白い手の甲に唇を寄せた。
「安心して、俺が君を養ってあげるから」
今までと同じように誰かがしてくれたことを誰もしないなら俺がする。
亡骸になった君を百億人分愛そう。
だから、今だけは安らかに眠ってくれ。目が覚めたらきっとそこは天国なのでしょうから。
Necrophilia【死体愛好】
先程まで生きて動いて明日はどうしようかなんてくだらないことを考えていた人間が今はただ腐敗して朽ち果てるのを待つことしか出来ない。
この人はどう思っているのだろうか、生きるはずの未来を失ってしまって。
目の前で横たわる名前も知らないその亡骸の手をそっと握り締める。
あとは燃やされるだけなんてそんなの可哀想だ。
死人は用済み?とんでもない。死人だって生きている。意思がある。権利がある。人間として生活をする資格がある。
熱が抜け落ち外気と同調したひんやりとしたその肌触りが酷く心地よく、確かにその重みは人間のもので、脆くなった体を壊さないよう俺はその青白い手の甲に唇を寄せた。
「安心して、俺が君を養ってあげるから」
今までと同じように誰かがしてくれたことを誰もしないなら俺がする。
亡骸になった君を百億人分愛そう。
だから、今だけは安らかに眠ってくれ。目が覚めたらきっとそこは天国なのでしょうから。
Necrophilia【死体愛好】
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