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第6章 運命の時は近い
227話 刻一刻と迫る期限
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『よう。元気かい?イクシィって姉ちゃんから急いでお前達に連絡しろって言われてよォ』
『こーっちもなんか色々と立て込んでたけど、まぁ何とか生きてるよン』
タガミとクシナダから通信が入ったのは喧々囂々の話し合いの末、止む無しという形で白川水希が知る隠れ家の一つへと移動しようとした矢先のこと。それまで暗く淀んでいた空気はあっけらかんと笑う男の登場により台風一過の如くに晴れた。
「生きてイたのか?」
『何とかな。しっかしよく無事だったよなぁ?』
『そうねー、一時は死を覚悟したんだけど……』
『『肩透かしもいいとこ』』
2人はシンクロするように同じ言葉を吐き捨てた。が、虚勢だ。今、五体満足でいられるのはほぼ奇跡に近く、下手をすればオレステスに殺されていたのだから。しかし、その真意はほんの僅かでもルミナに心的負担をかけない為。その為に言葉を選んでいるのは明白だ。
「何にせよ生きてて良かったねぇ。だがヨォ、本物かい?」
「アナタ、まだ偽物説捨ててなかったの?」
「いや、だってよ。話聞く限り生きてる方が異常って相手だったんだろ?」
「確かにそうだが、だとするならば偽物云々よりも何故生還出来たかという方向で考えた方が良イだろう」
偽物かも知れないと、そう言われた当人達は少しだけ眉の端を吊り上げた。元々が生還出来るかどうかという瀬戸際の状況だったのだが、そんな事情を彼等が理解できる筈もなく。が、やがてクシナダは失礼な言動をしたアックスの顔をジッと見つめると……
『おじさん、誰?』
眉を一層吊り上げながらそう切り出した。不信の眼差しは当然で、地球と旗艦を往来していた彼女にアックスを知る機会は無く、しかも明らかに他とは違う身形をしているのだから不審者としか映らなくて当然。
『アンタ!!覚えてるぜ、確かファイヤーウッドでナギと一緒にいた奴だ!!』
一方、その正体を知るタガミは驚きと共に男を指差しながら叫ぶと、クシナダの表情が一気に弛緩した。伊佐凪竜一の恩人ならば敵対する理由は無いという、彼女らしい性格が表出した顔だ。
『へ?じゃあアナタがナギ君に協力してたって言う?でも何でココに居るの?』
「オジサンじゃなくてお兄さんとよんで下さい、お美しいおじょ痛てぇッ!!」
女と見れば良い格好をせねば気が済まないのか、初見のクシナダに軽口を叩き始めるアックス。が、その動きを白川水希が制した。義手で脇を小突かれたアックスの二枚目を気取る表情は一瞬で苦悶に歪む。
「その茶化す様な喋りは止めなさい。この人、スサノヲを騙して強引に残ったんです」
『無茶するなぁオイ』
どの口が言うのかとタガミが堪らずツッコミをいれると……
『まぁそれ言ったら私達もだけどね。この時点で旗艦法にどんだけ違反してるかなんて考えたくもないわ』
我が身を振り返ったクシナダも追従する。しかし彼女が頭を抱えるのも無理はなく、万が一守護者に捕まれば最高刑は免れない程の罪状を抱えている。
「救出班の計画の全容を知る訳では無いが、把握する現時点で七十四項目だ。先ず……」
「ソレはどうでも良い。何があったか聞きたい」
一方、タガミ達の生存に気を持ち直したタケルが久しぶりに見せた明るい表情と共に意気揚々と解説を始めようとする出鼻をルミナは躊躇いなく挫いた。彼女はタケルとは対照的にタガミ達の表情を見ても明るさを取り戻す事は無く、極めて冷静に情報を収集しようと努める。
タガミ達の生存は吉報だが、彼等が命を賭した理由は伊佐凪竜一とルミナの合流であり、そう言う意味では事態は僅かに進展した程度。だけど、ソレは分かるのだけどもう少しタケルを気に掛けた方が良いと思うな、彼女。
『あぁ、まぁ結論から言うと同士討ちが始まったんだなコレが』
「「「「同士討ち?」」」」
『仲良いわねそっちは……コッチの事情は掻い摘むとタガミの言った通りで、同士討ちが始まったおかけで生き延びる事が出来た。って訳だから偽物じゃないわよ』
『詳しい説明は後で簡単な報告書送っとくから目ぇ通しておいてくれや』
「助かる。ソレで今後だが……」
『逃したまでは良かったけど結局会えなかった訳だから、ルミナはナギ君との合流を第一に考えて行動してよ。私達全員はその補佐に回るから』
「ですが、アマテラスオオカミ謹製のIDを使用しているので居場所の特定はほぼ不可能です。携帯は渡してありますから、現状では彼からの連絡を待つ他に手立ては有りません」
その言葉に映像の向こうのタガミとクシナダは酷く落胆した。物事は早々上手く運ぶとは限らず。命を懸けた結果は最良とは程遠く、伊佐凪竜一との合流は果たせなかったと知れば無理もない。
アマテラスオオカミがこの日の為に作り上げたIDの性能は折り紙付きで、旗艦の全システムに記録すら残さず、エラーすら出さず、改竄の痕跡すら残さない。出鱈目で無法な性能だが、四方八方に伸びる守護者の目から逃げ延びる為にアレは必須であり、だから白川水希の判断は正しかった。しかし、嬉しくも悲しい誤算もある。お世辞にも完璧とは言い難い監視網だ。
連合最上級と評されるサービス、犯罪を未然に防ぐ監視網が完璧に復元されていたならば、少なくとも悠長に話し合う暇など無い程に緊迫した逃走を余儀なくされただろう。嬉しい誤算は穴だらけの監視網が一行の逃走を後押し、更に守護者からの追跡を振り切る一助となった事。悲しい誤算は伊佐凪竜一の居場所をルミナ達が把握するのが事実上不可能となってしまった事。全てが万事、上手くいくとは限らない。
『しゃーないか。じゃあそれまでは休憩だ。無理にでも休んどけよ?特に……』
『特にルミナ、全然休めてないでしょ?』
よってタガミ達の提案は極めて妥当となるのだが、やはり両者が気に掛けるのはルミナ。機微を敏感に察するクシナダだけでは無く、粗雑で豪放で細やかさとは無縁なタガミまでもが指摘する事実に彼女は改めて自分を顧みる。
睡眠も食事も碌に取らないままタガミ達の援護に向かい、引き返す途中でセラフと黒雷と接触、そのまま交戦した後に全力での逃走を余儀なくされた。2人が彼女の辿った足跡を何処まで把握しているか定かではないが、精神などとうに擦り切れている筈だ。
「はい」
『ウン。分かればいいのよ、人間素直が一番可愛いってね』
割と素直にルミナは提案を受け入れた。明日に控えた婚姻の儀を前に2人の英雄は未だ揃わず。刻一刻と迫る期限を前に、少なくとも焦るという選択肢を彼女は選択しない。
『まぁ、どの道ナギから連絡来ないとどうにも動けんしな。それからタケル、お前は爺さんの伝手で特兵研から応援が来てるそうだから時間作ってコッチに来てくれや』
「承知した」
『そーんじゃ短いけど一旦終わるわね。ホントはもっとちゃんと話したいんだけど』
「あーちょい待ち。俺達に出来る事はないのか?」
恙なく終わる話の最期、通信を切断しようとするクシナダにアックスが食い付いた。焦燥、あるいは苛立ち。義憤を理由に参加したまでは良かったが、先のセラフ達との戦いにおいて力不足を嫌と言う程に痛感した彼の表情はルミナとは対極、分かりやすい程の暗い影に覆われている。しかし、一方で"喰らいつく"と言ってのけた言葉に偽りは無いらしく、尻尾を撒いて逃げるという選択肢は取らない。強がりか、虚勢か、はたまた覚悟か。
しかし、と私は考える。カグツチという力は強い意志に惹かれるならば、この男の意志を認めるならば、力を貸すならば明日の切り札になり得るかも知れないと。
『お前さんとミズキは……もし明日の戦いに参加つもりならひたすら禅をするって位だぜ。やる気があるなら少しでも時間を割いとけよ?』
「いやそうじゃなくてさ」
『気が逸るのは理解しますけど、でも明日は婚姻の儀。やれることはやっておいた方がアナタの為ですよ』
「仕方がない。ならばお嬢さんと2人っきりで痛ってェ!!」
と、思っていたのにコイツは。少しだけ認めてみようと思ったらもうコレだ。真面目な会話の合間に余計な一言を入れる呪いにでも掛かっているのか。
「ソレ、止めなさいって言いましたよね?」
蹲るアックスに半ば恫喝染みた説教をする白川水希の視線は酷く冷たい。
「君は……だから散々その言動は止めておけと忠告しただろう?タガミと同じに見られて得する事は何も無イ」
彼女と同じく、タケルも緩い言動に苦言を呈する。タガミの生死が不明と落胆していた頃など既に遠い過去の出来事のようだ。
『タケル君、アナタの目の前に本人が居ますよ?』
「だがこの程度では傷つかなイだろう?」
『傷つくでしょうがよ?俺結構繊細だよ?それに神様にも認められた凄い男だよ?』
「イッテテテ、頼むからそっちの硬い方で何度も小突くなよ。骨折れたらどうするんだ?俺の大事な身体だよ?」
『あー。似た者同士だわコレ』
『似てねぇだろ!!』
「似てねぇだろ!!」
クシナダが何の気なしに言い放った言葉に2人は仲良く反論するが、しかしその言葉に誰一人として反対意見を唱えない。男2人の叫びが周囲に虚しく響き渡る。が、何も返ってこず。静寂に耐えかねたタガミとアックスは仲良く互いを見つめ合い、慰め合った。そんなだから似た者同士だと思われるのだと、私は心中でそう悪態をついた。
『こーっちもなんか色々と立て込んでたけど、まぁ何とか生きてるよン』
タガミとクシナダから通信が入ったのは喧々囂々の話し合いの末、止む無しという形で白川水希が知る隠れ家の一つへと移動しようとした矢先のこと。それまで暗く淀んでいた空気はあっけらかんと笑う男の登場により台風一過の如くに晴れた。
「生きてイたのか?」
『何とかな。しっかしよく無事だったよなぁ?』
『そうねー、一時は死を覚悟したんだけど……』
『『肩透かしもいいとこ』』
2人はシンクロするように同じ言葉を吐き捨てた。が、虚勢だ。今、五体満足でいられるのはほぼ奇跡に近く、下手をすればオレステスに殺されていたのだから。しかし、その真意はほんの僅かでもルミナに心的負担をかけない為。その為に言葉を選んでいるのは明白だ。
「何にせよ生きてて良かったねぇ。だがヨォ、本物かい?」
「アナタ、まだ偽物説捨ててなかったの?」
「いや、だってよ。話聞く限り生きてる方が異常って相手だったんだろ?」
「確かにそうだが、だとするならば偽物云々よりも何故生還出来たかという方向で考えた方が良イだろう」
偽物かも知れないと、そう言われた当人達は少しだけ眉の端を吊り上げた。元々が生還出来るかどうかという瀬戸際の状況だったのだが、そんな事情を彼等が理解できる筈もなく。が、やがてクシナダは失礼な言動をしたアックスの顔をジッと見つめると……
『おじさん、誰?』
眉を一層吊り上げながらそう切り出した。不信の眼差しは当然で、地球と旗艦を往来していた彼女にアックスを知る機会は無く、しかも明らかに他とは違う身形をしているのだから不審者としか映らなくて当然。
『アンタ!!覚えてるぜ、確かファイヤーウッドでナギと一緒にいた奴だ!!』
一方、その正体を知るタガミは驚きと共に男を指差しながら叫ぶと、クシナダの表情が一気に弛緩した。伊佐凪竜一の恩人ならば敵対する理由は無いという、彼女らしい性格が表出した顔だ。
『へ?じゃあアナタがナギ君に協力してたって言う?でも何でココに居るの?』
「オジサンじゃなくてお兄さんとよんで下さい、お美しいおじょ痛てぇッ!!」
女と見れば良い格好をせねば気が済まないのか、初見のクシナダに軽口を叩き始めるアックス。が、その動きを白川水希が制した。義手で脇を小突かれたアックスの二枚目を気取る表情は一瞬で苦悶に歪む。
「その茶化す様な喋りは止めなさい。この人、スサノヲを騙して強引に残ったんです」
『無茶するなぁオイ』
どの口が言うのかとタガミが堪らずツッコミをいれると……
『まぁそれ言ったら私達もだけどね。この時点で旗艦法にどんだけ違反してるかなんて考えたくもないわ』
我が身を振り返ったクシナダも追従する。しかし彼女が頭を抱えるのも無理はなく、万が一守護者に捕まれば最高刑は免れない程の罪状を抱えている。
「救出班の計画の全容を知る訳では無いが、把握する現時点で七十四項目だ。先ず……」
「ソレはどうでも良い。何があったか聞きたい」
一方、タガミ達の生存に気を持ち直したタケルが久しぶりに見せた明るい表情と共に意気揚々と解説を始めようとする出鼻をルミナは躊躇いなく挫いた。彼女はタケルとは対照的にタガミ達の表情を見ても明るさを取り戻す事は無く、極めて冷静に情報を収集しようと努める。
タガミ達の生存は吉報だが、彼等が命を賭した理由は伊佐凪竜一とルミナの合流であり、そう言う意味では事態は僅かに進展した程度。だけど、ソレは分かるのだけどもう少しタケルを気に掛けた方が良いと思うな、彼女。
『あぁ、まぁ結論から言うと同士討ちが始まったんだなコレが』
「「「「同士討ち?」」」」
『仲良いわねそっちは……コッチの事情は掻い摘むとタガミの言った通りで、同士討ちが始まったおかけで生き延びる事が出来た。って訳だから偽物じゃないわよ』
『詳しい説明は後で簡単な報告書送っとくから目ぇ通しておいてくれや』
「助かる。ソレで今後だが……」
『逃したまでは良かったけど結局会えなかった訳だから、ルミナはナギ君との合流を第一に考えて行動してよ。私達全員はその補佐に回るから』
「ですが、アマテラスオオカミ謹製のIDを使用しているので居場所の特定はほぼ不可能です。携帯は渡してありますから、現状では彼からの連絡を待つ他に手立ては有りません」
その言葉に映像の向こうのタガミとクシナダは酷く落胆した。物事は早々上手く運ぶとは限らず。命を懸けた結果は最良とは程遠く、伊佐凪竜一との合流は果たせなかったと知れば無理もない。
アマテラスオオカミがこの日の為に作り上げたIDの性能は折り紙付きで、旗艦の全システムに記録すら残さず、エラーすら出さず、改竄の痕跡すら残さない。出鱈目で無法な性能だが、四方八方に伸びる守護者の目から逃げ延びる為にアレは必須であり、だから白川水希の判断は正しかった。しかし、嬉しくも悲しい誤算もある。お世辞にも完璧とは言い難い監視網だ。
連合最上級と評されるサービス、犯罪を未然に防ぐ監視網が完璧に復元されていたならば、少なくとも悠長に話し合う暇など無い程に緊迫した逃走を余儀なくされただろう。嬉しい誤算は穴だらけの監視網が一行の逃走を後押し、更に守護者からの追跡を振り切る一助となった事。悲しい誤算は伊佐凪竜一の居場所をルミナ達が把握するのが事実上不可能となってしまった事。全てが万事、上手くいくとは限らない。
『しゃーないか。じゃあそれまでは休憩だ。無理にでも休んどけよ?特に……』
『特にルミナ、全然休めてないでしょ?』
よってタガミ達の提案は極めて妥当となるのだが、やはり両者が気に掛けるのはルミナ。機微を敏感に察するクシナダだけでは無く、粗雑で豪放で細やかさとは無縁なタガミまでもが指摘する事実に彼女は改めて自分を顧みる。
睡眠も食事も碌に取らないままタガミ達の援護に向かい、引き返す途中でセラフと黒雷と接触、そのまま交戦した後に全力での逃走を余儀なくされた。2人が彼女の辿った足跡を何処まで把握しているか定かではないが、精神などとうに擦り切れている筈だ。
「はい」
『ウン。分かればいいのよ、人間素直が一番可愛いってね』
割と素直にルミナは提案を受け入れた。明日に控えた婚姻の儀を前に2人の英雄は未だ揃わず。刻一刻と迫る期限を前に、少なくとも焦るという選択肢を彼女は選択しない。
『まぁ、どの道ナギから連絡来ないとどうにも動けんしな。それからタケル、お前は爺さんの伝手で特兵研から応援が来てるそうだから時間作ってコッチに来てくれや』
「承知した」
『そーんじゃ短いけど一旦終わるわね。ホントはもっとちゃんと話したいんだけど』
「あーちょい待ち。俺達に出来る事はないのか?」
恙なく終わる話の最期、通信を切断しようとするクシナダにアックスが食い付いた。焦燥、あるいは苛立ち。義憤を理由に参加したまでは良かったが、先のセラフ達との戦いにおいて力不足を嫌と言う程に痛感した彼の表情はルミナとは対極、分かりやすい程の暗い影に覆われている。しかし、一方で"喰らいつく"と言ってのけた言葉に偽りは無いらしく、尻尾を撒いて逃げるという選択肢は取らない。強がりか、虚勢か、はたまた覚悟か。
しかし、と私は考える。カグツチという力は強い意志に惹かれるならば、この男の意志を認めるならば、力を貸すならば明日の切り札になり得るかも知れないと。
『お前さんとミズキは……もし明日の戦いに参加つもりならひたすら禅をするって位だぜ。やる気があるなら少しでも時間を割いとけよ?』
「いやそうじゃなくてさ」
『気が逸るのは理解しますけど、でも明日は婚姻の儀。やれることはやっておいた方がアナタの為ですよ』
「仕方がない。ならばお嬢さんと2人っきりで痛ってェ!!」
と、思っていたのにコイツは。少しだけ認めてみようと思ったらもうコレだ。真面目な会話の合間に余計な一言を入れる呪いにでも掛かっているのか。
「ソレ、止めなさいって言いましたよね?」
蹲るアックスに半ば恫喝染みた説教をする白川水希の視線は酷く冷たい。
「君は……だから散々その言動は止めておけと忠告しただろう?タガミと同じに見られて得する事は何も無イ」
彼女と同じく、タケルも緩い言動に苦言を呈する。タガミの生死が不明と落胆していた頃など既に遠い過去の出来事のようだ。
『タケル君、アナタの目の前に本人が居ますよ?』
「だがこの程度では傷つかなイだろう?」
『傷つくでしょうがよ?俺結構繊細だよ?それに神様にも認められた凄い男だよ?』
「イッテテテ、頼むからそっちの硬い方で何度も小突くなよ。骨折れたらどうするんだ?俺の大事な身体だよ?」
『あー。似た者同士だわコレ』
『似てねぇだろ!!』
「似てねぇだろ!!」
クシナダが何の気なしに言い放った言葉に2人は仲良く反論するが、しかしその言葉に誰一人として反対意見を唱えない。男2人の叫びが周囲に虚しく響き渡る。が、何も返ってこず。静寂に耐えかねたタガミとアックスは仲良く互いを見つめ合い、慰め合った。そんなだから似た者同士だと思われるのだと、私は心中でそう悪態をついた。
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