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第1章 茶会
4 濡れ衣だっつーの!
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自らお茶をかぶったフェイラ嬢は…
「キャアアアア!!」
悲鳴を上げる。
わざとらしいねぇ、ま、そりゃそうか。
「どうしたの!!」
いの一番に駆けつけてきたのは…やっぱりクレアだ。
そのあとにルイーズ嬢が続く。
「クレアおねーさま、ルイーズおねーさま!!」
泣きながら二人に抱きついてら。
「どうしたの!!言ってみなさい!!」
「オ、オルフィリア嬢に仲良くなりませんかって近づいたらっ、
アンタなんかと仲良くしたくないって、お茶をかけられたん
です!!」
いつの間にやら他の令嬢も、王女を中心として集まってきていた。
「ひどいです!!ひどいぃ!!私何もやってないのにぃ!!」
わー、人が集まってきたのわかってんだなー。
音量のボリュームが明らかに上がった~。
……ってか、私だって何もしとらんわ!!
「あらまあ、どうしたの!!」
お、タニアおばはんも来たか。
「お母様!!オルフィリア嬢がフェイラにお茶をかけたんです!!
何もしていないのに!!」
すると他の令嬢がまた、騒ぎだした。
「ひどーい」
「最低!」
「やっぱり育ちが悪い人は…」
「噓つきなだけじゃなく、乱暴者なんてね」
うんまあ、予想通り過ぎる。
さてさて、これからどうするか…。
そろそろ本当に、こいつらの茶番に付き合うのも面倒くさくなって
きたし……アッチもそろそろ限界だろーし…。
「オルフィリア嬢!!
こんなひどいことをするなんて、どういう」
「見たのですか!!」
私はクレアの言葉を遮る。
「は…?何言って…」
「私が!!
フェイラ嬢にお茶をかけるところを見たのですか!!」
「ちょっとあなた!!
いい加減、自分の罪はしっかり認め」
「見たのですか!!
私が!!
お茶をかけるところを!!」
罪なすり付けよーとしてくる奴に、遠慮はせんよ。
当然だろ?
言葉が続かないクレアに畳み掛ける。
「私は何もしていません!!
お茶はフェイラ嬢が自分で被ったんです」
「そ、そんなこと、してません!!私!!」
反論してきても無駄だよ、フェイラ嬢。
キミと私以外に誰もいない状況じゃあ、私がお茶をかけたと
確実に証言できるやつぁーいねぇ。
「誰に何と言われようと!!
私は何もしていません。
お茶はフェイラ嬢が実分で被りました。
それが事実です」
「あなたの話が本当なら―――」
おりょ、また出たねバカ王女。
「なぜフェイラ嬢は、そんなことをしたのでしょう?」
あ?なぜそれを私に聞く?
「私にわかるわけがございません。
フェイラ嬢に、聞いてみていただけませんでしょうか?」
「わっ私がそんなことする意味など、何もないです!!
ヒドイです!!オルフィリア嬢」
ヒドイのはどっちじゃ!!
ったくよー。
大泣きするフェイラ嬢に同情したのと、入場した時から…
いや、そもそもギリアムを得たことが気に食わないのだろう
野次馬令嬢が、次々に声を出し始める。
「アナタ、最初から思っていたけど、随分と潔さがないのね!」
「ご自分の罪は、しっかり認めるべきだわ!!」
「だから育ちが悪い方は!!」
「ギリアム様は何でこんな女を!!」
あ~あ、エマがいないからだろーなー。
好き勝手言ってくれちゃって。
いつの間にやら例の3人も、口開いてるし~。
「ちょっと…皆さん落ち着いてくださいな」
野次馬令嬢たちを止めたのは、意外にもバカ王女だ。
「まあでも…困りましたねぇ…」
あん?何が言いたい?
「クレア嬢…。
使用人は、ここに残していなかったのですか?」
「は…はい。
みなプレゼント会場の方の準備と接待に回っておりましたので…」
「ではどちらが正しいか…判断できませんねぇ」
「は…はい…」
へ~、クレアが沈んだってことは、バカ王女が私を庇うような
発言するとは、思ってなかったんだな。
「どうでしょう、オルフィリア嬢」
「はい?」
「この件…私に預けてくださいませんか?」
イミフ!!まじイミフ!!
「悪いようには致しませんので…」
悪いようになる気しかシネー。
バカ王女に預けたら特に…あ、こりゃあれか?
さっきタニアおばはんとのいざこざの時に、私が引いたから、
建国記念パーティーで謝罪したこともあって、自分へのわだか
まりが無くなったとでも思ったのか?
…………………………………あのさ、言っていい?
バカすぎる!!
信頼ってのぁそもそも!!
築くのがすごく大変なうえ、崩れるのは一瞬!!
その上崩れた相手と再構築しようとしたら、最初より何倍も努力
いなきゃいけないし、それでも無理なことあんだぞ!!
ましてしょっぱなっから、仲良くする気なんてサラサラありま
せんって公言した相手に、信頼してもらえると思ってんの?
ま、身分が高いせいで、大抵のことは相手が我慢して自分に従う
ような人間しか相手にしてこなけりゃ、そうなるか~。
それに周りすべてが敵ばっかりの状態で、私の味方になったと
ギリアムに示せれば、もしかしたら近づける口実になるかも~
とか、考えてんのかもな…。
少しは頭使うようになったか…。
それに…さすがにこの状態じゃあ、私も自分を頼らざるを得ない
とでも思ってんのかね~。
特に今、エマいないし。
…………………………………。
甘いよ。
己一人で、周りは全部敵…。
こんな状況が…。
このヘドネの人生に――1度や2度程度だったと思ってんなら…
甘すぎるっつの!!
覚悟できてんだろーな、てめぇら。
このヘドネを舐める気なら…キッチリ代償ってもんは払ってもら
おうじゃないか。
「キャアアアア!!」
悲鳴を上げる。
わざとらしいねぇ、ま、そりゃそうか。
「どうしたの!!」
いの一番に駆けつけてきたのは…やっぱりクレアだ。
そのあとにルイーズ嬢が続く。
「クレアおねーさま、ルイーズおねーさま!!」
泣きながら二人に抱きついてら。
「どうしたの!!言ってみなさい!!」
「オ、オルフィリア嬢に仲良くなりませんかって近づいたらっ、
アンタなんかと仲良くしたくないって、お茶をかけられたん
です!!」
いつの間にやら他の令嬢も、王女を中心として集まってきていた。
「ひどいです!!ひどいぃ!!私何もやってないのにぃ!!」
わー、人が集まってきたのわかってんだなー。
音量のボリュームが明らかに上がった~。
……ってか、私だって何もしとらんわ!!
「あらまあ、どうしたの!!」
お、タニアおばはんも来たか。
「お母様!!オルフィリア嬢がフェイラにお茶をかけたんです!!
何もしていないのに!!」
すると他の令嬢がまた、騒ぎだした。
「ひどーい」
「最低!」
「やっぱり育ちが悪い人は…」
「噓つきなだけじゃなく、乱暴者なんてね」
うんまあ、予想通り過ぎる。
さてさて、これからどうするか…。
そろそろ本当に、こいつらの茶番に付き合うのも面倒くさくなって
きたし……アッチもそろそろ限界だろーし…。
「オルフィリア嬢!!
こんなひどいことをするなんて、どういう」
「見たのですか!!」
私はクレアの言葉を遮る。
「は…?何言って…」
「私が!!
フェイラ嬢にお茶をかけるところを見たのですか!!」
「ちょっとあなた!!
いい加減、自分の罪はしっかり認め」
「見たのですか!!
私が!!
お茶をかけるところを!!」
罪なすり付けよーとしてくる奴に、遠慮はせんよ。
当然だろ?
言葉が続かないクレアに畳み掛ける。
「私は何もしていません!!
お茶はフェイラ嬢が自分で被ったんです」
「そ、そんなこと、してません!!私!!」
反論してきても無駄だよ、フェイラ嬢。
キミと私以外に誰もいない状況じゃあ、私がお茶をかけたと
確実に証言できるやつぁーいねぇ。
「誰に何と言われようと!!
私は何もしていません。
お茶はフェイラ嬢が実分で被りました。
それが事実です」
「あなたの話が本当なら―――」
おりょ、また出たねバカ王女。
「なぜフェイラ嬢は、そんなことをしたのでしょう?」
あ?なぜそれを私に聞く?
「私にわかるわけがございません。
フェイラ嬢に、聞いてみていただけませんでしょうか?」
「わっ私がそんなことする意味など、何もないです!!
ヒドイです!!オルフィリア嬢」
ヒドイのはどっちじゃ!!
ったくよー。
大泣きするフェイラ嬢に同情したのと、入場した時から…
いや、そもそもギリアムを得たことが気に食わないのだろう
野次馬令嬢が、次々に声を出し始める。
「アナタ、最初から思っていたけど、随分と潔さがないのね!」
「ご自分の罪は、しっかり認めるべきだわ!!」
「だから育ちが悪い方は!!」
「ギリアム様は何でこんな女を!!」
あ~あ、エマがいないからだろーなー。
好き勝手言ってくれちゃって。
いつの間にやら例の3人も、口開いてるし~。
「ちょっと…皆さん落ち着いてくださいな」
野次馬令嬢たちを止めたのは、意外にもバカ王女だ。
「まあでも…困りましたねぇ…」
あん?何が言いたい?
「クレア嬢…。
使用人は、ここに残していなかったのですか?」
「は…はい。
みなプレゼント会場の方の準備と接待に回っておりましたので…」
「ではどちらが正しいか…判断できませんねぇ」
「は…はい…」
へ~、クレアが沈んだってことは、バカ王女が私を庇うような
発言するとは、思ってなかったんだな。
「どうでしょう、オルフィリア嬢」
「はい?」
「この件…私に預けてくださいませんか?」
イミフ!!まじイミフ!!
「悪いようには致しませんので…」
悪いようになる気しかシネー。
バカ王女に預けたら特に…あ、こりゃあれか?
さっきタニアおばはんとのいざこざの時に、私が引いたから、
建国記念パーティーで謝罪したこともあって、自分へのわだか
まりが無くなったとでも思ったのか?
…………………………………あのさ、言っていい?
バカすぎる!!
信頼ってのぁそもそも!!
築くのがすごく大変なうえ、崩れるのは一瞬!!
その上崩れた相手と再構築しようとしたら、最初より何倍も努力
いなきゃいけないし、それでも無理なことあんだぞ!!
ましてしょっぱなっから、仲良くする気なんてサラサラありま
せんって公言した相手に、信頼してもらえると思ってんの?
ま、身分が高いせいで、大抵のことは相手が我慢して自分に従う
ような人間しか相手にしてこなけりゃ、そうなるか~。
それに周りすべてが敵ばっかりの状態で、私の味方になったと
ギリアムに示せれば、もしかしたら近づける口実になるかも~
とか、考えてんのかもな…。
少しは頭使うようになったか…。
それに…さすがにこの状態じゃあ、私も自分を頼らざるを得ない
とでも思ってんのかね~。
特に今、エマいないし。
…………………………………。
甘いよ。
己一人で、周りは全部敵…。
こんな状況が…。
このヘドネの人生に――1度や2度程度だったと思ってんなら…
甘すぎるっつの!!
覚悟できてんだろーな、てめぇら。
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おうじゃないか。
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