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第4章 収拾
2 初代の構え
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「以上が…この一連の大火災の事の顛末だ…」
今日…ギリアムと私は…大火災の真実を説明する…として、関係者を呼んだ。
王立騎士団師団長とテオルド卿。
近衛騎士団からはローエン卿とローカス卿、ベンズ卿、エトルも来てる。
そしてフィリアム商会総括部とツァリオ閣下。
フィリー軍団とイシュロも後ろに控えた。
あ、手伝いとしてフォルトも一緒だ。
ギリアムから説明されたが…まあ、皆、見事に信じられないと言いたげな顔だ。
当たり前だけど。
「初代の構え…ケイシロンには、伝わっとらんな…」
ローエンじい様…顎に手を当てて、考え込んでる。
「まあ…分岐した時点で、無くなったのか、あえて継がなかったのか…。
そもそも初代については…神話的な部分があまりに多すぎる…というのが、今の学者の
総意のようですから…」
そうね…。
私も初代の伝記とか記述を読んで…そう感じた。
「ただ…フィリーと色々話をして…今回この初代の構えにまつわる、懸念事項が発生しました
ので…火災の説明と共に、話しておこうと思いました。
ツァリオ閣下は武ではありませんが、ジョノァドと関りがありましたから、また何かないように
お話しようと思いました」
ガルドベンダ公爵家も、庭園開放し避難民を受け入れただけでなく、突発の法案通して、
救済措置をしたからね。
火災について聞く権利が、十分ある。
「感謝する…。
物事は繋がっていないようで、様々な所で繋がっているから…な」
ため息ついてるよ…。
致し方ない理由とは言え、ジョノァドと手を組んだこと…本当に後悔しているんだなぁ。
「なあ…そのシェッツってやつ…捕まえられなかったのか?」
ローカス卿…いつものギリアムらしくないって、言いたいんだろうな。
ギリアムの基本理念は…捕まえて罪を把握させたうえで、罰する…だからな。
「…それについても、初代の構えにまつわることに類するんだ。
今から説明する」
ギリアムは立ち上がると、
「まず…この初代の構えには…3段階存在する。
第1段階が、シェッツが行っていたもの…。
第2段階が、私がシェッツを倒すために、使ったものだ」
ローカス卿以下、みんなの頭に?が浮かぶ。
「初代の構え…第1段階はいわば準備期…」
ここでギリアムの言葉が少し切れる…。
まあ、気持ちは私もわかる。
「いわゆる準備運動だ。体を慣らしている最中…と、思ってくれ」
「!!!!」
そうなんだよね…、体を慣らしている最中で…シェッツレベルに強いとは…と、私も思った。
「第2段階が…私が行った覚醒期…、相手の攻撃を受けたことによって、筋肉が活性化し、
より強力な筋力が出せるようになる。
私は…準備運動の時間はなしと判断したから、シェッツの攻撃を致命傷を避ける形で受け、
一気に第2段階に持って行った」
「さ、さらに上があるのかよ…」
「ああ、第3段階…怒張期とでも呼ぶが…、これは発動には己の命を脅かされると判断された
場合にのみ起こるらしい…。
私も初代の伝記と、記述でのみ確認したが…」
ギリアム…また言葉を切る。
「この状態になると…更なる筋力の上昇及び身体能力の向上だけでなく…思考そのものが獣に
なってしまうそうだ」
「???どういう事だ?」
「つまり…敵を倒すまで、戦いを止めないと言う事さ…」
なんだが…みんなの言葉が無くなっちゃった。
「倒す…とは、降参させることか?
それとも…命を奪うまで止まらんのか?」
ローエンじい様は…流石肝がすわってる。
「それについては…大変記録があいまいでして…。
そもそも初代も第3期になったのは、公式的には2回…本当に記述があいまいなのです」
静まり返ったよ…。
「まあ…でもさ、初代の事については…後世の創作が多いって言われているよな…」
ローカス卿…笑い話にした気な顔で、ギリアムに言ってら。
「……私も自分でやってみなければ、そう思ったかもしれんが…」
まあ、無理もない。
あの場を見ていない人たちには…容易に想像できるものではない。
「そうじゃな、論より証拠!!
やってみせぇ、ギリアム坊主!!ローカス!!相手をせぇ!!」
さすがに話が早いな、ローエンじい様。
演習場に移る。
演習場は…周りに武器が並べてあって、中心に大人の腰の高さの演習台がある。
決闘や演武など、全て演習台で行う。
広さは…テニスコート2面分が楽に入る。
ルールはおおむね一緒。
相手を気絶させるなど、行動不能にするか、降参させるか…もしくは演習台の下に
落とすこと。
「ローカス卿だけじゃなく…、師団長とベンズ卿も一緒に来い」
と、ギリアムが。
「なんじゃと?」
これには…流石のローエンじい様も驚いた様子。
「この初代の構えは…もともと一対多数を相手にするためのものだ。
初代がこの構えを一対一で使うのは…相手が自分より強いと認識した時だけだったらしい」
「テメェはホンット、嫌味だよなぁ~」
ローカス卿…青筋立ててる。
で、ギリアム対7人の戦いになった…。
「大丈夫なんですか?」
ツァリオ閣下がさすがに口を出した。
まあ、7人ったって、雑魚じゃないからなぁ…。
「知らん!!自分で言ったんじゃから、責任はとるじゃろ?
テオルド!!号令をかけろ!!」
テオルド卿が…審判役だ。
「団長…剣はお持ちにならないので?」
騎士の決闘に…剣を持たないなんて、あり得ないからな…。
「必要ない…暗器ぐらい持つ場合もあったらしいが、基本的にこの構えは…体一つでやるものだ」
「はあ…」
みんな…木刀とはいえ、持っているからね。
「では…双方、準備はいいか!!」
この号令で…双方が構えを取る。
「!!」「!?」「??」
ここで…7人全員の驚きが、見事に顔に出た。
まあそうだろう。
ギリアムは…片手を地面につけ、もう片方の肘を曲げ、宙に浮かせる。
腰を限りなく落とし…足の一方を曲げ、一方を伸ばし…さながら獣にしか見えないポーズを取った。
「驚いたな…聞いていた通りとは…」
聞くのと実際見るのとは…やはり違うんだな。
ローエンじい様なんて、教える立場でもあるんだから、体の構造上…不利でしかない事、わかるん
だろうな。
テオルド卿も…一瞬迷ったらしいが、そこはそこ。
「はじめぇっ!!」
大きな声と共に、皆に緊張が走った。
……が。
ギリアムは…動かない。
だが…7人も手練れであるが故、攻撃しない。
得体のしれないモノには…不用意に近づかない…ってことだろう。
ギリアムは…どうして動かないのか…。
私は達人じゃないけれど…、野生の獣と同じと見れば…、なんとなくわかった。
隙を…伺っているんじゃないか…。
それも…素人じゃぁ…凡人じゃあとてもわからないレベルでの、隙を…。
私のその考えを裏付けるように…勝負は一瞬だった。
ギリアムが動いた…私にそう見えた時には、ほぼ勝負は終わっていたと言っていい。
複数を相手に対して…だ。
後にギリアムが解説してくれたところによると…。
人間には…達人と言えど、行動しようとすると、僅かな呼吸の変化と、筋肉の…準備運動の
ような躍動があると言う。
それが起きた時を…おそらくコンマの下に0がいくつもつく状態で、判別し相手が動作に移る
前に…攻撃するそうだ。
そして私が…シェッツのポーズがギリアムのそれと…似ているようで違うと思った最大の
理由は…ギリアムが第1段階であっても、ノーリアクションで動いたからだ。
シェッツは…一度腰を深く屈めるのが、私にもわかったが、ギリアムは…それが無い。
ギリアムは…瞬間移動でもしたかの如く、気づいたら7人の中に…いた。
最初に犠牲になったのは、ローカス卿…。
ギリアムに足を掴まれ、バランスを崩されたのだが…そのまま一回転したギリアムに、ぶん投げ
られて、ローカス卿の体は、ベンズ卿に叩きつけられた。
ベンズ卿は間違いなく足腰鍛えている人だろうが…、大の大人一人、凄い勢いで投げつけられたら、
さすがに…一緒に吹き飛んだ…演習台の外まで。
師団長は…と言うと。
やはり反応速度は達人のそれのため、ローカス卿を投げつけた直後、リグルド卿がギリアムの背に
切りかかったのだが…。
ギリアムは当然見透かしたように、リグルド卿の切っ先をかわし、返す刀のようにリグルド卿の
上腕に噛みついた。
その体勢のまま、ギリアムは前転して、その勢いでリグルド卿の体を、ほぼ並行線上に並んでいた
レオニール卿とヴァッヘン卿に、投げつけた。
二人同時とはいえ、遠心力で勢いがついていた人間の体を…受け止めることは想定していなかった
ため、やはりそのまま、演習台の外まで3人まとめて吹き飛んだ。
残るは…デイビス卿とガイツ卿…。
何が起こったかわからずとも、異様な状況であることは、理解できる…。
というか、理解する間も無かっただろう。
外に吹き飛ばされた者たちが落とした木刀を…まるで矢のように足に投げつけられた2人がバランスを
崩すと…。
その期を逃さず、デイビス卿の首を腕に変え込み、ガイツ卿の体めがけて投げつけた。
しかし…ガイツ卿は予想していたのか、威力が弱かったのか、吹き飛ぶことなく、デイビス卿を
受け止める形で止まった。
だが…ギリアムはその間に、ガイツ卿の後ろに回り込み…、後ろから羽交い絞めにする形で、
デイビス卿ごと、ガイツ卿の体を投げ飛ばした。
2人揃って演習台の外に落ちたため…これで決着した…。
この間…1分どころか、30秒も…経っていなかったと思う…。
今日…ギリアムと私は…大火災の真実を説明する…として、関係者を呼んだ。
王立騎士団師団長とテオルド卿。
近衛騎士団からはローエン卿とローカス卿、ベンズ卿、エトルも来てる。
そしてフィリアム商会総括部とツァリオ閣下。
フィリー軍団とイシュロも後ろに控えた。
あ、手伝いとしてフォルトも一緒だ。
ギリアムから説明されたが…まあ、皆、見事に信じられないと言いたげな顔だ。
当たり前だけど。
「初代の構え…ケイシロンには、伝わっとらんな…」
ローエンじい様…顎に手を当てて、考え込んでる。
「まあ…分岐した時点で、無くなったのか、あえて継がなかったのか…。
そもそも初代については…神話的な部分があまりに多すぎる…というのが、今の学者の
総意のようですから…」
そうね…。
私も初代の伝記とか記述を読んで…そう感じた。
「ただ…フィリーと色々話をして…今回この初代の構えにまつわる、懸念事項が発生しました
ので…火災の説明と共に、話しておこうと思いました。
ツァリオ閣下は武ではありませんが、ジョノァドと関りがありましたから、また何かないように
お話しようと思いました」
ガルドベンダ公爵家も、庭園開放し避難民を受け入れただけでなく、突発の法案通して、
救済措置をしたからね。
火災について聞く権利が、十分ある。
「感謝する…。
物事は繋がっていないようで、様々な所で繋がっているから…な」
ため息ついてるよ…。
致し方ない理由とは言え、ジョノァドと手を組んだこと…本当に後悔しているんだなぁ。
「なあ…そのシェッツってやつ…捕まえられなかったのか?」
ローカス卿…いつものギリアムらしくないって、言いたいんだろうな。
ギリアムの基本理念は…捕まえて罪を把握させたうえで、罰する…だからな。
「…それについても、初代の構えにまつわることに類するんだ。
今から説明する」
ギリアムは立ち上がると、
「まず…この初代の構えには…3段階存在する。
第1段階が、シェッツが行っていたもの…。
第2段階が、私がシェッツを倒すために、使ったものだ」
ローカス卿以下、みんなの頭に?が浮かぶ。
「初代の構え…第1段階はいわば準備期…」
ここでギリアムの言葉が少し切れる…。
まあ、気持ちは私もわかる。
「いわゆる準備運動だ。体を慣らしている最中…と、思ってくれ」
「!!!!」
そうなんだよね…、体を慣らしている最中で…シェッツレベルに強いとは…と、私も思った。
「第2段階が…私が行った覚醒期…、相手の攻撃を受けたことによって、筋肉が活性化し、
より強力な筋力が出せるようになる。
私は…準備運動の時間はなしと判断したから、シェッツの攻撃を致命傷を避ける形で受け、
一気に第2段階に持って行った」
「さ、さらに上があるのかよ…」
「ああ、第3段階…怒張期とでも呼ぶが…、これは発動には己の命を脅かされると判断された
場合にのみ起こるらしい…。
私も初代の伝記と、記述でのみ確認したが…」
ギリアム…また言葉を切る。
「この状態になると…更なる筋力の上昇及び身体能力の向上だけでなく…思考そのものが獣に
なってしまうそうだ」
「???どういう事だ?」
「つまり…敵を倒すまで、戦いを止めないと言う事さ…」
なんだが…みんなの言葉が無くなっちゃった。
「倒す…とは、降参させることか?
それとも…命を奪うまで止まらんのか?」
ローエンじい様は…流石肝がすわってる。
「それについては…大変記録があいまいでして…。
そもそも初代も第3期になったのは、公式的には2回…本当に記述があいまいなのです」
静まり返ったよ…。
「まあ…でもさ、初代の事については…後世の創作が多いって言われているよな…」
ローカス卿…笑い話にした気な顔で、ギリアムに言ってら。
「……私も自分でやってみなければ、そう思ったかもしれんが…」
まあ、無理もない。
あの場を見ていない人たちには…容易に想像できるものではない。
「そうじゃな、論より証拠!!
やってみせぇ、ギリアム坊主!!ローカス!!相手をせぇ!!」
さすがに話が早いな、ローエンじい様。
演習場に移る。
演習場は…周りに武器が並べてあって、中心に大人の腰の高さの演習台がある。
決闘や演武など、全て演習台で行う。
広さは…テニスコート2面分が楽に入る。
ルールはおおむね一緒。
相手を気絶させるなど、行動不能にするか、降参させるか…もしくは演習台の下に
落とすこと。
「ローカス卿だけじゃなく…、師団長とベンズ卿も一緒に来い」
と、ギリアムが。
「なんじゃと?」
これには…流石のローエンじい様も驚いた様子。
「この初代の構えは…もともと一対多数を相手にするためのものだ。
初代がこの構えを一対一で使うのは…相手が自分より強いと認識した時だけだったらしい」
「テメェはホンット、嫌味だよなぁ~」
ローカス卿…青筋立ててる。
で、ギリアム対7人の戦いになった…。
「大丈夫なんですか?」
ツァリオ閣下がさすがに口を出した。
まあ、7人ったって、雑魚じゃないからなぁ…。
「知らん!!自分で言ったんじゃから、責任はとるじゃろ?
テオルド!!号令をかけろ!!」
テオルド卿が…審判役だ。
「団長…剣はお持ちにならないので?」
騎士の決闘に…剣を持たないなんて、あり得ないからな…。
「必要ない…暗器ぐらい持つ場合もあったらしいが、基本的にこの構えは…体一つでやるものだ」
「はあ…」
みんな…木刀とはいえ、持っているからね。
「では…双方、準備はいいか!!」
この号令で…双方が構えを取る。
「!!」「!?」「??」
ここで…7人全員の驚きが、見事に顔に出た。
まあそうだろう。
ギリアムは…片手を地面につけ、もう片方の肘を曲げ、宙に浮かせる。
腰を限りなく落とし…足の一方を曲げ、一方を伸ばし…さながら獣にしか見えないポーズを取った。
「驚いたな…聞いていた通りとは…」
聞くのと実際見るのとは…やはり違うんだな。
ローエンじい様なんて、教える立場でもあるんだから、体の構造上…不利でしかない事、わかるん
だろうな。
テオルド卿も…一瞬迷ったらしいが、そこはそこ。
「はじめぇっ!!」
大きな声と共に、皆に緊張が走った。
……が。
ギリアムは…動かない。
だが…7人も手練れであるが故、攻撃しない。
得体のしれないモノには…不用意に近づかない…ってことだろう。
ギリアムは…どうして動かないのか…。
私は達人じゃないけれど…、野生の獣と同じと見れば…、なんとなくわかった。
隙を…伺っているんじゃないか…。
それも…素人じゃぁ…凡人じゃあとてもわからないレベルでの、隙を…。
私のその考えを裏付けるように…勝負は一瞬だった。
ギリアムが動いた…私にそう見えた時には、ほぼ勝負は終わっていたと言っていい。
複数を相手に対して…だ。
後にギリアムが解説してくれたところによると…。
人間には…達人と言えど、行動しようとすると、僅かな呼吸の変化と、筋肉の…準備運動の
ような躍動があると言う。
それが起きた時を…おそらくコンマの下に0がいくつもつく状態で、判別し相手が動作に移る
前に…攻撃するそうだ。
そして私が…シェッツのポーズがギリアムのそれと…似ているようで違うと思った最大の
理由は…ギリアムが第1段階であっても、ノーリアクションで動いたからだ。
シェッツは…一度腰を深く屈めるのが、私にもわかったが、ギリアムは…それが無い。
ギリアムは…瞬間移動でもしたかの如く、気づいたら7人の中に…いた。
最初に犠牲になったのは、ローカス卿…。
ギリアムに足を掴まれ、バランスを崩されたのだが…そのまま一回転したギリアムに、ぶん投げ
られて、ローカス卿の体は、ベンズ卿に叩きつけられた。
ベンズ卿は間違いなく足腰鍛えている人だろうが…、大の大人一人、凄い勢いで投げつけられたら、
さすがに…一緒に吹き飛んだ…演習台の外まで。
師団長は…と言うと。
やはり反応速度は達人のそれのため、ローカス卿を投げつけた直後、リグルド卿がギリアムの背に
切りかかったのだが…。
ギリアムは当然見透かしたように、リグルド卿の切っ先をかわし、返す刀のようにリグルド卿の
上腕に噛みついた。
その体勢のまま、ギリアムは前転して、その勢いでリグルド卿の体を、ほぼ並行線上に並んでいた
レオニール卿とヴァッヘン卿に、投げつけた。
二人同時とはいえ、遠心力で勢いがついていた人間の体を…受け止めることは想定していなかった
ため、やはりそのまま、演習台の外まで3人まとめて吹き飛んだ。
残るは…デイビス卿とガイツ卿…。
何が起こったかわからずとも、異様な状況であることは、理解できる…。
というか、理解する間も無かっただろう。
外に吹き飛ばされた者たちが落とした木刀を…まるで矢のように足に投げつけられた2人がバランスを
崩すと…。
その期を逃さず、デイビス卿の首を腕に変え込み、ガイツ卿の体めがけて投げつけた。
しかし…ガイツ卿は予想していたのか、威力が弱かったのか、吹き飛ぶことなく、デイビス卿を
受け止める形で止まった。
だが…ギリアムはその間に、ガイツ卿の後ろに回り込み…、後ろから羽交い絞めにする形で、
デイビス卿ごと、ガイツ卿の体を投げ飛ばした。
2人揃って演習台の外に落ちたため…これで決着した…。
この間…1分どころか、30秒も…経っていなかったと思う…。
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