この腐った学園で生き抜くためのたった一つの方法。

田原摩耶

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 ――生徒会室。

「やあやあやあ、伊鶴君元気~~? ほら、お菓子もあるよ?」
「結構です。そんで? 今回はこの人が何をやらかしたんです?」
「うん、そうなんだよね。俺の大事な宝物を壊しちゃってさ」
「壊した……?」
「そうそう大事に育て上げた可愛い可愛い宝物を、『生徒会長の愛人ティア表』とかいうふざけた記事でメンタルボロボロにさせちゃって自殺未遂で大騒ぎ。こっちは連日メンケアと刃傷沙汰で大忙しなのにさ」

 それは日頃の行いもあるのではないのか、と喉元まで出かかって「それは災難でしたね」と一旦同情しておく。
 生徒会長席に座るその男は自分の髪の先を指で弄び、そして足元で土下座したまま動かないその部長の頭を踏みつける。

「伊鶴君だったらどうする?」
「どうする、とは」
「だからー、落とし前ってやつ? この通りクソみたいな記事書いた張本人はなんでもしてくれるみたいなんだけど、俺は別になんでもいうこと聞いてくれる人間には困ってないんだよねえ?」

 硬い靴の裏で部長の頭を踏みつける。耳まで真っ赤になっているところを見ると大分負荷はかかってそうだ。

「……じゃあ、部長の宝物を壊せばいいんじゃないですか?」

 こんな茶番に付き合ってられるか。
 そう答えれば、生徒会長は閃いたように手を叩いた。

「いいね、それ」
「んじゃ、俺はこれで」
「はは、何言ってるの? 伊鶴」
「……は?」

 立ち上がった生徒会長は転がった部長をそこら辺のゴミのように足蹴にし、そのままゆっくりとこちらへと歩み寄ってきた。椅子に座っているときよりも高圧的な雰囲気のその男は俺の顔を覗き込み、「うん」とにっこりと微笑む。

「部長さんへのツケは君に返してもらうとするかな」

 なんて?

「あと俺、最低三回出さないと無理だから」

 なんて?

「――逃げられると思うなよ、伊鶴」

 幻聴かと疑う俺の耳にたっぷりと囁きかけられる声。
 臀部を鷲掴みする手が食い込む感触は悲しきかな、紛れもなく現実だった。

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