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第2章 火事
10 敵の策略と、人の気持ち
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「物資の分配は大丈夫そうね。
あとは…地区区分と必要な物を、聞いてきてちょうだいね。
統計は大事だから、それも忘れないで」
私は今日…フィリアム商会に来て、避難民の物資の確認と、続々と出来上がってきている
仮設住宅へ常時移す人の選別を行っていた。
私のそばには…スペードが。
ジェードも来たがったのだが、リタナとタリナを見張る役…どうしても感情を感じ取れる
人間の方がいい…と、説得した。
渋々…本当にしぶしぶ了承したジェードと、ハートを置いてきた。
ジョーカーとダイヤには他の任務。
クローバは…。
「奥様、奥様ぁ!!こっちの荷物、運び終わりましたぁ~」
一緒に来ている。
力持ちゆえ、搬送の手伝いをお願いした。
「ご苦労様…ちょっと休憩しましょう」
私は、総括部の部屋へと3人で行き、お茶を入れる。
「お、奥様!!オレがやりますよ!!」
スペードが名乗り出てくれたが、
「いいの、いいの。
割と手酌が好きなのよ、2人は仕事があるんだから」
そう言って笑うと…一応引っ込んだ。
……ちょっと寂しそうなのは、気のせいかな…。
「それにしても…協力していたギルドマスターの処刑から…動きが無いのが気になり
ますね…」
スペードが、お茶菓子を運んでくれた。
「あれ見てもう、撤退したんじゃないですかぁ?
恐れをなして!!」
お茶菓子をバクバク食べる、クローバ。
「コラ!!テメェ!!奥様の為に用意したんだぞ!!
ラディルスのギルドは、そんなにやわじゃねぇよ!!」
スペードがクローバを睨むが、クローバは気にしていない。
「失礼します」
その声と共に、入ってきたのはラルトだ。
「あ、ラルトもご苦労様~。
お茶飲む?お茶菓子も美味しいよ~」
だが、能天気な私と違い、ラルトはかなり暗い表情だ。
「……何があったの?」
すると、スペードとクローバをちらりと見つつ、
「一応…まだ表面化していないようですが…、お耳に入れておいた方が良いかと…」
かなり言いずらそう。
これで少し…ピンときた。
「いいわ、言って!!
ああ、護衛の二人は下げる必要ないわよ。
アナタに何かすることは無いわ」
「まあ…何かされるとは思っていませんが…」
ラルトは本当に、質が良いねぇ。
「ファルメニウス公爵家の敷地で保護されていた人たちを、一部引き取ったのですが…、
その人たちから、フィリアム商会に申し入れがありましてね。
奥様の私兵は、奥様の寵愛をいい事に、ずっと真面目に勤めている護衛騎士を、不当に
迫害している…と」
これを聞いた時の私は…怒りは沸いたが、心の中は…波一つない水面の如く、静かだった。
そう来たか…と。
「なんだそりゃ!!事実無根だ!!」
「落ち着いて、クローバ…。
事実無根なのは、みんなわかっているわ」
さて…どうするか…。
「何かしら、やってくるとは思いましたが…こう来ましたか」
スペードは…冷静だね、良かった。
「ラルト…ひとまずそれについては、直接言ってきた人には、事実無根だと言う必要が
あるけど…噂であるなら、放置でいいわ」
「……わかりました」
ラルトはそれだけ言うと、そそくさと部屋を出てしまった。
「お、奥様!!あいつ等倒しに行かないと!!」
1人気負うクローバに、
「必要ないわ」
とだけ、言う私。
「へ?」
「お前は少し、頭を使え!!
オレらが奥様の悪評を流した時と…同じことをするつもりですね、奥様…」
「そうよ…、さすがにわかっているわね」
スペード…本当に優秀だよなぁ。
場末で使い捨てにされてていい人材じゃ、絶対ない。
「ギリアムはね…アナタ達の働きを、正当に評価して皆の前で言っているハズよ。
だから…そう言った噂を聞いたら、普通は否定すると思う…」
「でも…もしあなた達を追い落としたいと、思っていたら…むしろ利用するハズ」
「実力本位主義だからこそ、実力が伴わないなら、下がるべきだし、追い落とされても
しょうがないんだけど…」
「不当にやる人間を…ファルメニウス公爵家は評価しない」
私はここまで言って、お茶をゴクリ。
「まあ、何が不当かは…難しい所だけど。
私とギリアムの考えは、おおむね一致しているから…」
その夜…私はギリアムの書斎に関係者を集めた。
ギリアム・私・フィリー軍団だ。
「なるほど…そんなことになっていたか」
ギリアムの眉間に深ーい皺が。
「ええ…ですから、これで護衛騎士や使用人がどう出るか…。
少々様子を見たいと思います」
そもそもテストのつもりもあったからね…。
丁度良し。
「しかし…皆は正当な評価を、下せると思っているんだがな…」
「そうですね…、私もそう信じていますよ…。
ですが、人間の付き合いに、永遠は無いとも思っています。
昔は良かったけど…や、昔はダメだったけど今は…などと言うのは、どうしても起こりえます。
それを起こさないようにするためには…お互いの努力が必要かと」
そこまで言って、私は改めて皆の方を向き、
「そういう訳だから…みんなも様子を見てくれる?
あんまり酷いのがあったら言って!!
対応するから」
「大丈夫ですよ、慣れてますから~」
笑顔であっさり答えるみんなだが、
「確かにお前たちだったら、そうかもしれないが…。
慣れているのと、痛くないのは別物だ。
昔ジェードにも言ったが…、あからさまに侮辱されて、黙っていることは無い。
そもそもそういった人間を、置いておきたくはないから、知らせてくれるとこちらも助かる」
私より先に、ギリアムが出た。
すると…少し…その場の空気が止まったが、
「ありがとうございます…ご当主様…」
代表で答えたジョーカーと一緒に、みんながお辞儀をした。
「失礼いたします」
キリのいい所で、タイミングよくフォルトの声が。
入ってきたフォルトの隣に…ラルトもいる。
「ラルト…今日はご苦労様…どうだった?」
「ひとまず…直接言ってきた人間には、訂正しておきました。
噂自体は出だしたばかりの様で…、市勢を騒がせるほどではないです。
まあ…ファルメニウス公爵家の事ゆえ、あまりあからさまには言えないと思いますがね」
そそくさと出て行ったラルトは…見事に私のして欲しい事をしてくれた。
「フォルトは…何か言いたいことがあるようだな?」
ラルトの横に表情無く立っていただけのフォルトに、ギリアムが話しかける。
ギリアムとフォルトって…まさに以心伝心だよなぁ…。
「護衛騎士や使用人たちの間で…やはり意見が分かれています。
大半は…ギリアム様の評価を、しっかり支持してくれていますが…やはり、奥様が私兵ばかりを
起用すること…不満に思っている者も一部おります」
「……私がやりたいことの為には、彼らが適任なんだけどな…」
「それも重々説明しておりますが…」
まあ、口での説明だけじゃ限界がある。
「あのさ…不満に思っているのって…誰?
結構な人数がいるようには聞こえなかったけど」
するとフォルトは少し…間をおいてから、
「例の2人と…あと、3人ほどおります…」
「5人全員、護衛騎士?」
「いえ…3人が護衛騎士で…2人はメイドです」
「なるほどね…、今まで私の一番近くにいるのは…エマだったからね。
でも、最近はハートをそばに置くために、訓練を始めたから…それもありそう」
世知辛いが、世の中って…こういうもんなんだよなぁ。
「奥様が重々お話をされていますが…」
「仕方ないわ。人間は感情の生き物だから」
本当そう…。
特に…嫉妬に代表される、負の感情は厄介。
私はすべての情報を加味して…一つやってみることにした。
「わかったわ…それじゃあ…。
フィリー軍団は明日全員集合して、私に付き合って」
私の決定にフィリー軍団は喜んだ。
久々だからね、全員集合。
「あと…特に不満に思っているその5人…明日私とフィリー軍団と一緒に行動してもらうわ」
私の決定に…みなが驚いた。
「論より証拠!!見せてしまったほうが早いから!!」
この私の決定が、吉と出るか凶と出るか…けど、どちらにしても、後悔しないよ、私!!
あとは…地区区分と必要な物を、聞いてきてちょうだいね。
統計は大事だから、それも忘れないで」
私は今日…フィリアム商会に来て、避難民の物資の確認と、続々と出来上がってきている
仮設住宅へ常時移す人の選別を行っていた。
私のそばには…スペードが。
ジェードも来たがったのだが、リタナとタリナを見張る役…どうしても感情を感じ取れる
人間の方がいい…と、説得した。
渋々…本当にしぶしぶ了承したジェードと、ハートを置いてきた。
ジョーカーとダイヤには他の任務。
クローバは…。
「奥様、奥様ぁ!!こっちの荷物、運び終わりましたぁ~」
一緒に来ている。
力持ちゆえ、搬送の手伝いをお願いした。
「ご苦労様…ちょっと休憩しましょう」
私は、総括部の部屋へと3人で行き、お茶を入れる。
「お、奥様!!オレがやりますよ!!」
スペードが名乗り出てくれたが、
「いいの、いいの。
割と手酌が好きなのよ、2人は仕事があるんだから」
そう言って笑うと…一応引っ込んだ。
……ちょっと寂しそうなのは、気のせいかな…。
「それにしても…協力していたギルドマスターの処刑から…動きが無いのが気になり
ますね…」
スペードが、お茶菓子を運んでくれた。
「あれ見てもう、撤退したんじゃないですかぁ?
恐れをなして!!」
お茶菓子をバクバク食べる、クローバ。
「コラ!!テメェ!!奥様の為に用意したんだぞ!!
ラディルスのギルドは、そんなにやわじゃねぇよ!!」
スペードがクローバを睨むが、クローバは気にしていない。
「失礼します」
その声と共に、入ってきたのはラルトだ。
「あ、ラルトもご苦労様~。
お茶飲む?お茶菓子も美味しいよ~」
だが、能天気な私と違い、ラルトはかなり暗い表情だ。
「……何があったの?」
すると、スペードとクローバをちらりと見つつ、
「一応…まだ表面化していないようですが…、お耳に入れておいた方が良いかと…」
かなり言いずらそう。
これで少し…ピンときた。
「いいわ、言って!!
ああ、護衛の二人は下げる必要ないわよ。
アナタに何かすることは無いわ」
「まあ…何かされるとは思っていませんが…」
ラルトは本当に、質が良いねぇ。
「ファルメニウス公爵家の敷地で保護されていた人たちを、一部引き取ったのですが…、
その人たちから、フィリアム商会に申し入れがありましてね。
奥様の私兵は、奥様の寵愛をいい事に、ずっと真面目に勤めている護衛騎士を、不当に
迫害している…と」
これを聞いた時の私は…怒りは沸いたが、心の中は…波一つない水面の如く、静かだった。
そう来たか…と。
「なんだそりゃ!!事実無根だ!!」
「落ち着いて、クローバ…。
事実無根なのは、みんなわかっているわ」
さて…どうするか…。
「何かしら、やってくるとは思いましたが…こう来ましたか」
スペードは…冷静だね、良かった。
「ラルト…ひとまずそれについては、直接言ってきた人には、事実無根だと言う必要が
あるけど…噂であるなら、放置でいいわ」
「……わかりました」
ラルトはそれだけ言うと、そそくさと部屋を出てしまった。
「お、奥様!!あいつ等倒しに行かないと!!」
1人気負うクローバに、
「必要ないわ」
とだけ、言う私。
「へ?」
「お前は少し、頭を使え!!
オレらが奥様の悪評を流した時と…同じことをするつもりですね、奥様…」
「そうよ…、さすがにわかっているわね」
スペード…本当に優秀だよなぁ。
場末で使い捨てにされてていい人材じゃ、絶対ない。
「ギリアムはね…アナタ達の働きを、正当に評価して皆の前で言っているハズよ。
だから…そう言った噂を聞いたら、普通は否定すると思う…」
「でも…もしあなた達を追い落としたいと、思っていたら…むしろ利用するハズ」
「実力本位主義だからこそ、実力が伴わないなら、下がるべきだし、追い落とされても
しょうがないんだけど…」
「不当にやる人間を…ファルメニウス公爵家は評価しない」
私はここまで言って、お茶をゴクリ。
「まあ、何が不当かは…難しい所だけど。
私とギリアムの考えは、おおむね一致しているから…」
その夜…私はギリアムの書斎に関係者を集めた。
ギリアム・私・フィリー軍団だ。
「なるほど…そんなことになっていたか」
ギリアムの眉間に深ーい皺が。
「ええ…ですから、これで護衛騎士や使用人がどう出るか…。
少々様子を見たいと思います」
そもそもテストのつもりもあったからね…。
丁度良し。
「しかし…皆は正当な評価を、下せると思っているんだがな…」
「そうですね…、私もそう信じていますよ…。
ですが、人間の付き合いに、永遠は無いとも思っています。
昔は良かったけど…や、昔はダメだったけど今は…などと言うのは、どうしても起こりえます。
それを起こさないようにするためには…お互いの努力が必要かと」
そこまで言って、私は改めて皆の方を向き、
「そういう訳だから…みんなも様子を見てくれる?
あんまり酷いのがあったら言って!!
対応するから」
「大丈夫ですよ、慣れてますから~」
笑顔であっさり答えるみんなだが、
「確かにお前たちだったら、そうかもしれないが…。
慣れているのと、痛くないのは別物だ。
昔ジェードにも言ったが…、あからさまに侮辱されて、黙っていることは無い。
そもそもそういった人間を、置いておきたくはないから、知らせてくれるとこちらも助かる」
私より先に、ギリアムが出た。
すると…少し…その場の空気が止まったが、
「ありがとうございます…ご当主様…」
代表で答えたジョーカーと一緒に、みんながお辞儀をした。
「失礼いたします」
キリのいい所で、タイミングよくフォルトの声が。
入ってきたフォルトの隣に…ラルトもいる。
「ラルト…今日はご苦労様…どうだった?」
「ひとまず…直接言ってきた人間には、訂正しておきました。
噂自体は出だしたばかりの様で…、市勢を騒がせるほどではないです。
まあ…ファルメニウス公爵家の事ゆえ、あまりあからさまには言えないと思いますがね」
そそくさと出て行ったラルトは…見事に私のして欲しい事をしてくれた。
「フォルトは…何か言いたいことがあるようだな?」
ラルトの横に表情無く立っていただけのフォルトに、ギリアムが話しかける。
ギリアムとフォルトって…まさに以心伝心だよなぁ…。
「護衛騎士や使用人たちの間で…やはり意見が分かれています。
大半は…ギリアム様の評価を、しっかり支持してくれていますが…やはり、奥様が私兵ばかりを
起用すること…不満に思っている者も一部おります」
「……私がやりたいことの為には、彼らが適任なんだけどな…」
「それも重々説明しておりますが…」
まあ、口での説明だけじゃ限界がある。
「あのさ…不満に思っているのって…誰?
結構な人数がいるようには聞こえなかったけど」
するとフォルトは少し…間をおいてから、
「例の2人と…あと、3人ほどおります…」
「5人全員、護衛騎士?」
「いえ…3人が護衛騎士で…2人はメイドです」
「なるほどね…、今まで私の一番近くにいるのは…エマだったからね。
でも、最近はハートをそばに置くために、訓練を始めたから…それもありそう」
世知辛いが、世の中って…こういうもんなんだよなぁ。
「奥様が重々お話をされていますが…」
「仕方ないわ。人間は感情の生き物だから」
本当そう…。
特に…嫉妬に代表される、負の感情は厄介。
私はすべての情報を加味して…一つやってみることにした。
「わかったわ…それじゃあ…。
フィリー軍団は明日全員集合して、私に付き合って」
私の決定にフィリー軍団は喜んだ。
久々だからね、全員集合。
「あと…特に不満に思っているその5人…明日私とフィリー軍団と一緒に行動してもらうわ」
私の決定に…みなが驚いた。
「論より証拠!!見せてしまったほうが早いから!!」
この私の決定が、吉と出るか凶と出るか…けど、どちらにしても、後悔しないよ、私!!
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