ひとまず一回ヤりましょう、公爵様

木野 キノ子

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第7章 決意

3 ヘドネの生きる理由は!!

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くだんの紫色のブローチが超価値ありだってことなんだが…。
でもそれって、おかしくないか?

「って、ゆーか…。
家宝なのに、持ち歩いていたんですか?」

あんなぼろぼろの状態で?

「ああ、それは…。
父母に対する、一種の反抗と…私自身の諦め…ですかね。
私の為に、そのブローチをつけてくれる人など、この世に
誰一人として存在しない…そう思っていましたから。
私とともに、消えてしまえばいいと思って…。
黙って持ち出すことは、簡単にできましたから」

……あかん。
なんか目じりが熱くなってきた…。

「わかりました。
では建国記念パーティーでは、必ず二人でつけましょう」

「本当ですか!!
ありがとうございます!!」

なんかやけに喜んどるな?
そしてフォルトさんとエマさんが、なんか微妙な顔しとる。
はて…?

「あ~ちなみに、どのぐらいの値打ちなんですかねぇ」

と、軽く聞けば

「そうですね…明確に図ることは難しいですが…。
2対ペアであれば、今いるこの邸宅が敷地ごと買えますね、
おそらく…」

へぇ…。

じゃあ…。

このブローチを魚釣りの重しにちょーどいーやって
じゃぶじゃぶ泥水に沈めてたことは…墓の中まで持って
いこう…うん…いや…ちょうどよかったの…ホント…
形といい…重さといい…うん…。


さてさて…。

それからは本当に目まぐるしかった。
私は急ピッチで礼儀作法と社交ダンスの訓練…。
すべてエマさんが、やってくれた。
あ、エマさんはこの王国で3人しかいない、最上級マナー講師
の資格持ちだそうな…スゲ――――!!

そして肝心の舞台衣装…もといドレスはというと。
私の正体がバレないよう、何代も前から公爵家御用達の
ドレスショップに屋敷に来てもらって、採寸や生地、デザイン
などを決めた。

「私とフィリーの衣装をお揃いの生地で…ですか?」

「はい!!お嫌ですか?」

仲良く見せるなら、やっぱペアルックでしょ!

「むしろうれしいです!」

ギリアムも乗り気、よかった。

「紫にするのですか?」

「ええ…ブローチに合わせたいのです」

「なるほど」

それに紫は古来より高貴な色とされてきた。
それはこの世界でも変わらないらしく、紫が入るほど値段が高い。

「二人で同じ色の衣装を着て、家宝のブローチをつけて…
何だかとっても嬉しいです」

最初は私にすべてお任せ…みたいなことを言っていたギリアムだが
私の提案を聞くたび、目を輝かせて、前のめりになる。
最後はとってもご満悦そうだった。

いやー三週間怒涛だった。
やることが後から後から出てきて…ホント。
怒涛だったー。

なにより一番大変だったのは…。

私に負担がかからないようにって、エッチを制限しようとする
ギリアムをあの手この手で誘うのが一番疲れたっつの!

こーゆー時は、前世の様々な手練手管が本当に役に立つ。
うん。

…あのねぇ、再三ゆうけどさぁ。
私の生きる目的は、エッチなの!
それさえ与えてくれれば、大抵のことは頑張れるんだってばさー!
……と、大声で言えないのはしんどいわ。

んで。
明日はフォルトさんが変更願を出しに行く日。

「明日…正確には明後日か…から大変になりますね。
ご苦労様です」

などというと、

「そう思うなら…私のお願いを聞いていただけますか?」

と、ギリアムから。
おりょ、めずらしい。

「なんですか?」

「建国記念パーティーの直前に言います…」

「?はい、わかりました」

なんやろ?
気になるが、まあおいとこ。
そして恒例のにゃんにゃんしてから、ギリアムは眠りについた。
そんなギリアムを横目で見ながら、私は思う。

うん、まあ…。
ほんとーにめんどくさい男を捕まえちゃったなぁ…うん。

けどさぁ…けどさ!!
私の性欲を一人で満たせる男なんて!!
前世じゃいなかったし、今世だって、今後出会えるかわからん!!
その状態でだよ!
避妊しなくてオッケー!!

ギリアムの身持ちの堅さなら、外からビョーキ持ち込む可能性
ほぼゼロやし。
容姿はめちゃ好み、性格良し、金の心配もなし…なんて優良物件
…手放せるかっての!!
私は快適なエッチ生活のためなら、火の中水の中ー!!って人間
なんだからさー、うん。

エッチこそ、私の生きる意味、目的、すべて!!

…ホントしょーもねーな、私…。

ま、しょーもないついでにもう一つ。
薬を使うってのは…前世でもそれなりに見聞きした。
正直私もヤバかったことが何度もある。
私は未遂ですんだけど、ガチでヒドイ目にあった子もいた。
どうしたって私らみたいな仕事してたら、そういう危険ははらむ。
自己責任。
私はヤバい目にあってもやめなかったし。
…………………………………。
けどさぁ…。

ヤバい目にあいそうになったり、ヤバい目にあった子を見て……
何とも思わないワケじゃねーよ!!
生まれ変わった今でも、そーいう連中を許せねぇし、許さねぇ!!

ギリアムはいい人だ…。
問題が全くないわけじゃないけどイイ人だ…。

薬使ってヒドイ手使ってでも欲しくなって当然の人だ。

私は今までもこれからも、自分の快楽をまず第一に考えて生きて
きたし、生きる。

これは私が私である限り、変わらない唯一不変のもの。

だから己の快楽のために、ギリアムに酷いことしようとしたオマエら
を、攻める資格なんてない。
本当に…心の底からそう思う。

……………でもだからこそ!!!

私が私の快楽のために、お前らを潰しても……文句を言うなよ、
絶対に!!

私は私の快楽のために、ギリアムが必要だからねぇ…。

……だから覚悟しろ!!

私は己の快楽のために、躊躇なくオマエらを潰せる自信がある。

だってさっきも言ったように…、オマエらみたいなことやるやつぁ
反吐が出るほど大嫌いだからな。

このヘドネの男に手を出したこと…。

たっぷりと後悔させてやるよ!!
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