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神魔戦役篇 エピローグ
184話 神は次の目覚めの時を待つ
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オオゲツは誰だ?
語らずとも、共に同じ疑問を共有した。情報を折り重ねる度に姿が、輪郭が、存在までもが曖昧になる素性不明の女。そういえば、とスクナが旗艦から去り行く女が言い捨てた台詞をなぞった。
「全ては貴方の判断だってのはタガミが散々に盗み撮りした映像を調べればわかる事……だったか」
「あぁ。逃げる時の捨て台詞ですか」
あの女は他の誰も気付いていなかったタガミの盗撮に気付いていた。気付いていながらあえて無視し、逆に利用した。全てをヤゴウになすりつける為に。だが何より、スサノヲの一撃を片手で受け止めた。ただの一般人に出来る芸当ではない。
「ワシも貰った情報以上はわからん。だが、どう見ても一企業の代表に見えなかった。少なくとも年齢はアテにならん。初めて奴を見た時、危険だと直感した。素直に白状すれば、初めて目を合わせた瞬間に恐怖すら感じた。あの時は無根拠な直感でしかなかったが、どうやら間違っていなかったらしい。出来れば間違っていて欲しかったがな」
スクナは更に過去を思い返す。記憶の隅で埃をかぶっていたタケミカヅチ計画の始まり。今はもう存在しない研究艦で初めて出会った時の印象は最悪そのものだった。
「そう言えば、クシナダの攻撃を素手で受け止めたんでしたっけ?」
「ワシが推薦した。才能は折り紙付きだ」
「と、すれば……やっぱり超人計画?」
積み重なる過去と情報が、異常な個体を作り出す超人計画の産物ではないかとの確信を強める。かの計画はその後色々な方面に影響を与えた。
遡る事1650年前、連合は遺伝子をより戦闘向けに改造した人造兵士の製造計画を立ち上げた。直前にマガツヒの大部隊と遭遇、敗北した時勢も後押しし、計画は順調に進んだ。
が、マガツヒへの憎悪に駆られた一部が暴走した。研究成果とともに逃走、独断で研究を続行した果てに異形の化け物を生み出した。結果、研究は神の手により完全消滅させられ、超人計画も完全凍結、最終的に破棄され現在へと至る。
以降、暴走を防ぐために旗艦内で行う新規技術の開発管理は全て神が行う事となった。それまで許可されていた治療目的に限定される臓器複製も禁止された。現在の先端医療である復元医療はこの事件を契機とするが、「不要な部位を金で交換するなど、まるで機械と同じではないか」といった否定的、忌避的な考え方が根強かった当時の空気と重なった影響も多分にある。
そして、超人計画は知る人ぞ知る――言ってみればマニアックな知識として語られる程度に忘却された。主要なデータは神によって厳重封印され、同時に強固な監視体制が敷かれた為、以後この様な悲惨な事件は起きていない。
ただ、計画が秘密裏に継続されていた可能性は否定できない。超人計画を確実に阻止出来ていると言い切れるのは神が管理する旗艦アマテラスと姫の管轄である惑星フタゴミカボシのみ。神の目が届かない闇の中で何かが行われていた可能性は否定できない。三者は三様に同じ懸念を抱く。
「正体不明の女か……なら余計に厄介ですね。しかも、オオゲツに成りすましていたとするなら恐らく変装。顔まで分からないのではお手上げじゃないですかね?最低でも英雄が違和感なく身体を動かせる様になるまでは面会謝絶状態を継続した方が良いでしょう。まぁ彼女なら当然その判断を下しているでしょうけど」
「組織体制も現在刷新中だし、打てる手も既に打った。取りあえず入艦管理部門には入出艦者全員を対象に整形用ナノマシン使用の有無を最優先で確認するよう伝えた。併せて、全惑星の医療機関に過去一度でも整形を行った者のリストを作成させ、入艦管理部門に提出するよう通達を出した。何が起きるか分からんが、しかし確実に何かが起きる。それだけは確かだ」
「厄介ですね。ところで今思ったんですけど……スクナ、そんな事態に私達を巻き込むつもりですか?コッチの汚いのはともかく私まで!!」
「汚いとは何ですか!?他人を罵っても背ぇ伸びませんよ!!」
神妙な雰囲気が瞬く間に破られた。ニニギもヤマヒコも有能なのだが、能力以外の全てが水と油。ほぼ接点がないのに気が付けば口論している光景は特兵研、黒点観測部門双方で相当数が目撃されている。ここまでこればいっそ逆に仲が良いのでは、と茶化すと烈火の如く怒り出すのもお約束。
「落ち着かんか。済まないと思うが諦めてくれ。旗艦は神の管理が前提。不在時に備えた補助システムは一時的であって恒常的にこれほど広大な艦全体を管理するには余りにも力不足。やれることは全てやる。頼れる者は誰でも使う。これはワシの方針で曲げるつもりはない。すまんが文句は全部終わってからにしてくれ」
「ヤレヤレ、仕方ないですね」
「ハァ、また睡眠時間が減っちゃうよぉ。お肌に悪いのにぃ」
「寝る子は育つ……」
「何か言った?言ったな?喧嘩売ったな?オイ?」
「あのなぁ……ともかく君達を頼る方針に変わりはない。頼りにさせて貰うぞ」
「分かりました。では、僕は一旦失礼させて貰いますよ。まだ仕事が山ほど残っているのでね」
「じゃあ私は休憩しようかな。そうそう、スクナ。随分お疲れのようですけど、ここで倒れても看病なんて気の利いた事出来ませんからね。ちゃんと休み取ってくださいよ」
「ヤレヤレ……年寄りにはもっと優しく接するモンじゃろうに」
新たな問題が矢継ぎ早に生まれる事態に頭を痛めた三者は三様に別行動をとる。ヤマヒコは特兵研へと戻り、眠い目をこすりながらヨタヨタと歩くニニギが後に続く。
「唯一の手掛かりを完全に見失った。だが、諦めんぞ。何を考えていようともな……」
2人を見送ったスクナは椅子に深く腰掛けた。大きな溜息と共に睨み付ける画面には幾つもの文章が表示される。
・復興への協力依頼は当艦と友好的な魔導連合を経由する事が望ましい
・内政干渉が疑われる為、主星との交渉には細心の注意を払う事
・ザルヴァートルの動向が不透明である。彼等が交渉の橋渡しを提案した場合、ルミナ=AZ1を同席させてはならない。但し、彼女が自らの意志でソレを望んだ場合は除外する
・マガツヒの変異に伴い出現濃度が上昇する可能性が高い。現状の濃度10から最低でも30、ないし40程度は見積もる必要がある。過去に予言した上位個体の存在を示唆する行動の揺らぎを含め、未だ全容は解明されていない。連合の存続に関する為、本件に限り市井が望めば演算を行う
・伊佐凪竜一とルミナ=AZ1に関するあらゆる情報を秘匿せよ。出自や遺伝情報などの重要な情報は全てを対象とし、最上級クラスの機密情報として扱うこと。また本件に関する情報の取り扱いにも細心の注意を払う事、具体的にはセキュリティクリアランスレベル0を新たに創出、選出メンバーのみが当該情報に接触可能とするよう徹底させる事
何れも神が最後に残した指示。残る力を使い、今後を予見した神は最後に自らの機能を停止した。もう神は不要だと、今後はルミナの手助けをする事に注力すると言づけ、特兵研に専用の体躯の設計を依頼すると自らを構成する最も重要な核部分を安全な場所に隠した。また、地球を管理した月の神も同じく。
己が管轄する世界を管理してきた二柱の神は、現状において最も安全とされる場所で次の目覚めを待つ。
語らずとも、共に同じ疑問を共有した。情報を折り重ねる度に姿が、輪郭が、存在までもが曖昧になる素性不明の女。そういえば、とスクナが旗艦から去り行く女が言い捨てた台詞をなぞった。
「全ては貴方の判断だってのはタガミが散々に盗み撮りした映像を調べればわかる事……だったか」
「あぁ。逃げる時の捨て台詞ですか」
あの女は他の誰も気付いていなかったタガミの盗撮に気付いていた。気付いていながらあえて無視し、逆に利用した。全てをヤゴウになすりつける為に。だが何より、スサノヲの一撃を片手で受け止めた。ただの一般人に出来る芸当ではない。
「ワシも貰った情報以上はわからん。だが、どう見ても一企業の代表に見えなかった。少なくとも年齢はアテにならん。初めて奴を見た時、危険だと直感した。素直に白状すれば、初めて目を合わせた瞬間に恐怖すら感じた。あの時は無根拠な直感でしかなかったが、どうやら間違っていなかったらしい。出来れば間違っていて欲しかったがな」
スクナは更に過去を思い返す。記憶の隅で埃をかぶっていたタケミカヅチ計画の始まり。今はもう存在しない研究艦で初めて出会った時の印象は最悪そのものだった。
「そう言えば、クシナダの攻撃を素手で受け止めたんでしたっけ?」
「ワシが推薦した。才能は折り紙付きだ」
「と、すれば……やっぱり超人計画?」
積み重なる過去と情報が、異常な個体を作り出す超人計画の産物ではないかとの確信を強める。かの計画はその後色々な方面に影響を与えた。
遡る事1650年前、連合は遺伝子をより戦闘向けに改造した人造兵士の製造計画を立ち上げた。直前にマガツヒの大部隊と遭遇、敗北した時勢も後押しし、計画は順調に進んだ。
が、マガツヒへの憎悪に駆られた一部が暴走した。研究成果とともに逃走、独断で研究を続行した果てに異形の化け物を生み出した。結果、研究は神の手により完全消滅させられ、超人計画も完全凍結、最終的に破棄され現在へと至る。
以降、暴走を防ぐために旗艦内で行う新規技術の開発管理は全て神が行う事となった。それまで許可されていた治療目的に限定される臓器複製も禁止された。現在の先端医療である復元医療はこの事件を契機とするが、「不要な部位を金で交換するなど、まるで機械と同じではないか」といった否定的、忌避的な考え方が根強かった当時の空気と重なった影響も多分にある。
そして、超人計画は知る人ぞ知る――言ってみればマニアックな知識として語られる程度に忘却された。主要なデータは神によって厳重封印され、同時に強固な監視体制が敷かれた為、以後この様な悲惨な事件は起きていない。
ただ、計画が秘密裏に継続されていた可能性は否定できない。超人計画を確実に阻止出来ていると言い切れるのは神が管理する旗艦アマテラスと姫の管轄である惑星フタゴミカボシのみ。神の目が届かない闇の中で何かが行われていた可能性は否定できない。三者は三様に同じ懸念を抱く。
「正体不明の女か……なら余計に厄介ですね。しかも、オオゲツに成りすましていたとするなら恐らく変装。顔まで分からないのではお手上げじゃないですかね?最低でも英雄が違和感なく身体を動かせる様になるまでは面会謝絶状態を継続した方が良いでしょう。まぁ彼女なら当然その判断を下しているでしょうけど」
「組織体制も現在刷新中だし、打てる手も既に打った。取りあえず入艦管理部門には入出艦者全員を対象に整形用ナノマシン使用の有無を最優先で確認するよう伝えた。併せて、全惑星の医療機関に過去一度でも整形を行った者のリストを作成させ、入艦管理部門に提出するよう通達を出した。何が起きるか分からんが、しかし確実に何かが起きる。それだけは確かだ」
「厄介ですね。ところで今思ったんですけど……スクナ、そんな事態に私達を巻き込むつもりですか?コッチの汚いのはともかく私まで!!」
「汚いとは何ですか!?他人を罵っても背ぇ伸びませんよ!!」
神妙な雰囲気が瞬く間に破られた。ニニギもヤマヒコも有能なのだが、能力以外の全てが水と油。ほぼ接点がないのに気が付けば口論している光景は特兵研、黒点観測部門双方で相当数が目撃されている。ここまでこればいっそ逆に仲が良いのでは、と茶化すと烈火の如く怒り出すのもお約束。
「落ち着かんか。済まないと思うが諦めてくれ。旗艦は神の管理が前提。不在時に備えた補助システムは一時的であって恒常的にこれほど広大な艦全体を管理するには余りにも力不足。やれることは全てやる。頼れる者は誰でも使う。これはワシの方針で曲げるつもりはない。すまんが文句は全部終わってからにしてくれ」
「ヤレヤレ、仕方ないですね」
「ハァ、また睡眠時間が減っちゃうよぉ。お肌に悪いのにぃ」
「寝る子は育つ……」
「何か言った?言ったな?喧嘩売ったな?オイ?」
「あのなぁ……ともかく君達を頼る方針に変わりはない。頼りにさせて貰うぞ」
「分かりました。では、僕は一旦失礼させて貰いますよ。まだ仕事が山ほど残っているのでね」
「じゃあ私は休憩しようかな。そうそう、スクナ。随分お疲れのようですけど、ここで倒れても看病なんて気の利いた事出来ませんからね。ちゃんと休み取ってくださいよ」
「ヤレヤレ……年寄りにはもっと優しく接するモンじゃろうに」
新たな問題が矢継ぎ早に生まれる事態に頭を痛めた三者は三様に別行動をとる。ヤマヒコは特兵研へと戻り、眠い目をこすりながらヨタヨタと歩くニニギが後に続く。
「唯一の手掛かりを完全に見失った。だが、諦めんぞ。何を考えていようともな……」
2人を見送ったスクナは椅子に深く腰掛けた。大きな溜息と共に睨み付ける画面には幾つもの文章が表示される。
・復興への協力依頼は当艦と友好的な魔導連合を経由する事が望ましい
・内政干渉が疑われる為、主星との交渉には細心の注意を払う事
・ザルヴァートルの動向が不透明である。彼等が交渉の橋渡しを提案した場合、ルミナ=AZ1を同席させてはならない。但し、彼女が自らの意志でソレを望んだ場合は除外する
・マガツヒの変異に伴い出現濃度が上昇する可能性が高い。現状の濃度10から最低でも30、ないし40程度は見積もる必要がある。過去に予言した上位個体の存在を示唆する行動の揺らぎを含め、未だ全容は解明されていない。連合の存続に関する為、本件に限り市井が望めば演算を行う
・伊佐凪竜一とルミナ=AZ1に関するあらゆる情報を秘匿せよ。出自や遺伝情報などの重要な情報は全てを対象とし、最上級クラスの機密情報として扱うこと。また本件に関する情報の取り扱いにも細心の注意を払う事、具体的にはセキュリティクリアランスレベル0を新たに創出、選出メンバーのみが当該情報に接触可能とするよう徹底させる事
何れも神が最後に残した指示。残る力を使い、今後を予見した神は最後に自らの機能を停止した。もう神は不要だと、今後はルミナの手助けをする事に注力すると言づけ、特兵研に専用の体躯の設計を依頼すると自らを構成する最も重要な核部分を安全な場所に隠した。また、地球を管理した月の神も同じく。
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