G.o.D 神魔戦役篇

風見星治

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第10章 目覚め そして 英雄となる

人物 / 用語辞典

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◆地球側人物

 伊佐凪竜一:本作主人公の一人。男。23歳。地球最大の巨大通信事業者、複合企業体「ツクヨミ清雅」の社員。物語開始直後に同社を解雇されるところから物語が始まる。ツクヨミ清雅の謀略により祖父を失った過去から、同社に強いに恨みを持つ。清雅への復讐心を除けば基本的に真っ当かつ善良な人間性を持つ。闇からの声により、特異な力を発現させた。

 山県大地:ツクヨミ清雅の暗部に籍を置く男。清雅源蔵の命を受け、社内に存在する不穏分子の監視と抹殺を請け負う。現在のターゲットは伊佐凪竜一。偶然を装い接近し、友人として振る舞っていた。清雅の神が旗艦との決戦に用意した地球側最高戦力の一人。伊佐凪竜一との戦いに敗北、死亡した。

 清雅源蔵:全世界の通信関連事業を一手に担う巨大通信事業者、複合企業体を創業した清雅一族の現トップであり地球側最高戦力。自身の手でツクヨミを故郷に戻す為にアラハバキを逆に利用、旗艦に戦いを挑んだ。

 白川水希:清雅源蔵の第一秘書。清雅の神が旗艦との決戦に用意した地球側最高戦力の一人。現在、旗艦の艦橋を占拠中。

 ゲイル:清雅の神が旗艦との決戦に用意した地球側最高戦力の一人。侵食した無機物、有機物を操作する能力に長ける。現在、旗艦の居住区域でスサノヲと戦闘中。

 ツクヨミ:清雅一族が信奉する神。現時点で正体は不明だが、旗艦アマテラスと何らかの関係がある模様。

 アベル:ツクヨミを補佐するシステム。彼女と共に500年近くを共に歩んだ。


◆旗艦側人物

 ルミナ=AZ1:本作主人公の一人。女。年齢不詳|(10代後半)。過去に起きた事故により肉体の大半が機械に置き換えられている。旗艦アマテラスという超巨大航宙艦において、神であるアマテラスオオカミ直属の戦闘部隊「スサノヲ」に籍を置く。プロジェクト・イースターという名の計画にも関わっているようだが……

 スクナ:老年のスサノヲ。ルミナの師。上官であるタガミを殴ったという理由で現在その身を黄泉に拘束されていたが、実際はヒルメとタガミが打った芝居。拘束後、秘密裏に黄泉から解放された後、仮面を被りヒルメを補佐していた。

 イヅナ:スサノヲの青年。スクナが拘束されて以後、暫定でスサノヲを取り仕切っている。

 タガミ:スサノヲに代わる旗艦の新たな戦闘部隊「クズリュウ」を指揮する隊長の一人。

 アマテラスオオカミ:超巨大航宙艦、旗艦アマテラスを管理維持するシステム。人造神。後述するタケミカヅチ計画失敗の責を押し付けられる形で天岩戸という名の措置を施され、旗艦重要区域の本殿内に隔離封印された。

 アラハバキ:旗艦アマテラスを管理する神、アマテラスオオカミに代わり旗艦の運営を仕切る政治組織。地球の神ツクヨミを強奪する為、地球最大の企業、ツクヨミ清雅の襲撃を指示した。地球側の暴露映像とスクナがアマテラスオオカミより託された勅令により、その地位は完全に失墜した。

 ヒルメ:タガミと行動する素性不明の式守シキガミ。アマテラスオオカミが秘密裏に製造したタケミカヅチ計画の参号機。急造で組み上げられたのか、兄弟機と比較すると火力、戦闘能力に乏しい。

 弐号機:対マガツヒを想定した新兵器開発計画において2番目に完成した機体。拠点防衛を主目的とした防御特化型。|(※壱号機は攻撃特化型)壱号機の引き起こした反乱に伴い凍結封印されていたが、アラハバキが強引に稼働させた。人心掌握を目的に非常に整った外見をしている。


◆用語

 旗艦アマテラス:全長約18000km、全高約8000kmの超巨大航宙艦。更にその周囲には大小合わせて100を超える航宙艦「アメノトリフネ」が帯同する。小型惑星の直径と同程度のサイズの艦内には生存圏が確立されており、完全自給自足を可能とする生産システムが総数30億以上の人口を支える。

 名前の元となったのは旗艦の管理運営一切を取り仕切る超々高性能演算システム。規格外を誇る艦のエネルギー源は、ごく僅かの物質から桁違いのエネルギーを生み出す"深緑の炎"と名付けられたストレンジレット。文明文化の一部が日本と非常に酷似している。

 スサノヲ:旗艦の神、アマテラスオオカミ直轄の戦闘部隊。カグツチを取り込み己の力とする戦闘技術により高い戦闘能力を発揮する。基本的に全知的生命体の敵、マガツヒを想定しているが、平時は旗艦の治安維持も担う。

 全部隊員が、極めて高性能な防御フィールドを展開する専用防御兵装「八尺瓊勾玉やさかにのまがたま」と、耐熱、耐冷、耐圧、耐衝撃、耐突刺とっし、耐切創せっそうなどの高耐久性を持ち、悪環境下での戦闘補助や個々人の技能を自律的に判断、補佐を行う戦闘用スーツを装備する。

 より高い戦闘能力を求めて肉体の一部を機械に換装する隊員もいる。極めて高い戦闘能力と、時に法にさえ縛られない強力な権限を持つ代償として、鎖という制約を課されている。

 カグツチ:主に恒星から放出されるほか、人間の脳からもごく微量に検出される未知の粒子。人の意志と接触する事でその性質を爆発的に引き上げる。大量のカグツチを本体に叩きこむ事でしか後述するマガツヒを消滅させることが出来ない。適性を持つ人間でなければその力を引き出し、意のままに操る事が出来ない。

 マガツヒ:知的生命体を狙う、正体不明の化け物。物理的な現象一切を無視、通常の兵器では撃退不可能。カグツチを使用する事でしか存在を消滅させることが出来ない。カグツチの濃度が高い場所を察知、集まる習性を持つ。

 カガセオ連合:旗艦アマテラスを含む、それぞれに主権を維持した12の同盟惑星と13の準同盟惑星による惑星連合。連合を取りまとめるのは主星フタゴミカボシと旗艦アマテラス。

 ツクヨミ清雅:地球全土の通信事業を一手に担う世界的大企業。作中世界において通信事業者は清雅一社のみで、それ以外は全て淘汰もしくは吸収消滅した。世界のあらゆる国家、企業が太刀打ちできない超高性能携帯端末と通信システムを構築、その莫大な利益でもって世界の頂点に君臨している。

 ホムラ:地球中に普及する通信端末のエネルギー源、及び情報伝達を兼ねる未知の粒子。人体にも影響を与えており、親和性の高い人間はこの粒子をエネルギーに超常の力を行使する事が可能。少なくとも地球側のネームドキャラは例外なく適性が高い。

 過剰摂取による中毒症状がある。初期段階は目の充血。やがて身体機能が低下し、心神喪失を経て最終的に脳死へと至る。但し全員が掛かる訳ではない。全く症状が出ない者もいれば少量で重症になる者もいるなど、個人差が大きい。 

 マジン:漢字で魔刃と表記する、地球側の主武装となるナノマシン。ツクヨミが放出する未知の粒子、ホムラをエネルギーに非常識な性能を発揮する。対象の意志をホムラ経由でナノマシンに伝達、意のままに動かしたり筋線維の補強による身体能力の強化、ナノマシンを操作し特定の紋様を描く事で魔術的な力を発生させるといった力を持つ。

 最たる特徴は圧倒的な増殖能力。基本的に地球人類を除くあらゆる物体を分解して増殖を行うが、分解対象の制御も可能。その機能は神によりある程度制限されている。

 タケミカヅチ計画:対マガツヒを想定した、意志を持つ新兵器開発計画。極めて高い性能を持ち、大火力の兵器と無数の量産型を操作してマガツヒとの戦う想定だったが、物語開始前にロールアウトした壱号機が旗艦に反旗を翻した為、計画が一旦凍結された。アラハバキの手により破壊された壱号機は回収されており、量産型と共に既に完全修復されていた。復活の理由はアラハバキが自由に使える戦力とする為。


◆カガセオ連合が保有する技術

 転移:物理法則が異なる高次元への門「鳥居」を生成、通過する事で時空を跳躍する。門から別の門までのごく短い通り道を「神道」と呼ぶ。光年単位の超長距離転移と最大数千万キロ程度の短距離転移の二種類存在する。開門と呼ばれる工程、及び開門後の維持には莫大なエネルギーが必要となる為、標準的な航宙艦への搭載が不可能。また、転移を犯罪に利用させない目的も兼ね、開門含む一連の作業は主星フタゴミカボシが代行する。

 単独での超長距離転移は基本的に不可能で、運用管理を行う主星の許可が必要。旗艦アマテラスは超長距離転移の中継地点を兼ねる。理論上は宇宙の端から端まで数分で移動できるが、転移先の安全性が保障されないという理由で転移指定座標は作中銀河の調査完了区域に限定される。短距離転移は旗艦単独でも開門可能。

 神道は非常に不安定で、安定させる為に特殊な粒子の散布が必要。この粒子は濃度が低ければ灰色、上昇するにつれ赤色を帯びる事から超長距離転移用の門を「アケドリ」、短距離用の門を「ハイドリ」と呼称する。単機で開門から超長距離までを行う機体は連合中に一機しか存在しない(※完結篇で登場)

 武器:便宜上、サイズごとに壱式、弐式、参式と区別され、更に実体型、非実体型に分かれる。数字が小さいほど扱いやすく、大きくなるに連れ熟練した技術が必要になる。カグツチを吸収、充填する機能が備わっている。刀身、あるいは銃身に刻まれた紋様と特殊な発声法が生み出す固有振動により超常的且つ変則的な力を発揮する。

 壱式は低燃費で威力が低く、構造が非常にシンプルで扱いやすい。弐式は片手ないし両手での使用を想定する程度の大きさで、火力と携行性のバランスが良く、一番数が出回っている。参式は両手で扱う重量級の武装。大質量による一撃でマガツヒの外殻がいかくごと本体を消滅させる事を目的とする。

 近接武器:サイズの如何を問わず片刃の刀身とつば、柄で構成され、見た目通りに斬撃を主体とした武器で、基本は近接武器の場合はナノマシンを組み上げた実体型で、カグツチを刃状に形成して攻撃を行う非実体型を使う者は少ない

 射撃武器:射撃武器は引き金を引き弾丸を飛ばす構造をしている。実体弾を発射するタイプを実体型、エネルギー弾を発射するタイプを非実体型と区別する他、実身体弾にカグツチを纏わせた半実体型も存在する。

 八尺瓊勾玉やさかにのまがたま:旗艦アマテラスで採用される専用防御兵装。形状は、コの字形に湾曲した奇妙な形の核が埋まった白色のリング状をしており、腕、又は手首に嵌める。リングには特殊な紋様が刻まれている。武器にも刻まれている物と同種で、カグツチの制御諸々を補佐する。旗艦アマテラスの特兵研と呼ばれる特定部署でしか作る事が出来ない固有技術。

 呼び名が長く、言い難い事から「防壁」と呼称される事が多い。起動すると装備者周囲数ミリから最大1メートル程度までを覆う様にして無色透明の特殊な力場を発生させる防壁を展開する。

 防壁は装備者の意志に反応、向かってくるエネルギーを相殺する。最大出力ならば生身で宇宙空間に放り出されても問題ない程度に堅牢。但し、そのままだと酸欠で死ぬ。

 カガセオ固有の技術だが、幾つかの惑星において発展した魔道、あるいは魔術と呼ばれるカグツチを別の力に変換する戦闘技術を解析した模様が補助機能として組み込まれている。

 この防御兵装の発展により、それまでよりも軽量・軽装化したにもかかわらず防御性能が飛躍的に向上、必然的に生存率の向上にも繋がった。万能に思えるが、装備者が無害と判断した物は防壁を貫通する為、それなりに熟練が必要となる。

 神代三剣じんだいさんけん(又はかみよさんけん):光刃こうじんムラクモ、極光きょっこうフツノミタマ、至光しこうハバキリ。凄まじい威力を誇るとされる三振りの刃。旗艦アマテラスにあるのはその内の一振り、ムラクモ。

 無名の刀工が打ったとされる実体型の刀でありながら、既存のどの武器でも太刀打ちできない程に高い硬度と極めて特異な能力を持つ。平時は厳重に封印されており、神の命令なしでの使用は厳禁とされる。

 既存の兵器とは一線を画す火力を出す決戦兵器。その真価を発揮すれば連合中の全戦力を相手取る事が出来る伝わるが、その力の全てを発揮すると同時にマガツヒを呼び寄せてしまう諸刃の剣。

 残りの二振りは主星に安置されている。但し、その内の一つは未完成、制御不能により封印中とも言われる。500年程前に早逝した天才科学者が製造に携わっている。現時点で、どうしてここまでの性能を持つに至ったのか誰も解明できない未知の兵器。
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