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第7章 世界崩壊の日
幕間16-6 世界崩壊の日 ~ 開戦 其の6
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20XX/12/22 0917
清雅本社正面玄関前に白川水希が立つ。本戦において最も危険な旗艦アマテラスへの侵入、及びクズリュウの分断を目的とした別働隊。彼女が持つ携帯端末は今日この日の為にツクヨミが設計した、戦闘とその補佐に特化した専用品。携帯端末の形をした兵器。
ホムラ
未知未解明の力「欠片」から作られる、時空を超越して情報を伝達する粒子により地球の通信技術は飛躍的な発展を遂げた。が、それは副次的な効果。最初は一族の長、続いて清雅一族、続いてG県を中心にホムラへの耐性、あるいは適性を獲得した人間が徐々に出現し始めた。人体に悪影響を及ぼさないレベルにまで弱めた為か、あるいは人の可能性が成した奇跡か、未知の粒子に適応した新人類は粒子が持つ特性の一部を引き出し、意のままに操る力を得た。
粒子の色が変わり出したのはその頃からだ。僅かずつ、青い輝きを放つようになった。元々の特性にはなかった特異な光景は、新たな力を獲得した人類への祝福か、それとも呪詛か。人類が手にした余りにも危険な諸刃の剣。だからこそ今までも、これからも自衛の為に使う予定だった。
旗艦からの接触さえなければ――
全ての歯車が狂ってしまったあの日を境に清雅一族は、私は、ツクヨミは、呪われた力を旗艦への対抗策とした。フェルド博士が癌細胞から着想を得たアルゴリズムを持つナノマシンに高濃度のホムラを侵食させる事で誕生した兵器を与えた。過剰使用による肉体への負担軽減を目的に、携帯端末と「弾」を補助輪として用意した。
幾つものセーフティを施し、リスクを極限まで抑えた兵器はこうして誕生した。人の意のままに動くナノマシン兵器、カガセオを超え得る力、我らが作り上げた切り札、魔を宿した刃――魔刃。
ある者は端末、あるいは弾を経由してマジンを外部から操作する。ある者は己の理想、思考を反映する強固な外殻その身に纏わせる。別のある者は自らにマジンを撃ち込み、肉体の能力を極限まで強化する。何れもホムラの高いエネルギーを戦闘に転用する事で文明の差を覆し得る力を発揮した。
人道から大きく逸れた研究と幾度もの模擬戦、調整を行い、確実な勝利が見込めるとの結果が算出されたのは僅か3ヵ月前。ギリギリだったが、この時点で旗艦の勝利の芽は潰えた。しかし、連中は地球の現状どころか、自分達の選択ミスにさえ気付かない。今のところ全ては順調に進んでいる。全て、計画通りだ。
「調整、問題ないか?」
「はい、問題ありません。対マジン制御用プログラム、子守歌は正常稼働中。これほどまでの量を一度に使う事は想定しておりませんでしたので一時的に不安定化していましたが、今は安定しています」
「そうか、感謝する。今のところ順調だな。唯一の懸念点も今のところ確認できていない」
全てが順調に進む。が、安堵は出来ない。ツクヨミが指摘した唯一の懸念点。アマテラスオオカミ、又はカガセオに住まう姫の許可なしに使用出来ない超兵器。周囲のカグツチを際限なく吸収する事で桁外れの力を発揮する神代三剣。
「君の情報を疑う訳ではないし、過去の記録映像で一度見てはいるが……それでも信じ難いな。桁外れた性能を誇る三種の武装。原理も、性能の全ても一切解明出来ていない制御困難な超兵器」
「星を両断し、次元をも斬り裂く光刃ムラクモ。無数の刃を際限無く生成、圧倒的な質と量で敵を殲滅する極光フツノミタマ。そして……」
「姫に献上されたものの一度として起動せず、故に未完成とも制御不能により封印中とも伝えられる最後の一振り。意志を持ち、所持者を選別する無形の刃。選別を潜り抜けた者の勝利を実現する一文以外の全てが不明の至光ハバキリ、か。まるで御伽噺だな」
「……はい。大方、解明できない技術力という最初の説明に尾ひれがつき……伝説の遺物として認識されるに至ったのでしょう」
「だとしても、一方でそんな伝説が生まれ、信じられる程の性能はあるという訳だから、何れにせよ油断は出来ないな」
たどたどしく、何とか会話を成立させた。が、いよいよもって言葉に窮する。緊張が走る。今、言葉を出せば狼狽える理由を悟られる。口を開けない。対して、無言を貫く私の心情を知る由も無いツクヨミは言葉を続ける。
「ただ、その懸念点も唯一扱える者が黄泉で拘束中となれば現状では脅威足りえない。となればもう一つ」
不意に、ツクヨミが口を閉ざした。可能性は極めて低いが、脅威となる存在はまだ他にもある。万が一、いや億が一程ではあるが、アレがもし戦場に投入されれば――最悪は計画どころではなくなる。アラハバキに僅かでも良心がある事を祈るしかないが、今までの行動を見るに全く信用できない。奴等はそういう連中だ。
幾度となく思った。アマテラスオオカミはつくづく哀れだ、と。アラハバキだけではない。見えないだけで度し難い程に愚者は他にも散々にいたのだろう。そんな者達すら導かねばならない身の上に同情――と、私は自らを酷く嫌悪した。あぁ、と小さなため息が零れ落ちる。今の地球も、ツクヨミも同じではないか。
神――
誰もが、その言葉に振り回される。
※※※
清雅本社正面玄関に動きがあった。正面玄関前の広大なスペースの一角に大きな穴が開く。穴の先は先進技術研究開発局に繋がる。元はカガセオ由来の技術を応用した製品を開発する為の極秘研究施設、今やマジンの研究開発を行う為の巨大研究施設。
ぽっかりと開いた穴から大きな青白い光の柱が伸び、うねり、吸い寄せられる様に白川水希の周りを旋回し、やがて曖昧な形からはっきりとした輪郭を得た。まさしく神話、伝承に登場する東洋の龍。元々ずば抜けて適性が高かった白川水希の力を更に引き上げる事を目的に、専用の弾とナノマシンで作り上げた彼女専用の兵器。
周囲を旋回する龍は長い胴体に短い四肢、長い顎と角を持つ東洋の龍。白川水希は数十メートルサイズの龍の背に飛び乗ると、続けて彼女に選抜された幾人か後に続いた。全員を乗せた龍は、指定した場所を目指して一気に飛び去る。
清雅本社から姿を現した未知の兵器を目撃した地球の混成軍は驚愕した。同じく世界中の報道機関、世界中の人間も。現状において一番冷静である筈の関宗太郎ですら目を丸くした。無理もない。この星の常識の外にある知識と技術で作られた兵器を想像出来る人間などいる訳がない。
一方、既に知るクズリュウ側に動揺は見られない。速やかに攻撃態勢を取り、攻撃を開始する。が、やはり付け焼刃。クズリュウ側の配置を事前に教えられた白川水希は龍の速度を上げ、狙いを定めさせないよう身体をくねらせる。突破させまいとクズリュウ達は尚も一斉射撃を行うが、練度の低さと圧倒的な速度、不規則な動きの前に全てが無駄に終わった。
僅か数秒で白川水希の駆る龍はクズリュウ直上を悠々と越え、攻撃を余裕で振り切りると指定通り裏道りに姿を消し、猛スピードで目的の場所を目指す。
襲撃初日にスサノヲが撤退用のハイドリを開いた場所。同時に、クズリュウ本隊が地球に転移する為に門を開いた場所。そこには超長距離間を一瞬で転移する為の門が今も尚、無防備に穴を開けている。
清雅本社正面玄関前に白川水希が立つ。本戦において最も危険な旗艦アマテラスへの侵入、及びクズリュウの分断を目的とした別働隊。彼女が持つ携帯端末は今日この日の為にツクヨミが設計した、戦闘とその補佐に特化した専用品。携帯端末の形をした兵器。
ホムラ
未知未解明の力「欠片」から作られる、時空を超越して情報を伝達する粒子により地球の通信技術は飛躍的な発展を遂げた。が、それは副次的な効果。最初は一族の長、続いて清雅一族、続いてG県を中心にホムラへの耐性、あるいは適性を獲得した人間が徐々に出現し始めた。人体に悪影響を及ぼさないレベルにまで弱めた為か、あるいは人の可能性が成した奇跡か、未知の粒子に適応した新人類は粒子が持つ特性の一部を引き出し、意のままに操る力を得た。
粒子の色が変わり出したのはその頃からだ。僅かずつ、青い輝きを放つようになった。元々の特性にはなかった特異な光景は、新たな力を獲得した人類への祝福か、それとも呪詛か。人類が手にした余りにも危険な諸刃の剣。だからこそ今までも、これからも自衛の為に使う予定だった。
旗艦からの接触さえなければ――
全ての歯車が狂ってしまったあの日を境に清雅一族は、私は、ツクヨミは、呪われた力を旗艦への対抗策とした。フェルド博士が癌細胞から着想を得たアルゴリズムを持つナノマシンに高濃度のホムラを侵食させる事で誕生した兵器を与えた。過剰使用による肉体への負担軽減を目的に、携帯端末と「弾」を補助輪として用意した。
幾つものセーフティを施し、リスクを極限まで抑えた兵器はこうして誕生した。人の意のままに動くナノマシン兵器、カガセオを超え得る力、我らが作り上げた切り札、魔を宿した刃――魔刃。
ある者は端末、あるいは弾を経由してマジンを外部から操作する。ある者は己の理想、思考を反映する強固な外殻その身に纏わせる。別のある者は自らにマジンを撃ち込み、肉体の能力を極限まで強化する。何れもホムラの高いエネルギーを戦闘に転用する事で文明の差を覆し得る力を発揮した。
人道から大きく逸れた研究と幾度もの模擬戦、調整を行い、確実な勝利が見込めるとの結果が算出されたのは僅か3ヵ月前。ギリギリだったが、この時点で旗艦の勝利の芽は潰えた。しかし、連中は地球の現状どころか、自分達の選択ミスにさえ気付かない。今のところ全ては順調に進んでいる。全て、計画通りだ。
「調整、問題ないか?」
「はい、問題ありません。対マジン制御用プログラム、子守歌は正常稼働中。これほどまでの量を一度に使う事は想定しておりませんでしたので一時的に不安定化していましたが、今は安定しています」
「そうか、感謝する。今のところ順調だな。唯一の懸念点も今のところ確認できていない」
全てが順調に進む。が、安堵は出来ない。ツクヨミが指摘した唯一の懸念点。アマテラスオオカミ、又はカガセオに住まう姫の許可なしに使用出来ない超兵器。周囲のカグツチを際限なく吸収する事で桁外れの力を発揮する神代三剣。
「君の情報を疑う訳ではないし、過去の記録映像で一度見てはいるが……それでも信じ難いな。桁外れた性能を誇る三種の武装。原理も、性能の全ても一切解明出来ていない制御困難な超兵器」
「星を両断し、次元をも斬り裂く光刃ムラクモ。無数の刃を際限無く生成、圧倒的な質と量で敵を殲滅する極光フツノミタマ。そして……」
「姫に献上されたものの一度として起動せず、故に未完成とも制御不能により封印中とも伝えられる最後の一振り。意志を持ち、所持者を選別する無形の刃。選別を潜り抜けた者の勝利を実現する一文以外の全てが不明の至光ハバキリ、か。まるで御伽噺だな」
「……はい。大方、解明できない技術力という最初の説明に尾ひれがつき……伝説の遺物として認識されるに至ったのでしょう」
「だとしても、一方でそんな伝説が生まれ、信じられる程の性能はあるという訳だから、何れにせよ油断は出来ないな」
たどたどしく、何とか会話を成立させた。が、いよいよもって言葉に窮する。緊張が走る。今、言葉を出せば狼狽える理由を悟られる。口を開けない。対して、無言を貫く私の心情を知る由も無いツクヨミは言葉を続ける。
「ただ、その懸念点も唯一扱える者が黄泉で拘束中となれば現状では脅威足りえない。となればもう一つ」
不意に、ツクヨミが口を閉ざした。可能性は極めて低いが、脅威となる存在はまだ他にもある。万が一、いや億が一程ではあるが、アレがもし戦場に投入されれば――最悪は計画どころではなくなる。アラハバキに僅かでも良心がある事を祈るしかないが、今までの行動を見るに全く信用できない。奴等はそういう連中だ。
幾度となく思った。アマテラスオオカミはつくづく哀れだ、と。アラハバキだけではない。見えないだけで度し難い程に愚者は他にも散々にいたのだろう。そんな者達すら導かねばならない身の上に同情――と、私は自らを酷く嫌悪した。あぁ、と小さなため息が零れ落ちる。今の地球も、ツクヨミも同じではないか。
神――
誰もが、その言葉に振り回される。
※※※
清雅本社正面玄関に動きがあった。正面玄関前の広大なスペースの一角に大きな穴が開く。穴の先は先進技術研究開発局に繋がる。元はカガセオ由来の技術を応用した製品を開発する為の極秘研究施設、今やマジンの研究開発を行う為の巨大研究施設。
ぽっかりと開いた穴から大きな青白い光の柱が伸び、うねり、吸い寄せられる様に白川水希の周りを旋回し、やがて曖昧な形からはっきりとした輪郭を得た。まさしく神話、伝承に登場する東洋の龍。元々ずば抜けて適性が高かった白川水希の力を更に引き上げる事を目的に、専用の弾とナノマシンで作り上げた彼女専用の兵器。
周囲を旋回する龍は長い胴体に短い四肢、長い顎と角を持つ東洋の龍。白川水希は数十メートルサイズの龍の背に飛び乗ると、続けて彼女に選抜された幾人か後に続いた。全員を乗せた龍は、指定した場所を目指して一気に飛び去る。
清雅本社から姿を現した未知の兵器を目撃した地球の混成軍は驚愕した。同じく世界中の報道機関、世界中の人間も。現状において一番冷静である筈の関宗太郎ですら目を丸くした。無理もない。この星の常識の外にある知識と技術で作られた兵器を想像出来る人間などいる訳がない。
一方、既に知るクズリュウ側に動揺は見られない。速やかに攻撃態勢を取り、攻撃を開始する。が、やはり付け焼刃。クズリュウ側の配置を事前に教えられた白川水希は龍の速度を上げ、狙いを定めさせないよう身体をくねらせる。突破させまいとクズリュウ達は尚も一斉射撃を行うが、練度の低さと圧倒的な速度、不規則な動きの前に全てが無駄に終わった。
僅か数秒で白川水希の駆る龍はクズリュウ直上を悠々と越え、攻撃を余裕で振り切りると指定通り裏道りに姿を消し、猛スピードで目的の場所を目指す。
襲撃初日にスサノヲが撤退用のハイドリを開いた場所。同時に、クズリュウ本隊が地球に転移する為に門を開いた場所。そこには超長距離間を一瞬で転移する為の門が今も尚、無防備に穴を開けている。
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