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第7章 世界崩壊の日
幕間15 他者の痛みへの無理解が この惨劇を引き起こした
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20XX/12/22 0822
ツクヨミ清雅本社最上階の社長室。その眼下には平時とは違う光景が広がっていた。
普段なら出社する社員達が作る人の波は見えず、僅かな人影が広大な敷地に幾つか点在するのみ。また、僅かな人影の行動も平時と違う。躊躇いなく社内へと入る者、迷いから足を止める者、途中で踵を返して逃げ帰る者と全く統一されていない。
一方、その光景をいつも通り眺める者達がいる。清雅源蔵と第一秘書の白川水希。社長室から眼下を見下ろす2名の様子は平時と全く変わらない。後1時間もしない内に戦火に身を投げるとは思えない程に落ち着き払っている。
「いよいよですね。関の行動は今のところ我々の利益になっているようですが、如何なさいますか?」
椅子に深く腰を下ろす清雅源蔵に白川水希が今朝方の報道の件を報告した。関宗太郎が各国に救援を要請した結果、各国は最高戦力の派遣を決定、実行に移した。ただ、各々が描く絵図、思惑は違う。清雅に恩を売る、反意を悟らせない為のポーズ等々、一様な派遣決定とは裏腹に内情は統一されていない。
「想定以上の国に声を掛けたか。が、まぁいい。全て想定通り、何も問題ない。取りあえず放置しておけ。奴がどんな行動を取ろうが、最終的に嫌でもこちらに加勢せざるを得なくなるのだからな」
「承知しました。下にはその様に伝えておきます」
「君には計画通りハイドリを通って旗艦アマテラスの艦橋を掌握する役目を任せる。場所の特定と使い方は教えて頂けるよう手配済みだ。メンバーの選定は君に任せるが、ゲイルは連れていけ。アイツの性格と力は役に立つ。弾も全て使って構わない。フェルドは地下に控えさせておく。奴等との戦闘が本格化したらアレを使う」
「山形大地は如何しましょう?」
「本社を守らせておけ。怪我からの復帰は思ったよりも早かったが、戦力としては当てにならん。なら、ここで好きな様に暴れさせればいい。死ぬまで、な。少々精神が不安定になっているが、それでも私の命令は絶対に守る、アレはそう言う奴だ。では、最後の準備に取り掛かろう」
「承知しました」
短い会話を終えた2人は扉の外へと消えた。部屋はもぬけの殻となる。とうとう始まる。
絶望で空が濁り、血で星が朱く染まり、数多の死が世界に新たな呪いをばら撒く。多くがこの結果を望んだわけではない。だが、極僅かの人物がこれ以外の結末を許さなかった。自らの利益の為、他者の痛みへの無理解がこの惨劇を引き起こした。だが、他人事ではない。私も彼等と同じなのだから――
ツクヨミ清雅本社最上階の社長室。その眼下には平時とは違う光景が広がっていた。
普段なら出社する社員達が作る人の波は見えず、僅かな人影が広大な敷地に幾つか点在するのみ。また、僅かな人影の行動も平時と違う。躊躇いなく社内へと入る者、迷いから足を止める者、途中で踵を返して逃げ帰る者と全く統一されていない。
一方、その光景をいつも通り眺める者達がいる。清雅源蔵と第一秘書の白川水希。社長室から眼下を見下ろす2名の様子は平時と全く変わらない。後1時間もしない内に戦火に身を投げるとは思えない程に落ち着き払っている。
「いよいよですね。関の行動は今のところ我々の利益になっているようですが、如何なさいますか?」
椅子に深く腰を下ろす清雅源蔵に白川水希が今朝方の報道の件を報告した。関宗太郎が各国に救援を要請した結果、各国は最高戦力の派遣を決定、実行に移した。ただ、各々が描く絵図、思惑は違う。清雅に恩を売る、反意を悟らせない為のポーズ等々、一様な派遣決定とは裏腹に内情は統一されていない。
「想定以上の国に声を掛けたか。が、まぁいい。全て想定通り、何も問題ない。取りあえず放置しておけ。奴がどんな行動を取ろうが、最終的に嫌でもこちらに加勢せざるを得なくなるのだからな」
「承知しました。下にはその様に伝えておきます」
「君には計画通りハイドリを通って旗艦アマテラスの艦橋を掌握する役目を任せる。場所の特定と使い方は教えて頂けるよう手配済みだ。メンバーの選定は君に任せるが、ゲイルは連れていけ。アイツの性格と力は役に立つ。弾も全て使って構わない。フェルドは地下に控えさせておく。奴等との戦闘が本格化したらアレを使う」
「山形大地は如何しましょう?」
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「承知しました」
短い会話を終えた2人は扉の外へと消えた。部屋はもぬけの殻となる。とうとう始まる。
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