37 / 44
第4章 交流
2 交流会スタート
しおりを挟む
交流会の会場は…その時々によって違った…。
ギリアム父の時は…王立騎士団の詰所…。
そのほか…庭園だったり、ファルメニウス公爵家だったり…様々だ。
ただ…基本は王立騎士団はもとより、近衛騎士団が大々的に王都を離れることはできない
から、王都内でやるのが慣例化している。
私が使ったのは…フィリアム商会の施設の…ひろーいグラウンドがある場所。
色々実験するためには…土地が必要だからね。
そこを会場とした。
グラウンドのそこかしこに…大きな建造物とそれを覆う布が、真新しくかかっている。
王立騎士団はすでに、朝早くからその場で待機し、近衛騎士団は…王族も集結するため、
その護衛も兼ねてやってくる。
ああ、念のため言うけど、警備とか王都の治安維持のための、最低限度の人員は残して
来ているよ。
それでも…いつもより結構な人数が集まるんだけどね。
「国王陛下の―――――――――っ!!おなりぃぃ―――――――――っ!!」
入り口にいた警備担当の、拡声器要らずの声が響く。
「ついに…始まりますね、ギリアム…」
「ええ…準備は万端です。
フィリー…、まずは私の好きなように、させてもらいますよ」
「もちろんです。
ただ…何かあれば、私も出ますから…」
私たちは…そんな会話をしつつ、国王陛下をお迎えする。
「国王陛下…この度は、私の結婚催事である、交流会にご出席くださり、誠にありがとう
御座います…。
趣向を凝らしましたので、最後までごゆるりとお楽しみいただきたく、存じ上げます」
私は…口上を述べるギリアムの斜め後ろで頭を垂れていただけだが…。
それでもビシビシ伝わってくる敵意が、見なくてもよくわかったよ。
バカ王女はもちろん、王后陛下も…だろうな。
まあ、しょうがない。
娘贔屓はもちろんだが、娘とギリアムが婚姻すれば、実家の国でも自慢できるだろう
からなぁ…。
いや、結婚は確実だ…みたいなこと、もうすでに吹聴しまくっちまったのかもな…。
ということは、とんだ恥さらしになってるわけだ…。
………心の底から同情できん!!
国王陛下は…今の所ポーカーフェイスが崩れてないから、何とも言えないな…。
「うむ…両名とも顔を上げよ…」
私たちは…顔を上げる。
「遅くなってしまったが、結婚おめでとう、ギリアム公爵よ。
今日は…楽しませてもらう事にする」
本当だったら、もっと色々言いたいのだろうが、狩猟大会のごたごたがあるから、
強くも言えないのだろう…。
犯人まだ、見つかってないしね…結局…。
………………………。
ってか、見つかるとマズくないか?
ケイルクスは全身筋肉痛がまだ治っていないようで、無理な笑顔を作りつつ、言葉はない。
「しかし…オルフィリア公爵夫人よ…」
国王陛下が私の方を向く…。
ほんの半年前まで…考えられなかったなぁ…。
こんな風に言葉を交わせるように、なるとはね…。
去年の今頃私は…冬に備えてもう一稼ぎ…なんて言って、牛乳配達と新聞配達に勤しんで
いたぜ?
「何でございましょう?」
まあ…なっちまったもんは、しゃーない。
「此度の交流会…計画書を読ませてもらったが…随分とギリアム公爵の主義からは、
外れるものと思う。
しっかりと…相談したのか?」
「それにつきましては…夫にすべて、相談済みで御座います」
「そうか…ならば何も申すまい」
王家に提出した書類…真っ赤な偽物なんだけど。
まあ、そっちはギリアムに任せようか…。
「では…観覧席までご案内を…」
ギリアムが指示を出そうとすると、
「ギリアム公爵よ…せっかくですから、王家観覧席にて、色々催しを説明してくれぬか?」
王后陛下が提案してきた…。
……バカ王女が言い出すかと思ったが…、それじゃ避けられると思っているのか…。
少しは頭使うようになったか…。
「……それは構いませんが、私も王立騎士団団長として、催しの最後を飾らねばなりません。
それまででよろしければ…」
「もちろん、それでよい」
「わかりました…それでは…私が直接参ります」
これは…もともとの計画なんだよね。
計画書と内容が…全く違う事を私が問いただされない為には、ギリアムが直接説明した方が
いい。
絶対…バカ王女はギリアムに観覧席に来るように、指定するだろうから…ってね。
ま、王后陛下でも変わらないから、いいんだけど。
「まあ、ギリアム…。
やっぱり王家の事を、しっかり考えてくれているのね」
バカ王女がご満悦そうに、笑顔を向ける。
「私は…王家に仕えている身ゆえ、当然の事かと…」
ギリアムは…無表情を崩さない。
「狩猟大会の時も…怪我をした私を、しっかりと抱きかかえてくれて…本当に心強かったわ」
ここぞとばかりに言ってくるもんだ。
うっとりするなや、気持ち悪ぃ。
……あのさ。
ニョーボが隣にいる状態で…痛々しいと思わんの?
人にどう思われるか、分からんの?
王家よ…。
少しは止めろ!!
私はこの程度、へでもないが…。
王家の利益になる行動を、とっているとはとても思えん…。
最終的にギリアムと結ばれればいいと…思っているのかもしれんが、そうなる前に…心ある人に
見限られる行為だぞ、これ…。
…なんて、ちょっと冷めた目で見つめていたのだが、
「さあさ、ギリアム…。さっさと行きましょう!!」
何だか…勝ち誇ったような顔してた…。
私が悲しんでいると思ったのかな…。
メンド草!!
王家の…取り立ててバカ王女対策も、ギリアムとしっかり話し合ってあるから、ひとまず
あっちは、放置しよう。
私は…フィリアム商会の面々の所へ行き、手筈通りに…と、指示を出す。
手伝いってことで、トールレィ・エリオット両名も来てくれていた。
「何だか…お疲れ様です、オルフィリア公爵夫人…」
さっきの痛々しいの…私と同様、冷めた目で見ていたようだ。
「あちらはギリアムに任せたから、ひとまず私たちは、私たちのやることをやりましょう!!」
「はい!!」
建造物にかかった布を…一気に下ろす準備をする。
一方ギリアムは…。
「こちらが…王家観覧席となります…」
用意した観覧席は…豪華絢爛の一言に尽きる。
調度品は一級品の職人技の粋を凝らした物ばかり。
椅子とテーブルは細かく優雅な細工と彫刻を前面に押し出し、上品な金箔と釉が調和し、
散りばめられた宝石の数々は…それ一つだけ取ったとしても、平民が一生食っていけそうな
額であろうことが、一目でわかる。
その下に敷かれた絨毯も…模様といい、材質といい、文句なしの逸品。
「ご観覧中に…軽食や飲み物も、用意してございます。
いくらでもお申し付けください」
ギリアムが手を叩けば…フォルトがメニューを持って来た。
そこに書かれていたのは…どれもこれも有名な産地より取り寄せた物ばかり。
その上、物珍しいモノだった。
「これは…どれも見たことが無いな…」
国王陛下…かなりまじまじと見ている。
「はい…ただ高級なものでは、王家の方々は見飽きてらっしゃると思いまして…。
高級であることも勿論ですが、とにかく…珍しい物をご用意いたしました」
「では…目新しいモノから、順に持ってきてもらいたいな…」
かなりご満悦だ。
「わかりました…フォルト!!準備しろ」
「はい…」
そして持ってこられた物は…調理法も独特、調味料も独特、見たことも聞いたことも無い
ような物ばかりだった…。
差し当たって驚嘆を受けたのは、料理の盛り付けと飴細工…だ。
前世の世界…。
日本だから、外国だから…というつもりは無いのだけれど。
世界的に見て、日本人の食に対するこだわりと、盛り付けの細かさは…かなり評価が高かった。
その評価の高さを…ファルメニウス公爵家の料理人と、フィリアム商会の料理人に頑張って
再現してもらった。
特に…フィリアム商会では、民間からおしみなくスカウトした人たちが、頑張ってくれて…。
かなり再限度の高い…それでいて美しく細かい飴細工を作ることが出来た。
そして料理の飾りや食材自体の細工も…かなり文句なしの出来栄えまで持ってきてくれた。
私がファルメニウス公爵家に来て…半年足らずなのに、よくぞここまで…と、思った。
いくら…忠誠心厚いとか、恩義に厚いとか言ったって…なかなか出来ることじゃない。
ありがたいよ、本当に…。
古今東西の美しい風景や動植物など…料理の食材と飴細工によって表現し、姿形すら、
従来の料理を逸脱したものとなっている。
それをさらに彩るのは…私が国中を回った時に、地方地方で見て食したもの。
前世の日本にあった…あの食材に似てる、あの食材じゃん…ってのが、まるで埋もれるように
ひっそりと売られていたりしたんだよ。
だから…フィリアム商会を始めてから…それらを適正価格で引き取り、様々な料理を作り出した。
もちろん、製品もね。
「これはすべて…我が妻、オルフィリアがフィリアム商会を始めてから、作り出したものです」
「ほお…オルフィリア公爵夫人がか?」
「はい…。不本意ながら、国中を転々とする生活をしたため…、そこで得た知識や、様々な風習を
しっかり覚えていて…それを時に競合させ、時に融和させ、このような見るも素晴らしきものを…
作り出しましてございます」
それだけじゃ無理だったよ…。前世の知識の賜物だ。
特に日本人は…新しく取り入れたものを、魔改造して、さらに良くすることが、民族的に上手だって
評判だったし…。
御多分に漏れず、私も…だったみたい。
「なるほど…では…オルフィリア公爵夫人が入ってから、フィリアム商会がさらに盛況になったと
いうのは、真実のようだな…」
「ええ…私はあまり、商会に関与していないので…とてもありがたいです」
国王陛下とギリアムのこの会話を、かなり不機嫌そうに聞いていたバカ王女が、
「やだわ、ギリアム…。私だって、その位出来るわよ」
このセリフ…普段のギリアムだったら怒るかもだが、私の台本上待ってました!!だったので、
「おや…そうなのですね。でしたら…ご自分でやってみてはいかがです…。
王女殿下とて、近しい方が商会をやってらっしゃるじゃないですか」
「ななな、何を言い出すんだ、ギリアム公爵!!」
ケイルクスが血相変えて出てきたが、
「おや…そろそろ式典が始まるようですので…私が司会をさせていただきます」
足早に、観覧席の前側に行き、
「王立騎士団の諸君!!近衛騎士団の諸君!!今日はよくぞ参加してくれた!!
心より嬉しく思う!!」
口上を述べ始めるのだった。
ギリアム父の時は…王立騎士団の詰所…。
そのほか…庭園だったり、ファルメニウス公爵家だったり…様々だ。
ただ…基本は王立騎士団はもとより、近衛騎士団が大々的に王都を離れることはできない
から、王都内でやるのが慣例化している。
私が使ったのは…フィリアム商会の施設の…ひろーいグラウンドがある場所。
色々実験するためには…土地が必要だからね。
そこを会場とした。
グラウンドのそこかしこに…大きな建造物とそれを覆う布が、真新しくかかっている。
王立騎士団はすでに、朝早くからその場で待機し、近衛騎士団は…王族も集結するため、
その護衛も兼ねてやってくる。
ああ、念のため言うけど、警備とか王都の治安維持のための、最低限度の人員は残して
来ているよ。
それでも…いつもより結構な人数が集まるんだけどね。
「国王陛下の―――――――――っ!!おなりぃぃ―――――――――っ!!」
入り口にいた警備担当の、拡声器要らずの声が響く。
「ついに…始まりますね、ギリアム…」
「ええ…準備は万端です。
フィリー…、まずは私の好きなように、させてもらいますよ」
「もちろんです。
ただ…何かあれば、私も出ますから…」
私たちは…そんな会話をしつつ、国王陛下をお迎えする。
「国王陛下…この度は、私の結婚催事である、交流会にご出席くださり、誠にありがとう
御座います…。
趣向を凝らしましたので、最後までごゆるりとお楽しみいただきたく、存じ上げます」
私は…口上を述べるギリアムの斜め後ろで頭を垂れていただけだが…。
それでもビシビシ伝わってくる敵意が、見なくてもよくわかったよ。
バカ王女はもちろん、王后陛下も…だろうな。
まあ、しょうがない。
娘贔屓はもちろんだが、娘とギリアムが婚姻すれば、実家の国でも自慢できるだろう
からなぁ…。
いや、結婚は確実だ…みたいなこと、もうすでに吹聴しまくっちまったのかもな…。
ということは、とんだ恥さらしになってるわけだ…。
………心の底から同情できん!!
国王陛下は…今の所ポーカーフェイスが崩れてないから、何とも言えないな…。
「うむ…両名とも顔を上げよ…」
私たちは…顔を上げる。
「遅くなってしまったが、結婚おめでとう、ギリアム公爵よ。
今日は…楽しませてもらう事にする」
本当だったら、もっと色々言いたいのだろうが、狩猟大会のごたごたがあるから、
強くも言えないのだろう…。
犯人まだ、見つかってないしね…結局…。
………………………。
ってか、見つかるとマズくないか?
ケイルクスは全身筋肉痛がまだ治っていないようで、無理な笑顔を作りつつ、言葉はない。
「しかし…オルフィリア公爵夫人よ…」
国王陛下が私の方を向く…。
ほんの半年前まで…考えられなかったなぁ…。
こんな風に言葉を交わせるように、なるとはね…。
去年の今頃私は…冬に備えてもう一稼ぎ…なんて言って、牛乳配達と新聞配達に勤しんで
いたぜ?
「何でございましょう?」
まあ…なっちまったもんは、しゃーない。
「此度の交流会…計画書を読ませてもらったが…随分とギリアム公爵の主義からは、
外れるものと思う。
しっかりと…相談したのか?」
「それにつきましては…夫にすべて、相談済みで御座います」
「そうか…ならば何も申すまい」
王家に提出した書類…真っ赤な偽物なんだけど。
まあ、そっちはギリアムに任せようか…。
「では…観覧席までご案内を…」
ギリアムが指示を出そうとすると、
「ギリアム公爵よ…せっかくですから、王家観覧席にて、色々催しを説明してくれぬか?」
王后陛下が提案してきた…。
……バカ王女が言い出すかと思ったが…、それじゃ避けられると思っているのか…。
少しは頭使うようになったか…。
「……それは構いませんが、私も王立騎士団団長として、催しの最後を飾らねばなりません。
それまででよろしければ…」
「もちろん、それでよい」
「わかりました…それでは…私が直接参ります」
これは…もともとの計画なんだよね。
計画書と内容が…全く違う事を私が問いただされない為には、ギリアムが直接説明した方が
いい。
絶対…バカ王女はギリアムに観覧席に来るように、指定するだろうから…ってね。
ま、王后陛下でも変わらないから、いいんだけど。
「まあ、ギリアム…。
やっぱり王家の事を、しっかり考えてくれているのね」
バカ王女がご満悦そうに、笑顔を向ける。
「私は…王家に仕えている身ゆえ、当然の事かと…」
ギリアムは…無表情を崩さない。
「狩猟大会の時も…怪我をした私を、しっかりと抱きかかえてくれて…本当に心強かったわ」
ここぞとばかりに言ってくるもんだ。
うっとりするなや、気持ち悪ぃ。
……あのさ。
ニョーボが隣にいる状態で…痛々しいと思わんの?
人にどう思われるか、分からんの?
王家よ…。
少しは止めろ!!
私はこの程度、へでもないが…。
王家の利益になる行動を、とっているとはとても思えん…。
最終的にギリアムと結ばれればいいと…思っているのかもしれんが、そうなる前に…心ある人に
見限られる行為だぞ、これ…。
…なんて、ちょっと冷めた目で見つめていたのだが、
「さあさ、ギリアム…。さっさと行きましょう!!」
何だか…勝ち誇ったような顔してた…。
私が悲しんでいると思ったのかな…。
メンド草!!
王家の…取り立ててバカ王女対策も、ギリアムとしっかり話し合ってあるから、ひとまず
あっちは、放置しよう。
私は…フィリアム商会の面々の所へ行き、手筈通りに…と、指示を出す。
手伝いってことで、トールレィ・エリオット両名も来てくれていた。
「何だか…お疲れ様です、オルフィリア公爵夫人…」
さっきの痛々しいの…私と同様、冷めた目で見ていたようだ。
「あちらはギリアムに任せたから、ひとまず私たちは、私たちのやることをやりましょう!!」
「はい!!」
建造物にかかった布を…一気に下ろす準備をする。
一方ギリアムは…。
「こちらが…王家観覧席となります…」
用意した観覧席は…豪華絢爛の一言に尽きる。
調度品は一級品の職人技の粋を凝らした物ばかり。
椅子とテーブルは細かく優雅な細工と彫刻を前面に押し出し、上品な金箔と釉が調和し、
散りばめられた宝石の数々は…それ一つだけ取ったとしても、平民が一生食っていけそうな
額であろうことが、一目でわかる。
その下に敷かれた絨毯も…模様といい、材質といい、文句なしの逸品。
「ご観覧中に…軽食や飲み物も、用意してございます。
いくらでもお申し付けください」
ギリアムが手を叩けば…フォルトがメニューを持って来た。
そこに書かれていたのは…どれもこれも有名な産地より取り寄せた物ばかり。
その上、物珍しいモノだった。
「これは…どれも見たことが無いな…」
国王陛下…かなりまじまじと見ている。
「はい…ただ高級なものでは、王家の方々は見飽きてらっしゃると思いまして…。
高級であることも勿論ですが、とにかく…珍しい物をご用意いたしました」
「では…目新しいモノから、順に持ってきてもらいたいな…」
かなりご満悦だ。
「わかりました…フォルト!!準備しろ」
「はい…」
そして持ってこられた物は…調理法も独特、調味料も独特、見たことも聞いたことも無い
ような物ばかりだった…。
差し当たって驚嘆を受けたのは、料理の盛り付けと飴細工…だ。
前世の世界…。
日本だから、外国だから…というつもりは無いのだけれど。
世界的に見て、日本人の食に対するこだわりと、盛り付けの細かさは…かなり評価が高かった。
その評価の高さを…ファルメニウス公爵家の料理人と、フィリアム商会の料理人に頑張って
再現してもらった。
特に…フィリアム商会では、民間からおしみなくスカウトした人たちが、頑張ってくれて…。
かなり再限度の高い…それでいて美しく細かい飴細工を作ることが出来た。
そして料理の飾りや食材自体の細工も…かなり文句なしの出来栄えまで持ってきてくれた。
私がファルメニウス公爵家に来て…半年足らずなのに、よくぞここまで…と、思った。
いくら…忠誠心厚いとか、恩義に厚いとか言ったって…なかなか出来ることじゃない。
ありがたいよ、本当に…。
古今東西の美しい風景や動植物など…料理の食材と飴細工によって表現し、姿形すら、
従来の料理を逸脱したものとなっている。
それをさらに彩るのは…私が国中を回った時に、地方地方で見て食したもの。
前世の日本にあった…あの食材に似てる、あの食材じゃん…ってのが、まるで埋もれるように
ひっそりと売られていたりしたんだよ。
だから…フィリアム商会を始めてから…それらを適正価格で引き取り、様々な料理を作り出した。
もちろん、製品もね。
「これはすべて…我が妻、オルフィリアがフィリアム商会を始めてから、作り出したものです」
「ほお…オルフィリア公爵夫人がか?」
「はい…。不本意ながら、国中を転々とする生活をしたため…、そこで得た知識や、様々な風習を
しっかり覚えていて…それを時に競合させ、時に融和させ、このような見るも素晴らしきものを…
作り出しましてございます」
それだけじゃ無理だったよ…。前世の知識の賜物だ。
特に日本人は…新しく取り入れたものを、魔改造して、さらに良くすることが、民族的に上手だって
評判だったし…。
御多分に漏れず、私も…だったみたい。
「なるほど…では…オルフィリア公爵夫人が入ってから、フィリアム商会がさらに盛況になったと
いうのは、真実のようだな…」
「ええ…私はあまり、商会に関与していないので…とてもありがたいです」
国王陛下とギリアムのこの会話を、かなり不機嫌そうに聞いていたバカ王女が、
「やだわ、ギリアム…。私だって、その位出来るわよ」
このセリフ…普段のギリアムだったら怒るかもだが、私の台本上待ってました!!だったので、
「おや…そうなのですね。でしたら…ご自分でやってみてはいかがです…。
王女殿下とて、近しい方が商会をやってらっしゃるじゃないですか」
「ななな、何を言い出すんだ、ギリアム公爵!!」
ケイルクスが血相変えて出てきたが、
「おや…そろそろ式典が始まるようですので…私が司会をさせていただきます」
足早に、観覧席の前側に行き、
「王立騎士団の諸君!!近衛騎士団の諸君!!今日はよくぞ参加してくれた!!
心より嬉しく思う!!」
口上を述べ始めるのだった。
70
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
望まぬ結婚をさせられた私のもとに、死んだはずの護衛騎士が帰ってきました~不遇令嬢が世界一幸せな花嫁になるまで
越智屋ノマ
恋愛
「君を愛することはない」で始まった不遇な結婚――。
国王の命令でクラーヴァル公爵家へと嫁いだ伯爵令嬢ヴィオラ。しかし夫のルシウスに愛されることはなく、毎日つらい仕打ちを受けていた。
孤独に耐えるヴィオラにとって唯一の救いは、護衛騎士エデン・アーヴィスと過ごした日々の思い出だった。エデンは強くて誠実で、いつもヴィオラを守ってくれた……でも、彼はもういない。この国を襲った『災禍の竜』と相打ちになって、3年前に戦死してしまったのだから。
ある日、参加した夜会の席でヴィオラは窮地に立たされる。その夜会は夫の愛人が主催するもので、夫と結託してヴィオラを陥れようとしていたのだ。誰に救いを求めることもできず、絶体絶命の彼女を救ったのは――?
(……私の体が、勝手に動いている!?)
「地獄で悔いろ、下郎が。このエデン・アーヴィスの目の黒いうちは、ヴィオラ様に指一本触れさせはしない!」
死んだはずのエデンの魂が、ヴィオラの体に乗り移っていた!?
――これは、望まぬ結婚をさせられた伯爵令嬢ヴィオラと、死んだはずの護衛騎士エデンのふしぎな恋の物語。理不尽な夫になんて、もう絶対に負けません!!
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる