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第8章 神の願い 望み ただ一つの答え
幕間19-2 降臨 其の2
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「カグツチ、正常値を維持……ア、アレ?……の、濃度低下しています!!でもなんで?さっきまで問題なかったのに!?」
「此方でも濃度低下を確認、範囲は……清雅市、清雅市です。市内のカグツチ濃度だけが異常に低下しています!!それ以外の地域には一切異常はありません!!」
戦場に起きた異変をオペレーターが声高に叫んだ。緊張が、瞬く間に艦橋全体へと波及する。清雅源蔵に攻撃が全く通らなかった原因は彼等の力の源、カグツチ。宇宙に偏在するカグツチの濃度が突如として、不自然に減少した。戦場を仄かに照らしていた光は消失し、どんよりとした仄暗さを取り戻す。
濃度の低下は自然には起こり得ない。地下のフェルド。彼が補佐するのはマジンだけではない。地球謹製の斥力発生装置アラミサキの制御も彼の役目。最大出力で稼働させた装置により清雅市周辺のカグツチが一気に消失、武装の威力が減衰した。清雅源蔵が無傷で攻撃を凌げた原因は彼の力だけではない。
地球のカグツチ濃度が低い理由を今の今まで誤認していた旗艦側は気付くのが遅れた。当然、ズブの素人が大半を占める地上側のクズリュウは何が起きたか分からず、狼狽えるしか出来ない。仮に理解しようが、付け焼刃の知識と技術で低濃度状態での戦闘がこなせる道理はない。
「バッ、濃度低下!?やっぱり何か、ってオイどうなってんだ!!聞こえるか、ヒルメ!!クソ、なんで誰も返事しねーんだ!!」
地上側も漸く異変の原因に気付いた。最前線に出張っていたタガミ。反応を見るに端末が告げる警報以前から異変に気付いていたらしく、既に艦橋に解析を求めていたようだ。が、声は届かない。既に旗艦側の通信機器はツクヨミの手により破壊されている。
地上に取り残されたクズリュウと旗艦側で見守るアラハバキ達が信じて疑わなかった優勢は一気に反転、夢想した勝利は霧散した。誰一人として想定すらしていなかった現実が、実体を伴う現象として現れた。だがこれは幻想ではない。どれだけ認めたくなかろうが、現実だ。驕った人間に突きつけられる、現実という無常で無慈悲な刃だ。
「どうなっている!?」
望む結果とは真逆の事態にヤゴウは怒りをぶちまけた。オペレーター達も全く予想だにせず、呆然とするばかり。
「カグツチの濃度低下確認、現在レベル4……3への低下を確認。この不自然な範囲は、間違いなくアラミサキ。それも途轍もなく強力な、しかも一基や二基程度ではありません。してやられましたね。もう少し入念な情報収集を指示していれば分かった事でしょうが。地球固有の現象と誤認した……完全なミスです」
やはり、と私は冷静に事態を予測する声の主を見つめる。想定しない事態を前に何も出来ないオペレーターを他所に、ヒルメは冷静に事態を分析、その結果をアラハバキに向け、淡々と読み上げた。
無機質で機械的、冷酷冷静な印象を持つヒルメが珍しく責め立てる。主語を明言していないが、視線の先に立つヤゴウに向けた発言である事は明白。だが、あの男は失態を認めない。認められるならば苦労はしない。艦橋の視線が一点に集中する。誰もが苦々しい思いを胸に、ヤゴウを睨む。
「だからどうしたッ。ヤタノカガミをさっさと使わんか!!」
「既に全機稼働しています。濃度レベル4まで上昇。しかし、不安定です。3、2への下降を確認。これ程の濃度低下と現状のクズリュウの練度から判断すれば、地上の戦力は半減どころではありません」
「ならばもっと使わんか!!」
「根本的な解決になりません。ですから無理です。強行しても構いませんが、貯蔵したカグツチが尽きます。そうすれば事態を打開する事は不可能です。調整しているのは再充填に掛かる時間を考慮した上での判断です。万が一、再充填中にマガツヒが現れれば……」
「なんだ?……まさか……」
「確実に壊滅します。幸い恒星は近くにありますが、スサノヲが消耗しきった状態で奴等の猛攻をどこまで耐えられるか。カグツチ濃度が低い地球に逃げれば生き延びる可能性はありますが、地球側が救いの手を差し伸べる可能性はゼロです。ツクヨミの性能を誤認しましたね?高い演算機能を持つ程度と高を括った。ですが、実際は旗艦の神にすら引けを取らない程に超高性能だった。挙句に我々の所持する兵器の性能を超え得るほどの武装まで開発した。単機で旗艦の神に匹敵する性能を持っていると想定しなかった、貴方達の責任です」
ここにきてヒルメが明言した。ヤゴウ達のせいだと断じた。尚も糾弾は続く。
「ここからは全て推測ですが、恐らく地球はこの戦いの為に入念な準備を行っていました。元々自衛目的の戦力は保持していたようですが、貴方達が恫喝した。結果、危機感から一気に兵器を発展する必要に駆られた。ツクヨミが擁する戦力とそれ以外の兵器レベルに桁違いの開きがある点からも間違いありません。地球の実行支配も副次的な効果だったのでしょう。自衛の為ならば大した戦力は不要。ですが恫喝への対抗から、我々を超える武装を作り出した」
冷静で的確だと誰もが判断した。オペレーター達の視線がヤゴウから徐々にヒルメへと移る。余りにも式守らしくなく、それまでの冷静さを感じない口調に何かを感じ取る。
「翻って、我々は実戦経験皆無の新兵に最新武装を渡しています。彼等に結果を出させ、同時にスサノヲとヤタガラスの影響力を削ぐ目的ですね?それだけに止まらず、冷遇し、消耗させています。反乱を恐れたからでしょう。如何に鎖を所持するとは言え、発動にはそれなりに準備を要しますから。結果が今の惨状です。残念ながらここから巻き返せる可能性は極めて低いと判断します。貴方が間違いを認め、指揮権を放棄すれば可能性はありますが」
中途半端に結んだヒルメは無機質な眼差しをヤゴウに向けた。言わずとも、その目が先を語る。聞くだけ無駄と、そう語っている。
「ならば貴様が何とかしろ!!そもそもこの状況も元を正せば全てアマテラスオオカミの起こした事故だろうが!!」
指揮権放棄の提案を、やはりヤゴウは一蹴した。諦観している様な眼差しが、想定通りの反応を聞くや明確な侮蔑に変わった。オペレーター達も同じく。口々にヤゴウへの批判を囁きながら、ヒルメと同じ目でヤゴウを見つめる。しかも、あろう事か仲間のオオゲツでさえも呆れている。醜悪極まりない男を見るに堪えないのか、視線を逸らしてはいるが。
「救いようがないですね。しかし現在、地上との通信が行えません。タイミングから間違いなくツクヨミの仕業です。貴方はご存知でしょうか?ツクヨミが旗艦側の動向を全て把握している事を。どのような手段で行っているのか不明ですが、我々の情報は完全に筒抜けですよ。しかも、対応も出来ません。今の私に広大な艦の何処かにある何かを漠然と探す出すのは不可能です」
「そんな馬鹿な!?いや……」
「心当たりがおありのようですね?しかし、どうしようがもう手遅れです」
「フフッ、それを何とかするのが貴方達の仕事でしょう?」
「そういう意味だけではありませんよ?」
ヒルメの言動に侮蔑が交じる。手遅れ。それがどんな意味を持つかもうすぐ彼らは知る事になる。艦橋を目指す青い龍と共に白川水希が到着する。少々の想定外はあったが、今のところ全てが我らの計画通りに運んでいる。
計画を立案し、実行を全面的に補佐したツクヨミも安堵している様に見えた。順調に進めば、もうあと少しでこの馬鹿げた戦いに終止符が打たれる。
「漸く……これまでに払った犠牲、少なくはなかったが、漸くその犠牲が報われる」
神。そう呼ぶには余りにも多くの犠牲を出した。だが、そうしなければこの結末に辿り着く事は出来なかった。ツクヨミは目を閉じ、犠牲者達に祈りを捧げた。戦いはもうすぐ終わる、我らの想定通り、停戦からの和平交渉と言う形で幕を下ろす。
しかし、勝利したとて世界はもう元に戻らない。遥か遠い宇宙を行く文明の存在を知った地球は、遠からずツクヨミと旗艦の関連に気付く。ならば、その時こそが唯一無二の好機となる。この世界の神として君臨せざるを得なくなったツクヨミが、その荷を下ろす絶好の好機。
彼女は神ではない。少しばかり地球の先を行く文明が作り出した只のシステム。だから、地球の神と言う幻想にも幕を下ろすべきだ。かつて犯した過ちを正す時が、遂に来た。
ツクヨミを本来の役目に戻す。だから、容赦しない。この状況を悪いとも考えない。だから――遥か遠くからこの状況を見守る我が同胞よ、どうか私を恨まないで欲しい。
「此方でも濃度低下を確認、範囲は……清雅市、清雅市です。市内のカグツチ濃度だけが異常に低下しています!!それ以外の地域には一切異常はありません!!」
戦場に起きた異変をオペレーターが声高に叫んだ。緊張が、瞬く間に艦橋全体へと波及する。清雅源蔵に攻撃が全く通らなかった原因は彼等の力の源、カグツチ。宇宙に偏在するカグツチの濃度が突如として、不自然に減少した。戦場を仄かに照らしていた光は消失し、どんよりとした仄暗さを取り戻す。
濃度の低下は自然には起こり得ない。地下のフェルド。彼が補佐するのはマジンだけではない。地球謹製の斥力発生装置アラミサキの制御も彼の役目。最大出力で稼働させた装置により清雅市周辺のカグツチが一気に消失、武装の威力が減衰した。清雅源蔵が無傷で攻撃を凌げた原因は彼の力だけではない。
地球のカグツチ濃度が低い理由を今の今まで誤認していた旗艦側は気付くのが遅れた。当然、ズブの素人が大半を占める地上側のクズリュウは何が起きたか分からず、狼狽えるしか出来ない。仮に理解しようが、付け焼刃の知識と技術で低濃度状態での戦闘がこなせる道理はない。
「バッ、濃度低下!?やっぱり何か、ってオイどうなってんだ!!聞こえるか、ヒルメ!!クソ、なんで誰も返事しねーんだ!!」
地上側も漸く異変の原因に気付いた。最前線に出張っていたタガミ。反応を見るに端末が告げる警報以前から異変に気付いていたらしく、既に艦橋に解析を求めていたようだ。が、声は届かない。既に旗艦側の通信機器はツクヨミの手により破壊されている。
地上に取り残されたクズリュウと旗艦側で見守るアラハバキ達が信じて疑わなかった優勢は一気に反転、夢想した勝利は霧散した。誰一人として想定すらしていなかった現実が、実体を伴う現象として現れた。だがこれは幻想ではない。どれだけ認めたくなかろうが、現実だ。驕った人間に突きつけられる、現実という無常で無慈悲な刃だ。
「どうなっている!?」
望む結果とは真逆の事態にヤゴウは怒りをぶちまけた。オペレーター達も全く予想だにせず、呆然とするばかり。
「カグツチの濃度低下確認、現在レベル4……3への低下を確認。この不自然な範囲は、間違いなくアラミサキ。それも途轍もなく強力な、しかも一基や二基程度ではありません。してやられましたね。もう少し入念な情報収集を指示していれば分かった事でしょうが。地球固有の現象と誤認した……完全なミスです」
やはり、と私は冷静に事態を予測する声の主を見つめる。想定しない事態を前に何も出来ないオペレーターを他所に、ヒルメは冷静に事態を分析、その結果をアラハバキに向け、淡々と読み上げた。
無機質で機械的、冷酷冷静な印象を持つヒルメが珍しく責め立てる。主語を明言していないが、視線の先に立つヤゴウに向けた発言である事は明白。だが、あの男は失態を認めない。認められるならば苦労はしない。艦橋の視線が一点に集中する。誰もが苦々しい思いを胸に、ヤゴウを睨む。
「だからどうしたッ。ヤタノカガミをさっさと使わんか!!」
「既に全機稼働しています。濃度レベル4まで上昇。しかし、不安定です。3、2への下降を確認。これ程の濃度低下と現状のクズリュウの練度から判断すれば、地上の戦力は半減どころではありません」
「ならばもっと使わんか!!」
「根本的な解決になりません。ですから無理です。強行しても構いませんが、貯蔵したカグツチが尽きます。そうすれば事態を打開する事は不可能です。調整しているのは再充填に掛かる時間を考慮した上での判断です。万が一、再充填中にマガツヒが現れれば……」
「なんだ?……まさか……」
「確実に壊滅します。幸い恒星は近くにありますが、スサノヲが消耗しきった状態で奴等の猛攻をどこまで耐えられるか。カグツチ濃度が低い地球に逃げれば生き延びる可能性はありますが、地球側が救いの手を差し伸べる可能性はゼロです。ツクヨミの性能を誤認しましたね?高い演算機能を持つ程度と高を括った。ですが、実際は旗艦の神にすら引けを取らない程に超高性能だった。挙句に我々の所持する兵器の性能を超え得るほどの武装まで開発した。単機で旗艦の神に匹敵する性能を持っていると想定しなかった、貴方達の責任です」
ここにきてヒルメが明言した。ヤゴウ達のせいだと断じた。尚も糾弾は続く。
「ここからは全て推測ですが、恐らく地球はこの戦いの為に入念な準備を行っていました。元々自衛目的の戦力は保持していたようですが、貴方達が恫喝した。結果、危機感から一気に兵器を発展する必要に駆られた。ツクヨミが擁する戦力とそれ以外の兵器レベルに桁違いの開きがある点からも間違いありません。地球の実行支配も副次的な効果だったのでしょう。自衛の為ならば大した戦力は不要。ですが恫喝への対抗から、我々を超える武装を作り出した」
冷静で的確だと誰もが判断した。オペレーター達の視線がヤゴウから徐々にヒルメへと移る。余りにも式守らしくなく、それまでの冷静さを感じない口調に何かを感じ取る。
「翻って、我々は実戦経験皆無の新兵に最新武装を渡しています。彼等に結果を出させ、同時にスサノヲとヤタガラスの影響力を削ぐ目的ですね?それだけに止まらず、冷遇し、消耗させています。反乱を恐れたからでしょう。如何に鎖を所持するとは言え、発動にはそれなりに準備を要しますから。結果が今の惨状です。残念ながらここから巻き返せる可能性は極めて低いと判断します。貴方が間違いを認め、指揮権を放棄すれば可能性はありますが」
中途半端に結んだヒルメは無機質な眼差しをヤゴウに向けた。言わずとも、その目が先を語る。聞くだけ無駄と、そう語っている。
「ならば貴様が何とかしろ!!そもそもこの状況も元を正せば全てアマテラスオオカミの起こした事故だろうが!!」
指揮権放棄の提案を、やはりヤゴウは一蹴した。諦観している様な眼差しが、想定通りの反応を聞くや明確な侮蔑に変わった。オペレーター達も同じく。口々にヤゴウへの批判を囁きながら、ヒルメと同じ目でヤゴウを見つめる。しかも、あろう事か仲間のオオゲツでさえも呆れている。醜悪極まりない男を見るに堪えないのか、視線を逸らしてはいるが。
「救いようがないですね。しかし現在、地上との通信が行えません。タイミングから間違いなくツクヨミの仕業です。貴方はご存知でしょうか?ツクヨミが旗艦側の動向を全て把握している事を。どのような手段で行っているのか不明ですが、我々の情報は完全に筒抜けですよ。しかも、対応も出来ません。今の私に広大な艦の何処かにある何かを漠然と探す出すのは不可能です」
「そんな馬鹿な!?いや……」
「心当たりがおありのようですね?しかし、どうしようがもう手遅れです」
「フフッ、それを何とかするのが貴方達の仕事でしょう?」
「そういう意味だけではありませんよ?」
ヒルメの言動に侮蔑が交じる。手遅れ。それがどんな意味を持つかもうすぐ彼らは知る事になる。艦橋を目指す青い龍と共に白川水希が到着する。少々の想定外はあったが、今のところ全てが我らの計画通りに運んでいる。
計画を立案し、実行を全面的に補佐したツクヨミも安堵している様に見えた。順調に進めば、もうあと少しでこの馬鹿げた戦いに終止符が打たれる。
「漸く……これまでに払った犠牲、少なくはなかったが、漸くその犠牲が報われる」
神。そう呼ぶには余りにも多くの犠牲を出した。だが、そうしなければこの結末に辿り着く事は出来なかった。ツクヨミは目を閉じ、犠牲者達に祈りを捧げた。戦いはもうすぐ終わる、我らの想定通り、停戦からの和平交渉と言う形で幕を下ろす。
しかし、勝利したとて世界はもう元に戻らない。遥か遠い宇宙を行く文明の存在を知った地球は、遠からずツクヨミと旗艦の関連に気付く。ならば、その時こそが唯一無二の好機となる。この世界の神として君臨せざるを得なくなったツクヨミが、その荷を下ろす絶好の好機。
彼女は神ではない。少しばかり地球の先を行く文明が作り出した只のシステム。だから、地球の神と言う幻想にも幕を下ろすべきだ。かつて犯した過ちを正す時が、遂に来た。
ツクヨミを本来の役目に戻す。だから、容赦しない。この状況を悪いとも考えない。だから――遥か遠くからこの状況を見守る我が同胞よ、どうか私を恨まないで欲しい。
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