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第四章 裁判
6 トップバッターは
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フィリー軍団の証言のトップバッターは…スペードだ。
スペードは…これだけの衆人環視の元だから、仮面をつけていた。
「では…まず、仮面をとってください」
想定の範囲内だ…と、言わんばかりに、静かに仮面をとるスペード…。
その顔が露になると…当然のごとくざわめきが起こる。
まあ私だって、最初に見た時びっくりしなかったか…って、言われたら、それはノーだからね。
「これはこれは…大変な目に遭って来たのですね…。お察しします…。それでは…」
マガルタの短い言葉は…こちらを貶めるための悪意に満ちていたこと、
「ちょっと待ってくださいよ」
スペードが見抜けないワケ、なかった。
「マガルタ弁護士の言い方では…ファルメニウス公爵家が、私の顔をこのようにしたと、誤解する
人間が出てしまいます。
私の顔は…もう子供の時から、すでにこうだったと、公言させていただきます」
スペードは…頭の回転が速くて、優秀なんだよ…馬鹿だね。
「……わかりました」
下賤な人間に思惑を見透かされた…その恨みが籠っていたことを、声色から察したのが、何人いる
のだろう…。
「では…出自についてお尋ねしたい。
特にその顔の傷…子供のころからとお聞きしたが、一体どういう経緯でついたのですか?」
「異議あり!!それは…私兵の実情とは関係ありません!!」
バートンが挙手し、唱える。
「いいえ!!外見的容姿は、とかく嘲りの元になります!!
例え些細な事であったとしても、証人を傷付ける元になるのです!!
聞いておく必要があります!!」
マガルタの言に、裁判長は…。
「異議は取り下げます」
ハッキリさせる…という意味では、いいと思ったようだ。
「では…お願いします」
マガルタの口元が…少しほころんでるな…。
「まず…この顔の傷については、いつついたモノか…ハッキリとは覚えていません。
そのぐらい幼かったんです」
スペードは…かなり淡々と答えている。
「誰かそれを、立証してくれる人は?」
「仲間たちもそうですし…育ててくれた人や、他にも…因縁のあった連中は、だいたい私の
顔を知っていますが?」
淡々と…でも、少し投げやり気味に言う。
「つまりアナタは…」
マガルタはワザと、ここで言葉を止める。
「いくらでも嘘がつける、立場にあるわけですね」
「異議あり!!傷の状態は、医者が見ればわかります!!」
バートンが鋭く反応した。
「医者とて相手がファルメニウス公爵家では、おいそれと本当の事は言えますまい!!
実際に、先代ファルメニウス公爵閣下の時代…口を噤まされた人間は、星の数ほどいる!!
それは紛れもない事実でしょう!!」
マガルタも反撃する。
「さらに言えば…古傷の上から、新しい傷を作れば…それは容易にわからない!!」
なるほどね…。言っている事は正しいな、確かに…。
外野が…だいぶざわめいている。
「異議を却下します…」
裁判長もスッゴイ悩んだみたいだけど…ね。
マガルタはニヤリと笑い、
「でしたら…例えその傷の上から、新たな傷を作られてもわかりずらい」
「異議あり!!それこそ医者に判断させるべきことです!!」
「異議を認めます」
裁判長も憶測だけで、言うのは…だろう。
「質問は以上です…。証人を下げてください」
マガルタはここで止めたかったのだろうが、
「最後に言わせていただきたい」
抑揚のない、淡々とした言葉…。
スペードは…こんな場でなければ、真っ向から否定するか、怒りだしたかった。
しかし、冷たい目を向ける数多のクライアントと対峙して生きた彼にとって、身分持ちに…
感情を露にすることは、死を意味した。
だからこそ…己の感情を押し殺すことには、慣れすぎるくらい慣れているのだ。
スペードは一瞬だけ目をつむり、開く。
「私は…この顔のせいで、身分持ちだけじゃなく、同じような身分の人間にまで…蔑まれて
生きてきました。
そんな私を…最高位の身分を持つ、ご当主様と奥様は…自分たちと同じ人間だと言ってくださった。
そして…同じ器から同じものを食べ、同じ目線で話し、肩を並べる。
まして、一度も汚いモノを見るような目を向けない。
その全てが…私にとっての真実なんです」
スペードはこの時初めて…無表情な顔に笑みを張りつけ、
「だから…この先何があっても…私はファルメニウス公爵家の…ご当主様と奥様の家臣です。
それ以外の生きる道を、模索するつもりはもう、ありません」
おや、マガルタの顔が、強張ったね。
「そ、それで本当に良いのですか?
そもそも…人は嘘をつきます。アナタは…紛れもなく優秀だからこそ、取り込むために嘘を
並べていると思わないのですか?」
証人質問終わったのに、口出してきたよ。
するとスペードは…本当に朗らかに笑い、
「私は…ご当主様と奥様に仕えることが出来て、本当に幸せです。
生きてきてこのかた、こんな幸せな気分にさせてくれたのは、ご当主様と奥様だけです。
だから…嘘や真実を論じること自体、私には無意味です」
マガルタの顔が、さらにひきつった…。
「だったら…嘘をつかれても構わないと」
「ええ。構いません。だって…」
「一生分の幸せを、もうすでに与えてもらいましたから。
その代価として、嘘をつかれるなら…いくらでもついてもらって、構いませんよ」
スペードの笑顔は…それを見ているだけで、幸せのおすそ分けが貰えるような…そんな空気に
包まれていた。
ざわつきが絶えなかった外野が…この時だけは静かになった。
マガルタは…随分と顔色が悪いな…。
私はそれを見て、ほくそ笑んだ。
こりゃあ…。
シルスのヤツ、想像以上にうまくやったみたいだ…。
ここで…証人はクローバに代わった。
「アナタの体は、だいぶ傷が多いようですね…」
マガルタのその言葉に、
「そりゃあもう。
物心ついたころには、すでにアル中になっていた親に、散々ぶん殴られましたからね。
その後だって、戦いに明け暮れてれば、傷だらけにもなりますよ」
いけしゃあしゃあと答える。
「ファルメニウス公爵家とて、戦いが絶えないのでは?
体に傷があれば、不当な暴力を振るっても、なかなかバレにくいですからね」
これは…暗に虐待を受けていないか…という事なのだが、
「いや~、抜き打ち比武なんて、オレの生活そのものだったから、別に一生これでも構わないと
思ってますよ。
逆に…他では怪我をしても、治療なんてしてもらえなかった。
でもファルメニウス公爵家じゃあ、医療施設に行けば、分け隔てなく診てくれて、しっかりと
治療してもらえるから、めっちゃありがたいですよぉ~」
本気…だな、うん。
スペードみたいに、計算して言うのは…クローバには無理だし。
まあ…だからこそ、スペードとはまた別の意味で、破壊力があるのだが…。
その証拠に…マガルタがちと引いてるし…。
「複数で…アナタ一人を狙う事も…」
「???
そんなのガキのころから、そうでしたけど?
だいたい、強い奴に複数でかかるのなんて、みんなやっているでしょう?
戦略としちゃ、普通にあるし。
今更複数で狙われるのなんか、屁とも思いませんよ。
逆に全部吹き飛ばしてますし、吹き飛ばせなきゃ、オレが弱いって事でしょ?
修行すればいいだけですよ。
逆に何が言いたいんです?
オレ、スペードと違って頭悪いから、あんまり回りくどいとわかりません」
……最底辺でしごかれて来た人間に、一対多が卑怯…という概念自体が、無いんだよ…うん。
クローバは…眉毛へこませて、本当にわからんって空気を、出しまくっている。
当のクローバはといえば、固まったマガルタを気にせずに、
「あ、そうそう。ファルメニウス公爵家の食堂って、とにかく飯がウマいんですよ!!
他の使用人と差別もしないから、ちゃんと同じもの、あったかい状態で出してくれるし!!
あ、この前食ったビーフシチュー美味しかったな~。
ちょっと小腹がすいた時用に、試供品のジャーキーの切れ端とか、置いておいてくれて、
好きな時にとっていっていいから、助かるし!!
あとは、医療施設で病人食もうまい!!
おまけにお替り自由って書いてあって、10回お替りしても、叱られもせずだったから、
助かった~。
体が回復する際中って、寝てても腹減るからさぁ~」
にっこにこしながら、言ってるよ。
聞かれてもいない事…スッゴイ喋りまくって、マガルタを余計引かせている。
クローバは全く狙ってやっているワケではなかろうが…、結果オーライってことで。
「それと、奥様が支給してくださった武器、本当に凄いんですよ!!
ファルメニウス公爵家が、技術の粋を結集して作っただけあって、性能超良い。
おかげで仕事がやり易くて~。
あと宿泊施設もすごく設備が良くて!!めっちゃ快適ですよ~。
それとあと…」
「証人は、聞かれたことだけ答えてください!!」
おやまぁ。マガルタが声を荒げているよ。
クローバだからこそ、できたことだな…うん。
「先ほどスペード卿にもお話しましたが…それが嘘でない保証が、どこにあるのです?
アナタが騙されていない保証が…」
するとクローバは…首を真横に捻りつつ、
「それ、考えなきゃダメですか?」
「は?」
マガルタが…さすがに一瞬あほ面になった。
「いや…さっきも言った通り、オレ頭悪いんで。
下手な考え、休むに似たり…って、言うじゃないですか。
オレが頭で考えたって、どうせ分かりっこないですよ、そんな事…。
だったら寝てた方が、よっぽどいいです」
「で、では…騙されてもいいと?」
かなり…プルプルしてる。
「そもそもオレ、よく騙されるんですよね~。
それで拉致されて、仲間に迷惑かけて~。
でも、皆結局助けてくれるから、すごーくありがたいで!!
あ、この前なんて、奥様が自ら助けに来て下さったんですよ!!」
満面の笑みで言うものだから…マガルタは色々諦めたようで、
「質問は以上です…。次の方と変わってください…」
何とか…本当に何とか、ポーカーフェイスを維持している感じだ。
バートンの出番が…見事になかった。
お次は…色々物議を醸しだしそうな、ハートの番だ。
スペードは…これだけの衆人環視の元だから、仮面をつけていた。
「では…まず、仮面をとってください」
想定の範囲内だ…と、言わんばかりに、静かに仮面をとるスペード…。
その顔が露になると…当然のごとくざわめきが起こる。
まあ私だって、最初に見た時びっくりしなかったか…って、言われたら、それはノーだからね。
「これはこれは…大変な目に遭って来たのですね…。お察しします…。それでは…」
マガルタの短い言葉は…こちらを貶めるための悪意に満ちていたこと、
「ちょっと待ってくださいよ」
スペードが見抜けないワケ、なかった。
「マガルタ弁護士の言い方では…ファルメニウス公爵家が、私の顔をこのようにしたと、誤解する
人間が出てしまいます。
私の顔は…もう子供の時から、すでにこうだったと、公言させていただきます」
スペードは…頭の回転が速くて、優秀なんだよ…馬鹿だね。
「……わかりました」
下賤な人間に思惑を見透かされた…その恨みが籠っていたことを、声色から察したのが、何人いる
のだろう…。
「では…出自についてお尋ねしたい。
特にその顔の傷…子供のころからとお聞きしたが、一体どういう経緯でついたのですか?」
「異議あり!!それは…私兵の実情とは関係ありません!!」
バートンが挙手し、唱える。
「いいえ!!外見的容姿は、とかく嘲りの元になります!!
例え些細な事であったとしても、証人を傷付ける元になるのです!!
聞いておく必要があります!!」
マガルタの言に、裁判長は…。
「異議は取り下げます」
ハッキリさせる…という意味では、いいと思ったようだ。
「では…お願いします」
マガルタの口元が…少しほころんでるな…。
「まず…この顔の傷については、いつついたモノか…ハッキリとは覚えていません。
そのぐらい幼かったんです」
スペードは…かなり淡々と答えている。
「誰かそれを、立証してくれる人は?」
「仲間たちもそうですし…育ててくれた人や、他にも…因縁のあった連中は、だいたい私の
顔を知っていますが?」
淡々と…でも、少し投げやり気味に言う。
「つまりアナタは…」
マガルタはワザと、ここで言葉を止める。
「いくらでも嘘がつける、立場にあるわけですね」
「異議あり!!傷の状態は、医者が見ればわかります!!」
バートンが鋭く反応した。
「医者とて相手がファルメニウス公爵家では、おいそれと本当の事は言えますまい!!
実際に、先代ファルメニウス公爵閣下の時代…口を噤まされた人間は、星の数ほどいる!!
それは紛れもない事実でしょう!!」
マガルタも反撃する。
「さらに言えば…古傷の上から、新しい傷を作れば…それは容易にわからない!!」
なるほどね…。言っている事は正しいな、確かに…。
外野が…だいぶざわめいている。
「異議を却下します…」
裁判長もスッゴイ悩んだみたいだけど…ね。
マガルタはニヤリと笑い、
「でしたら…例えその傷の上から、新たな傷を作られてもわかりずらい」
「異議あり!!それこそ医者に判断させるべきことです!!」
「異議を認めます」
裁判長も憶測だけで、言うのは…だろう。
「質問は以上です…。証人を下げてください」
マガルタはここで止めたかったのだろうが、
「最後に言わせていただきたい」
抑揚のない、淡々とした言葉…。
スペードは…こんな場でなければ、真っ向から否定するか、怒りだしたかった。
しかし、冷たい目を向ける数多のクライアントと対峙して生きた彼にとって、身分持ちに…
感情を露にすることは、死を意味した。
だからこそ…己の感情を押し殺すことには、慣れすぎるくらい慣れているのだ。
スペードは一瞬だけ目をつむり、開く。
「私は…この顔のせいで、身分持ちだけじゃなく、同じような身分の人間にまで…蔑まれて
生きてきました。
そんな私を…最高位の身分を持つ、ご当主様と奥様は…自分たちと同じ人間だと言ってくださった。
そして…同じ器から同じものを食べ、同じ目線で話し、肩を並べる。
まして、一度も汚いモノを見るような目を向けない。
その全てが…私にとっての真実なんです」
スペードはこの時初めて…無表情な顔に笑みを張りつけ、
「だから…この先何があっても…私はファルメニウス公爵家の…ご当主様と奥様の家臣です。
それ以外の生きる道を、模索するつもりはもう、ありません」
おや、マガルタの顔が、強張ったね。
「そ、それで本当に良いのですか?
そもそも…人は嘘をつきます。アナタは…紛れもなく優秀だからこそ、取り込むために嘘を
並べていると思わないのですか?」
証人質問終わったのに、口出してきたよ。
するとスペードは…本当に朗らかに笑い、
「私は…ご当主様と奥様に仕えることが出来て、本当に幸せです。
生きてきてこのかた、こんな幸せな気分にさせてくれたのは、ご当主様と奥様だけです。
だから…嘘や真実を論じること自体、私には無意味です」
マガルタの顔が、さらにひきつった…。
「だったら…嘘をつかれても構わないと」
「ええ。構いません。だって…」
「一生分の幸せを、もうすでに与えてもらいましたから。
その代価として、嘘をつかれるなら…いくらでもついてもらって、構いませんよ」
スペードの笑顔は…それを見ているだけで、幸せのおすそ分けが貰えるような…そんな空気に
包まれていた。
ざわつきが絶えなかった外野が…この時だけは静かになった。
マガルタは…随分と顔色が悪いな…。
私はそれを見て、ほくそ笑んだ。
こりゃあ…。
シルスのヤツ、想像以上にうまくやったみたいだ…。
ここで…証人はクローバに代わった。
「アナタの体は、だいぶ傷が多いようですね…」
マガルタのその言葉に、
「そりゃあもう。
物心ついたころには、すでにアル中になっていた親に、散々ぶん殴られましたからね。
その後だって、戦いに明け暮れてれば、傷だらけにもなりますよ」
いけしゃあしゃあと答える。
「ファルメニウス公爵家とて、戦いが絶えないのでは?
体に傷があれば、不当な暴力を振るっても、なかなかバレにくいですからね」
これは…暗に虐待を受けていないか…という事なのだが、
「いや~、抜き打ち比武なんて、オレの生活そのものだったから、別に一生これでも構わないと
思ってますよ。
逆に…他では怪我をしても、治療なんてしてもらえなかった。
でもファルメニウス公爵家じゃあ、医療施設に行けば、分け隔てなく診てくれて、しっかりと
治療してもらえるから、めっちゃありがたいですよぉ~」
本気…だな、うん。
スペードみたいに、計算して言うのは…クローバには無理だし。
まあ…だからこそ、スペードとはまた別の意味で、破壊力があるのだが…。
その証拠に…マガルタがちと引いてるし…。
「複数で…アナタ一人を狙う事も…」
「???
そんなのガキのころから、そうでしたけど?
だいたい、強い奴に複数でかかるのなんて、みんなやっているでしょう?
戦略としちゃ、普通にあるし。
今更複数で狙われるのなんか、屁とも思いませんよ。
逆に全部吹き飛ばしてますし、吹き飛ばせなきゃ、オレが弱いって事でしょ?
修行すればいいだけですよ。
逆に何が言いたいんです?
オレ、スペードと違って頭悪いから、あんまり回りくどいとわかりません」
……最底辺でしごかれて来た人間に、一対多が卑怯…という概念自体が、無いんだよ…うん。
クローバは…眉毛へこませて、本当にわからんって空気を、出しまくっている。
当のクローバはといえば、固まったマガルタを気にせずに、
「あ、そうそう。ファルメニウス公爵家の食堂って、とにかく飯がウマいんですよ!!
他の使用人と差別もしないから、ちゃんと同じもの、あったかい状態で出してくれるし!!
あ、この前食ったビーフシチュー美味しかったな~。
ちょっと小腹がすいた時用に、試供品のジャーキーの切れ端とか、置いておいてくれて、
好きな時にとっていっていいから、助かるし!!
あとは、医療施設で病人食もうまい!!
おまけにお替り自由って書いてあって、10回お替りしても、叱られもせずだったから、
助かった~。
体が回復する際中って、寝てても腹減るからさぁ~」
にっこにこしながら、言ってるよ。
聞かれてもいない事…スッゴイ喋りまくって、マガルタを余計引かせている。
クローバは全く狙ってやっているワケではなかろうが…、結果オーライってことで。
「それと、奥様が支給してくださった武器、本当に凄いんですよ!!
ファルメニウス公爵家が、技術の粋を結集して作っただけあって、性能超良い。
おかげで仕事がやり易くて~。
あと宿泊施設もすごく設備が良くて!!めっちゃ快適ですよ~。
それとあと…」
「証人は、聞かれたことだけ答えてください!!」
おやまぁ。マガルタが声を荒げているよ。
クローバだからこそ、できたことだな…うん。
「先ほどスペード卿にもお話しましたが…それが嘘でない保証が、どこにあるのです?
アナタが騙されていない保証が…」
するとクローバは…首を真横に捻りつつ、
「それ、考えなきゃダメですか?」
「は?」
マガルタが…さすがに一瞬あほ面になった。
「いや…さっきも言った通り、オレ頭悪いんで。
下手な考え、休むに似たり…って、言うじゃないですか。
オレが頭で考えたって、どうせ分かりっこないですよ、そんな事…。
だったら寝てた方が、よっぽどいいです」
「で、では…騙されてもいいと?」
かなり…プルプルしてる。
「そもそもオレ、よく騙されるんですよね~。
それで拉致されて、仲間に迷惑かけて~。
でも、皆結局助けてくれるから、すごーくありがたいで!!
あ、この前なんて、奥様が自ら助けに来て下さったんですよ!!」
満面の笑みで言うものだから…マガルタは色々諦めたようで、
「質問は以上です…。次の方と変わってください…」
何とか…本当に何とか、ポーカーフェイスを維持している感じだ。
バートンの出番が…見事になかった。
お次は…色々物議を醸しだしそうな、ハートの番だ。
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