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第一章 演武
3 注目の試合の行方は?
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打ち合いは…かなり続いた。
ハートの武器は…小太刀の長さの剣と…ナイフが数本…。
そして隠し武器…暗器の類がそれなりに…。
演武はその時々によって違うが、今回は…制服でやることになった。
鎧等は一切身に付けない。
これも…作戦の一つ。
私は…瞬きもほとんどせず、試合に食い入る。
この試合だけは…そうしないといけない気が、していたから…。
試合は…ドロテアの猛攻が続く。
ハートは抑えるだけで精一杯…に、見えただろうなぁ、大多数には。
その頃…控室のテラスでは、フィリー軍団が一つのテラスに集まっていた。
「…あいつ、相変わらず上手いよなぁ…」
クローバが感心半分、ため息半分…と言うような、なぜか複雑な表情だ。
「まあなぁ…。この手の事をやらせたら、本当にな…」
スペードもちょっと苦笑いをしているよう…。
「まあ…演出的なことをさせたら、あいつが一番うまい…任せておけばいいのさ」
ダイヤも…ハートが本当は余裕だと言う事を、見抜いている。
ジョーカーは…にこやかなまま、何も語らず、ジェードも表情が柔らかいまま。
観客の興奮は、まさに絶頂だろう。
物が飛ぶ飛ぶ、喉が枯れんばかりに叫ぶ叫ぶ。
猛攻が続く中、ドロテアの剣は…ハートの制服の胸の部分を…かなりしっかり破った。
その衝撃で…ハートの胸のあたりの布は一気にはだけ、胸丸出しの状態に。
……出だしは上々。
「やったぁ、ドロテアの勝ちよ~」
ガルドベンダ公爵家のブースで、一人ガッツポーズをする、メイリン。
「まだ試合は、終わってねぇぞ」
相変わらずの苛ついた声だ。
ティタノ陛下の終わり…の合図が出るまで、試合は続く。
「何言ってんの?胸が見えたまま戦うなんて…」
普通のご令嬢の考えは、そうだろうが…。
観衆の歓声は鳴りやまない。
試合は…続くからね。
ハートは…胸がはだけた瞬間、体制を立て直し…猛攻を始める。
ドロテアは…剣だけでなく、他の武器にも対応できる応用力がある。
それによって…一躍実力を伸ばしたといっていい。
事実…男の騎士であっても、ドロテアに勝つのは容易ではない。
本人の…たゆまぬ努力の賜物だろう。
ウチの護衛騎士達も…スゴイってみんな、褒めていた。
攻撃のたび、ハートのあらわになった胸が揺れ、観衆の中にいた…男たちが騒ぎだす。
ハートは全く意に介さず、猛攻を続けやがて…。
ハートの武器の切っ先が…ドロテアの胸の布を捕えた。
そのまま回転の力を一気に加え、ドロテアの胸の布が、下三分の一だけ破れる。
さすがにね…。
ドロテアが覚悟したとはいえ、丸出しにはできんよ。
それに…元娼婦から言わせてもらえれば、ちょっとだけ見えてるのが…好きな野郎もいるんよ。
ハートが丸出しである以上、ドロテアはきわどい方が、より観客の情欲を煽る。
当然ハートの猛攻が止むはずもなく、2人して胸出しで戦っている。
ティタノ陛下は…当然止めない。
外野がどうであれ、これは…作戦行動だからね。
観衆の男たちが…誰が号令するともなく、口々に言い始める。
「ひゅーっっ、どっちも胸あるじゃーん、ラッキー」
「すっげぇ、揺れてる!!今日来て良かったぁ~」
「乳丸出し女の戦~い、いいじゃん、いいじゃ~ん」
「おっちち、おっちち!!」
……私は観客の様子を見つつ、娼婦特有の勘を働かせる。
すこーし、ワザとらしいのが…いる。
やっぱり…モントリアは仕込んだみたいだな。
できるだけ…下卑たヤジを飛ばせる人員を…。
イシュロとラディルスに…脇の依頼をしておいてよかった…。
これで…尻尾の元を掴めるかもしれない…。
私は改めてハートとドロテアを見る。
ハートは…本当に楽しそうだ…。
さすがに得意…と言うだけあって、下卑た男たちが何を好むか…よくわかっているよう。
サービス精神旺盛だな…。
ますます、前世の私のようだ…。
対してドロテアは…やっぱり完全に、恥辱にまみれてる…。
それでもハートの攻撃に相対しているのは…見事というところだけれどね…。
外野のやじが…とどまらない。
攻撃を繰り出すたび、それを受けるたび、揺れる乳と飛び出す、男のやじ…。
なんかもう…戦闘ストリップ劇場ってとこか…。
しかし…聞き耳を立てていると、
「さすが!!オルフィリア公爵夫人の護衛!!
主人と同じように、衆人環視の真っ裸が平気なんだなぁ~」
「主人もやればいいのにぃ~」
「そうだそうだ、民衆の味方なんだから、サービスしろ!!」
……あら、敵の仕込みだろう皆さま。
素敵なヤジでございますこと。
そんなテメェらに、私がいう事は1つ!!やって欲しけりゃ、金払いな!!
仮にもファルメニウス公爵夫人様なんだから、高いぞ?ん?ほれ。
私がそんな事を思っていたら、
「外野は少し、黙らせるか?」
ティタノ陛下が気を使ってくれたから、
「ありがとうございます。ティタノ陛下…。
しかし…仮にもギリアムの妻で、アナタ様がお気に召された女でございます。
あのようなヤジ…意に介するとお思いですか?
ああいったモノには…強いですよ、わたくし…」
男の下卑たやじなんざ…浴びてなんぼの世界で生きてきた女だからなぁ、私は。
私の笑顔が…真実だとわかったのか、一瞬だけ…ふっと笑った。
お…ハートが仕掛けたっぽい。
攻撃をかわしたフリして…ドロテアの武器に自分のズボンの飾りを引っかけた…。
勢いよく振られたドロテアの武器に引っ張られ、ハートの太ももから上のズボンが…
びりびりに裂ける。
…よくやるよ、全く。
後でほめてあげよ。
ハートは…モントリアがドロテアの服にした細工と同じものを、自らの服にした。
簡単な力で…直ぐに破けるように…ね。
そして露になる、ハートの尻…下着は…なんとTバックだ…。
本当に…よくわかってるなぁ…。
完全素っ裸より、見えそうで見えない方が、男の欲情を誘う…って。
「うっぉぉおーっ、尻もいいぞ、あの姉ちゃん!!」
「いいぜ、最高~!!」
いいヤジありがとう、スケベな男どもよ。
ハートは…水を得た魚のように、攻撃をさらに激化する。
本当に…私とそっくり。
ハートの戦い方も、基本は他の皆と同じ。
戦っている間に、相手の弱い所を探り、そこを縦横無尽に突く…いわゆる基本というものが
無い戦法と攻撃…。
だから…基本の中だけで、やって来た人間では、絶対に限界が来る。
戦争慣れ、ゲリラ戦慣れをしたような人間でないと…なかなか対処は難しい。
ああ、言い忘れたけど…。
この演武については、ティタノ陛下の御前だし、本気でやるよう、ドロテアには言ってある。
その上で…ショー的要素を入れるから…ってね。
ハートは…猛攻を続け、ドロテアの服を…少しずつ剥いでいく。
もちろん…18禁指定にはならないように…ね。
でも…野郎どもの期待値を上げるには、十分だ。
おそらく…モントリアもほくそ笑んでいるだろう…。
すげぇぞ、ハート!!
間違いなく、今日の一番はアンタだ!!
「すっげぇぇぇっ!!女騎士二人のストリップだぁ~。
乳も尻もいいじゃ~ん」
「両方スタイル抜群って!!いいねいいね、もっとやれ~、脱げ~」
あ~ら、下卑た男性の皆さま。
とってもいい感じでございます事…ほほほ。
ハートは…まだまだ余裕だね。
そりゃぁ、そうか。
トランペストの生活状況を見れば…、体力と持久力が無きゃ、やってこれなかっただろう。
だから…ハートは演出に余計力を入れる。
揺れる乳と、躍動するヒップラインに、男たちのヤジは最高潮…。
もう、普通の令嬢じゃ、聞いていられないだろうなぁ…。
私にとっちゃ、最高の心地いい音楽だけどぉ。
そんな時だった…。
「ティタノ陛下…」
聞きなれた声…。
誰かと思えば、ローエンじい様か…。
まあ、この人もこういう場が好きとは思えない。
「もう、演武をお止め下さい…」
「なぜじゃ?」
ちょっとローエンじい様が、驚いたっぽい。
「いえ…厳正な公開演武でこのような…」
「それはまず、ケルカロス国王に言うべきじゃろ?」
「それが…トイレから出ていらっしゃらなくて…」
実はですね。
作戦の一つとして…この最後の演武、国王陛下はギリアムと共に、トイレに籠城中。
この最後の演武の間中、出てこなければ…何か優遇してもらえるらしいから、国王陛下も必死。
ギリアムはそれに協力する形のため、籠城を崩すのは困難。
ティタノ陛下以外に…一応強制停止がかけられる人だし、ローエンじい様に強く出れないから、
ご退場願った。
「じゃ、出てくるまで待て」
まあ、そういう対応になるよね。
「いや、しかし…」
「わしに命令できる立場か?貴様は」
そう言われちゃうと…下がるしかないよね…。
人が死にそう…ってんじゃないし。
「オルフィリア公爵夫人…」
今度は私か…。
「このような催しは、いかがなものかと思うのですが…」
まあ、じい様は風紀の乱れについて、許す人じゃないからなぁ。
でも…私も引かんよ。
「なぜ…このような催しが良くないのでしょうか?」
「は?」
じい様が呆けた…珍しいなぁ。
「そもそも…演武と言いますが、完全に実戦の場と考えよ…と、国王陛下からお達しがあった
ハズです。
ローエン卿は、実戦の場で服を剥がされたら、要人警護をすっぽかせとおっしゃるのですね?」
「と、とんでもない!!」
「でしたら…服を剥がされた程度で、うだうだ言うべきではないのでは?」
私はかなり真面目な顔して言ったよ。
だって…本当にそう思うもん。
この演武の目的は…モントリアを有頂天にすることも勿論だが、そもそも…ギリアムが提起した
女性騎士の問題…もっと真剣に考えて欲しいからだ。
実例が生じないと…もっと言えば、実害が生じないと、人は本気で考えない。討論もしない。
そんな生き物だと、私は思っているからさ…。
「しかし…二人は女性です」
「それが何だというのです?
2人は自らの意志で…、要人警護をかって出ているのですよ?
それとも…奴隷のように有無を言わさず、要人警護に付けられたのでしょうか…?
後で聞いていただければわかると思いますが、私の私兵は自ら進んで私の警護をやっています。
ですから問題ありません。
まあ、流星騎士団がどうかは知りませんので、あとで聞いてみてください」
私のああ言えばこう言うは、病的に上手いで。
じい様…次の言葉が出ないねぇ…。
いい機会だから、追い打ちをかけておくか…。
ハートの武器は…小太刀の長さの剣と…ナイフが数本…。
そして隠し武器…暗器の類がそれなりに…。
演武はその時々によって違うが、今回は…制服でやることになった。
鎧等は一切身に付けない。
これも…作戦の一つ。
私は…瞬きもほとんどせず、試合に食い入る。
この試合だけは…そうしないといけない気が、していたから…。
試合は…ドロテアの猛攻が続く。
ハートは抑えるだけで精一杯…に、見えただろうなぁ、大多数には。
その頃…控室のテラスでは、フィリー軍団が一つのテラスに集まっていた。
「…あいつ、相変わらず上手いよなぁ…」
クローバが感心半分、ため息半分…と言うような、なぜか複雑な表情だ。
「まあなぁ…。この手の事をやらせたら、本当にな…」
スペードもちょっと苦笑いをしているよう…。
「まあ…演出的なことをさせたら、あいつが一番うまい…任せておけばいいのさ」
ダイヤも…ハートが本当は余裕だと言う事を、見抜いている。
ジョーカーは…にこやかなまま、何も語らず、ジェードも表情が柔らかいまま。
観客の興奮は、まさに絶頂だろう。
物が飛ぶ飛ぶ、喉が枯れんばかりに叫ぶ叫ぶ。
猛攻が続く中、ドロテアの剣は…ハートの制服の胸の部分を…かなりしっかり破った。
その衝撃で…ハートの胸のあたりの布は一気にはだけ、胸丸出しの状態に。
……出だしは上々。
「やったぁ、ドロテアの勝ちよ~」
ガルドベンダ公爵家のブースで、一人ガッツポーズをする、メイリン。
「まだ試合は、終わってねぇぞ」
相変わらずの苛ついた声だ。
ティタノ陛下の終わり…の合図が出るまで、試合は続く。
「何言ってんの?胸が見えたまま戦うなんて…」
普通のご令嬢の考えは、そうだろうが…。
観衆の歓声は鳴りやまない。
試合は…続くからね。
ハートは…胸がはだけた瞬間、体制を立て直し…猛攻を始める。
ドロテアは…剣だけでなく、他の武器にも対応できる応用力がある。
それによって…一躍実力を伸ばしたといっていい。
事実…男の騎士であっても、ドロテアに勝つのは容易ではない。
本人の…たゆまぬ努力の賜物だろう。
ウチの護衛騎士達も…スゴイってみんな、褒めていた。
攻撃のたび、ハートのあらわになった胸が揺れ、観衆の中にいた…男たちが騒ぎだす。
ハートは全く意に介さず、猛攻を続けやがて…。
ハートの武器の切っ先が…ドロテアの胸の布を捕えた。
そのまま回転の力を一気に加え、ドロテアの胸の布が、下三分の一だけ破れる。
さすがにね…。
ドロテアが覚悟したとはいえ、丸出しにはできんよ。
それに…元娼婦から言わせてもらえれば、ちょっとだけ見えてるのが…好きな野郎もいるんよ。
ハートが丸出しである以上、ドロテアはきわどい方が、より観客の情欲を煽る。
当然ハートの猛攻が止むはずもなく、2人して胸出しで戦っている。
ティタノ陛下は…当然止めない。
外野がどうであれ、これは…作戦行動だからね。
観衆の男たちが…誰が号令するともなく、口々に言い始める。
「ひゅーっっ、どっちも胸あるじゃーん、ラッキー」
「すっげぇ、揺れてる!!今日来て良かったぁ~」
「乳丸出し女の戦~い、いいじゃん、いいじゃ~ん」
「おっちち、おっちち!!」
……私は観客の様子を見つつ、娼婦特有の勘を働かせる。
すこーし、ワザとらしいのが…いる。
やっぱり…モントリアは仕込んだみたいだな。
できるだけ…下卑たヤジを飛ばせる人員を…。
イシュロとラディルスに…脇の依頼をしておいてよかった…。
これで…尻尾の元を掴めるかもしれない…。
私は改めてハートとドロテアを見る。
ハートは…本当に楽しそうだ…。
さすがに得意…と言うだけあって、下卑た男たちが何を好むか…よくわかっているよう。
サービス精神旺盛だな…。
ますます、前世の私のようだ…。
対してドロテアは…やっぱり完全に、恥辱にまみれてる…。
それでもハートの攻撃に相対しているのは…見事というところだけれどね…。
外野のやじが…とどまらない。
攻撃を繰り出すたび、それを受けるたび、揺れる乳と飛び出す、男のやじ…。
なんかもう…戦闘ストリップ劇場ってとこか…。
しかし…聞き耳を立てていると、
「さすが!!オルフィリア公爵夫人の護衛!!
主人と同じように、衆人環視の真っ裸が平気なんだなぁ~」
「主人もやればいいのにぃ~」
「そうだそうだ、民衆の味方なんだから、サービスしろ!!」
……あら、敵の仕込みだろう皆さま。
素敵なヤジでございますこと。
そんなテメェらに、私がいう事は1つ!!やって欲しけりゃ、金払いな!!
仮にもファルメニウス公爵夫人様なんだから、高いぞ?ん?ほれ。
私がそんな事を思っていたら、
「外野は少し、黙らせるか?」
ティタノ陛下が気を使ってくれたから、
「ありがとうございます。ティタノ陛下…。
しかし…仮にもギリアムの妻で、アナタ様がお気に召された女でございます。
あのようなヤジ…意に介するとお思いですか?
ああいったモノには…強いですよ、わたくし…」
男の下卑たやじなんざ…浴びてなんぼの世界で生きてきた女だからなぁ、私は。
私の笑顔が…真実だとわかったのか、一瞬だけ…ふっと笑った。
お…ハートが仕掛けたっぽい。
攻撃をかわしたフリして…ドロテアの武器に自分のズボンの飾りを引っかけた…。
勢いよく振られたドロテアの武器に引っ張られ、ハートの太ももから上のズボンが…
びりびりに裂ける。
…よくやるよ、全く。
後でほめてあげよ。
ハートは…モントリアがドロテアの服にした細工と同じものを、自らの服にした。
簡単な力で…直ぐに破けるように…ね。
そして露になる、ハートの尻…下着は…なんとTバックだ…。
本当に…よくわかってるなぁ…。
完全素っ裸より、見えそうで見えない方が、男の欲情を誘う…って。
「うっぉぉおーっ、尻もいいぞ、あの姉ちゃん!!」
「いいぜ、最高~!!」
いいヤジありがとう、スケベな男どもよ。
ハートは…水を得た魚のように、攻撃をさらに激化する。
本当に…私とそっくり。
ハートの戦い方も、基本は他の皆と同じ。
戦っている間に、相手の弱い所を探り、そこを縦横無尽に突く…いわゆる基本というものが
無い戦法と攻撃…。
だから…基本の中だけで、やって来た人間では、絶対に限界が来る。
戦争慣れ、ゲリラ戦慣れをしたような人間でないと…なかなか対処は難しい。
ああ、言い忘れたけど…。
この演武については、ティタノ陛下の御前だし、本気でやるよう、ドロテアには言ってある。
その上で…ショー的要素を入れるから…ってね。
ハートは…猛攻を続け、ドロテアの服を…少しずつ剥いでいく。
もちろん…18禁指定にはならないように…ね。
でも…野郎どもの期待値を上げるには、十分だ。
おそらく…モントリアもほくそ笑んでいるだろう…。
すげぇぞ、ハート!!
間違いなく、今日の一番はアンタだ!!
「すっげぇぇぇっ!!女騎士二人のストリップだぁ~。
乳も尻もいいじゃ~ん」
「両方スタイル抜群って!!いいねいいね、もっとやれ~、脱げ~」
あ~ら、下卑た男性の皆さま。
とってもいい感じでございます事…ほほほ。
ハートは…まだまだ余裕だね。
そりゃぁ、そうか。
トランペストの生活状況を見れば…、体力と持久力が無きゃ、やってこれなかっただろう。
だから…ハートは演出に余計力を入れる。
揺れる乳と、躍動するヒップラインに、男たちのヤジは最高潮…。
もう、普通の令嬢じゃ、聞いていられないだろうなぁ…。
私にとっちゃ、最高の心地いい音楽だけどぉ。
そんな時だった…。
「ティタノ陛下…」
聞きなれた声…。
誰かと思えば、ローエンじい様か…。
まあ、この人もこういう場が好きとは思えない。
「もう、演武をお止め下さい…」
「なぜじゃ?」
ちょっとローエンじい様が、驚いたっぽい。
「いえ…厳正な公開演武でこのような…」
「それはまず、ケルカロス国王に言うべきじゃろ?」
「それが…トイレから出ていらっしゃらなくて…」
実はですね。
作戦の一つとして…この最後の演武、国王陛下はギリアムと共に、トイレに籠城中。
この最後の演武の間中、出てこなければ…何か優遇してもらえるらしいから、国王陛下も必死。
ギリアムはそれに協力する形のため、籠城を崩すのは困難。
ティタノ陛下以外に…一応強制停止がかけられる人だし、ローエンじい様に強く出れないから、
ご退場願った。
「じゃ、出てくるまで待て」
まあ、そういう対応になるよね。
「いや、しかし…」
「わしに命令できる立場か?貴様は」
そう言われちゃうと…下がるしかないよね…。
人が死にそう…ってんじゃないし。
「オルフィリア公爵夫人…」
今度は私か…。
「このような催しは、いかがなものかと思うのですが…」
まあ、じい様は風紀の乱れについて、許す人じゃないからなぁ。
でも…私も引かんよ。
「なぜ…このような催しが良くないのでしょうか?」
「は?」
じい様が呆けた…珍しいなぁ。
「そもそも…演武と言いますが、完全に実戦の場と考えよ…と、国王陛下からお達しがあった
ハズです。
ローエン卿は、実戦の場で服を剥がされたら、要人警護をすっぽかせとおっしゃるのですね?」
「と、とんでもない!!」
「でしたら…服を剥がされた程度で、うだうだ言うべきではないのでは?」
私はかなり真面目な顔して言ったよ。
だって…本当にそう思うもん。
この演武の目的は…モントリアを有頂天にすることも勿論だが、そもそも…ギリアムが提起した
女性騎士の問題…もっと真剣に考えて欲しいからだ。
実例が生じないと…もっと言えば、実害が生じないと、人は本気で考えない。討論もしない。
そんな生き物だと、私は思っているからさ…。
「しかし…二人は女性です」
「それが何だというのです?
2人は自らの意志で…、要人警護をかって出ているのですよ?
それとも…奴隷のように有無を言わさず、要人警護に付けられたのでしょうか…?
後で聞いていただければわかると思いますが、私の私兵は自ら進んで私の警護をやっています。
ですから問題ありません。
まあ、流星騎士団がどうかは知りませんので、あとで聞いてみてください」
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