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第二章 乱宴
16 火が…火がっ!!
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さすがに叫んだよ、うん…。
マギーのスカートに、蝋燭が落ちて…。
悪い事にお辞儀の最中だったもんだから、そのまま燃え移ってしまったのだ。
「きゃぁあああぁぁっっ!!」
状況に気付いたマギーは悲鳴を上げる。
周りにいた人たちもパニック!!
慌てて遠くに行く人。
水を探しに行く人。
逃げる人…。
様々だった。
あたりには…運の悪い事に水がない!!
酒ばっか!!
くそ…っ!!
私はパニックになるマギーを、改めて見て気づいた!!
マギーが着てるの…ウチの一押しドレス!!
なら!!
私は…急いで自分のドレスを脱ぎ捨てた。
周りの人間は…私が何をしてるのかわからず、二重にパニックだろうが…。
知るか!!
さっさと対処しないと、マギーが大やけどしちまう!!
「マギー!!マギー、聞いて!!」
私は…驚いて暴れるマギーを抱きしめつつ、声を大きくして、
「今からアナタのドレスを体から離すから!!
同時にこれを…頭から被るの!!いいわね!!」
私は…脱ぎ捨てた自分のドレスのスカート部分を、マギーの頭の上に乗せる。
マギーは…私の顔が、直ぐ近くに来たことで、少しは落ち着いたのか、黙って頷いて
くれた。
よし!!なんとかなりそう!!
「いい!!せーのっで、行くよ!!」
私は…掛け声とともに、マギーの背中のボタンをはじき、躾糸を…一気に外す。
それにより、背中だけでなく、スカートの部分もドレスが二つに割れた。
「マギー!!こっちに!!」
私が差し出した手を取るように、マギーの体が重心を前に移した瞬間…。
私はマギーを抱え込むようにし、火のついたスカートをはぎ取った。
私が頭から被せたドレスが…うまい具合に体にはまってくれたおかげで…。
衆人環視の中、殆ど肌を晒さずに済んだ…。
いや~、よかった。
マギーも明らかに、レイチェルと同じで、みんなの前でのスッパダカなんぞ…深く心に
傷を負っちまう。
「マギー!!大丈夫?火傷してない?」
私は…自分のカッコなど気にも留めず、マギーの足を見る。
とりあえず…スカートだけで済んだみたい。
「フィ、フィリー!!そ、そんなカッコで…」
私よりマギーの方が驚いている…。
まあ、無理もないかぁ…。
人前での下着姿なんざ、私は慣れっこなんだけどね…。
「こ、これ…。フィリーのドレス…。か、返す…」
脱ごうとしたから、慌てて止めた。
「いいから!!私は大丈夫!!
それより…そのまま体に巻いておいて。
ローカス卿以外に…見せるものじゃないわよ」
私は…慌てるマギーを落ち着かせるために、にかっと笑った。
「怪我はなさそうだけど、一応医療班に見せてね。
何かあったら、大変だから」
私が…優しい言葉をかけると、マギーはぽろぽろ泣き出した…。
何か喋りたいようだが、言葉にならないよう…。
さて…と。
私は…マギーを落ち着かせつつ、少々考えた。
偶然、蝋燭が落ちた?
いや…。
そうは思えない…。
だって蝋燭は…明らかに少し離れた所にある…。
あの…弦を弾くような…音…。
気になる。
私のそんな思考は…私の体…というより、下着を変に引っ張るような感覚で、打ち消された。
痴漢?
いや、あり得ないっしょ?
今の私の身分と…満員電車でもあるまい所で…。
私のそばには、泣き崩れているマギーしかいない。
私の思考時間は…それほど長くなかった。
なぜなら、私の下着は…絹が裂けるような音と共に…びりびりに破れたから。
だが私は…体に纏わりついた違和感の元を、おかげでキャッチできた。
あらゆるプレイを経験していたのも…功を奏した。
釣り糸だ、テグスだ…を使って…、下着破るの、大好きな客…いたんだよね!!
だから私は…自分の体にまだ纏わりついてくる糸が…どういう意図を持っていたか、
瞬時に見抜いて…手を首の脇に素早く入れ、首をガードした。
「ギリアム!!」
叫ぶ!!
ギリアムがその叫びと同時に動いたのは…言うまでもない。
私と少し離れていたギリアムは…目が良いからこそ、私に纏わりついていた…細い糸が
見えたようだ。
己の剣で…私に絡みついていた糸を、すぐさま切り刻んだ。
運がいい事にこの時ギリアムが帯刀していたのは…、私があげた日本刀だった。
だから…この世界の剣では、非常に切れにくい糸を使っていたのに、まるで…抵抗なく切断
された。
これには…相手が驚いただろうね…。
そして…これも予定通りだったのか…。
会場の至る所で、蝋燭が落ちた。
人のすぐ近くや、服に落ちたりもしたから…やっぱり叫びが所々から上がった。
フォルトの迅速な指示で、護衛騎士達が瞬く間に火消しに、対応してくれたし…。
参加者の中には、王立騎士団員も近衛騎士団員もいたから、その人たちは冷静に対処してくれた。
ただ…敵もそんなことはわかっていたようで、床のテーブルの…所どころに油が撒かれていた
ようで…。
火は簡単に消えてくれない。
おかげで…阿鼻叫喚だよ、全く…。
せっかく頑張って、飾りつけしたのにぃ~。
……なんて、言ってる場合じゃない!!
私は…自分の格好も忘れて、会場中を見渡す。
そして耳を澄ますと…何やらこの会場に、そぐわぬ泣き声が。
私は思わずその方向に、走り出す。
もちろん、全裸っす。
何でかって言うとさ…。
その泣き声が…。
小さい子供の物としか、思えなかったから!!
そうして私がその泣き声の発信元に行けば…。
そこは物置部屋だった。
扉がしめられたそこは…見事なくらい焦げ臭いにおいがしている。
でも…火が強く燃えている気配もない…。
私は…少し考えた。
確か…前世のお客さんの、消防士さんが言ってたこと…。
バックドラフト…。
ただ…泣き声が聞こえる以上、長考はできない。
もし本当に子供がいたら…助けを呼びに行く時間もない!!
私は…近くにあったカーテンの先を、ドアノブに結び付け、できるだけ割いて距離を取る。
そして運のいい事に、水がめと水があったから、頭からかぶる。
この物置には、鍵はかかってない。
思い切り開けば…やはり中から一気に火柱が…。
遠くから見ているだけでも熱いんだから、これを近くで浴びたらと思うと、ゾッとする。
でも…泣き声はやまない。
私が飛び込めば…。
中はやっぱり、結構燃えた後が。
泣き声は…消し炭になった棚の、下の方から聞こえてくる。
でも…床しかない。
まさか…。
私が床をどんどん叩くと…僅かな軋みが。でっぱりを見つけ、一気に開ければ…。
結構な地下収納庫の中には、やっぱり子供が!!
どこの子や?
いや、そんな事はどうでもいい!!
私は…とにかくその場を離れ、救護班の所に向かう。
全裸のまま、子供を抱いて現れた私に、おっちゃんが…。
「おいおい、嬢ちゃん、なんてカッコだよ」
慌てて、シーツをくれた…。
「大丈夫だよ!!それよりこの子…。鞄の中に、閉じ込められていたの!!」
私はシーツを気にも留めず、私の胸の中で泣いている子を、差し出した。
…おっちゃんがかなり真剣な目をして、診てくれた。
「貴族の子かな?今日は…子供は不参加で通達してるんだけど…」
「いや…断定はできないが、栄養状態がかなり悪い…。
どっちかって言えば、スラムの子じゃねぇか?」
それを聞いて…私は何とも嫌な感覚が、背中を伝った…。
蛇とナメクジと芋虫が…同時に背中をはいずっているような…。
貴族は…会場に何かあった時のため、着替えを持ってこない方が、少ない。
ただ…荷物はチェックしていた。
一体どこから…。
……フォルトが見落とした?
ううん。
それより確実に…考えられることが……ある!!
ギリアムと同レベルで…いや、場合に寄っちゃ、ギリアム以上に、この…ファルメニウス公爵家を
知り尽くしている人間がいる。
あらゆる構造を…恐らく…頭の中に入れている人間が…いる!!
何よりこんなひどい事、計画できるのは…奴しかいない!!
ジョノァドだ!!!!
マギーのスカートに、蝋燭が落ちて…。
悪い事にお辞儀の最中だったもんだから、そのまま燃え移ってしまったのだ。
「きゃぁあああぁぁっっ!!」
状況に気付いたマギーは悲鳴を上げる。
周りにいた人たちもパニック!!
慌てて遠くに行く人。
水を探しに行く人。
逃げる人…。
様々だった。
あたりには…運の悪い事に水がない!!
酒ばっか!!
くそ…っ!!
私はパニックになるマギーを、改めて見て気づいた!!
マギーが着てるの…ウチの一押しドレス!!
なら!!
私は…急いで自分のドレスを脱ぎ捨てた。
周りの人間は…私が何をしてるのかわからず、二重にパニックだろうが…。
知るか!!
さっさと対処しないと、マギーが大やけどしちまう!!
「マギー!!マギー、聞いて!!」
私は…驚いて暴れるマギーを抱きしめつつ、声を大きくして、
「今からアナタのドレスを体から離すから!!
同時にこれを…頭から被るの!!いいわね!!」
私は…脱ぎ捨てた自分のドレスのスカート部分を、マギーの頭の上に乗せる。
マギーは…私の顔が、直ぐ近くに来たことで、少しは落ち着いたのか、黙って頷いて
くれた。
よし!!なんとかなりそう!!
「いい!!せーのっで、行くよ!!」
私は…掛け声とともに、マギーの背中のボタンをはじき、躾糸を…一気に外す。
それにより、背中だけでなく、スカートの部分もドレスが二つに割れた。
「マギー!!こっちに!!」
私が差し出した手を取るように、マギーの体が重心を前に移した瞬間…。
私はマギーを抱え込むようにし、火のついたスカートをはぎ取った。
私が頭から被せたドレスが…うまい具合に体にはまってくれたおかげで…。
衆人環視の中、殆ど肌を晒さずに済んだ…。
いや~、よかった。
マギーも明らかに、レイチェルと同じで、みんなの前でのスッパダカなんぞ…深く心に
傷を負っちまう。
「マギー!!大丈夫?火傷してない?」
私は…自分のカッコなど気にも留めず、マギーの足を見る。
とりあえず…スカートだけで済んだみたい。
「フィ、フィリー!!そ、そんなカッコで…」
私よりマギーの方が驚いている…。
まあ、無理もないかぁ…。
人前での下着姿なんざ、私は慣れっこなんだけどね…。
「こ、これ…。フィリーのドレス…。か、返す…」
脱ごうとしたから、慌てて止めた。
「いいから!!私は大丈夫!!
それより…そのまま体に巻いておいて。
ローカス卿以外に…見せるものじゃないわよ」
私は…慌てるマギーを落ち着かせるために、にかっと笑った。
「怪我はなさそうだけど、一応医療班に見せてね。
何かあったら、大変だから」
私が…優しい言葉をかけると、マギーはぽろぽろ泣き出した…。
何か喋りたいようだが、言葉にならないよう…。
さて…と。
私は…マギーを落ち着かせつつ、少々考えた。
偶然、蝋燭が落ちた?
いや…。
そうは思えない…。
だって蝋燭は…明らかに少し離れた所にある…。
あの…弦を弾くような…音…。
気になる。
私のそんな思考は…私の体…というより、下着を変に引っ張るような感覚で、打ち消された。
痴漢?
いや、あり得ないっしょ?
今の私の身分と…満員電車でもあるまい所で…。
私のそばには、泣き崩れているマギーしかいない。
私の思考時間は…それほど長くなかった。
なぜなら、私の下着は…絹が裂けるような音と共に…びりびりに破れたから。
だが私は…体に纏わりついた違和感の元を、おかげでキャッチできた。
あらゆるプレイを経験していたのも…功を奏した。
釣り糸だ、テグスだ…を使って…、下着破るの、大好きな客…いたんだよね!!
だから私は…自分の体にまだ纏わりついてくる糸が…どういう意図を持っていたか、
瞬時に見抜いて…手を首の脇に素早く入れ、首をガードした。
「ギリアム!!」
叫ぶ!!
ギリアムがその叫びと同時に動いたのは…言うまでもない。
私と少し離れていたギリアムは…目が良いからこそ、私に纏わりついていた…細い糸が
見えたようだ。
己の剣で…私に絡みついていた糸を、すぐさま切り刻んだ。
運がいい事にこの時ギリアムが帯刀していたのは…、私があげた日本刀だった。
だから…この世界の剣では、非常に切れにくい糸を使っていたのに、まるで…抵抗なく切断
された。
これには…相手が驚いただろうね…。
そして…これも予定通りだったのか…。
会場の至る所で、蝋燭が落ちた。
人のすぐ近くや、服に落ちたりもしたから…やっぱり叫びが所々から上がった。
フォルトの迅速な指示で、護衛騎士達が瞬く間に火消しに、対応してくれたし…。
参加者の中には、王立騎士団員も近衛騎士団員もいたから、その人たちは冷静に対処してくれた。
ただ…敵もそんなことはわかっていたようで、床のテーブルの…所どころに油が撒かれていた
ようで…。
火は簡単に消えてくれない。
おかげで…阿鼻叫喚だよ、全く…。
せっかく頑張って、飾りつけしたのにぃ~。
……なんて、言ってる場合じゃない!!
私は…自分の格好も忘れて、会場中を見渡す。
そして耳を澄ますと…何やらこの会場に、そぐわぬ泣き声が。
私は思わずその方向に、走り出す。
もちろん、全裸っす。
何でかって言うとさ…。
その泣き声が…。
小さい子供の物としか、思えなかったから!!
そうして私がその泣き声の発信元に行けば…。
そこは物置部屋だった。
扉がしめられたそこは…見事なくらい焦げ臭いにおいがしている。
でも…火が強く燃えている気配もない…。
私は…少し考えた。
確か…前世のお客さんの、消防士さんが言ってたこと…。
バックドラフト…。
ただ…泣き声が聞こえる以上、長考はできない。
もし本当に子供がいたら…助けを呼びに行く時間もない!!
私は…近くにあったカーテンの先を、ドアノブに結び付け、できるだけ割いて距離を取る。
そして運のいい事に、水がめと水があったから、頭からかぶる。
この物置には、鍵はかかってない。
思い切り開けば…やはり中から一気に火柱が…。
遠くから見ているだけでも熱いんだから、これを近くで浴びたらと思うと、ゾッとする。
でも…泣き声はやまない。
私が飛び込めば…。
中はやっぱり、結構燃えた後が。
泣き声は…消し炭になった棚の、下の方から聞こえてくる。
でも…床しかない。
まさか…。
私が床をどんどん叩くと…僅かな軋みが。でっぱりを見つけ、一気に開ければ…。
結構な地下収納庫の中には、やっぱり子供が!!
どこの子や?
いや、そんな事はどうでもいい!!
私は…とにかくその場を離れ、救護班の所に向かう。
全裸のまま、子供を抱いて現れた私に、おっちゃんが…。
「おいおい、嬢ちゃん、なんてカッコだよ」
慌てて、シーツをくれた…。
「大丈夫だよ!!それよりこの子…。鞄の中に、閉じ込められていたの!!」
私はシーツを気にも留めず、私の胸の中で泣いている子を、差し出した。
…おっちゃんがかなり真剣な目をして、診てくれた。
「貴族の子かな?今日は…子供は不参加で通達してるんだけど…」
「いや…断定はできないが、栄養状態がかなり悪い…。
どっちかって言えば、スラムの子じゃねぇか?」
それを聞いて…私は何とも嫌な感覚が、背中を伝った…。
蛇とナメクジと芋虫が…同時に背中をはいずっているような…。
貴族は…会場に何かあった時のため、着替えを持ってこない方が、少ない。
ただ…荷物はチェックしていた。
一体どこから…。
……フォルトが見落とした?
ううん。
それより確実に…考えられることが……ある!!
ギリアムと同レベルで…いや、場合に寄っちゃ、ギリアム以上に、この…ファルメニウス公爵家を
知り尽くしている人間がいる。
あらゆる構造を…恐らく…頭の中に入れている人間が…いる!!
何よりこんなひどい事、計画できるのは…奴しかいない!!
ジョノァドだ!!!!
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