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第5章 謀略 渦巻く
幕間11-3 歪みは波紋の様に広がり 楽園を超え 世界を飲み込む 其の3
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意気揚々と艦橋を後にするヤゴウの消失に伴い、緊張と静寂に張り詰めた空気が破られた。誰もが口々に不満を吐き出す。津波、あるいは濁流の様に溢れ出る罵詈雑言に、そうしないと耐え切れない心情の表出。咎める声は当然ない。
「何だよ偉そうに!!2年前のゴタゴタの責任を全部押し付けた癖に!!ムカつくぜ、おかげでこっちだけ悪役だ!!」
「そうそう、ウチの神様が主導してた計画に後から一枚噛ませろって強引に参加したクセに、事故起きるや我関せずで逃げ出してさ!!」
「あんな事言ってるけど、連中の企業どこもザルヴァートルに押されて収益悪化してるから苛立ってるんでしょ?影響、凄いもんねぇ」
「そもそも一番の原因は主星の姫様だよなぁ、なんで直ぐに神の封印なんて指示出すんだよ」
「それもさ、なんか変だよね?釈明の余地も与えずいきなりだよ?周りに言われるまま決めた、なんて噂流れてるけどさ。本当なら、凄い力持ってても世間知らずじゃあ意味ないよねぇ」
「封印されてなきゃあ地球と戦う必要もなかったんじゃないかな。だけど、なんであんなに強硬的なのかね?しかも俺達にすら情報下ろさないし」
「聞いた話だと地球の兵器ってかなり危険らしいんだけど大丈夫?大仰にクズリュウなんて銘打ってるけど、実戦経験全くないんでしょ?」
「初戦でも死者出たらしいね?しかもスサノヲって」
「あぁ、知ってる。碌に休暇も与えない状態で無理矢理駆り出した挙句、謹慎処分だって。酷でぇよな」
「ま、とはいえ所詮は辺境の未開惑星。負ける心配は全くしてないけど……」
「アイツ等の作った部隊ってだけ信用ゼロだし、応援……したくねぇな」
目下の話題はアラハバキと彼等が組織したクズリュウなる部隊。が、ややもすれば目下最大の懸念事項、地球へと移り変わる。老若男女、様々な声は、しかし全員が異口同音に同じ結論を出す。
負けるなどあり得ない
誰一人として深刻に受け止めない。比較的事情を知るオペレーター達が一様にそう語るとなれば、何も知らない市民達など調べるまでもない。誰も地球を、地球人類など考えもしない。彼等の関心事はアラハバキと直轄のクズリュウだけ。
無理もない。旗艦側から見れば地球は圧倒的に文明が劣る未開の一惑星。戦力差は圧倒的。例えるなら石や石弓しか持たない未開部族と戦う為に戦車や戦闘機、果ては空母まで持ち出すに等しい。ごく当たり前に見下し、対等など考えもしない。子猫や子犬、あるいは地を這う虫程度の認識。あるいは片田舎へのピクニック感覚。
油断するな、と言う方が無理。敗北など天地がひっくり返ってもあり得ない。勝利は確定している。圧倒的な力の差を見せれば地球は容易く膝を折る。だから犠牲など出ないと夢想を抱き――
「あ、折角だし地球の観光地の撮影でも頼もうかな」
「じゃあ、私は何かお土産でも」
こんな要求まで出る始末。無様を晒す理由は、他惑星の文化・文明の分析を担当する解析部門が分析した情報をアラハバキが握り潰した為。恐らく地球との戦いを僅かでも後押しする為だろう。ただ、この有様では正しく情報を知っていても地球を軽視した疑惑が拭えない。
現状、地球の危険性を訴えるのは実際に戦ったスサノヲのみ。そして、訴えを理解する者は皆無。初戦以後マジンと接触せず、作戦も比較的円滑に進んだ理由も重なり、比較的近しい者達は「疲れていたんだ」と労りと同情に近い言葉で訴えを塗り潰し、初戦での被害も「運が悪かった」の一言で片づけ、アラハバキ達は情報不足など言い訳、慢心と油断だと切り捨てた。
誰も、疑いさえしない。特にアラハバキの存在は絶大で、丹念に丁寧に僅かな疑念さえ許さない土壌を作った。
そんな流れの末、スサノヲ達は全員が休暇名目の謹慎処分を受けるに至った。名目上の理由は、度重なる任務から来る精神状態の悪化と初戦での醜態。危険性を訴えるスサノヲ達の声は身近な者からは同情と無関心で、それ以外の全てからは嘲笑と侮蔑に塗り潰された。
ただ、全ては予測通り。彼等には最悪であろうが、我らには最良の結果。だから最大限の感謝を送りたい。ありがとう、我らの思惑通りに動いてくれて、と。
「ところでアンタ誰?いやさ、ヤタノカガミの運用代わりにやってくれるってのは助かるんだけど」
艦橋での雑談がまた移り変わる。誰かがふと漏らした疑問により、アラハバキへの不満から地球への軽視を経て、素性の知れない謎の式守へと移った。
「万が一調整に失敗すると洒落にならないから、正直やりたくなかったんだよねぇ」
「あぁ。未探査区域への転移に戦争の準備。で、更にヤタノカガミって有り得ないよなぁ?」
「あの連中、ウチの神様いないからって好き放題やり過ぎ。アンタもそう思うだろ?えーと、名前なんだっけ?」
数人がヒルメに語り掛けつつ、同時に反応を窺う。この式守の素性は一切不明で、何ならタガミでさえ知らないようだ。誰もが疑う。この式守は敵か、味方か。
「初めまして。私、ヒルメと申します。皆様の事はよく存じております。詳細については後程お送り致しますが、稼働開始時期が2年前の例の事故前後でして。事件とその事後処理に紛れてしまい、型式などの情報を照合しても出てきません。ですが、皆様からの信頼を勝ち得る為に最善の努力を尽くしますので、どうぞよろしくお願い致します」
艦橋の話題を独占するヒルメは挨拶と同時に軽く会釈を行った。無表情で感情希薄な顔に笑顔を浮かべ、まっすぐに伸ばした背筋を少しだけ傾けた動作に、正しく機械的な印象を見た。
オペレーター達は最新鋭の式守の顔と目をもう一度見つめた。意志はない。が、誰もが彼女の瞳の中に確かな意志の光を感じとった。また、遥か遠くからその様子を見ている私も同じ印象を持った。気のせいか、はたまた事実か。ヒルメを見つめる無数の視線は、程なく好奇から疑惑へと変わった。が、彼女は相変わらず微笑みを崩さない。まるでその心中を隠すかの様に――
その笑みが、何故だか酷く気に障る。言い知れない不安に心が搔き毟られる。完全人型の式守という希少タイプが何故タガミ程度の男と行動を共にしているのか。幾ら過去の映像を探れども、ある日突然行動を共にし始めた以上の情報は手に入らなかった。
手掛かりを求め、私は艦橋中に設置された監視カメラの一つの権限を奪った。瞬きする程に短い時間、カメラに青い光の筋が僅かに走る。たったそれだけで監視カメラの権限は書き換えられ、同時に偽装工作も施される。我らは既に何度もこの行動を行っており、今回も一連の作業を澱みなく完了させた。完璧に、誰にも気付かれず――
「な!?」
「気付いたのか、私達に?」
動揺からつい声を上げた。僅か遅れ、ツクヨミも反応した。
ヒルメが気付いた。時間にすれば0.1秒以下の工作を見抜き、制御を奪った監視カメラに微笑んだ。ほんの一瞬、だが確かに。何者だ?人型の式守は旗艦において最新鋭とは言え、ツクヨミの工作を見抜けるほどに高性能ではない。
「だが、それ以上の行動を取る様子はない。オペレーターに送信した情報を傍受した。ただ、恐らく想定内だろうな。情報の洗い出し……完了。幾つか追跡不能な情報はあるな。その全てが現在天岩戸によって封印されているデータベース内、か。巧妙に隠しているが体躯の特徴からあの計画と極めて類似している」
「2年前の、タケミカヅチ計画。しかし、アレは戦闘用で……」
「アマテラスオオカミが極秘に製造させた可能性もあるが、現状で正体に迫る情報は皆無。詳細、用途一切不明か」
ツクヨミが動揺に揺らぐ。旗艦アマテラスの情報が筒抜けという事実を知る者は私とツクヨミ、清雅源蔵とその側近を含むごく僅か。当然、旗艦側は誰も知らない。今この瞬間までは、だ。
超高度な演算機能を所有するアマテラスオオカミが無策で封印を受け入れるとは思えない。だとするならば、あの式守の正体についても幾つか仮説は立つ。だが、正体が何であれ神の本体は天岩戸に封印中。ツクヨミを超える演算能力を封じられた以上、どのような手立てを講じていたところで全て対応可能。
よって、最大の懸念事項は旗艦アマテラスの全権を握る俗物、アラハバキに集約される。自分達の利益のみを追求し、それ以外を直視しない。どれだけ犠牲が出ようがお構いなし。現状を知れば知る程、心が暗い闇に囚われる。その度に同じ疑問が巡る。何故こうなってしまったのか、と。
「何だよ偉そうに!!2年前のゴタゴタの責任を全部押し付けた癖に!!ムカつくぜ、おかげでこっちだけ悪役だ!!」
「そうそう、ウチの神様が主導してた計画に後から一枚噛ませろって強引に参加したクセに、事故起きるや我関せずで逃げ出してさ!!」
「あんな事言ってるけど、連中の企業どこもザルヴァートルに押されて収益悪化してるから苛立ってるんでしょ?影響、凄いもんねぇ」
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「それもさ、なんか変だよね?釈明の余地も与えずいきなりだよ?周りに言われるまま決めた、なんて噂流れてるけどさ。本当なら、凄い力持ってても世間知らずじゃあ意味ないよねぇ」
「封印されてなきゃあ地球と戦う必要もなかったんじゃないかな。だけど、なんであんなに強硬的なのかね?しかも俺達にすら情報下ろさないし」
「聞いた話だと地球の兵器ってかなり危険らしいんだけど大丈夫?大仰にクズリュウなんて銘打ってるけど、実戦経験全くないんでしょ?」
「初戦でも死者出たらしいね?しかもスサノヲって」
「あぁ、知ってる。碌に休暇も与えない状態で無理矢理駆り出した挙句、謹慎処分だって。酷でぇよな」
「ま、とはいえ所詮は辺境の未開惑星。負ける心配は全くしてないけど……」
「アイツ等の作った部隊ってだけ信用ゼロだし、応援……したくねぇな」
目下の話題はアラハバキと彼等が組織したクズリュウなる部隊。が、ややもすれば目下最大の懸念事項、地球へと移り変わる。老若男女、様々な声は、しかし全員が異口同音に同じ結論を出す。
負けるなどあり得ない
誰一人として深刻に受け止めない。比較的事情を知るオペレーター達が一様にそう語るとなれば、何も知らない市民達など調べるまでもない。誰も地球を、地球人類など考えもしない。彼等の関心事はアラハバキと直轄のクズリュウだけ。
無理もない。旗艦側から見れば地球は圧倒的に文明が劣る未開の一惑星。戦力差は圧倒的。例えるなら石や石弓しか持たない未開部族と戦う為に戦車や戦闘機、果ては空母まで持ち出すに等しい。ごく当たり前に見下し、対等など考えもしない。子猫や子犬、あるいは地を這う虫程度の認識。あるいは片田舎へのピクニック感覚。
油断するな、と言う方が無理。敗北など天地がひっくり返ってもあり得ない。勝利は確定している。圧倒的な力の差を見せれば地球は容易く膝を折る。だから犠牲など出ないと夢想を抱き――
「あ、折角だし地球の観光地の撮影でも頼もうかな」
「じゃあ、私は何かお土産でも」
こんな要求まで出る始末。無様を晒す理由は、他惑星の文化・文明の分析を担当する解析部門が分析した情報をアラハバキが握り潰した為。恐らく地球との戦いを僅かでも後押しする為だろう。ただ、この有様では正しく情報を知っていても地球を軽視した疑惑が拭えない。
現状、地球の危険性を訴えるのは実際に戦ったスサノヲのみ。そして、訴えを理解する者は皆無。初戦以後マジンと接触せず、作戦も比較的円滑に進んだ理由も重なり、比較的近しい者達は「疲れていたんだ」と労りと同情に近い言葉で訴えを塗り潰し、初戦での被害も「運が悪かった」の一言で片づけ、アラハバキ達は情報不足など言い訳、慢心と油断だと切り捨てた。
誰も、疑いさえしない。特にアラハバキの存在は絶大で、丹念に丁寧に僅かな疑念さえ許さない土壌を作った。
そんな流れの末、スサノヲ達は全員が休暇名目の謹慎処分を受けるに至った。名目上の理由は、度重なる任務から来る精神状態の悪化と初戦での醜態。危険性を訴えるスサノヲ達の声は身近な者からは同情と無関心で、それ以外の全てからは嘲笑と侮蔑に塗り潰された。
ただ、全ては予測通り。彼等には最悪であろうが、我らには最良の結果。だから最大限の感謝を送りたい。ありがとう、我らの思惑通りに動いてくれて、と。
「ところでアンタ誰?いやさ、ヤタノカガミの運用代わりにやってくれるってのは助かるんだけど」
艦橋での雑談がまた移り変わる。誰かがふと漏らした疑問により、アラハバキへの不満から地球への軽視を経て、素性の知れない謎の式守へと移った。
「万が一調整に失敗すると洒落にならないから、正直やりたくなかったんだよねぇ」
「あぁ。未探査区域への転移に戦争の準備。で、更にヤタノカガミって有り得ないよなぁ?」
「あの連中、ウチの神様いないからって好き放題やり過ぎ。アンタもそう思うだろ?えーと、名前なんだっけ?」
数人がヒルメに語り掛けつつ、同時に反応を窺う。この式守の素性は一切不明で、何ならタガミでさえ知らないようだ。誰もが疑う。この式守は敵か、味方か。
「初めまして。私、ヒルメと申します。皆様の事はよく存じております。詳細については後程お送り致しますが、稼働開始時期が2年前の例の事故前後でして。事件とその事後処理に紛れてしまい、型式などの情報を照合しても出てきません。ですが、皆様からの信頼を勝ち得る為に最善の努力を尽くしますので、どうぞよろしくお願い致します」
艦橋の話題を独占するヒルメは挨拶と同時に軽く会釈を行った。無表情で感情希薄な顔に笑顔を浮かべ、まっすぐに伸ばした背筋を少しだけ傾けた動作に、正しく機械的な印象を見た。
オペレーター達は最新鋭の式守の顔と目をもう一度見つめた。意志はない。が、誰もが彼女の瞳の中に確かな意志の光を感じとった。また、遥か遠くからその様子を見ている私も同じ印象を持った。気のせいか、はたまた事実か。ヒルメを見つめる無数の視線は、程なく好奇から疑惑へと変わった。が、彼女は相変わらず微笑みを崩さない。まるでその心中を隠すかの様に――
その笑みが、何故だか酷く気に障る。言い知れない不安に心が搔き毟られる。完全人型の式守という希少タイプが何故タガミ程度の男と行動を共にしているのか。幾ら過去の映像を探れども、ある日突然行動を共にし始めた以上の情報は手に入らなかった。
手掛かりを求め、私は艦橋中に設置された監視カメラの一つの権限を奪った。瞬きする程に短い時間、カメラに青い光の筋が僅かに走る。たったそれだけで監視カメラの権限は書き換えられ、同時に偽装工作も施される。我らは既に何度もこの行動を行っており、今回も一連の作業を澱みなく完了させた。完璧に、誰にも気付かれず――
「な!?」
「気付いたのか、私達に?」
動揺からつい声を上げた。僅か遅れ、ツクヨミも反応した。
ヒルメが気付いた。時間にすれば0.1秒以下の工作を見抜き、制御を奪った監視カメラに微笑んだ。ほんの一瞬、だが確かに。何者だ?人型の式守は旗艦において最新鋭とは言え、ツクヨミの工作を見抜けるほどに高性能ではない。
「だが、それ以上の行動を取る様子はない。オペレーターに送信した情報を傍受した。ただ、恐らく想定内だろうな。情報の洗い出し……完了。幾つか追跡不能な情報はあるな。その全てが現在天岩戸によって封印されているデータベース内、か。巧妙に隠しているが体躯の特徴からあの計画と極めて類似している」
「2年前の、タケミカヅチ計画。しかし、アレは戦闘用で……」
「アマテラスオオカミが極秘に製造させた可能性もあるが、現状で正体に迫る情報は皆無。詳細、用途一切不明か」
ツクヨミが動揺に揺らぐ。旗艦アマテラスの情報が筒抜けという事実を知る者は私とツクヨミ、清雅源蔵とその側近を含むごく僅か。当然、旗艦側は誰も知らない。今この瞬間までは、だ。
超高度な演算機能を所有するアマテラスオオカミが無策で封印を受け入れるとは思えない。だとするならば、あの式守の正体についても幾つか仮説は立つ。だが、正体が何であれ神の本体は天岩戸に封印中。ツクヨミを超える演算能力を封じられた以上、どのような手立てを講じていたところで全て対応可能。
よって、最大の懸念事項は旗艦アマテラスの全権を握る俗物、アラハバキに集約される。自分達の利益のみを追求し、それ以外を直視しない。どれだけ犠牲が出ようがお構いなし。現状を知れば知る程、心が暗い闇に囚われる。その度に同じ疑問が巡る。何故こうなってしまったのか、と。
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