わたくしの息子がバカ王子だなんて…どうしましょう

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全ての真相。結論…母上大好きです!

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~アレンサイド~

「……そうか。大体の内容はわかった。……それで、いつから考えていたんだ?これを。あいつたちが、愚かな真似をしていたのは演技ではないのだろう。どこまでが計算だ。」

「………システムの検証を学園でと申し出たのはわたしです。学園のどこで何が行われているか噂や実際に目にしていたこともあったため、このシステムは証拠を掴むのに最適だと感じました。

汚職の現状や、生徒同士の暴行などの証拠を掴むのが目的でしたが、運よく反国家貴族の子息たちが情報を交換しているところを掴みまして……。
陛下に報告をと思ったのですが、兄上たちの愚行もしっかり納まってしまっていたんですよ。

兄上たちはお祖父様と大叔父様によく似ていると思いませんか?庶民の可憐な女性に恋して愚行をおかしまくったあげく婚約破棄を行ったあの方たちに。
シリウス兄上は友人たちも遠ざけ周りに反国家の生徒を侍らせるようになってしまいましたし、ルイス兄上は学園だろうと何人もの女生徒との密会が映っていましたし…それならば、お祖父様に習ってみようと思いまして。
劇団に所属していたマリアをスカウトし、計画完了後、侍女として雇うことを条件に学園であの愚行を行ってもらいました。
可憐で明るくて、貴族に染まっていない可愛らしいご令嬢。ボディータッチや泣き顔で簡単にコロッといくんですから、貴族子息たちはあの雰囲気がお好みなんでしょうねぇ。
ルイス兄上の女性遊びは終わりましたし、あとはシリウス兄上からあの子息たちを引き離すだげだったんですが、婚約破棄までお祖父様の真似をなさろうとしたので、急いで貴族に根回ししてわざと中継させたのです。これは全て計算的な行いだった、貴族たちはみなそう信じてくれましたしね。」

淡々と原稿を読み上げるかのように、そう話すアレンに陛下は拳を握りしめ怒りを抑えているようだった。

「おまえは何をしたか分かっているのか?上手くいったからよかったものの、あそこまで助長させたのはお前だろう!あのままだったら、わたしはあの子達を…………」

「見捨てなければいけなかった………ですか?」

冷たくそういい放つアレンに拳を見つめていた陛下は顔をあげアレンを睨み付けた。

「それは陛下が下された決断でしょう。一番簡単な切り捨てる道を選ばれたのは。わたしはそこまで手を回してはいませんよ。誰も陛下に命令なんて出来ないのですから、陛下自信でお決めになったことでしょう。
母上は国と父上を捨ててシリウス兄上を選んだ。それも、母上ご自身の意思です。まぁそれならそれで、わたしも王子なんて地位捨てて母上に着いていきましたけど…

兄上たちと母上はどう思われたでしょうね?父上に自分(息子)が切り捨てられたと分かったとき。

わたしには想像通りでしたが…。」

クスクスと笑うアレンに、陛下の顔はだんだんと青ざめ、恐怖を帯びた目でアレンを睨み付けた。

ーーーーーーーーーーーー

「それくらいで勘弁してあげて?アレン。」

「…………母上。」

「扉があいて外まで聞こえていましたよ。それとも、それも…わざとなのかしら?」

ふふっと困った子を見る目でアレンを見つめると、王妃はゆっくりとアレンの前まで進んできた。

「ありがとう、アレン。頑張ったわね。」

そう優しく抱き締める王妃にアレンはいつの間にか入っていた身体の力が抜けていくのを感じた。

「シリウスはちゃんと反省しているわ、貴方のお陰よアレン。貴族たちへの根回しも完璧だったわ。シリウスもルイスもまだレグオークの王子でいられる。
一人で立派に立ち回ってくれて、本当に感謝しているわ。

……でも、ちょっとやりすぎね。結果は良いものとなったけど、あの子達や周りの人間の気持ちを貴方は無視しているわ。学園の子たちも、嫌な想いをした子たちがたくさんいたはずよ。貴方にもちゃんと反省してもらいます。あとのことは陛下とわたくしが話し合いますから、アレンはお部屋に戻ってなさい。」

怒っているのに、心配そうで……。愛しい子…そう視線が全て物語っていた。

(あぁ……やっぱり、母上はわたしの想像を全部越えてくる。大好きです母上!)

「はい!母上!」

にこにこと怒られたのに嬉しそうに返事をすると、アレンは執務室を出ていった。
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