ひとまず一回ヤりましょう、公爵様 2

木野 キノ子

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第1章 茶会

9 私は大丈夫だってば!ギリアムの方がまずいっしょ!

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怒涛のお茶会が終わりをつげ、私は無事ファルメニウス公爵家へ
帰ってきた。

結局帰ってきてからも、ギリアムは私から離れようとはせず、
引き離そうとするフォルトとエマを、私は抑制した。

「フィリー様…お疲れでは…」

「まあね。
けど、ギリアム様をこのままほっとくほうが、まずいから。
あ、父母には上手く言っといて」

そう言って、夫婦の寝室へ。

実のところ私って人間は、ヤなことがあればあるほど、エッチ
した方が、気が休まるんだよね~。
体力も今のところ大丈夫。

だいたい体使って運動なんて、帰りの馬車の中ぐらいでしかして
ねぇし。

ついでに飯抜きでエッチしたことなんざ、山とある。
人間1日食わんぐらいで、死にゃーせん。

「ギリアム…」

私が何か言う前に、ギリアムは私をベッドに運び、押し倒す。

うん、わかってるよ。
馬車の中のじゃ、足りなかったんだよね。

私のドレスはギリアムが下着も含めて破ったので、私はギリアムの
上着一枚という状態で、ギリアムに抱かれ寝室へときた。

だから、超速で素っ裸にされた。
私の体の前だけでなく、背中にまでキスを落とし、私の全身は
文字通り、花びらを散らしたようになった。
くすぐったくて身じろげば、さらに多くの花びらを落とす。

「だめだ…」

「どうしました?」

「どす黒い感情が…拭っても拭っても湧いてくる…」

「……なぜそれが、悪いことだと思うのですか?」

「だって馬車の中であれだけ…あなたを抱いたのに…。
まだ足りないと…私の中の何かが叫ぶ…」

「ちっとも悪いことではありません。
むしろ私にとっては、嬉しいことです」

「…そんなに私を甘やかさないでください」

「なぜですか?」

「アナタを…壊してしまいたくなる」

またそれかい!!
ムカつくな!!

私はギリアムに向かって、足を開く。

「私は大丈夫ですよ。
嘘だと思うなら、試してください」

「わ…わあ!!
そっそんなカッコを、しないでください!!」

ん~、まだあからさまなカッコはやっぱダメか。
なら、めんどくさいが…。

「だったら…どうやったら私の言っていることを信じてくださる
のですか?」

足を閉じて、下を向いて悲しそうに(演技よ)する。

「な、何であなたが悲しむのですか!!
何も悪くないのに…何も…」

あ、いかん。
さっきの状況と混ざっちゃった。

私はギリアムの頭を掴むと同時に、唇を奪う。

ギリアムは一瞬びくりとしたが、私のいいようにさせてくれたから、
助かる。

私は舌をギリアムの口内に入れ、ゆっくりとゆっくりと愛撫する。
頬の内側、歯茎、舌…。
傷をなめるようにゆっくり…。

これでどのくらい癒されるかは、わからないけど。
私は大丈夫。
あなたの傷を癒したいの…。
本当にそれだけ…。

そんな思いを舌にのせ、ゆっくりじっくり…。

「ぷはっ」

私はわざと一度口を離す。
攻めたら引くのは常套手段よ。

ゆっくりと濃厚に、口内を犯されたギリアムの眼には…。
見事なくらい、欲情の色が出ている。

「私…結構丈夫だって言いましたよね?
ギリアムの方が、辛そうですよ」

色んな意味でね。

ギリアムはまだ私の方に来ない。
じれったいのぉ!!

っつーわけで、もう一度攻める!!

二度の攻めをくらって、さすがのギリアムも…。

「え…ええと、えと…」

少しもじもじていたが、

「ああ、もう!!」

突然私の足を、肩に乗せる形で、体を寄せてきた。

「そ…そんなに言うなら…とりあえず一回ヤりますから…」

おお、今日はいつになく積極的~。

「わかりました、どうぞ」

馬車の中で十分パコパコしていたこともあって、私のナカは
十分ほぐれていた。
ゆえにねじ込まれたギリアムのモノを、すんなりと受け入れた。

先ほど散々やったにも関わらず、私たちはノリノリで腰を動かし
吐息を吐き出す。
ギリアムの責めは思いのほか激しく、私の言葉が真実かを、
怖いなりにも、確認しようとしているようだった。

「んっんっ!!ギリアム!!
すごく!!気持ちいい!!」

だから私は、かなりわかりやすい笑顔を顔に張り付け、言葉でも
ハッキリ喜んでいるのがわかるようにした。

前世の仕事柄、そういうことは日常茶飯事としてやってたし、
そもそもギリアムとのエッチは、マジで気持ちいい。
これでよがるなという方が無理。

「フィリー、あああ、フィリー!!」

ギリアムも絶頂が近いようだ。
私はギリアムの動きに合わせて、ひときわ強く膣内を締める。

「んっ…くっ…」

吐精したギリアムは、荒い呼吸と共に、私に覆いかぶさってきた。

「フィリー…すごく…幸せです」

「私もです、ギリアム。
ねぇ…もっと幸せになりませんか?」

そう言い、ギリアムの顔を両手でつかみ、真っすぐ見つめる。

「…いいの…ですか?」

「はい、もちろん」

ギリアムはほんの一瞬だけ暗い顔をしたが、私の笑顔を再度見て
暗さが消え去った。

うんうん。
最近大分、素直になってきてくれた。
よしよし。

ギリアムが私に抱き着いてきたので、私は抵抗せず、ただただ
幸せな笑顔を向け続けた。
それに安堵したのか、ギリアムは一晩中私を離さず、抱き続けた
のだった。
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