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第6章 決戦前夜
幕間13-4 ~ 神の封印に至る過去 反乱開始 其の2
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戦場にスサノヲ達が到着したのは緊急警報から更に2時間後。その間に5つの艦が廃墟にされ、夥しい数の命が消えた。
「敵は複数の素体と共に旗艦へと向かっている。今から壱号機の画像を送る。奴に考える頭があるならば一般市民を装って攻撃してくる筈。注意を怠るな」
「イヅナ、承知しました。戦闘、開始します」
スクナからの通信にスサノヲが反応した。一人は身長180以上でガッチリとした体格の男。
「ワダツミ、承知しました。ですが、何故既に量産機の製造が始まってるんです?計画ではまだ先でしたよね?それに、普通は十分にデータを取ってからだと思うのですが?」
「分からん。が、考えるのは後回しだ。対応してくれ」
もう一人は一回り以上高い200近い身長に分厚い胸板をした筋骨隆々の男。それぞれ第2部隊と第3部隊の隊長。2人共に癖や好みに合わせて改造した専用武装を携え、襲撃を受けた艦へと急行した。
「クシナダ、103番艦に到着しました。ですが、当該艦に戦闘の形跡を発見しました。ヤタガラス、でしょうか?現場への急行が早すぎる気がするのですが?」
今度は先の2人とは真逆の少女が反応した。他のスサノヲと同じく長い髪を後ろで一纏めにした、あどけなさの残る美しい少女の背は先の大柄な男達よりもかなり低い。恐らく150前後だろうか。膨大な記録から少女の名を確認すると現在の年齢は17。映像は1年前だから、この時点ではまだ16という事になる。
「いや、規模が大きいからどうしても時間が掛かる。そもそもワシ等とは違うし、無理な先行はしないと思うがな」
「じゃあ誰が……銃声!?」
戦場に戦闘の痕跡を発見した少女の耳が銃声を捉えた。
「急行します」
クシナダはスクナとの通信を切断、速やかに戦闘が行われている区域へ駆け出した。通信地点から僅か離れた場所には、主に研究員と家族の為に用意された居住区域が存在する。
映像が切り替わる。足を踏み入れた少女の顔が不快感に歪んだ。地面は死体から流れ出す血で一面が赤く染まり、人だった物体が彼方此方に散乱する。艦上部に投影される超巨大ディスプレイは破損し、暗い夜空に代わり鈍い灰色の砂嵐を映す。鈍色の光に沈む居住区域は、まるで黄泉、あるいは死の世界さながらの様相だった。
バン バンバン
銃声――
「う、うわあぁぁああっ!!クソッ、クソッ、何なんだよ!!」
立て続けの絶叫。驚き、反射的に身体が動くクシナダ。視界に疑問の正体が映る。遥か先には極めて大柄な男。手前側には男に対峙する武装勢力。正体不明の男はタケミカヅチ壱号機――だとして、武装勢力は何者だ?専用の戦闘用スーツを着ていない点からスサノヲとは違うが、ヤタガラスにしては武装が仰々し過ぎる。
バン
再度銃声が鳴り響く。が、弾丸は鈍色の空に消えゆく。男は凄まじい速度の弾丸を最小限の動きで回避、相手に迫りくる。その様子に、謎の勢力の面々が恐怖に顔を歪めた。
「オイ止まれッ……こ、こんな筈!?」
「クソ、聞いてた話とッ!?」
集団は異口同音に「何かが違う」と叫びながら銃を乱射する。が、歴然とした性能差の前には全く無意味。加えて動揺、混乱に支配されている。やがて、全員がてんでバラバラに逃げ出した。
「た、助けてくれッ!!き、聞いてな」
集団がクシナダの姿を捉えた。なりふり構わず助けを請う。
「え?アンタ達、誰?」
異様な光景にクシナダは堪らず問い返した。が、全てを聞き出す前に武装組織は消滅した。クシナダの視線が塵と化した集団からゆっくりと男へと向かう。男は巨大な大砲を片手で抱えていた。超質量の攻撃を行う壱号機の専用武装。
ズゥン
鈍い衝撃に足を掬われるクシナダ。が、反射的に動く。衝撃波が運ぶ土煙に紛れ、姿を隠し、データを確認する。190を超える身長、がっちりとした体格、重力に逆らったかのように逆立つ短い灰色の髪。一般市民から剥ぎ取ったのか、服装だけはデータと一致しないが間違いなく壱号機。
破壊対象と確信した少女に緊張が走る。武装集団を無表情で仕留めた壱号機は一転、不敵な笑みを浮かべる。砲身を手近な瓦礫に向け、引き金を引いた。衝撃と共に消滅する瓦礫。砲身を再び次の瓦礫に向け、引き金を引く。壱号機は淡々と同じ行動を繰り返す。少しずつ、化け物と対決する瞬間が刻一刻と迫る。防壁が意味を成さない大火力を見た年若いスサノヲの身体が僅かに震える。
「直ぐ合流する。それまで何としても持たせろ」
少女の耳をスクナの声が掠めた。一方的な、短い通信。だが絶望の中に見た僅かな希望に身体の震えが止まる。
「時間稼げって、仕方ない」
目を閉じ精神統一を行う。未だ震える精神を、深い呼吸と共に抑え込む。やがて少女の周囲に仄か光る粒子が集まり、渦を巻き始め、深呼吸と共に華奢な身体に吸い込まれ、消失した。
カグツチが皮膚から血流に乗り、身体の隅々にまで行き渡る。ナノマシンがカグツチと反応、発光、戦闘用スーツの表面に光の筋を描く。特に脚部が顕著で、足先から脛を通り、膝の辺りまでに白い線が幾つも走った。スーツだけではない。表皮、骨や筋組織にも同様の現象が発生している。
肉体強化の兆候。スサノヲを連合最強に押し上げる要素の一つ。カグツチを取り込む事で身体能力を引き上げ、人外の如き力を発揮する。スーツに浮かび上がる光の筋はスサノヲ専用の戦闘補助ナノマシン。
ナノマシンが結合して描き出した特殊な紋様をカグツチが流れる事で特定の性質を付与、超常的な力の補佐を行う。いわば科学的に再現した魔法、あるいは魔術。クシナダは脚部強化による超人的な機動を可能とするようだ。十分に力を貯め込んだクシナダは覚悟を決め、壱号機の前に踊り出る。
「ほぅ……お前は他とは違うようダな」
怒りに顔を歪めるクシナダ。新たな獲物を前に歓喜に震える壱号機。互いが互いを睨み合う中、先に動いたのは壱号機。大砲の引き金を引く。轟音と共に撃ち出される弾丸。クシナダは急加速で回避、攻撃は何もない空を突き進み、遥か先で爆風を生んだ。
壱号機は笑う。まるで狩りを楽しむかの様に笑い、引き金を引く。飛び交う弾丸。回避するクシナダ。まるで予測しているかの如く回避先に置かれる弾丸。弾丸と少女のか細い身体の距離がジワジワと詰まる。
見切られている。その上で遊ばれている。クシナダの顔に僅かな恐怖が滲み出す。が、それでも諦めない。地を、空を、瓦礫を蹴りながら縦横無尽に駆け回る。
少女の顔に余裕の色は皆無。経験浅いクシナダは歪んだ感情の発露を肌で感じ取った。自我に目覚め、破壊の限りを尽くす鋼の悪魔は強敵との出会いに戦う喜びを得た。
――不意に、攻撃が止んだ。
壱号機は大砲を投げ捨て、空に手をかざした。手の先の空間が灰色に輝く。その中に手を突っ込み、先ほどよりも一回り大きい大型の大砲を引き摺り出し、そのまま空を薙ぎ払った。
発射されたビームはビル群を薙ぎ倒し、床に大きな裂け目を作った。対マガツヒを想定した超威力の武装の威力は折り紙つき。触れれば即死。が、それでもクシナダは再度壱号機の前に躍り出た。狙いを定めさせないように緩急を付け、舞うように動く。
空中を蹴るとカグツチが霧散、直後に急激な方向転換を行う。不規則に、狙いを定めさせない様に空中を飛び回り続けるクシナダ。その後ろにはカグツチの残光が尾を引く。
壱号機はその様子を興味深そうに観察したが、やがてニヤリと不敵な笑みと共に大砲を振り回した。瓦礫だらけの市街地に一際大きな振動と音が鳴り響く。辛うじて形を残していた建物が吹き飛び、床には更に巨大な裂け目が開く。整然と立ち並ぶビルや研究施設群といった建物は破壊され尽くし、周囲は原型を留めない瓦礫の山へと姿を変える。
「遊ばれてる……あぁもうサーイアク、だけど考えようによっては幸運かもね。それにしてもあーの爺さん無茶ばっか頼むんだから、生き延びたら絶対奢らせてやる!!」
映像は強気な言動とは裏腹に、じわじわと追い詰められるクシナダを映す。壱号機の歪んだ思考を目の当たりにしながらも、上司の無茶振りに振り回されながらも、己の身に降りかかった不幸への愚痴を零しながらも、それでも少女は退かない。それはスサノヲとしての誇りか、それとも無差別な虐殺への憤りか。
「敵は複数の素体と共に旗艦へと向かっている。今から壱号機の画像を送る。奴に考える頭があるならば一般市民を装って攻撃してくる筈。注意を怠るな」
「イヅナ、承知しました。戦闘、開始します」
スクナからの通信にスサノヲが反応した。一人は身長180以上でガッチリとした体格の男。
「ワダツミ、承知しました。ですが、何故既に量産機の製造が始まってるんです?計画ではまだ先でしたよね?それに、普通は十分にデータを取ってからだと思うのですが?」
「分からん。が、考えるのは後回しだ。対応してくれ」
もう一人は一回り以上高い200近い身長に分厚い胸板をした筋骨隆々の男。それぞれ第2部隊と第3部隊の隊長。2人共に癖や好みに合わせて改造した専用武装を携え、襲撃を受けた艦へと急行した。
「クシナダ、103番艦に到着しました。ですが、当該艦に戦闘の形跡を発見しました。ヤタガラス、でしょうか?現場への急行が早すぎる気がするのですが?」
今度は先の2人とは真逆の少女が反応した。他のスサノヲと同じく長い髪を後ろで一纏めにした、あどけなさの残る美しい少女の背は先の大柄な男達よりもかなり低い。恐らく150前後だろうか。膨大な記録から少女の名を確認すると現在の年齢は17。映像は1年前だから、この時点ではまだ16という事になる。
「いや、規模が大きいからどうしても時間が掛かる。そもそもワシ等とは違うし、無理な先行はしないと思うがな」
「じゃあ誰が……銃声!?」
戦場に戦闘の痕跡を発見した少女の耳が銃声を捉えた。
「急行します」
クシナダはスクナとの通信を切断、速やかに戦闘が行われている区域へ駆け出した。通信地点から僅か離れた場所には、主に研究員と家族の為に用意された居住区域が存在する。
映像が切り替わる。足を踏み入れた少女の顔が不快感に歪んだ。地面は死体から流れ出す血で一面が赤く染まり、人だった物体が彼方此方に散乱する。艦上部に投影される超巨大ディスプレイは破損し、暗い夜空に代わり鈍い灰色の砂嵐を映す。鈍色の光に沈む居住区域は、まるで黄泉、あるいは死の世界さながらの様相だった。
バン バンバン
銃声――
「う、うわあぁぁああっ!!クソッ、クソッ、何なんだよ!!」
立て続けの絶叫。驚き、反射的に身体が動くクシナダ。視界に疑問の正体が映る。遥か先には極めて大柄な男。手前側には男に対峙する武装勢力。正体不明の男はタケミカヅチ壱号機――だとして、武装勢力は何者だ?専用の戦闘用スーツを着ていない点からスサノヲとは違うが、ヤタガラスにしては武装が仰々し過ぎる。
バン
再度銃声が鳴り響く。が、弾丸は鈍色の空に消えゆく。男は凄まじい速度の弾丸を最小限の動きで回避、相手に迫りくる。その様子に、謎の勢力の面々が恐怖に顔を歪めた。
「オイ止まれッ……こ、こんな筈!?」
「クソ、聞いてた話とッ!?」
集団は異口同音に「何かが違う」と叫びながら銃を乱射する。が、歴然とした性能差の前には全く無意味。加えて動揺、混乱に支配されている。やがて、全員がてんでバラバラに逃げ出した。
「た、助けてくれッ!!き、聞いてな」
集団がクシナダの姿を捉えた。なりふり構わず助けを請う。
「え?アンタ達、誰?」
異様な光景にクシナダは堪らず問い返した。が、全てを聞き出す前に武装組織は消滅した。クシナダの視線が塵と化した集団からゆっくりと男へと向かう。男は巨大な大砲を片手で抱えていた。超質量の攻撃を行う壱号機の専用武装。
ズゥン
鈍い衝撃に足を掬われるクシナダ。が、反射的に動く。衝撃波が運ぶ土煙に紛れ、姿を隠し、データを確認する。190を超える身長、がっちりとした体格、重力に逆らったかのように逆立つ短い灰色の髪。一般市民から剥ぎ取ったのか、服装だけはデータと一致しないが間違いなく壱号機。
破壊対象と確信した少女に緊張が走る。武装集団を無表情で仕留めた壱号機は一転、不敵な笑みを浮かべる。砲身を手近な瓦礫に向け、引き金を引いた。衝撃と共に消滅する瓦礫。砲身を再び次の瓦礫に向け、引き金を引く。壱号機は淡々と同じ行動を繰り返す。少しずつ、化け物と対決する瞬間が刻一刻と迫る。防壁が意味を成さない大火力を見た年若いスサノヲの身体が僅かに震える。
「直ぐ合流する。それまで何としても持たせろ」
少女の耳をスクナの声が掠めた。一方的な、短い通信。だが絶望の中に見た僅かな希望に身体の震えが止まる。
「時間稼げって、仕方ない」
目を閉じ精神統一を行う。未だ震える精神を、深い呼吸と共に抑え込む。やがて少女の周囲に仄か光る粒子が集まり、渦を巻き始め、深呼吸と共に華奢な身体に吸い込まれ、消失した。
カグツチが皮膚から血流に乗り、身体の隅々にまで行き渡る。ナノマシンがカグツチと反応、発光、戦闘用スーツの表面に光の筋を描く。特に脚部が顕著で、足先から脛を通り、膝の辺りまでに白い線が幾つも走った。スーツだけではない。表皮、骨や筋組織にも同様の現象が発生している。
肉体強化の兆候。スサノヲを連合最強に押し上げる要素の一つ。カグツチを取り込む事で身体能力を引き上げ、人外の如き力を発揮する。スーツに浮かび上がる光の筋はスサノヲ専用の戦闘補助ナノマシン。
ナノマシンが結合して描き出した特殊な紋様をカグツチが流れる事で特定の性質を付与、超常的な力の補佐を行う。いわば科学的に再現した魔法、あるいは魔術。クシナダは脚部強化による超人的な機動を可能とするようだ。十分に力を貯め込んだクシナダは覚悟を決め、壱号機の前に踊り出る。
「ほぅ……お前は他とは違うようダな」
怒りに顔を歪めるクシナダ。新たな獲物を前に歓喜に震える壱号機。互いが互いを睨み合う中、先に動いたのは壱号機。大砲の引き金を引く。轟音と共に撃ち出される弾丸。クシナダは急加速で回避、攻撃は何もない空を突き進み、遥か先で爆風を生んだ。
壱号機は笑う。まるで狩りを楽しむかの様に笑い、引き金を引く。飛び交う弾丸。回避するクシナダ。まるで予測しているかの如く回避先に置かれる弾丸。弾丸と少女のか細い身体の距離がジワジワと詰まる。
見切られている。その上で遊ばれている。クシナダの顔に僅かな恐怖が滲み出す。が、それでも諦めない。地を、空を、瓦礫を蹴りながら縦横無尽に駆け回る。
少女の顔に余裕の色は皆無。経験浅いクシナダは歪んだ感情の発露を肌で感じ取った。自我に目覚め、破壊の限りを尽くす鋼の悪魔は強敵との出会いに戦う喜びを得た。
――不意に、攻撃が止んだ。
壱号機は大砲を投げ捨て、空に手をかざした。手の先の空間が灰色に輝く。その中に手を突っ込み、先ほどよりも一回り大きい大型の大砲を引き摺り出し、そのまま空を薙ぎ払った。
発射されたビームはビル群を薙ぎ倒し、床に大きな裂け目を作った。対マガツヒを想定した超威力の武装の威力は折り紙つき。触れれば即死。が、それでもクシナダは再度壱号機の前に躍り出た。狙いを定めさせないように緩急を付け、舞うように動く。
空中を蹴るとカグツチが霧散、直後に急激な方向転換を行う。不規則に、狙いを定めさせない様に空中を飛び回り続けるクシナダ。その後ろにはカグツチの残光が尾を引く。
壱号機はその様子を興味深そうに観察したが、やがてニヤリと不敵な笑みと共に大砲を振り回した。瓦礫だらけの市街地に一際大きな振動と音が鳴り響く。辛うじて形を残していた建物が吹き飛び、床には更に巨大な裂け目が開く。整然と立ち並ぶビルや研究施設群といった建物は破壊され尽くし、周囲は原型を留めない瓦礫の山へと姿を変える。
「遊ばれてる……あぁもうサーイアク、だけど考えようによっては幸運かもね。それにしてもあーの爺さん無茶ばっか頼むんだから、生き延びたら絶対奢らせてやる!!」
映像は強気な言動とは裏腹に、じわじわと追い詰められるクシナダを映す。壱号機の歪んだ思考を目の当たりにしながらも、上司の無茶振りに振り回されながらも、己の身に降りかかった不幸への愚痴を零しながらも、それでも少女は退かない。それはスサノヲとしての誇りか、それとも無差別な虐殺への憤りか。
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